『七夕』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「頭が良くなる」
それが、君が10歳の頃に短冊に書いた願い事だ。
「なりたい」とか、「なれますように」ではなくて、「なる」と言い切っているところが実に君らしい。
君は誰よりも必死だった。その理由からしても、努力が苦じゃなかったことなんて、一度もなかったろうに。
それでも、君は弱音を吐かず、頑張ってきた。
時々、自分の弱みに戦慄しながら、ずっと最前線に立ち続けてきた。そんな君を、僕はずっとみてきたから。前を歩いてきたから、分かるよ。君が母さんや父さんに、認めてもらいたいと思っていたこと。対等な関係になりたかったこと。愛してもらいたかったこと。
今になって、思う。
勉強が世の中の全てではない。むしろ、勉強以外の能力を求められることの方が、はるかに多い。
それでも、あの時の僕にとっては、勉強が世界の全てだったんだね。
大丈夫、君のやっていることは、積み重ねてきた努力は、何一つ間違っていない。その証明として、幼い頃頑張ってきた記憶が、今の僕をずっと支えてくれた。
よく頑張ったね。君は1人なんかじゃないよ。だってほら、君の未来は、こんなにも笑顔で溢れている。
「七夕」
『天の川』
空の上では有名な恋物語 私はお風呂の後にドラマの
配信11話を観るのだ ビールもあるおつまみもある 只、手作りのアヒージョはちょっぴり脂っこくて 人の恋を俯瞰していることが、烏滸がましく感じた 空の上の恋はどうなのだろう? それでもまだ想いを馳せる 恋とは不思議なもので色彩豊かな風船たちが胸の中でぷっくらと膨らんでいる 1番気になるのは自分のことか 結局、そんなものなんだろな 浮かび上がる 膨れ上がる 想い想い
―七夕―
その子にも叶えたい願いが出来ればいいな
と思ってしまう私がいる
私のように
みんなの願いが叶いますように
としか書くことが出来ない、
偽善者にしかなれない、仮現実主義者の
短冊を見ると
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【七夕】
七夕祭りは短冊というのは人々の今までの
人生の功績のようなものだと僕は思うんだ
今宵の七夕祭りは君と二人で願いを込める
神様はきっと僕たち二人には意地悪なんだ
いつかは叶うかもしれない、そんな期待は
僕たち現実主義者は思うことすら諦めてる
彦星と織姫の会う日はいつまでも雨でいて
そしたら僕たちと同じ世界線になれるのに
君は怠け者だ。
愛する者に1年に1度しか会えないなんて、
私なら考えられない。
聞いた話によると、
奥さんにかまけて働かなかったようじゃないか。
まあ、奥さんにも非はあると思うが、
君はもっと食い下がらなかったのか?
「ちゃんと働いていれば1年に1度会わせてやる」
なんでそんな無茶苦茶な条件を呑んだんだ?
たしかに仕事をサボったのは悪い。
けれどそこまでされることはないだろう。
「ちゃんと働くから引き離さないで下さい」
くらいは言えなかったのか?
