『七夕』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
七夕。そういえば今日は七月七日か。そう思って日付を見たら今日は八日じゃねーか。七夕は昨日だろ。まぁ七夕なんてどうでもいいけど。
てか七夕ってやったことないわあの笹に願い事ってやつ。そもそも笹自体見た記憶ないな。動物園とかで見たことはあるんだろうけど覚えてないや。
しかし七夕もそうだけど絵馬やら流れ星やら日本人はなにかに願い事をするのが好きね。日本人に限ったことじゃないだろうけど。
他力本願というか人事を尽くして天命を待つと言ったほうが正しいのかな。やるだけやっても最後は運だから神様に願うのかね。
どうでもいいけど他力本願は願いを叶えてくれるのを待つのとは少し違うんだっけ。なんかで見たけど仏教の言葉なんだっけか。
確か現世は苦しいし悟りを開くのも難しいから先に仏になった神様みたいなすごい人に救ってもらうために願う、これが他力本願だったかな。調べてないから間違ってるかもだが。
そういえばわからないことがあったら調べる癖をつけたいんだった。なので調べた、けどよくわからんかった。
偉い仏に頼って自分も仏にしてもらう。わかったのはこれくらいかな。まぁ大きく間違ってなかったと思う。
【七夕】
七夕がいいなって思ったんです。俺は織姫と彦星が一年に一回会えるのって考えながらってのいいなって思ったんです。他人にはわかって貰えない。だから、本を読んで自分の持てる語彙全てを七夕に注ぐんです。一年ずっと貴方を思いつけたって証明するために。
「案外執念深いんですよ、好きです。」
1年に1度だから、着飾らないと
今日は七夕
あなたに会える
大人になったら、何をねがうんだろう、と君がいう。
もうねがうことなんてないぐらい、楽しいんじゃないか、と期待に胸をはせるボクはいう。
そんなことないよ。キミは冷たく言い放つ。
暑さが増す夏の夜。体は蒸されてじっとり汗をかいているのに、ボクの心はその一言で氷を当てられたようになった。
そんなことないよ。だって、わたしのママはいつも変な男のヒトにありがとうございますっていっぱいあたまさげて、私を冷たい風呂に入れて変なはっぱを入れて、あなたは愛された子よって言うの。それで、おねがいします、おねがいしますって、いっぱい叫ぶの。紙が棒についたやつをバサバサふって、髪もバサバサになるまで、おねがいします!おねがいします!って。
キミは色の悪いくちびるをかんで、冷たい言葉の後にそう続けた。
フキンシンだっただろうか。フキンシンっていうのをこんなところに使うのかわから、ないけど、これはとてもフキンシンだったんじゃないかな。ボクはちょっと前の自分の言葉を反省して、でも反省してもどうすればいいかわからなくてキョロキョロ目だけ動かした。
もうヤダなあ、とキミはいうのだけれど、ボクは全くイヤじゃない。ボクは、好きな女の子と2人きりで、七夕の日にお出かけして、その最後に暗くなった公園で2人で星を眺めているのだった。それはあまりにロマンチックで、ボクは全身の血がもえるような、それでいて逆に凍ったように落ち着いているような、変な感じを体験した。
キミはカワイイ。ボクはキミみたいにカワイイ子に出会ったことがない。キミみたいなカワイイ子が、彦星と織姫みたいに運命っぽく、そして偶然っぽく生まれたのなら、ひとつ何かが違ったらキミはキミじゃなくなってしまうんじゃないかなと思う。だから、ボクは全くイヤじゃない。キミが不幸なのも、かわいそうなのも、ボクはそれがキミを作ったものというのなら、全くイヤじゃないのだ。
