『光と闇の狭間で』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
最初にキミに会ったのは夢の中だった。
それから奇妙な事が続き
ある日突然キミはいなくなった。
最初にアナタに会ったのは夢の中だった。
それから奇妙なことが続き
アナタに会いに行った
アナタには会えけどアナタはどこか違っていて...。
ボクはキミを探して旅をした。
そしてその真実にたどり着く。
そしてボクは忘れていた。
ここに奇跡は起きていた。
キミは会いに来てくれた。
キミをまだ知らなかった頃のボクに。
アナタの声がした。
キミがボクを呼んでいる。
光が射し、夕暮れが訪れる。
その刹那、光と闇の狭間で、
ボクらは(ワタシたちは)出逢った。
その日のキセキをボクらは忘れていた。
日常の中に埋もれてただ日々を過ごしている。
でも、キミがいた。
アナタがいた。
闇雲に追いかけて、たどり着いたその場所で、
ボクらはお互いに問う。
『キミの名は?』
光と闇の狭間で僕は何を見るだろう
ここはどこなのか
僕はどっちに進めばいいのか
全く分からないままそこにいた
光の方は眩しすぎて
闇の方は暗すぎて
僕は1人光に向かって進むことにした
ここから何が待ってるかを知らずに
─────『光と闇の狭間で』
お題【光と闇の狭間で】
冷気を縫う光と暖かな暗闇、双方の誘惑の狭間で揺れる俺は何もできずにいる。無為に手元の端末をいじり出発時刻というタイムリミットが迫るのを待つだけ。
『あのラーメン屋唐揚げ増量中だって』
画面に滑り込んできた一言は、俺を光のなかへ向かわせた。
あの光が眩しくて。
あの光の方に行きたくて。
あの光の中にいる皆が羨ましくて。
闇に囚われたままの私にあの光が笑いかけてくれる日は来るのだろうか。
#光と闇の狭間で
光と闇の狭間で
自分が思う闇と光は
相手にはわからないもの
…
伝わらないもの
光と闇の狭間…
ロマンチックじゃなく適当に2人で朝日を見た。
「あそこ。紫とピンク混ざってる」
小学生みたいな言葉で言うだけ言って黙っちゃった。
冬空は夏と違ってゆっくりと夜が押しのけられていくからキレイだよね。
そう思って、思いついて、
「そうだね、キレイだね」
って言ったら、「そう、きれい」と言い直してた。
あんたの中にその言葉が残るといい。
次は誰かに「きれい」と言えるといい。
2023/12/02 光と闇の狭間で
光と闇の狭間で
光まぶしい場所は苦手で
暗闇の見えなさは怖くて
薄暗い灰色のような所に
落ち着きを得てしまう
それが正しいなんて
全く思えないけれど
道の真ん中を歩けない
どうしても、どうしても
どちらでもないを
手に取ろうと思うの
そこに安らぎを求めて
落ちつかなさは変わらず
決めきれない心が彷徨う
行きたい方向は決まっても
やはり行けない弱さもある
わかってて出来ない辛さ
どんどん闇に流される感覚
そんな実感に溺れないよう
今日も踠いて足掻いて
光をつ掴もうと必死に
出せない手を心の中で
伸ばしそうとしている
光と握手するみたいに
狭間から抜け出すように
光でも
闇でも
其処に
君がいるのなら
躊躇うことなく
逢いに行く
# 光と闇の狭間で (338)
「夜明け?」
七宮さんはオウム返しして首を傾げた。
「はい」
冷めないうちにと牛丼を食べ進める。夜のデートとして牛丼屋が適切かは分からないけれど、七宮さんの発案なので特に言及はしない。
「革命の夜明け的な?」
「違います。比喩的なものではなく、夜明けそのものです」
「へー。ロマンチストだねぇ」
七宮さんはにやりと笑った。
聞かれたから答えたのに。
「夜明けを見るのが好きなの?」
「そうです」
「好きになったきっかけは?」
「牛丼、冷めますよ」
七宮さんはそれ以上追及せずに「そうだね」と相槌を打って牛丼を食べ始めた。
「小六の冬休みの時に、夜更かししてゲームをしてた時があって」
あの時はただ、夜更かししてするゲームが楽しいだけだった。親の目を盗んで、布団に潜ってやっているのが妙に可笑しくて、そのままのテンションで何となく外に出てみただけだった。
「別の世界に来てしまったような感じでした」
