今日は彼と喧嘩をした。昨日は私の誕生日だったのに彼に仕事が入ってしまってパーティーができなくなったからだ。もちろん、しょうがないのは分かっていたのに
つい苛立ちをぶつけてしまいもう2日も話していない。
どうしようと考えていると、ポスターが見えた。
「七夕まつり開催」の文字で今日は七夕であることを
私は思い出した。そしてとある昔話が頭をよぎった時に
あることをしようと考えた。
もうすぐ彼が帰ってくる。緊張しつつも扉が開くのを
待っていると、ガチャリと扉を開く音が聞こえた。
私が彼に近づくと彼はとても気まずそうな顔をしながらも私が話すのを待ってくれた。
「──あのさ。」
「…何。」
「ごめん、仕事なのに八つ当たりして。ご馳走用意したからさ一緒に食べよう。」
「わかった。あと俺の方こそごめん。」
そう言った後、二人で食事をする。2日ぶりに笑顔になれたと思いながら。
ベランダに出て星空を見ていると彼が隣へ来る。
「なあ、なんで急に謝ったりしたんだ?」
「何その言い方。」
「いや、だってお前頑固だからもう1、2日は口聞かないだろ。」
確かに私は頑固だけどそんなにじゃない、と不貞腐れながらも答える。
「今日、七夕でしょ。で織姫と彦星の話を思い出してさ。」
「それで?」
「私たちは織姫と彦星と違っていつでも会えるのに喧嘩ばっかりして年に一度どころか別れて二度と会えなくなるのは嫌だと思って、謝ったの。」
昔話を信じていると馬鹿にされるのではないかと顔が真っ赤になりながら話す。
「そうだな、確かに会えなくなるのは嫌だな。」
と彼はしみじみしながら答えた。
「も、もうそんな真剣に答えなくていいから!」
顔を逸らしながら夜空を見上げる。空には天の川が見えた。織姫と彦星もこんな風に年に一度の逢瀬を楽しめていたらいいなと思った。
7/8/2023, 9:10:50 AM