……すまない、言いすぎた。
君が会いたい時に会いたい人に会えるようになれば、
もしかしたら私の願いも、と思って気が立っていた。
君にもいろいろあるんだろう。
私には何の手助けもできないが、
1年に1度くらいは君たちの幸せを祈っているよ。
~七夕~
結婚記念日
彼の仕事の都合で
私はひとりお昼休みに市役所へ行った
周りはカップルばかりで1人は意外と目立つ…
係の方はそんな私に気がついて優先してくれた
サッと出して私もまた職場に戻る
もうお祝いなんてしないけど
毎年思い出す七夕の日の思い出
#七夕
私さ、学校じゃ「推しの痛バが組めますように」って書いたよ。って言ったけど、本当は、「みんなとずっと一緒に居られますように」って、短冊に書いたんだよ。
皆は、知る由もないよね。
#七夕
私は、橋渡しの巫女「月波(るな)」
毎年、七夕の日の晴れた時に織姫様と彦星様を再開させる役割を持っています。でも、ここ数年は晴れたことなど一度もない……そのせいであのお二人は再会できずに寂しがっておられる…
ただ、あのお二人が住んでおられる両岸は流れが違うのでとても疲れるのですが織姫様に「彦星をここまで連れてきてほしい」と言われたので彦星様を連れてくることにした。
そして、織姫様に言われた通りに彦星様を連れてきました。
「彦星様、織姫様、数年も会っておられないのにどうして再会を素直に喜べるのですか?」
私がそう聞くと、お二人は口を揃えて
「愛しているから」と
【七夕】
短冊と、それを吊るす笹が家に欲しいと願う、この頃。
今日は彼と喧嘩をした。昨日は私の誕生日だったのに彼に仕事が入ってしまってパーティーができなくなったからだ。もちろん、しょうがないのは分かっていたのに
つい苛立ちをぶつけてしまいもう2日も話していない。
どうしようと考えていると、ポスターが見えた。
「七夕まつり開催」の文字で今日は七夕であることを
私は思い出した。そしてとある昔話が頭をよぎった時に
あることをしようと考えた。
もうすぐ彼が帰ってくる。緊張しつつも扉が開くのを
待っていると、ガチャリと扉を開く音が聞こえた。
私が彼に近づくと彼はとても気まずそうな顔をしながらも私が話すのを待ってくれた。
「──あのさ。」
「…何。」
「ごめん、仕事なのに八つ当たりして。ご馳走用意したからさ一緒に食べよう。」
「わかった。あと俺の方こそごめん。」
そう言った後、二人で食事をする。2日ぶりに笑顔になれたと思いながら。
ベランダに出て星空を見ていると彼が隣へ来る。
「なあ、なんで急に謝ったりしたんだ?」
「何その言い方。」
「いや、だってお前頑固だからもう1、2日は口聞かないだろ。」
確かに私は頑固だけどそんなにじゃない、と不貞腐れながらも答える。
「今日、七夕でしょ。で織姫と彦星の話を思い出してさ。」
「それで?」
「私たちは織姫と彦星と違っていつでも会えるのに喧嘩ばっかりして年に一度どころか別れて二度と会えなくなるのは嫌だと思って、謝ったの。」
昔話を信じていると馬鹿にされるのではないかと顔が真っ赤になりながら話す。
「そうだな、確かに会えなくなるのは嫌だな。」
と彼はしみじみしながら答えた。
「も、もうそんな真剣に答えなくていいから!」
顔を逸らしながら夜空を見上げる。空には天の川が見えた。織姫と彦星もこんな風に年に一度の逢瀬を楽しめていたらいいなと思った。
60七夕
同じ市内にあってふだんはそれほど接触のない男子校と女子高。
この二校が、七月七日だけは正式に交流する。
なんと甘酸っぱい、ラブコメ的事実であろうか。
きっと、ういういしいカップルが生まれたりするに違いない。
まさに青春だ!
と思うかもしれないが、実際にはそうそうロマンチックなものでもない。
二つの高校の生徒会が初夏の一日だけ、会議室で落ち合う理由。
それは「学校の近所にある緑地の夏休みの使用権を取り合って争わねばならないから」である。
今年も例年通り、バチバチにやりあっている。
「八月一日の夕方はうちの映研が撮影に使うんですけど?」
「うちの生物研究会とキャンプ同好会もここが希望だ。譲れない」
「それは二日以降でどうにかならないんですか? 映研はどうしても、この日の月をバックに撮影がしたいと言ってます」
「うちの生物研究会も、この日が最もカトンボの羽化が多い日だから譲れないと言っている」
……こういう具合で、両者一歩も引く様子がない。
