松依 私。

Open App


目の前に広がる、入道雲。
それはまた、
夏の主役を勝ち取ったかのような、
大きさでした。

そして、
それを背景に1人の少女が何か、
手元の手帳に書き込んでいました。

「筆走る ひとつの空に 爽やかな
風がうつした 夏の情景」

短歌でした。
それは、穏やかな彼女の心中が映し出されているかのような、短歌でした。
ちょうどその時、ひとつの風が吹きました。
まさにその、短歌に出てきたような爽やかな風でした。

その時の、
光景・時間は、
何かの物語の中ではないかと思わせる程、
鮮やかで、美しいものでした。

6/29/2023, 1:21:23 PM