『何でもないフリ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
何でもないふり
何でもないふり。貴方は、何時だって、ずるいし、卑怯だ。だって、私が、毎日、彼の一つ一つの言動や行動、何もかもにキュンとして、心臓が破裂しそうな程、バクバクしちゃうのも知ってる癖に、貴方は、わざとそうしてくるのに、貴方にキュンとしてるからと本音を伝えると、貴方は、何時だって、何でもないふりや、知らないふりをして、やり過ごす…そう。貴方は、何時だって、どんな時だってそうだ。ふとした瞬間に、私が弱い事をして来ては、何時だって、どんな時だって、知らん顔。まるで、自分は、何もしてませんと言わんばかりに…そう言う貴方の少し無責任な姿、少し、憎いけど、好き…ふとした瞬間に、私の弱い事して、まるで何事も無かったかのように、しれーっとする貴方の横顔…あー…やはりどんな時でも、貴方が好きで好きで堪らない…この先も貴方無しでは、生きていけない…あー…今日から4日間、貴方は、帰りが遅い…今日から4日間、一人虚しく人恋しく、肌寒い中、一人寂しく、帰宅して、一人寂しくご飯食べて、一人寂しく、眠りにつかなければならないなんて…貴方にとっては、普通の事だとしても、まだ貴方と比べて、若い私には、それすらも、正直、辛くて…あー…駄目だな…何時までもこんなんじゃ…早く変わらなきゃ…二人の間や、貴方に、私に、何時、何が起こるかなんて分からないのに…これからもずっと사랑해요 ʚ( ॑꒳ ॑ )ɞ.⸝*・゚
嬉しいのに澄ました顔
悲しいのに笑い顔
怒っているのに平然とした顔
強がって何でもないフリ
自分の素直な感情を隠してる
どうして隠すのだろうね?
恥ずかしさもあるし
見栄もある
感情に振り回されたくない
そんな気持ちもあるんだろうな
そういう人も素敵だと思う
だって芯がぶれなさそう
ストレートな感情表現
素直な表情と言葉には
その人の魅力もたくさん
詰まっている気がして
素敵だなと思う
人間味があっていいなと思う
[ 42. 何でもないフリ ]
「またね」
そう言ったのに。
いつものように、話していた。
今日はどんな楽しい話をしようか?
少年みたいな声で、わははと笑う。
つられて私も笑う。
けれど今日はなんだか、センチメンタルな彼の言葉が心をざわつかせる。
どうしたの?と聞いたのに、ごめんねと言われた。
それでも彼は「またね」って、
そう言ったのに。
SNSの投稿は、楽しいものだけ残している。
少しの毒は、次の日には消す。歌と、ご飯と猫だけのアルバム。
今日も昨日の毒を消していく。
今日はご飯と猫も消してみる。
明日もきっと毒を吐く。
美味しいご飯も載せるかもしれない。
次の日には美味しいご飯しか残さない。
みんな気づかない。
今日も私はだれかと笑っている。
『何でもないフリ』
『何でもないフリ』
自分の好きなあの人と、やたらと視線が合うたびに目を逸らし、何でもないフリをしていた。何でもないフリを繰り返していくうちに、あの人は、隣にいる人と幸せそうに笑っていた。僕はいつものように何でもないフリをして帰った。 ______やまとゆう
何でもないです、とあらかじめ言っておく。適度に疑わせる。それがコツだ。ゴミになるのはやりすぎだ。有用であることははなから望めない。役立たずであるなら役立たずなりの役に立ち方があると心得よ。枯れ木も山の賑わいというだろう。いいか、決して自嘲にも自虐にもはしってはいけないよ。そこがいちばんの難しさだ。役立たずをやりきる自分を軽んじてはいけない。取るに足らない君のとくべつを愛している。道化の涙をいっとうの宝物にする。この愛に殉じるには、その優しさに報いるには。
「4月最初か3月の終わりあたりに書いたのが『何気ないふり』ってお題だったわ」
3月4月、どっちだったかな。某所在住物書きは大きく口を開けて、右アゴが地味に痛むのを、それこそ「何でもないフリ」のようにしていた。
4日前と8日前に物語に登場させた豚バラ軟骨、ネット情報で「5時間煮込まねば固い」と豪語されていたものを、先日精肉店で見つけたのだ。
試しに食ったが納得の歯ごたえ。久方ぶりのアゴの酷使で満足にあくびもできぬ。
日頃の不摂生露呈の瞬間であった。
