学校の帰りに寄り道で友人と浜辺を歩いていると、空に入道雲があった。
友人も其れに気づいたようで入道雲を見ながら言った。
「雨、降るのかなぁ」
「さぁな....」
「私は降らないでほしいな」
「俺も、降ってほしくないな。お前が家に来るから」
「ひっどぉい!」
「冗談だよ」
青い青空に合う入道雲が雨を降らせるなんて似合わないなぁ。
「入道雲には似合わないね」
............。
「どうしたの?」
「同じこと考えてたからびっくりしただけ」
「フフ!いつもなら入道雲見たら雨が降るから嫌だけど、今日は君がいるからなのかな?綺麗に見えるよ」
「...ふ〜ん、よかったな」
「あれ?照れてる?可愛いね〜」
「ムッ、俺は男!可愛くなんかねぇ!」
「う〜ん、じゃあ、君の目はとても綺麗だね」
「!.....うるせぇよ、ばぁか!」
そう言って、殴った。
「いったぁ!」
「...でも、ありがとな!」
「ツンデレな彼女を持つと大変だなぁ」
「黙れ」
彼とは、友人で有り、恋人だ。
みんなに内緒の、な。
この後、入道雲を見たことをお互い忘れてしまい、酷い雨にあったらしい。
# 48
6/29/2023, 1:29:52 PM