でもボクは、それを言えなかった。頭の中ではずーっとそういうながーいキミへの想いが詰まってグルグルしているのだけど、そんな恥ずかしいことは口から出なかった。
ダンマリのボクに我慢できなくなったキミは、ボクをじっと見た。なにかいうのを待っているキミの姿に、ボクは余計気まずくなって何も言えない。ボクらは数分そうして固まって、でも突然キミはボクの手を掴んだ。ボクはびっくりして、どうしたの、と聞いてしまった。キミはそんなボクを無視して————
——キスをした。
ボクのファーストキスだった。キミにあげたいキスだった。キミにあげたキスになった。
ボクはまたびっくりしてしまって、なんにも話せなかった。キミは顔を真っ赤にして、走っていってしまった。数分そうして固まってたボクは、自分をいくじなしだと思った。もっと、カッコよくすればよかったと。
そうしてボクはとてもロマンチックな七夕を過ごして、学校でもポウっと毎日を過ごした。友達にはそれを笑われたり、つまんねーとぶうたれられたりした。それでもボクは浮き足立っていた。あの日以来、キミとは中々話せないけれど、廊下ですれ違うとキミははにかんで手をふってくれる。ボクはそれに毎回1秒ぐらい止まって、固まった表情で手をふり返したりした。
だがボクは友達もいるので毎日どこかに遊びに行っていろんなことをしていた。キミと過ごした後でもそうだった。
オレ今日塾!
ガイショク?しに行くって。
母ちゃんの店の手伝いする……。
でも、今日はいつも仲のいいみんなが用事があって、ボクは1人で帰らないといけなくなった。
仕方ないのでボクは、人が全くいない道を、トボトボ歩いた。ともだちがいないと、ボクは遊びに行くのもできないので、そうやってちみちみ歩くことしかできなかったのだ。
そんなさびしい道の先に、ボクは人カゲがあるのを見た。珍しいな、ココ、誰も通らないのに。ボクは少し不思議に思ったけど、そのまますれ違おうとてくてく歩いた。だけど、その人に近づいてみると、その顔に見覚えがある。
‘’キミ”のお母さんだ。
ボクは固まった。どうしてここにいるんだろう。キミはいつも早くに帰ってしまうから、お母さんはきっとキミといつも過ごしていると思ったのに。
でも、ボクは固まるのも変だと気づいてしまって、キミとキスしてしまったので、バレるわけにはいかないとふつうっぽくその横を通ろうと、近づいた。
ボクの身長だと、キミのお母さんの手が最初に見えた。その手はとても、ブルブル震えていた。そうしてなにやら変だぞ、一体なんなんだと気づいてボクは、お母さんの顔を見上げた。
日の光が背中に当たって、そのせいで顔には光がさしてなかった。キミのお母さんの顔は黒く一部を塗りつぶされたようになって、表情がよくわからなかったけど、ボクははっきりわかることがあった。
……とても、怒っている!
そして、キミのお母さんはブルブル震えていた手に持っていた包丁を力いっぱい振り上げて、固まっているボクのことをさした。
さした。
この!この!あの子を、あの子は大切な子なのよ!
さされた。
かみ様に あいされた子なの!
グサグサさした。
おまえみたいな!きたないこどもに!
なんだか熱い。
こ のごみ が しね し ね しね しね
死ね!