東の空から始まりはやってくる。寒色のグラデーションが色鮮やかで、そこに柔らかなオレンジが混ざって朝が顔を覗かせる。冷めきって止まっていた何もかもが、発条の巻かれたオルゴールみたいに動き出す。静けさを鳥の鳴き声が破って、正常な一日が始まる。
「感動で、その時は言葉が出ませんでした。朝食の席で親に一生懸命話したけれど、やっぱり上手く言葉に出来なくて」
今も変わらないなと思う。
七宮さんは相槌を打つだけで、何も言わなかった。その後は何も話さず、黙々と牛丼を食べ終えて会計を済ませた。
「夜明けを見に行こう」
助手席に座ってシートベルトを引っ張っていた時だった。ハンドルを握って、フロントガラスを真っ直ぐに見据える七宮さんがそう言った。
「明日、普通に大学ですけど?」
「いいの。私は今、君と一緒に夜明けが見たいと思った。だから見に行く」
こっちも普通に講義があるのだけれど、ハンドルを握っているのは七宮さんだ。どちらにせよ選択権はない。
夜明けまではかなりの時間があったので、カラオケだったりネットカフェだったりで時間をつぶした。この時間で仮眠を取ればと思ったけれど「小六の君とおんなじがいいの」と却下された。
程よく時間は流れて、夜明けまであと少しとなった。アプリの音声案内に従って道を進み、辿り着いたのは港だった。近くにあった公園の駐車場に車を停めて、海を見渡せるスポットで柵にもたれかかる。
「寒いねぇ」
海風が頬をびりびりと撫でていく。眠気と寒さが入り交じって、身体がふわふわとしていた。
やがて、夜明けは始まった。途切れがちな雲が少し漂っていたけれど、彼ら彼女らが流されていくのも見ていて楽しかった。波の音が不規則に耳を打つのは、隣にいる七宮さんがじっと押し黙っているのを意識しているからだろうか。目の前で起こる劇的な変化の奔流に流されて、言葉は塵となって消えた。
「ねぇ、キスしよ」
「ここでですか?」
「今、ここで」
七宮さんの声は鋭かった。丹念に研がれた刀を、喉元に添えられた気分だ。
「言葉に出来ないの。だから、もう触れることでしか私たちは分かり合えない」
そう言って、七宮さんは目を閉じた。考えることを止めて、キスをした。
眠気と寒さで鈍っている身体に、触れた唇の確かな熱を感じる。磨り硝子越しの世界に、甘やかで柔らかい何かがじんわりと広がっていく。
「何か分かりました?」
恥ずかしくなって、冗談が口をついてでる。
「私ね、生きてて良かった、って本気で思ったの初めてかも」
「そうですか」
それからしばらくの間は、水面を優雅に飛ぶ水鳥達を眺めた。頬に刺さる海風と繋がれた手の温かさだけが、ここが現実であることを確かにしていた。
光と闇の狭間で-(12/3)
光と闇の間って、なんでもない普通の日常のことなんじゃないかと思う
良いことも無い
かと言って悪いことも無い
だとしたら、今日は確実に光の日だった
人生は光と闇と、その狭間の繰り返しで進んでいくんじゃないかなぁ
「なーにやってんのっ。」
何かがぼくの頭にコツンと置かれる。
振り向けば、たまに現れては仲良くしてくれるあのおねーちゃんだ。
名前はさえって言ってたかな。
でも、おねーちゃん呼びをしなさい。となぜか誇らしげに頬を緩ませた顔で、ぼくに命令したんだ。
「飴あげるからー、ほーら、暗い顔しない。」
硬さの正体は棒付キャンディだった。
「…ありがとう。」
おずおずと差し出す手に倍以上の力で押し付けてくる。
てこずりながらも包みを開け、口に入れる。おねーちゃんと会える時にしか味わえないお菓子。
心がゆるりと解ける甘さ。
隣にいるおねーちゃんは夕方のオレンジ色を眺めている。
「もうすぐ暗くなるからうちに帰りなね。」
自分もギラギラしたネイルの手でキャンディの棒を持ちながら言う。
「うん。でもまだあめぜんぶたべてない。」
「そうだけどそうじゃないでしょ。…あの家に帰れなんて、アタシも軽率だった。ごめんね。」
ふるふると首を振るぼくの頭に、今度は暖かさが触れる。
「またここに来なよ。アタシもたまに来るからさ。」
だるっとしたジャージにはそぐわない様な眩しい笑顔を向けるおねーちゃん。
噛み締める様に頷く。