「当時もたしか書いたと思うが、何でもない、『フリ』ってどんなフリだろうな」
おお、いたいいたい。気にしない。
物書きは右アゴをさすり、今日もネタに苦心する。
――――――
いつもの職場、いつもの火曜日、いつものお昼。
休憩室のテーブルに、お弁当広げてコーヒー置いて、誰が電源入れたとも知らないテレビモニタの情報番組をBGMにして、長いこと一緒に仕事してる先輩と一緒に昼ごはん食べてたら、
その先輩が、コーヒー飲みながらテレビに視線をやった瞬間、
ポカンと目を点にして、
テレビを二度見三度見して、
四度見あたりで、コーヒーを吹きかけて、むせた。
「ごふっ、ごほっ!っッぐ、」
「どしたの先輩」
「くっ、……ぅ、ぐ……!」
「ねぇ大丈夫、救急車呼ぶ?ハイムリック?」
とんとん、とんとん。
左手で口を押さえて額にシワ寄せてる先輩の肩を、なんとなく叩く。
生理現象で顔赤くして、少しだけ涙にじんでる先輩が、ちょっとカワイイ。
大丈夫、もう大丈夫。
先輩は険しい顔のまま、右手を挙げて、ヒラヒラ。
やっぱカワイイ。
「ねぇねぇ。どしたのって」
「別に、何でも、……ごほっ」
「何でもって、何でもないワケないでしょって。テレビ三度見くらいしたでしょって」
「……、……げほっげほっ」
先輩、一体何を見たんだろう。
テレビに視線を向けてみると、お昼の情報番組は、
先輩のアパート近所の稲荷神社の、そこの家族が近くで開いてるお茶っ葉屋さんが映ってて、
お散歩ロケっていう名目のタレントさん数名が、女店主さんの抱えてる子狐をワシャワシャ撫でてた。
テロップには「神秘!オキツネ様がいる稲荷神社とお茶屋さん」。先輩がヒイキにしてるお店だ。
で、
よく見ると、タレントさんに撫でられてる子狐が、
ドッキリみたいな小さい横看板前足で持ってて、
そこに、店主さんの書く綺麗な字で、こう書いてた。
【イエーイ おとくいさん みてるー?】
くるり。横看板が裏返る。
【冬至のゆず餅セット、追加ご購入待ってます】
子狐と、目が合う。
正しくは、事前収録された映像の中の子狐が、カメラ目線になってるだけ。
でもなんとなく、リアルで目が合ってる気がする。
子狐ちゃん宣伝上手ですねぇなんて、タレントさんが言ってるけど、あんまり耳に入ってこなかった。
「別に、あそこの常連など、私の他にも」
げっほげっほ、まだ少しむせてる感のある先輩が、喉をさすりさすりして、口元をハンカチで拭いてる。
「それに、もうすぐ冬至だ。季節商品の宣伝には丁度良いだろうさ」
何でもない。本当に、これは何でもない。
そもそもアレは子狐の字じゃない。店主の字だ。
繰り返す先輩だけど、フリってのがすぐ分かる程度には、なんかアワアワしてそうだった。
「この子狐、たまに先輩のアパートに来るよね」
「そうだな」
「夏に稲荷神社のおみくじ引きに行ったとき、先輩の顔めがけて両手両足広げてダイブしてきたね」
「そうだな」
「冬至のゆず餅セット?」
「神社で収穫したゆずを使っているらしい。数量限定だとさ。先週の日曜日、ゆず茶と一緒に買った」
「私も食べたい」
「……『ご新規さんも待ってます』だとさ」
こほっ。
小さく咳をした先輩が、コーヒーをひとくち。
再度テレビを見たら、女店主さんのかかえる子狐が、新しい看板を掲げてた。
【ご新規さんも、ゆず餅ご購入待ってます】
【数量限定のため、品切れにご注意ください】
グッド・バイ
私は砂浜に座り、潮風を全身に浴びながら、夕陽に染まった真っ赤な海を見ていた。
私は大きく息を吸い、吐いた。それを何度も繰り返しながら、まだ薄ぼんやりとした輝きを放つ三日月を見た。
私は世界中に溢れる優しさを受け止めている気がした。
私は世界中に漂う無数の幸福を感じている気がした。
聞こえてくるのは、波の音と不安定な心音。
しかし、私は今、幸福だった。
もはや恐怖などどこにもなかった。
子供の頃、私は母の死を想像しては枕を涙で濡らしていたのを思い出した。
だが、母はもうずっと昔に死んだ。
人間はいつか死ぬ。
だけど、それが悲劇だなんて到底思えない。
この奇跡のような瞬間。
この魔法のような感情。
全てが尊いと思った。
さようなら、地球。
私は、本当に幸せだったな。
「大丈夫」
って言うけど
何でもないふりするの
辛いでしょ?
辛いならなんで溜め込むの?