死ぬのかな、と呟いた。つぶやいたつもりだけどなにも声が出ていなかった。
ボクが死んだら、キミはもっとカワイくなりますか。もしカワイくなるんなら、ボクは全くイヤじゃない。ボクはやっぱり全くイヤじゃない。
“七夕”
天の川
ゆらゆら
笹の葉
さらさら
星の色
きらめき
星たちがかけた魔法は
時のながれを遅らせて
永遠の色をした長い夜
会いたくて会えなくて
待ち侘びたふたりへの
甘くはかない贈りもの
『七夕』
仕事終わり。
クタクタになって駅の方へ歩いていると、ワイワイと騒がしい声が聞こえてくる。
駅なら当たり前だが、どこか楽しそうな声に目を向けると普段無いものがそこにあった。
笹の葉とカラフルな短冊が風でゆらゆらと揺れている。
そうだ、今日は七夕だ。
社会人にもなると、行事ごとに疎くなるもので、今の今まですっかり忘れていた。
子供の頃は、学校の行事等で短冊に願い事を書いたものだが、大人になった今では逆に書く人の方が少ないだろう。
駅主催の行事なのか、笹の葉の周りには机が設置されており、山盛りの短冊と数本のペンが置いてあった。
机で短冊に願いを書き込む者、楽しそうに笹に短冊を吊るす者、皆和気あいあいと行事を楽しんでいるようだった。
こんな煌びやかな所に久々に来たせいか、眩しく感じもしたが、少し興味もありちょっと覗いてみることにした。
そばの行事のポスターをみると、数日前から催していたようで、既に沢山の短冊が笹に吊るされていた。
他人の願いを覗くのはどうかと思ったが、こういうのも七夕の醍醐味な気もしたので笹飾りに近寄った。
【テストで100点取れますように。 なお】
【彼女が出来ますように。 りょうすけ】
【宝くじが当たりますように。 ゆう】
願い事の下に名前も書いてあり、「こういう感じだったなぁ」と懐かしみながら、短冊を見ていく。
まぁ当たり前だが、自分の欲に忠実な願い事ばかりが並ぶ。可愛らしいものから生々しいものまでそれぞれだ。
今は子供ばかり楽しんでいるが、短冊を見るとどうやら大人の字も混じっているので、大人も書いているのだろう。駅の職員はいい企画を考えたものだ。
似たような願いが並ぶ中、一つの短冊が気になった。
【あの子に会いたい。 】
名前は書いておらず、シンプルな願い事。
こういった恋愛系の短冊は何個も見たが、これだけふと気になった。
一体誰に会いたいのか。そんなの、短冊を吊るした本人にしか分からないものだが、何となく気になってしまったのだ。
そして、短冊を見た時に思い出したことがある。
子供の頃、七夕の夜に必ず見る夢があった。
満天の星の下で、同じ歳くらいの男の子と遊ぶのだ。
遊具や何か特別面白いものがある訳では無いが、ただたわいもない話をしたり、追いかけっこで遊んだりと時間を過ごしていた。
顔もはっきりと覚えているが、現実ではそんな男の子はおらず、夢の中にしか現れなかった。
大きくなるにつれて夢も見なくなり、記憶からも消えていたがそういえばなぜ見なくなったんだろうと不思議に思ったが、まぁ子供特有の不思議な夢と思えばそこで納得する。
考え事をしていると、気づけば30分以上も居座っていたことに気づき、さすがに帰ろうとした時だった。
「…あの。」
低い男性の声だった。
声をかけられると同時に肩を掴まれ、声のする方へ思わず顔を向けた。
そこには自分より少し身長が高いくらいの男性がたっており、優しそうな顔立ちをしていた。
走ってきたのか息を切らしており、彼が呼吸を整えながら私を見つめてくる。
何を言ったらいいのか分からず、沈黙の時間が続く。
「えっと……どちらさまで?」
やっと発せられた言葉で、男は我に返る。
「あ、あの……えっと……覚えてない?」
男は小首を傾げながら聞いてくる。
申し訳ないが、私は顔にも見覚えがない。
整った顔立ちをしているため、さすがにどこかで会っていれば覚えているはずだが……。
「すみません……覚えてなくて……。」
申し訳なさそうに言うと、男はガックリと肩を落とす。
「……そうだよな……もう20年近く前だもんな……。」
「え?」
男はボソボソ言いながら、自身のカバンを漁ると何かを取りだし、私の前に見せる。
「これ、幼い頃の俺。」
言葉を失った。
そこには、幼い頃夢の中にでてきた男の子が写っていた。
夢の中でしか出会えなかった少年。
子供の頃は探そうかとも考えたが、もちろん会うことなんてできず断念した。
それが今20年近くの時を経て、今現実で目の前に現れた。
こんな事があるのかと、正直まだ信じられずに困っていると、男は話し始めた。
「実は、君のことは数日前にこの駅で見つけたんだけど、急いでそうだったから。でも尾行して行くのは気が引けて、また会えた時にきちんと声をかけようと思ったんだ。」
確かにここ数日は仕事が忙しくて、鬼気迫る顔でこの駅を歩いていた気がする。
その姿を見られていたと思うと、少し恥ずかしい気もする。
「短冊に願いも込めてよかったな。」
「短冊って、この笹の?」
そう聞くと、男はニコッと笑って笹に目をやった。
「七夕の夜にいつも会えていたから、またこうやって会えるとしたら七夕の夜なんじゃないかって思って、短冊に願いを込めてみたんだ。」
恥ずかしそうに話す彼を、少し可愛いなと思ってしまった。
もしかしたら、ずっと探していてくれてたのだろうか。
この20年近くずっと?