飴を噛みたくなる気持ちを抑えて、あとちょっと、あとちょっとだけここに居させて。
目に見えてるものが光であるならば、見えてない部分が闇であるのだろう。
たとえばテレビやネットで見る人物の姿は光で、実際に見る姿は闇。
ゲームの世界では勇者が光で魔王が闇という話もある。
光と闇は対という考えは間違いではないが、どちらが欠けてもどちらも存在出来ないという性質からするに、善と悪と断ずるのは早計であると言えよう。
そもそも善悪の基準は個々によって違うものだから。
この世は、光だけでも闇だけでも成立しない。
そのどちらも等しく必要で、そうでない曖昧な狭間である存在も必要だ。
黄昏や東雲のような。
泡沫や陽炎のような。
うすぼんやりとした曖昧なそれらこそが、実は世界の要なのではないかと、私は思っている。
光と闇の狭間で
表立って顔も名前も明かさず
プライバシーは裏で尊重される。
不特定多数の人が集まるが
その中で独りぼっちではない。
思うままに伝えられるが
誰ひとり責めたりしない。
このコミュニティ『書く習慣』は
そんなリアルとネットの狭間にある。
「before your eyes」
テーマ 「光と闇の狭間で」
ショートショート ユーモアファンタジー
瞼を開くと、霧がかったどんよりとした空が見えたんだ。そして、ここが木製のボートの上だということは分かった。そしてどこかへ向かっているみたい。けれど漕いでいるのは僕じゃなくて、別の人。人っぽいんだけれどどうみても顔がキツネさんなんだ。キツネみたいな顔つきという意味じゃなくて、まるっきり顔がふさふさのキツネなんだ。腕もオレンジ色と金色を混ぜたような綺麗な毛色でふさふさ。そんな人がボートを漕いでる。その人は僕のことをじっと見ててちょっと怖い。ボートの上にはそのキツネみたいな人と僕の2人だけ。どういう状況なのか僕は分からないまま、落ち着かないし、不安で、夢の中なんじゃないかと思えてきていた。
「君は裁かれにいくんだよ」
優しいけれどどこか悲しげな声でそう聞こえた。
キツネみたいな人はゆっくり、ゆっくりオールで漕ぎながら続けた。
「君は何をしていたのか覚えてる?」
僕は突然声をかけられ、慌てふためいておどおどしてしまった。僕は記憶を辿ろうと思ったけれど、ぼんやりとあいまいなことしか覚えていなくて、答えられそうにない。
大人になるとわからなくなることばかりになる
世間体とか周りの空気とかばからしいことばかり
なにが正しく、何が悪いのか
なにが善で悪なのか
あの人は言う
「これは正しいことだ」
この人は言う
「いや、これは悪いことなのだ」
光と闇の狭間で、ボクは、キミは、どう判断する?
テーマ「光と闇の狭間で」 2023年12月3日
光と闇のあいだに、なにかが存在できるような、「狭間」と呼べるスペースがありましたっけ?
光と闇は、単独では存在できない、離れがたい隣り合わせです。
[光と闇の狭間で]
独白【光と闇の狭間で】 2023/12/3
この世、なんでもバランスだなと毎日のように思う。
正義も悪もどちら側かから見た主観でしかなく、光と闇もきっと同じものなのだろう。
私は天邪鬼なので、光を目指そうと言われるといやいや闇も存在意義あるよと言いたくなる。実際そういうこともあると思う。
でも出来れば光と闇、正義と悪の間のグレーゾーンからみんなが他者を思いやることのできる世になればいい。
光の闇の狭間で。
僕はまた仕事をしている。
ここは空想と言われている、通り門案内所。
光の通り門と闇の通り門、そして転の通り門があるのだが、僕はどのにも行けずに雇ってもらうことになった。
生きてる時も働き詰めだったのに、死んでまで働かなきゃいけないのか。
‥もうそろそろあの子に会いたくなる時期だなぁ。
「僕は、どこに?」
と優しそうなお兄さんが僕の前に来る。
名前を聞いて、新死者の欄を漁る。
その間は待合室に居てもらう。
今日は300人くらい捌いたかな。
この人は…詐欺師(更生無)の三人殺害。
「こちらの紙に沿ってお進み下さい。あちらです。」
"ありがとうございます!"とルンルン気分で歩いていく彼が進む方向。
それは、闇の通り門。だって黒だったから。
仕方のないことだ。
明日も明後日もその次も、人をただ捌いていくだけ。
