『初恋の日』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
恋と呼んでいいのか分からないくらい、小さな小さな感情があった。でもあれは確かに初めての感情だったと今は思う。
部活の先輩で、委員会も同じだった。部活はあまり活動的ではなかったけど、行事で遅くなってしまった委員会の帰りにはコンビニでお菓子を奢ってくれたりした。部活のメンバーと夏には祭りも一緒に行った。
学校からの帰る方向も似ていて、何回か乗り換えを一緒に帰ったこともある。人付き合いが上手でない私が、隣に並んで歩いたあの時間を苦痛に感じなかった、当時では唯一の人だった。
向こうからしたらただの後輩だろうけど、私にとってはほんの少し特別な人だったんだ。
#42 初恋の日
ぼくは恋をしたことがないし
恋がどういうものなのかも分からないし
知ることのできない人間だ。
だけど一昨年、旗日が無いという理由で
6月に「初恋の日」という
時代に逆行するような祝日ができて
その恩恵にはあずかっている。
雨の音しかしない静かなアパートで
コーヒーを飲みながら本を読んでいる。
仕事から逃れ、
のびのびと休日を満喫している。
でも、それでも。
結局は読書に集中することができなかった。
ため息が、雨音に呑まれて消えてゆく。
今日が一体何を祝う日なのか、
祝日を作った奴らを含め
ぼく以外の人間だって本当のところ
誰一人として分かっちゃいないのだ。
題.初恋の日
今日が初恋の日じゃなくても、
ふとした瞬間にもあなたが過る。
「初恋の日」が本当にあると
島崎藤村ゆかりのものだと聞いた
中学1年生 最初の国語の課題は
藤村の「初恋」を暗誦すること
初めてふれた文語体の新体詩
ロマンチックな響きに
たちまち魅了されてしまった
「まだあげ初めし前髪の
林檎のもとに見えしとき…」
当時の初々しかった気持ちを
まるで初恋のように思い出す
「初恋の日」
#98
【初恋の日】
初めての恋はシュワシュワと弾けてほんのりと甘い、ピーチソーダみたいな味がする。
「そうは言われても、ピーチソーダってそもそもあんまり馴染みがないんだけど」
「え、嘘?! それは絶対、人生損してるよ!」
首を捻った君の言葉に、私は思わず机を手のひらで叩いて力説した。なみなみと注がれたコーヒーの水面に、振動でぴちゃりと波が立つ。喫茶店だったら行儀が悪いと叱られただろうけれど、幸いなことに今日選ばれたのはファミレスだった。ざわざわと騒がしい店内では、多少私が大声を出したところで迷惑になることはない。
「だって売ってないでしょ、普通に。ほら、ここのメニュー見てみなって」
机の片隅に立てられたメニュー表のドリンクのページを、君はわざわざめくって見せてくれた。確かにない。ひどいなぁ、病みつきになるくらい美味しいのに。
「私は毎日でも味わえるから、君にも分けてあげられれば良いんだけど」
「いや、無理でしょ。君のそれは特異体質なんだから」
呆れたように笑う君の表情は、落ち着いついて柔らかい。少しだけ自分の鼓動が速くなったのがわかった。
――私の主食は『感情』だ。いま机の上に並んだケーキは嗜好品に過ぎなくて、感情を食べなければ餓死してしまう。食べる感情は他人のものでも自分のものでも良いのだけれど、最近はもっぱら自分の『初恋』を食べるのがお気に入りだった。
なんせ美味しいうえに栄養価も高い。しかも食べた感情は記憶から失われて『なかった』ことになるから、少し日が経ってまた新しい恋をすれば、それが次の『初恋』になるというわけだ。最強の永久機関、自給自足の極地というやつだろう。
