『入道雲』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『入道雲』
私は子どもの頃から
空を見ているのが大好きだった。
庭にあった、向かい合わせの
ブランコに一人ですわり
ひたすら空を
刻々と変わっていく雲を
見ているのが好きだった。
一度は見ていたら、吐き気がしてきて。
たぶん夏休みだったと思う。
時計を見たら、なんと二時間も
首を上にあげ空を見ていたのだ。
それは気分も悪くなるだろう。
特に入道雲は真夏になると
とてつもない高さで
空にあらわれる。
真っ白ならだいじょうぶ。
下が黒いとあとでいきなり雨になる。
今でも見ると、ソフトクリーム食べたいなあ、とか
かき氷かな?、とか
いやいや、綿あめでしょう、と、
思いながら入道雲を見ている、食いしんぼうの私。
低いところの雲は、風で流れているのに、入道雲は高いから
びくともしない。
暑いのは苦手だけど、空が、雲が
好きだから、真夏の入道雲は好き。
セミが鳴き、暑さで気が遠くなりそうになって歩いている時、必ず見える雲。それはやっぱり入道雲でないと。
青い空に真っ白なもくもく。
嗚呼夏が来たんだなぁ。
夏を知らせる雲が
好きだった。
青い空に真っ白なもくもく。
嗚呼雷が鳴るのかなぁ。
雷雨をお知らせする雲が
嫌いだった。
青い空に真っ白なもくもく。
今度は何を知らせてくれる?
–入道雲ー
学校の帰りに寄り道で友人と浜辺を歩いていると、空に入道雲があった。
友人も其れに気づいたようで入道雲を見ながら言った。
「雨、降るのかなぁ」
「さぁな....」
「私は降らないでほしいな」
「俺も、降ってほしくないな。お前が家に来るから」
「ひっどぉい!」
「冗談だよ」
青い青空に合う入道雲が雨を降らせるなんて似合わないなぁ。
「入道雲には似合わないね」
............。
「どうしたの?」
「同じこと考えてたからびっくりしただけ」
「フフ!いつもなら入道雲見たら雨が降るから嫌だけど、今日は君がいるからなのかな?綺麗に見えるよ」
「...ふ〜ん、よかったな」
「あれ?照れてる?可愛いね〜」
「ムッ、俺は男!可愛くなんかねぇ!」
「う〜ん、じゃあ、君の目はとても綺麗だね」
「!.....うるせぇよ、ばぁか!」
そう言って、殴った。
「いったぁ!」
「...でも、ありがとな!」
「ツンデレな彼女を持つと大変だなぁ」
「黙れ」
彼とは、友人で有り、恋人だ。
みんなに内緒の、な。
この後、入道雲を見たことをお互い忘れてしまい、酷い雨にあったらしい。
# 48
入道雲を見ると、夏を感じてワクワクするって?
君ってポジティブだね
でも、あれは雷雨や雹を降らすんだせ
涼しくなるからいいって?
君ってほんっとにポジティブだね
えっ? 雷が怖いのかって?
そりゃあまあ、得意じゃないさ
それは君だってそうだろ?
だからさ、つまり僕が言いたいのは、エアコンが効いた部屋の中でのんびりしようよってことなんだけど
入道雲
初めて会った日のことを、あなたは覚えていてくれているでしょうか。
まだ暑くなりきれていない夏の始まりのようなその日、見事な青空ととても立派な入道雲が印象的でした。
突然降りだした豪雨のような、ともすれば通り雨のような雨の中、雨宿りができる場所を探して、走っていました。公園の東屋に着くと、そこには同じように雨宿りをしているあなたがいました。
雨に降られた同士、ちょっぴり気恥ずかしくて、気まずくて、苦く笑い合ったのをよく覚えています。
偶然の出会いは、いつしか必然のものだったと思えてきて、運命だなんて言葉を使ったらあなたは怒るでしょうか。嫌がるでしょうか。
それでも、あの日会えたことが私にとっては忘れられない思い出となったのです。
あなたがそれを見ると「泣きそう」って言うけど、私は何も思わない。
強いて思うのなら「洗濯物平気かな」ぐらいかな
お題「入道雲」
空に広がる入道雲。
明日は雨か、なんて思いつつも信号を渡りきる。
それから少し歩いた頃後ろに気配を感じた。
それは次第に近づいてきて、思わず「背負い投げ」と言いながら投げ飛ばしてしまった。
「い、っ」
「え」
なんとそこに居たのはまさかのI○koさん。
あ、本物に「背負い投げ〜」で投げてしまった。
「ごっごめんなさい!!」
「貴方、、ファスナー開いてるわよぉ」
「( ˙꒳˙ )ファ」
それからあの方は帰って行った。
いやはっず!!