楽しいからやってるんじゃない、他にやることがないからやっているだけなんだ。
他にゲームがあるなら、それをやるさ。
これで給料ないんだから、ブラックにも程があるよな。
まぁ、給料もらっても、食べないし買わないもんな。
ただただ白い広い部屋にいる僕達。
ここに何も無いし。
僕の選択肢はこれだけだ。
これ以上もこれ以下もない。
面白くない世界から、僕は抜け出したい。
120テーマ【光の闇の狭間】
漫画書けるかもな。《バグ》
光の闇の狭間で。
僕はまた仕事をしている。
ここは空想と言われている、通り門案内所。
光の通り門と闇の通り門、そして転の通り門があるのだが、僕はどのにも行けずに雇ってもらうことになった。
生きてる時も働き詰めだったのに、死んでまで働かなきゃいけないのか。
‥もうそろそろあの子に会いたくなる時期だなぁ。
「僕は、どこに?」
と優しそうなお兄さんが僕の前に来る。
名前を聞いて、新死者の欄を漁る。
その間は待合室に居てもらう。
今日は300人くらい捌いたかな。
この人は…詐欺師(更生無)の三人殺害。
「こちらの紙に沿ってお進み下さい。あちらです。」
"ありがとうございます!"とルンルン気分で歩いていく彼が進む方向。
それは、闇の通り門。だって黒だったから。
仕方のないことだ。
明日も明後日もその次も、人をただ捌いていくだけ。
楽しいからやってるんじゃない、他にやることがないからやっているだけなんだ。
他にゲームがあるなら、それをやるさ。
これで給料ないんだから、ブラックにも程があるよな。
まぁ、給料もらっても、食べないし買わないもんな。
ただただ白い広い部屋にいる僕達。
ここに何も無いし。
僕の選択肢はこれだけだ。
これ以上もこれ以下もない。
面白くない世界から、僕は抜け出したい。
120テーマ【光の闇の狭間】
漫画書けるかもな。
音をたてないように襖を開くと、少しばかりの隙間から光が流れ落ちるように細い道を作った。薄暗いその側では小さな子供がかわいらしい寝息を立てて眠っている。
きっと、昼間にはしゃいだせいだろう。私は自然に口もとが緩んだのがわかった。小さなこの子は今年で7歳になる。もう言葉を覚えて久しいが、まだまだ育ちざかりの好奇心には限りが見られず、たまにこちらがぎょっとするようなませたことを言うのだ。少々生意気に感じるところもあるが、私たちの顔を見て、したり顔をするのがまたかわいらしく、子供はこのように大きくなるのだなと感心させらせる。身体も四つん這いでいた頃が懐かしく思うくらいだ。
愛しい子の寝顔を眺めていると、夫が心配そうに低い声で尋ねてきた。
「おい、お前。あの人間はいつ食べるんだ」
蝋燭の灯りの中から、じっと夫の目が私を見つめている。
「もう少し、もう少し大きくなったらさ」
「どうして、もう食べ頃だろう」
「いいや、その方がうんと脂が乗って旨いんだ」
振り返らずにそう言えば、夫は諦めてそれ以上何も言わなくなった。彼の考えていることは分かる。この子は、彼が体調を崩した私に精をつけさせるために連れてきた子だ。だから彼のためにもこの子を食べてやるのが正しいと思うし、この子のためにもそうしてやるのが一番なのだ。そんなことは言われずとも、自分がよく分かっている。
恨めしい気持ちで子に目をやれば、すうすう気持ちの良さそうに眠っている。襖から伸びる薄明るいのが気になるのか、子がううん、と寝返りを打つとぽってりとした赤い頬が見えた。これがまた柔らかそうで、美味しそうで。
きゅっ、と瞳孔が縮まるのを感じながら暗がりの中へ手を伸ばすと、子は私の気配を感じたがために、寝ぼけた声で、
「おかあさん…」
それを聞いて、私は途端に我に返り、ぞっとするような、泣きたくなるようなたまらない気持ちで胸がはち切れそうになった。子に伸ばした手を自分の胸の前まで引いて、拳を堅く握り、大きく息を吐いた。
「どうやら私は、お前の母にも鬼にもなれないらしい」
聞こえぬようにそう呟く。愛しい子はやはり先程と同じようにまた微かな寝息を立てはじめた。後ろでは夫が大きな欠伸をしたのが聞こえる。
私は長い爪を浅い取手に引っ掛けて、ゆっくりと襖を閉じた。
#光と闇の狭間で