「……なんかさぁ、君に悪意がないのはわかってるけど、君に恋をされる人は可哀想だね。勝手に恋されて、勝手に忘れ去られるんだから」
頬杖をついた君の瞳が、僅かばかり細められていた。笑っているのに笑っていない、そんな寂しげな表情だった。ずきりと心臓が締めつけられるように痛む。だけどそんな本音は隠しきって、私は朗らかに首肯してみせた。
「君がそう言うなら、そうなのかもね。私に恋をされる人はきっと、世界で一番可哀想だ」
いただきますと手を合わせて、パクリと感情を飲み込んだ。口の中でパチパチと炭酸が弾ける。ああ、今日は少しだけほろ苦い大人の甘さだ。
そうして私は今日も忘れ去る。君の優しい笑顔に鼓動が速くなった理由も、可哀想な君へと抱いた罪悪感も、何もかもを失くして、まっさらな感情で君へと屈託なく笑いかけるのだ。
毎日君に初めての恋をして、毎日それを食らって消費して。そうしてきっと明日もまた、私は君に初めての恋をする。
初恋の日
小さい頃、週末にいつも家に来る親戚の叔父さんがいた。
私の両親はあまり子宝に恵まれずようやく生まれた一人娘が私だった。
そのせいもあってか私はとても可愛がれ子供扱いされて育ってきた。
小さい頃の私はそれが嫌でいつも大人ぶっていた。
私が小学校に上がってすぐのある日
いつものようにおじさんが家に来たのだが
その日は少し両親が忙しくしていて私は叔父さんと二人で遊んでいた。
私は私のことを唯一大人として一人の女性として扱ってくれる
叔父さんが大好きだった。
その日はお姫様ごっこをして遊んでいた。
私と叔父さんが両手を繋いでくるくる回るというもので
小さい頃の私はそれを「ぶとうかいのだんす」と呼んでいて
叔父さんとそれをするのはその日が初めてだった。
最初は普通に遊んでいたのだが途中で一度
足を踏み外してしまい転びそうになってしまった。
その時だった。
転びそうになった私を叔父さんはすっと上に持ち上げ
お姫様抱っこをして優しく笑いかけ
「大丈夫かい?お姫様?」
と言ってくれた。
きっとあれが私の初恋だったのだと思う。
それは私が幼稚園に行っていた時、私の誕生日の次の日男の子から年中組の時に告白されて、クラス公認のカップルになった。いつも一緒に手を繋いで遊んだり、おままごとしたりしていた。その男の子の名前は大輔君。
年長組に上がって私な絵本を読んでいたら、先生が
翠ちゃん、だいちゃんが将来翠ちゃんと結婚するって言っていたわよ。よかったねと…
その男の子は私に別れも告げずに、小学校2年生で引越ししてしまった。
高校1年の時友達の中学の卒業アルバムに、幼稚園の時の面影が残っていた大輔君がいた。あの時のままでいてくれた…今、大輔君はどうしているのだろう
〜初恋の日〜
初めて人に恋した日は、幼少期。
初めて人を愛した日は、中学2年生。
あの日は、あなたの全てを知りたくて
ずっとあなたの事を見ていました
授業中ペン回しをするくせも
音楽が好きなところも
全部全部、堪らなく愛おしかったです
〜初恋の日〜
『初恋の日』
「初恋」と聞くと、島崎藤村の詩を思い出す。
この詩を授業で習ったとき、隣の席の男の子の分までノートを取っていた。
隣の席の男の子は不良で、ノートを一切取らなかったから、お節介で勝手に彼の分まで書き写していたのだ。
わたしが、勝手にやっていた事なのに、彼はいつも「おー!ありがとな!」と、言ってくれた。
淡くて幼い初恋だった。
#初恋の日
大好きで…
遠くから見つめるだけで