濮が居るよ
助けを求めていいんだよ
今迄よく頑張ったね
お疲れ様
おやすみなさい
何でもないフリ
あなたは嫌なことがあったとしてもいつも大丈夫と言って何でもないフリをしてしまう…
僕の前では無理しなくていいんだよ…
無理をしてまで何でもないフリをされると…
何もできないじゃないか…
君のバレバレな嘘に付き合うのは、これで何回目だろうか。
家に帰る途中に転んだ、と痛々しい血の跡を手や顔に残して、困ったような、誤魔化すような笑みを浮かべている君。
相変わらず嘘が下手だ。
いつもどおり綺麗なスーツの下は、もっと酷いことになっているんだろうね。
思わず出そうになった溜め息を引っ込めてから、ヨロヨロしている君を風呂場に押し込んだ。
傷が深そうなら病院に連れて行かないとな、と考えながらリビングに置いてある救急箱の中身を確認して。
ついでに下着も持っていってやろうと思い、寝室へ行こうとしてギョッとする。
通勤用で判らなかったが靴下まで血が染みていたらしい、今朝拭いたばかりの廊下に赤い足跡がベットリと付いていた。
テーマ「何でもないフリ」
そうなの?!そんな感じなんだ。
ええと、こんな時の顔はどんな風に作るんだっけ。
それは嬉しいってこと?エッ怒ってるの。
そこはスルーでいいんだ…うーん。。
物心ついた時からコミュニケーションのほとんどがすれ違いだった。
家族をはじめ誰と話しても、ほんとにピンと来なかった。
あまりに浮いてしまうので、小6の頃、厚紙に自分で考えた
「これでうまくいく!チャート式タイプ別シーン別リアクション一覧表」
を作って壁のポスターの下に仕込んで、次のチャンスに備えてた。
…まあ当然、うまくいったことはなかったけど。
何でもないふりしてたけど本当に、
ただただみんなと違和感なく、一緒に楽しく居たかった。
ただそれだけ。
みんなに勧められるがままに動く。
それが正しいと分かっているから。
けれどそれは、わたしがしたいこととは異なる。
#何でもないフリ
【 何でもないフリ 】
「アイツさ、『俺イケメン!』とか思ってそうじゃない!?」
「分かるー!顔はいいのはマジだけど、チャラすぎ(笑)」
他愛ない会話に出てくる彼は、僕の親友。
実際は、明るく気遣いのできる、優しい奴だ。
お調子者キャラの側面もあるけれど、根っこは違う。
彼だって、四六時中キャラを演じているわけじゃない。
真面目な面だって、かなりの時間見せている。
親友の欲目じゃなくて、彼という人間を見れば明らかだ。
僕としては、彼に対する誤解が生まれてしまうのが、
この上なく辛い。
「アンタも思わない?」
そう話を向けられて、僕は当然否定した。
「マジメかよ(笑)」
あはは、と場の流れは止めずに一緒に笑っておく。
でも、僕の心は、悔しさと悲しさでいっぱいだ。
何でもないふりしながら、キミを見つめる。
気づいているのかな?
もし気が付いていたら恥ずかしいけど、言う勇気もないから、このまま。
だってただキミを眺めているだけで、幸せなんだから。
【何でもないフリ】
君のいる喫茶店が、嫌いだ。蓄音機から奏でられるクラシック音楽は静かすぎて眠たくなるし、暗い室内は鬱陶しくて早く外の青空が見たくなる。挙げ句の果てに産地がどうのと君がこだわるコーヒーは、どれを飲んだって苦いばかりで美味しくなんてない。だけどそんなことを口にしたら「じゃあわざわざ来なければ良いのに」と呆れられるから、僕はいつも無言でコーヒーカップを傾けて、舌の上に広がる苦味を呑み下す。
毎週土曜日になるたびに、クラシックの荘厳さも、落ち着いた店内も、コーヒーの苦味と酸味も、全部理解してる素敵な大人ですよって顔をして、僕は君の築いた君の大好きなものに囲まれた城へと入り浸るのだ。
「いらっしゃいませ」
そう微笑んでくれる君の笑顔が見たいから。今日も僕は、何でもないフリで嘘をつく。
『何でもないフリ』
キッチンに立つ母の後ろ姿にぼんやりとした人影が見えることがあった。だいたいはひとり。たまにふたり。顔は違えどどれもこれも血だらけのそれが幼い頃はとても恐ろしく、泣いては母を困らせたものだった。少しだけ成長した今ではあぁいるなという感覚になってきている。
人影は母の帰りが遅くなる翌日についてくることが多かった。母は日中の仕事に加えてたまに夜にも働きにゆく。仕事の内容を詳しくは知らないが、人影の様子からなんとなく察しがついていた。
きょうもキッチンに立つ母の後ろ姿にぼんやりとした人影が見える。視線に気づいたのか母が振り返ってどうしたのと聞いてくる。
「別に。何でもない」
人影はこちらを一瞥もしない。じっと母のことを見つめ続けている。
正直できない
目があつくなるし、頭はぼーっとするし、手足は冷たくて、
身体がそうと表してしまう
言葉で何でもないと言えるけど、それはフリとは言わないよね
「何でもないフリ」
脈打つ心臓の音がやけに大きく響く。指先は氷のように冷たくなって感覚がないというのに、掌にはじっとりと汗が滲んで気持ちが悪い。溢れ出そうなものを無理矢理飲み込み、彼女に背を向けて歩き出した。踵を返すその瞬間、彼女の瞳に映る俺は、いつも通りの無表情。ひどく胸が痛むような気がするが、これは俺の勘違いだ。そう、思うことにした。
言われた言葉に
何でもないフリをして
傷ついてませんよって
平気なフリをするのが大人なら
大人になんてなりたくないって
思ってた
元カレと半年ぶりに偶然会った
となりには髪の長い美しい人
「久しぶりだね」
何でもないフリで
そう話しかけたけれど
心は動揺していた
まだ終わっていない
私の恋
#何でもないフリ
#57