男子校側の教員である私は、生徒の自主性を重んじてじっと黙っている。部活の活動場所とりには、それぞれの学校のメンツと、夏休みの充実度かかかっている。これは戦いなのだ。なんとも殺伐とした織姫と彦星だが、きっとこういうのも青春なのだろう。本格的な夏は、もうすぐそこだ。
かささぎは毎年雨を降らせる。密かに思いを寄せる彼女に、あの下品な男を会わせたくないがために。
しかし結局、男はやってくる。自分の魅力と、かささぎの自分に対する気持ちに気がついている彼女が、雨を止ませるようかささぎに迫るから。そしてかささぎは、それを拒否することができないから。
男がやってくると、せめてふたりの姿が自分以外の誰にも見えないように、かささぎは再び激しい雨を降らせる。かささぎは自分の作った雨の帷の中で、ふたりがむつみあう姿を黙って見つめる。それがふたりを会わせる条件。いつかそう遠くない未来に、激情がこの身を亡ぼすであろうことを感じながら、かささぎは今年も、彼らの傍で。
(七夕)
「短冊、何書こうかな?」
学校で今年初めて七夕ように笹が設置された。
たくさんの人が参加していて、飾りつけや短冊が
どんどん増えていく。
1人2枚まで短冊を書いていいから、思ってたよりも
たくさんぶら下がっている。
それを見ながら私は短冊に書く願い事を
決められないでいた。
「お金が欲しい」
「推しと会いたい」
「恋を叶えたい」
そういう願いを書いた短冊が多い。
確かに共感はできるけれど、私は
そういうことを願おうとは思わなかった。
お金は別にいらないし、推しとは毎日会ってるし、
恋は叶わないって最初から決まってたものだから。
なら、何を願おうか。
1つ目は悩みに悩んで
「みんなの願いが叶いますように」
って書いた。
みんなの短冊はすごくキラキラしてて、
青春だなぁって思うものとかが多い。
私はみんなが笑顔になってくれたらいいかなって
思ったから、この願いにした。
2つ目は全然思いつかなかったけど
推しであり好きな人でもある人のことについて
願い事を書くことにした。
「〇〇〇先生がこれからもずっと
笑顔でいられますように
健康に過ごせますように」
先生はゴールデンウィーク明けから約1ヶ月ほど
体調不良で休んでたから、健康でいて欲しいなって
願いを込めて書いた。
もう1つは、先生の笑顔が大好きだから、
これからもその笑顔を見たいから願うことにした。
そして放課後。
私は先生と一緒にみんなが書いた短冊を見ていた。
少しすると、先生は私の書いたものに
気づいてくれた。
名前を書いてなかったのに気づいてくれたから、
すごく嬉しかった。
先生は「ありがとっ!!」って
満面の笑顔で言ってくれた。
金曜日だったから疲れてたけど、その笑顔で
全てが吹き飛んだ気がした。
本当に願いが叶えばいいな。
初めてそう思えた七夕の日だった。
#七夕
『七夕』 150
短冊片手に考えます。
みんなが幸せになるというのは、やっぱり無理なんですかね。
自分は愛とか平和とか凄く好きなんです。
綺麗なものだけ見ていたいし、痛いのは嫌だし、苦しいのも悲しいのも嫌いです。
……何とかなりませんかね?
普段からこんな事を考えているわけでは無いのですが、ふとした時に頭からなかなか離れてくれなくなるんです。
戦争の事やホームレスの事、社会格差やアフリカの子供達の事を、毎日考えながらご飯を食べたりはしません。
善悪の基準もよく分かりませんし、考えるだけで行動はしませんし、ましてや人の心が読める超能力なんて持ってません。
そんな自分が考えるだけ無駄なのは分かっているつもりなんですが、それでも何故だか考えてしまうんです。
冷めた視点と考え方が、イコールで現実主義的であると言われる世の中が嫌いです。
……間違ってないでしょうから、仕方がないんですけどね。
今の時代にラブアンドピースを謳おうものなら、それこそ冷めた目で見られるのがオチです。
幸福な人を見ると腹が立つ。
綺麗事は聞きたくない。
愛で世界が救われる?
馬鹿馬鹿しくて恥ずかしい。
不幸な人を見ると安心する。
汚い話を聞かしておくれ。
金で世界が救われる!
そんなのみんな解ってる。
知らない誰かの犠牲によって成り立つ世の中で、どれだけ善人ぶったとしても、結局誰もが見て見ぬふりの偽善者じゃないか。
どうしようもないですね。
というわけで取り敢えず短冊にはこう書きました。
【世界平和】
何とも胡散臭い四文字ですが、叶ってくれると本当に嬉しいです!