そう思うと胸の奥が少し暖かいような苦しいような気がした。
「どうして、そこまで……」
私が小さな声で問いかけると、少し寂しそうに答えた。
「俺、家族とか人間関係全然上手くいってなかったんだ。だから人と話すの嫌いだったんだけど、君と話してる時はいつも楽しかった。」
まっすぐと私を見つめる彼の目は、まるで星が降ったかのようにキラキラしていた。
「きっと君に会えていなかったら、ずっと人と関わらずに生きようとしていたと思う。少しでもこうして、前向きに生きてこれたのは君のおかげなんだ。」
優しそうに話す彼に対して、上手く言葉にならず、どう話せばいいか分からなくなって俯いていると、男は跪いて私の視界に入ってくる。
「迎えに来るのが遅くなってごめん。どうか、俺と一緒になって貰えませんか?」
熱烈なプロポーズを受けて、良い返事をしてあげたいところだが、幼い頃に仲良くしていたとはいえ、私は彼の事をずっと忘れていた。
彼は私の事をずっと思っていたかもしれないが、私は彼にそこまでの気持ちを持っていない。
それなのに、プロポーズを受けるのは少しいい加減なのではないかと思ってしまう。
言い淀んでいると、目の前の視界がぐにゃりと歪んだ。
ぐるぐると歪む視界。
私を呼ぶ彼の声。
どんどん遠くなって、意識はとだえた。
目が覚めると、自分の部屋で寝っ転がっていた。
どうやら帰ってきてそのまま寝てしまったのか、外着のまま眠っていた。
この時期特有の蒸し暑さのせいで、汗をじっとりとかいていて気持ち悪い。
男が出てきたのは夢だったのだろうか。
はたまた現実か。
とりあえず、夢の中だろうと現実だろうと、
彼にいえなかった返事を考えておくべきだなと、私は思うのだ。
#七夕
お母さん、愛ってなんですか?
安定ってなんですか?
愛と安定ってどっちか揃ってなかったらどっちをとればいいんですか?
24歳になって周りが出産、結婚をし出してお母さんは安定してていい収入の人と結婚しなさいって言ったよね。
どうしたらいいんですか。
教えてよお母さん。
今年は会えたね
一年、好きな人に会えないなんて
きっと私には耐えられない……
下手すると
二年も三年も……何年も会えないんだよ?
“大丈夫?”
なんて言われて
甘い言葉に惑わされることもなく
二人は互いを思う
川に挟まれ
互いの姿を確認する
姿形は見えても
表情が見えないかもしれない
何か叫んでも
川の音が声を掻き消すかもしれない
それでも互いを信じて……
それがもし
私と旦那だったら
何年、もつだろう?