※ご本人様は一切ご関係ありません
#入道雲
僕の日常は毎日が雨模様。
生きてて良かった、なんて思った事は生まれてこの方覚えてる限りでは1度もない。
友達が出来てもいつの間にか嫌われる。
親には捨てられて、顔すら覚えてない。
毎日毎日死にたくて、だけど死ぬ勇気なんかなくて、ただ無気力に生きる。
こんな事ばかり考えてたらまた死にたくなってきた。
あぁ、今日も心の中には入道雲が立ち込めてきた。
「入道雲」
僕は入道雲が苦手だ。
見るたびに恐怖と不安、嫌悪すらも感じるほどに。
いつからだったろうか。
初めからそうだったわけではなかった気がする。
まるで、雲の裏側に「なにか」がいるような気がするから。
プールの帰り道。
クタクタに疲れて見上げた青空の先に、大きな大きな入道雲がある時。
ああ、夏休み真っ只中だなあって感じがして、僕は、好きだ。
「入道雲」
夏の入道雲のあの眩しさは
どんな白よりも輝いている
真昼の太陽の光を反射しながら
心のままに成長を続けて
その雲の頂上がどんどん高くなる
夏空の青は入道雲をさらに美しくする
大きく大きくなった入道雲
やがて雷鳴と共に驟雨となる
すべては夏という季節がみせるドラマ
地上の水蒸気が雲になり成長し
分子の活動は電気を生み光を放つ
誰にも止められない水のエネルギー
心を研ぎ澄ませれば感じるだろう
わたしの傍にあなたの傍に
水の精霊の確かな息吹が
この世界の本当に大切なものは
目には見えない、けれど
手を伸ばせば、そこにいる
目の前に広がる、入道雲。
それはまた、
夏の主役を勝ち取ったかのような、
大きさでした。
そして、
それを背景に1人の少女が何か、
手元の手帳に書き込んでいました。
「筆走る ひとつの空に 爽やかな
風がうつした 夏の情景」
短歌でした。
それは、穏やかな彼女の心中が映し出されているかのような、短歌でした。
ちょうどその時、ひとつの風が吹きました。
まさにその、短歌に出てきたような爽やかな風でした。
その時の、
光景・時間は、
何かの物語の中ではないかと思わせる程、
鮮やかで、美しいものでした。
6月の午後の昼下がり。
たらいに足を浸して涼んでいた。
ゆうびんやさんが走り去る音がした。
ポストを覗くと一枚の絵葉書。
だれからだろう?
胸をはずませながら差出人を見る。
もう会えないと思ったあの人からの手紙。
待ち合わせ場所が書いてある。
こんな嬉しい手紙がかつてあっただろうか。
絵葉書の絵の部分には、青い空、入道雲をバックに
おおきな向日葵も描かれている。
嬉しすぎて、向日葵がにっこり笑っているように見えた。
待ち合わせの7月まで、あとすこし。
なんとも言えない感情に、たらいに浸した足をパタパタさせた。
こどもみたいに。
[入道雲]
じりじりと暑い夏が来る。
年々上がる気温は困りものだが、あの青々とした空の色や、下から立ち上がるように大きな雲の様子を木陰の下から眺めるのが好きだ。
暑ささえ除けば夏が1番好きかもしれない。
〖入道雲〗
ソフトクリームみたいで美味しそう
そう言うと姪っ子はかき氷を食べならがら空を見上げた
いや、食べとるやんかき氷(笑)
あの雲は雨を連れてくる
青空の向こう、荒い白線の雨の日を思い返す
あの音も、あの匂いも
真夏日の気温を含んだ雨粒も
あの雲は雨を連れてくる
花壇の土は穿たれ
梔子が匂い立つ
雲が高く積まれてゆく
「なあ、ちょっと聞いてくれ」
「なによ、どうしたのよ?」
私の隣で歩く彼が、空を見上げながら口を開く。
「入道雲って、美味そうだよな」
「は?食べ物じゃないことくらいその脳みそで分かってるでしょ」
「いやいや、俺は夢を見る男なんだ。俺は今世で絶対入道雲を食べる。」
絶対に食ってやる、みたいな目で彼は語る。
「そう、勝手に頑張れば」
「入道雲をつかめたら、まずはお前に一口差し上げる」
「なにその口調、てかいらないわよ、まずアンタが食べれば?毒味ってやつで」
「優しくないな、でも意外と甘いかもしれないぞ」
「そもそもつかめないけどね」
「でもなんか…アンタならできそうな気がするわ。」
私は優しく微笑んだ。
_2023.6.30「入道雲」
そういえば明日から7月ですね。入道雲が7月を運んで来るような気がします。
「どう?似合うかな?」
真っ白なワンピースが夏の青空に映える。
くるくると回る彼女と一緒にスカートもふわりと舞う。
『うん、よく似合ってるよ』
俺はそう言って自慢の一眼レフを構える。
どんな一瞬も撮り過ごさないように。
レンズ越しの彼女は夏の日差しにも負けず輝いている。
そんな彼女を無我夢中で撮った。
あれから数年、彼女はもう居ない。
俺はカメラに残る写真をずっと消せずにいた。
『…本当に、似合ってるよ』
線香の匂いに包まれながら、窓の外を見る。
あの夏の日も、大きな入道雲が背景にあった気がする。
入道雲
真っ白な画用紙に、爽やかな青を乗せる。
真ん中だけ、大きな綿菓子のような形を空けておく。ここは、入道雲にするのだ。
青で空を作り終わったら、パレットでその青を薄め、雲の影を染める。
視線を画用紙、パレット、空の3か所で回転させながら、一心不乱に筆を進めると、本物そっくりの空が画用紙に写し取られた。
でも…。
「なにか、違う…」
どうしても、この目の前に広がる、本物の空の方がいいなと思ってしまう。私は絵の中で、この空を美しくできていない。
なにがいけない?なにが変?なにがおかしい?
青に他の色を混ぜた方がよかった?入道雲はもっと大きい方がよかった?本物そっくりに描かずに、オリジナルの表現を加えた方がよかった?
分からない。どこをどうすればいいのか、なにも分からない。
それでも。いつか美術館で見た、あの空の絵のように。
私が描いた絵の方が素敵だって、誰かに思わせてやるんだから。
それまで絶対、描き続けてやる。
夏の空に見える入道雲
入道雲が通ってる時は雨
でも
通り過ぎたら晴れる
人生もそんなものじゃない?
悲しいことの後にはきっと明るい事が待ってるはず
頑張りすぎないでね