紙ふうせん

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『入道雲』

私は子どもの頃から
空を見ているのが大好きだった。

庭にあった、向かい合わせの
ブランコに一人ですわり
ひたすら空を
刻々と変わっていく雲を
見ているのが好きだった。

一度は見ていたら、吐き気がしてきて。
たぶん夏休みだったと思う。
時計を見たら、なんと二時間も
首を上にあげ空を見ていたのだ。
それは気分も悪くなるだろう。

特に入道雲は真夏になると
とてつもない高さで
空にあらわれる。
真っ白ならだいじょうぶ。
下が黒いとあとでいきなり雨になる。

今でも見ると、ソフトクリーム食べたいなあ、とか
かき氷かな?、とか
いやいや、綿あめでしょう、と、
思いながら入道雲を見ている、食いしんぼうの私。

低いところの雲は、風で流れているのに、入道雲は高いから
びくともしない。

暑いのは苦手だけど、空が、雲が
好きだから、真夏の入道雲は好き。

セミが鳴き、暑さで気が遠くなりそうになって歩いている時、必ず見える雲。それはやっぱり入道雲でないと。

6/29/2023, 1:32:25 PM