そんなことを考えて
クスクス笑ってしまう
冗談交じりで
それはそれで長続きするんだろなぁ
(2023.07.07/七夕)
『織姫と彦星』テーマ:七夕
一年に一度しか会えない織姫と彦星の話。
くだらない。私にはなんの関係もない話。だけど毎年私の気持ちを憂鬱にさせる。だって、誰も私の誕生日だってことを認知してくれないから。そう、思っていたけれど。あなたは違った。
私の彦星はどこにもいない、なんてくだらない冗談を言ったら、僕を君の彦星にしてくれないか? なんてクサイセリフで返してきた。そんなことを言ってきた人は初めてだった。
最初は少し気持ち悪いと思った。でもその気持ちは本当だったみたいで、あなたはいつも私に真剣に向き合ってくれた。だからほだされたのかな。でも確かに愛されている実感があなたのことを信じさせてくれた。
私たちは晴れて恋人になった。それから結婚もした。でも幸せなのはそこまでだった。
あなたが死んだのは私の誕生日だった。ケーキを買った帰り道の事故だった。
誕生日であり命日である、という事実が私に重くのしかかった。けれど考え方を変えた。私たちは同じ日に生まれ、同じ日に死んだのだから、一年に一度会えているのではないか?
それから私は織姫になった。
七夕の思い出と言えば、七夕が近づくと近所の人が笹を貰いに来たことだ。
何をするのかははっきり分からないが、おそらく七夕の飾り付けだろうか。短冊を飾ったりしたのだろう。
『願い事』
七夕は、年に一度だけ織姫と彦星が会える日だ。
この2人の恋愛はいいなと思う。
お互いがお互いを好きで、一年待っている。
ここまでとはいかずとも、私にもそんな人ができたらいいな。
短冊にはなんて願い事を書こう。
お星さまへの願い事。
『いつか、私にも大切な人が出来ますように』
って書こうかな。
お題:《七夕》
七夕
「絵が上手くなりますように」
「小説が上手く書けますように」
「ギターが弾けるようになりますように」
「デザイン力が上がりますように」
「誰1人裁縫の話しないじゃない!」
「まあまあまあ」
「『彼女ができますように』!? 知るか!」
「まあまあまあ」
「『世界平和』? 荷が重いわ!!」
「まあまあまあ」
「こいつら七夕をなんだと思ってるの!?」
「でもみんな晴れるように祈ってくれるし」
「望みと釣り合ってないでしょーが!」
「願い」という名のワガママを
自分勝手に、空へと託す
胸の奥に閉じ込めていた
あれやこれやを
ぜんぶ開放していいんだよ
言いたいことを全部
言ってしまっていいんだよ
わたしたちだって
しあわせにならなくちゃ
【七夕】
今年も曇り空だった
でもその雲の上はきっと美しい天の川が流れていて
わたしたちには見えなくてもそれはただ
ただただ美しいはずで
この地球も、月も、太陽も
宇宙全てのほんの一部が人間なのだと思う
けれどいつしか人類はそれを忘れて
宇宙にも地球にも我が物顔で
そんな人類の願いは叶わないかもしれない
でもそれでも願いたい
どうかもう争わないでほしいと
傷つけあって欲しくないと
『七夕』
【テーマ:七夕】
七夕の由縁となる織姫と彦星の話を知っているかい?まあ、知っているか否かという話であれば殆どが知っているだろう。
簡単に言ってしまえば神が着るような凄い服か布を作る女(織姫)にふさわしい婿を探すと、川辺(天の川)に牛の世話をして真面目に働いてる男(彦星)が居て、付き合わせたら遊んでばかり、なので別れさせたら働かずという風に悩みの種となってしまったものの、真面目に仕事をすれば一年に一度会えることにすると、これまで以上に真面目に仕事をやるようになった…というものだ。
