べし

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恋と呼んでいいのか分からないくらい、小さな小さな感情があった。でもあれは確かに初めての感情だったと今は思う。

部活の先輩で、委員会も同じだった。部活はあまり活動的ではなかったけど、行事で遅くなってしまった委員会の帰りにはコンビニでお菓子を奢ってくれたりした。部活のメンバーと夏には祭りも一緒に行った。
学校からの帰る方向も似ていて、何回か乗り換えを一緒に帰ったこともある。人付き合いが上手でない私が、隣に並んで歩いたあの時間を苦痛に感じなかった、当時では唯一の人だった。

向こうからしたらただの後輩だろうけど、私にとってはほんの少し特別な人だったんだ。

5/7/2023, 11:52:07 AM