嬉しくて…
近くですれ違うと
恥ずかしくて…
嬉しくて…
幸せで…
同じ空
同じ空間
同じ空気をすうだけで
それで良かった
頬を染めた
あの素敵な日々…
懐かしき思い
胸に秘めて…
自己紹介で、君は言葉を噛んだ。
みんなは笑って、君も笑った。
そんなどうでもいい瞬間が目に焼き付いて、
今も私の頭から離れない。
楽園【後編】
先程までの穏やかな波とは打って変わって、高台から見下す波は崖の岩を食らいつくそうとするかのように荒々しかった。
体当たりするように突進する潮は、絶壁の前に砕け散り、無念の白い飛沫を上げている。
高さも相当なもので、ここから落ちたら絶対に助からない…。夢だと分かっていてもそう確信させてしまうくらいの迫力があった。
一歩歩を進めてみる。柵はなかった。あと一歩踏み出せば自分はどうなるのか…。
「…いやあ、怖い怖い。戻ろう」
せっかくリフレッシュしに来ているのに、わざわざ怖い思いをすることはない。
浜辺に戻ろうと、崖に背を向けた瞬間、フッと意識が遠くなった。
ふと気付けば、あの日焼けマシーンの中だった。
踊り子のコスチュームを着たスタッフが片手でマシーンの蓋を持ち上げながら尋ねる。
「いかがでしたか?」
「いや、素晴らしいねこれは。時間が足りないくらいだったよ」
「ありがとうございます」
彼女はおざなりの営業スマイルを返してくれた。
「これで今回のパラダイスタイムは終了です。お足元にお気を付けてお帰りください」
出口に案内されてから家路につくまで、私は次は後輩も連れてこようか、それとも内緒にして一人きりで楽しもうか、いい気晴らしが出来たと浮かれていた。私はこの楽園がとても気に入ったのである。
しかし無情にも、このアトラクションはすぐに使用中止になってしまった。
パラダイスタイムの運転中に死亡事故が発生したのである。
家で見たニュースによれば、ある男性がパラダイスタイムの3番(あの美男美女のプールランドのコースだ)のコースを選び、使用中にショック死したらしい。
死亡した男性と一緒に行った彼の友人の話では、パラダイスタイムの常連だったその男性は「今日はめっちゃ高い飛び込み台から飛び降りて、女子たちワーキャー言わしたんねん!」と話していたそうだ。
飛び込み台でショック死…普通飛び込み台からの事故といえば、首の骨を折るなどの外傷からの事故だが、ショック死等もありうるのだろうか。
ぼんやりと考えた後、ふと自分がパラダイスタイム中に見た、高台からの光景を思い出した。
もしあの時、夢だからと侮り崖から歩みを進めていたら…?
自分はどうなっていただろうか?
急に寒気がした。やはりまだまだ寒い。
楽園の夢は、機械に頼らずこれから自分の布団の中で見るとしよう…。
#楽園【完】
僕は同性の親友に恋をした。
気づいたら目が離せなくなり、
気づいたら依存し、相手を傷つけ、
取り返しがつかなくなってた。
初恋の日はいつか分からない。
気づいた時にはもう手遅れだった。
【初恋の日】
#12
今日は君を好きになって何日目だろうか。
君の綺麗なまつ毛と手を見つめながら考える。
そもそも、僕はなんで君を好きになったんだっけ、。
…もうよく覚えてないな。
でも君が世界でいちばん好きってことは
絶対にぜったいに間違ってないよ。
君は、ずっと見つめていた僕に気づいて
“どうかしたの” と僕の方を向いた。
“ああ、そうか”
思い出したよ。
君と居ると自分らしく生きていられるんだ。
いつまでも僕の “初恋” でいてね。
#初恋の日
初恋の日…!?
いつだったかな!?