君らはそんな逢引中やもしれん織姫彦星が今日邂逅した天の川は見れたかな。残念ながら私は相も変わらず星が幾つか瞬くか、若しくは一つも輝いていない地域だからね。いつの日か空いっぱいに広がる星や天の川を見てみたいものだ。
さて、今日…正確に言うなら昨日かな。七夕らしいことはできた人はいるかな。私は残念ながらそんなこともなく夏休みに向けて少々変わった予定で一日が終わったよ。
例えば短冊。短冊に願い事を書いて笹に飾ること。やった人はいるだろうか。私はこの文を書こうとして初めて七夕だったと気づいたくらい季節感がなかったね。
短冊についての思い出となれば、中学校の頃のことが挙げられる。そのとき、生徒会だったかな。そのような感じの生徒たちが笹と短冊を用意してくれたことがある。当時の友人と“何書いた?”だ“秘密”などの会話をしたのも随分懐かしく感じるよ。
七夕は行事の一つ。言い換えれば、己という物語に見出しをつけて紡げる話の一つだ。その物語は自分しか読まない自分だけの本。是非とも好きなように紡いでいくといい。
今日は遅くなってすまないね。なにしろこのアプリを思い出したのは九時頃、そこから寝落ちして十二時頃、その後風呂から出てこれを書いている。できれば許してくれると嬉しい。なのでSSの練習も辞めておこうと思ったが、折角七夕というテーマなのだから書いてしまおうか。
《追記》
寝てる間にハートめっちゃ増えてるΣ(º ロ º๑)
僕のを楽しみにしてくれてると思うとモチベ⤴️⤴️なんですわぁ
こんな駄文を心待ちにしてくださってありがとうございます(>᎑<`๑)♡
『以下練習用SS』
今までの夜空や星空とは何だったのだろうか。そう思わされるほど紺色が見えない空を見上げる。
今日は七夕だ。しかしどうせ一人寂しく仕事をして帰って何もせずに寝るのだ。ならばいっそのこと、と思って休みをとって天の川を見に来たのだ。同じような考えなのか、周りには同じように空を見上げている人々が点在している。
なかなかな田舎の方にあると言っていた友人の地元に来てよかった。家族連れの二組もこの広大な草原ではあまり騒がしくないように感じる。むしろ適度に聞こえる笑い声が風情をより増幅させているように思えた。
ふと考える。自分の踏みしめている地球も、あの天の川のうちの一つの星から見れば同じようなものではないか、と。そんなちっぽけな星のちっぽけな人間を気にする人物なぞ、殆ど居ないのではないか、と。
「ふふ。」
そう考えると気が楽になった。そうだ、元々地球もちっぽけな星なのだから、そこに生きる生物もちっぽけなものなのだ。だから細かいことを気にする必要はないのだ。
「よし。」
明日は既に休み。少しゆっくりしてから帰って、明後日からまた仕事を頑張ろう。
たまにはこういうご褒美も良いものだ、そう思って今の気分とは真逆なコーヒーをすすった。
七夕
入院している子供達の気を紛らわせるため、ここではこの時期になると短冊に願いを書いて笹に吊るす。俺がここに勤め始めたときからこの行事は続いていた。大体の子供が
「早く治りますように」とか、
「学校に行けるようになりますように」
とかの日常に戻りたいことを表す内容を書いた。
さて、彼女は何を書くのか。メンタルチェックの一環にもなるだろう。年頃を考えると書きたがらないかもしれない。いや、幼児退行が見られることがあるから乗り気で書くかもしれないな。そんなことを考えながら廊下を歩く。本人の意思を尊重しよう。それにしても、15歳の子供の接し方は未だにわからない。大人しか相手にしてこなかった精神科医が、急にできるようになるわけがないが。
「先生?どうしたんです?今日はお話しないんですか」
そこまで言われて意識が戻る。無意識のうちに病室に入っていたようだ。
「ああ、いや、ごめんね。少しぼうっとしてた。」
