まる猫

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 “ささの葉さ〜らさら〜”

 遠くから子どもたちの歌が聞こえる

 縁側に飾ってある笹が風により

 さらさらと揺らいでいる

 そこには色とりどりの短冊や飾りが飾られており

 笹の葉を彩っていた

 私は水の入った桶を沓脱石の上に置き

 空を見上げた

 雲ひとつない星空が広がっている

 歌のように本当に砂子のようだ

 天の川の両側に目的の星を見つけ

 桶の位置を調節する

 袖が濡れないように少し捲し上げ

 桶の中にある天の川を少しかき混ぜる

 こうすれば織姫と彦星の光がひとつになる

 今年も無事に会えたようだ

 私は縁側にうつ伏せになり

 指だけくるくると廻し続けた

                   『七夕』より

7/8/2023, 7:36:03 AM