気付いたら僕は君を好きになっていて、いちいち
そんなの覚えてないな
覚えているのは君と積み重ねて来た思い出だけ…
君はいつでも僕を頼りにして来て、僕も君に頼りに
されるのが 嬉しくて…
時間を戻せるならもう一度あの頃に戻りたい…
初恋の日がいつとか知らないよ。
知ってるわけ無いじゃん。
好きになり始めた日なんて明確にわかるわけ無いし、
叶わないと知りながら、
簡単には終わらせられないんだから。
初恋の日って何、どうやって決まるの。
どうやって知るの。
初恋の人? 変なこと聞くのね。いいけど。
そうね、初恋の相手は、アップルパイみたいな人だった。
あったかくて、さくっと崩れてしまいそうで、それでいてシナモンの効いた、特別な日のアップルパイ。
見た目はふんわりしているのに時々意地悪なことを言う、私の大好きなお姉さんは、うちの隣に住んでいた。
帰りの遅い両親の代わりに、私をかまってくれたお姉さん。お姉さんにだったら、なんでも打ち明けられるような、そんな気がしていた。お姉さんと一緒に焼いたアップルパイは、いつも特別な味だった。
この思いが初恋だって気づいたのは、お姉さんが彼氏を紹介してくれた時。
振られて初めて気づくなんて、小説や漫画の中だけのことだと思ってたのに。さっと血の気が引いたのを、今でもよく思い出すなあ。
——素敵なお姉さんが私だけのものじゃないことくらい、考えればわかるのに。なのに私はいつまでもこんな関係が続くと思ってた。いつまでも二人でいられるような、そんな気がしていた。
全部全部、私が子どもだったからだ。お姉さんは、子守をしていただけだったんだ。
その次の日、私はこっそり一人で、アップルパイを作ってみた。でもお姉さんと一緒に焼いた時のようにはいかなくて。焦げてしまったそれは、とっても苦くて。私は一人、部屋で泣いた。
ん? どうしてそんな顔するの?
いいの、初恋ってそんなものだから。だからあなたもそう、私のことなんて忘れて、早くいい人を探して? こんな意地悪なお姉さんじゃなくて、ね?
書く習慣/33日目。
「初恋の日」…
「恋は唐突だ…」と聞いた事がある
私は、「恋とは何か」「愛とは何か」
まだ理解が浅く良く知らない。
告白された事はあるが…
結局、私に近寄る者は偽りの者だらけ
恋をする事は少ないが、
その相談や話の相手にされる事は多かった
「恋は盲目の麻薬。」
一目惚れし告白が成功し
最初は上手く行ってる2人でも、
所詮は私欲を持つ人間だ…
わかり合えない所もあった…
彼や彼女は、私に愚痴を聞かせるが、
問題を知ってる私にとっては…
泣けば許されると思う女
自分が正しいと叫ぶ男
「皆んなが言ってた」「私が悪いの?」
「それはお前の普通」「面倒くさい奴」
私は、失望した。
期待していた
人間性に…
それを見ていつも思う。
「こんな人間は…理解しえない」
私は理想家だが、
救いを求めるのなら手助けはする…
私は思った、
「恋が実らないんじゃない」
「結局は、知的もない欲で動いてるから」
種を紡ぎ、それを育てようとせず
麻薬の様にすり潰した者が、恋の亡者だと。
まぁ…全員がそうじゃないと理解している
でも、そんな人間がみかける。
・・・この話は別として、
初恋の日か…
私的のイメージだと、
バレンタインとかかな?
春は桜の木下で、
夏は密かな場所で、
秋は紅葉と寄り添い
冬はクリスマスとかなんか…
私にもまともな恋心があれば
一目惚れとかあるのかな…
まぁ、君達には関係ない話さ
私の初恋の日は…多分、
余り記憶力がなくてね忘れっぽい。
中学の時だろうな、
顔は覚えてるが名前は忘れてしまった。
隣の席だったけど……
でも…今思うと、
その無駄な触れ合いは、
私も嬉しかったのだろう…
失望と失楽した考えに少し…
君達の初恋はどんなの?
…甘酸っぱい感じ?
何、例えだよ…
初恋の日が10月30日と言うのは
また初めて知った事だが…
では、また明日…
その初恋は大切な想いだと。
私の初恋は…保育園からの幼馴染だったあの子。
優しくて、そばにいてくれたあの子。
でも、今は誰かの彼氏。
そして、今私にも大切な人がいる。