俺は書類の中から短冊を取り出し、彼女に差し出す。
「そういえば、そろそろ七夕だろう?少しでも雰囲気を感じられるように短冊に願いを書いてもらうんだけど、なにか書きたいことはある?」
「あります。鉛筆ありますか。」
間髪入れずに答えられた。言われるままに鉛筆を渡し、筆が走るのを眺める。彼女が下を向くのに従って長い黒髪がテーブルに落ちる。
この子は人間味のある顔をしていない。強いて言うなら、人形のような顔だ。一般的に理想的とされるそれぞれのパーツが、理想の大きさで理想の位置におさまっている。無表情の彼女は少し恐ろしい。少なくとも俺はそう感じる。
ほんの少しの間を置いて、彼女が顔を上げた。
「はい、かけました」
短冊が手渡される。
『かえりたくない』
なんだこれ。帰りたくないって?家にか?今までのカウンセリングでは……あまり聞いてこなかったな。普通だと答えてそれっきり。何か事情があるのか。今後は学校以外のことも聞いていこう。事件につながる可能性もある。
「うん、ありがとう。じゃあ今日の質問だけど……」
______
カウンセリングを終えた後、部屋で
俺は短冊をファイルにしまった。
七夕____
学校の廊下に竹が2本あった。生徒が短冊を書きすぎてほぼ竹なんて見えなかったかが、放課後私も友達とその短冊だらけの竹の前に立った。
「彼女をください!!」
「あわよくば赤点回避」
「推しと結婚♡」
「楽しい高校生活になりますよーに」
みんな、それぞれ思い思いの願い事を書いていた。私は何を書こうかと迷ったが、真っ先に浮かんだのは好きな先輩のことだった。
ロッキンというライブに行く約束をしていた私たちはもう少しで当選結果がわかる頃だった。「ロッキンに行けますように!」私はそう短冊に書いた。
「まったー!」
飾ろうとした瞬間友達が私の手を止める。
「先輩の名前入れないの??」
「えー、バレたら最悪じゃん」
「いやいや、こんだけあるんだから大丈夫だよ!」
「確かに。じゃあ、イニシャルだけ入れるよ」
「そーしな!そーしな!」
友達はニカニカしながら短冊に「好きな人と両思いになれますよーに♡」と書いた。私は、「T先輩とロッキンに行けますように!」と書きなるべく目立たないところに飾った。
「ねぇ!T先輩ってのが話題になってる!」
そう友達からのLINEに私は思わず声を上げた。
先輩は友達と同じ部活であり、大盛り上がりで話をしていたため思わず耳を傾けるとわたしの名前が上がっていたとか。そして、先輩のスマホの中には私の短冊があったとかも…。
ロッキンには無事当選した。
だけど、次どんな顔をして会えばいいのか、。
~七夕~
イチャイチャしすぎで親父に怒られ
別居を余儀無くされた夫婦に願を
掛けるってどうなんだろう
自分達のことで精一杯で ほかのヤツの
ことなんて考えられないと思うんだが
まぁ、これは一緒に願い事を書く相手もいないヒガミってもんだろうな
~友だちの思い出~
あいつの兄貴は頭が良かった
もともとあいつの兄貴と友達で
そういや どっかの大学の天文学部に
行った気がする
あいつと初めて会ったのも
誘われた流星観測会でだった
あいつはガキの頃から可愛かった
~星空~
せっかく久しぶりに星でも見ようと
外に出たのに雲っていて
星なんか1つも見えない
~神様だけが知っている~
この夏休みはあいつと出掛けようと
いっぱい考えていた
楽しくなると思っていた
でも、あいつは他に好きなやつが
出来たと言った
なんだか全てが終わった気がした
次に誰かを好きになることなんて
あるんだろうか
それを知っているのは…
~この道の先に~
毎日バイト帰りに通る公園
この道はあいつの家に続いていた
一緒に下らないこと話しながら