……あと短冊3枚ありますしね。
あなたの願いが叶いませんように。
そんなことを願ってしまう私の願いも叶いませんように。
7月7日は七夕らしい。
正直俺には理解し難い行事だ。
短冊な願い事を書いて笹の吊るしたら
その願いが叶うなんてさ、
だって、俺は毎年
「今年こそは3年前居なくなった恋人に会えますように」
ってお願いしてるのに一向に叶う気配な無いんだ
何で?どうして敵わない?短冊に願い事書いて
願ったら叶うんじゃ無いのかよッ…、
なぁ、俺の願いは…?彼女にはもう会えないのか、?
誰か答えてくれよ…
その日家に帰ろうと川辺りを通った
そしたら居たんだ彼女が、その川の向こう岸に
ずっと会いたかった話かった嬉しかった…!
「一緒に帰ろう」そう彼女の手を引いて歩こうとした時…
『ごめんネ、そっちにはもう帰れないんダ』
「そう、なのか…。じゃあ俺がお前が居る方へ行く」
「それで良いだろう?」
咄嗟に云ってしまったが、実際何処に行くか何で想像も付かない
けれど、もう一度彼女と過ごせるのならばもう、何処だって良い
『良いの?本当に?後悔しない?』
「あぁ、絶対に後悔しない。」
そう言うと彼女は何時もの呆れた様な笑顔で
『分かった。じゃあ行こウ』
『あぁ』
短冊の願い事叶ったな此れからは毎年彼女と一緒に七夕を祝おう。
遠い空の上で
題名 七夕の願い事
とある日の早朝。外からは人々の声がこだまする。まだ寝ていたいのに、ゆっくりと体を起こすと、窓から見える光景に目を見開いた。鮮やかな紙飾りに屋台。
ああ、そうか。今日は七夕だった。
七夕…か。紙に願い事をかいて笹に吊るす。そうして願いが叶うことを願って日々を過ごす。
せっかくだ。自身も願い事を書こうか。
『あの人にもう一度会いたい』
バカらしい。もうあの人には会えないのに。
その紙を持って外に出る。街中に広がる明るい声に酔いしれながら、笹に結つけた。
叶いますように。
とんとん、と肩を叩かれ振り返った。そこには、見た事のある顔が
『やっぱり!__だ!ごめん、待たせて。俺だよ、……だよ』
その瞬間、暖かな風と七夕の日に広がる願いが笹の音に乗せて胸に響くのをしっかりと感じた。
“ささの葉さ〜らさら〜”
遠くから子どもたちの歌が聞こえる
縁側に飾ってある笹が風により
さらさらと揺らいでいる
そこには色とりどりの短冊や飾りが飾られており
笹の葉を彩っていた
私は水の入った桶を沓脱石の上に置き
空を見上げた
雲ひとつない星空が広がっている
歌のように本当に砂子のようだ
天の川の両側に目的の星を見つけ
桶の位置を調節する
袖が濡れないように少し捲し上げ
桶の中にある天の川を少しかき混ぜる
こうすれば織姫と彦星の光がひとつになる
今年も無事に会えたようだ
私は縁側にうつ伏せになり
指だけくるくると廻し続けた
『七夕』より
七夕の日に地球を眺めてみた。
そしたら1000年前の君に出逢えた。
だからもう少し漂ってみよう。光が見えるかもしれない。
織姫と彦星が年に一度だけ天の川で逢うことを許された日。
なんとも浪漫がある。
両親からも義両親からも嫌われる私とは違い、織姫も彦星も怜悧で箱入りの親に反抗することを知らなかったに違いない。
私なら、駆け落ちするだろう。
此れは之で面白い物語に成るだろうが、私はそんな結末の物語を残念ながら知らない。
今でも、親に逆らうことを知らずに育った子は居るだろう。親に原因がある場合も在るが、生まれ持った其の子の性質の場合も在るだろう。
私は我が強いからか、よく大人に逆らい、よく大人から嫌われた。今では、笑い話だ。数々の若気の至りについては大人げないと思うが、全く反省していない。あの頃を反省するほど、私は真面目でも善人でも聖人でも無い。若気の至りが有ったからこそ、今が在る。
その事実を否定するほど、私は落魄れていないし、高が己の過去の過ち如きで零落れるつもりも無い。
どんなに滑稽で、愚かで、惨めで、どんな醜態を晒そうとも…私は今と未来を諦めるつもりは、決して無い。
他人に私の生き方を委ねて、堪るものか。 私の生き方は、己が決める。