帰っていた時はあんなに幸せだったのに もう ここの先を通ることはないだろうな
~日差し~
フラれて死にそうな俺にも
公園で走り回るガキんちょ達にも
真っ黒な日傘をさして歩くお姉さんにも
携帯見ながら木陰で休むおじさんにも
同じように降り注ぐ
夏の日差しは容赦がない
~窓越しに見えるのは~
バイト先の喫茶店
その窓越しに見えるのは
いつもの風景だ
何も変わらない
どうせお客は誰もいないし
なんとなく外を見ていると
~赤い糸~
真っ黒な日傘をさしたお姉さんが
よろけるが目に入った
別にいい人ってわけじゃないが
声をかけた
絆創膏を渡した
照れた顔がかわいいなって
思った
~入道雲~
あれから何度かお姉さんは
バイト先の喫茶店に来た
大したことは話してない
何でだか 明日は一緒に映画にいく
ちょっと面白そうだと思っていたやつだし
バイトの先輩がイケイケ煩かったし
お姉さんの真っ赤になった顔が
可愛かったし
青い空に入道雲がやけ白く見える
明日も暑そうだ
笹の葉揺れた 風が吹く
つられて踊る 短冊
願い事は 夢の中
天の川 年に一度の鳥の橋
薄い衣を靡かせて
2人で笑う まだ夜半ば
淡く光る 天の川
蛍の舞いに 夜を告げた
まだ朝日は起きず
君とボクとの約束と 空の2人の約束と
繋ぐ星は川となる
お題【七夕】
タイトル【明日を忘れて】
今日のテーマ
《七夕》
「じゃーん! 今日は七夕メニューだよ!」
「うわあ! すごい!」
「かわいい! お星さまだ!!」
妻の自信満々の声に、子供達が歓声を上げる。
今日の夕飯は七夕メニューと言うだけあって、随所にそれらしさが散りばめられている。
ちらし寿司の上には星形にくり抜かれた薄焼き卵や海苔が散らされ、ウズラの卵を顔に見立てた織姫と彦星が鎮座している。
吸い物には星形のおくらと手鞠麩と結びかまぼこ。
主菜のミートローフも星形にくり抜かれた人参が使われているし、トマトを器にしたポテトサラダにも星形の赤や黄色のパプリカとハムが飾られている。
デザートには天の川をイメージしたサイダーのゼリーが用意されているらしい。
子供達は目を輝かせ、食べるのがもったいないねと言いながらそれらを平らげていく。
その様子は微笑ましく、夫婦揃って相好を崩して眺めたのだった。
もともとこうしたイベントでは張り切って凝ったものを作るのが好きな妻だが、実は今日について言えば七夕だからというだけではない。
子供達が寝た後、ここからが僕達夫婦にとっては本番だ。
冷蔵庫の奥、子供達に見つからないよう隠しておいた洋酒たっぷりのケーキを前に、爽やかなレモンサワーで乾杯する。
今年は七夕が週末にあたったこともあり、普段の年よりもゆっくり楽しめそうだ。
「今年で結婚して10年か。長かった気もするし、あっという間だった気もするな」
「子供ができてからは特に時間が過ぎるの早いよね」
「これからもよろしくな」
「こちらこそ」
そう言い合って、もう一度グラスを合わせた。
まだ大して飲んでないのに、妻の頬はほんのり色づいている。
僕の頬も僅かに熱を持っているが、アルコールのせいばかりではない。
七夕というイベントにかこつけてプロポーズしたのが11年前の今日。
仕事の都合などもあって、1年の婚約期間を経て結婚したのが10年前の今日。
七夕という日は、僕ら夫婦にとっては特別な日なのだ。
織姫と彦星のように、恋にかまけてやるべきことを疎かにするようなことがないようにしようねとお互いに笑い合う。
今年の七夕もつつがなく過ごせたことに感謝しながら、この先も家族みんなが健やかに幸せに過ごせますようにと願うばかりだ。
七夕飾りの短冊にしたためた思いを噛み締めて、特別な記念日の夜を愛する妻と存分に楽しむ僕なのだった。