『一筋の光』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
一筋の光
小さなこと。どんなことが活路を見出し、心を軽くしてくれるか。
ほんとに小さなことだと思う。
誰とも語り合えなくても、面白かったあの映画の主人公の足取りをこっそり真似た。そんな自分の姿がなんだか心地よかった。
わかってもらえなくとも、知らなくとも、別にいい。私だけの空間がここにあるんだ。
けれど、いつものレンタルショップで貸出中のそのDVDを見ると、今は違う誰かがあの世界に入り込んでいるのだろうと思えて、私は軽いスキップに鼻歌を加えるのだった。
代わり映えのしない毎日
出口のない孤独と退屈
あの子はあまりにも遠すぎる
重く垂れ込めた雲の切れ間から射した細い光の筋に最初に当たることができたなら、何かが変わるだろうか
"一筋の光"
今日は朝からずっと曇り空。「雨は降らない」と予報だが、朝は薄らだった雲が少しずつ厚くなっているような気がして『本当に降らないのか?』と何度も疑った。帰路に着こうと扉へと歩きだす患者達に
「天気予報では《降らない》と言っていましたが、空模様が怪しいので雨に打たれないよう、お気を付けて」
と、声をかけて扉が閉まるのを見送った。
やはり杞憂だったか、いつまで経っても雨は降らず、夕方になった。流れが落ち着いてきたので、窓の外を見上げる。夕方になっても尚、曇り空が広がっているだけ。
「いらねぇ気遣いだったか……」
今やお節介となった自分の気遣いが患者達に『かける必要のない心配をあおってしまった』と少し気分が落ち込み、視線も少し下に向いてしまう。
──いけない、まだあるんだ。上を向かなければ。
パッ、と視線を上げる。
「……っ」
窓の外。今まで見た事のない光景が目に飛び込んできた。
分厚い雲の切れ間から夕日の光が漏れ出て、綺麗な光のカーテンができていた。
窓の錠を上げ窓を開けて、改めて光のカーテンを見る。
本当に綺麗で、思わず息を呑む。
──あの人達も、この空を見ているだろうか?
ふとそう思うと、口角が少し上がった気がした。
深く吸い込んで、長く息を吐き出して身を引き締めると窓を閉める。
──さてと、もうひと踏ん張りだ。
身を翻し窓から離れて、元の場所に着いた。
#一筋の光
「ブラックホールみたいだね。」
いつだったか先輩に言われたことがある。
これは私の目がブラックホールみたいに黒くて
「なんか吸い込まれそう。」
ということらしい。
確かにカラコンをつけても黒いが故に目立たず、あまり目に光がなかったなぁ、とふと思った。
___
今年に入って心の調子が落ちた。もう1年終わりそうである。
自分で気づかない間に少しずつ蓄積されたストレスと不安は半年も経てばそれなりに重くなっていたらしい。きっと他の人にとっては大した事ないんだろうな。多方面に申し訳なくなる。
でも、こんなふうに味方でいてくれる人がいた。
「心身共に疲弊して涙を流すほど苦しいと思った。それはあなたが限界である証拠。「他の人は」じゃなくて、「あなた」の基準でいい。優しすぎるが故に心が疲れてしまったから。弱くない。自分がもう無理だ、限界だって決めていいから、死にたくなるほど頑張る必要ないんだ」
今は心を休めることにした。少しだけ自分を許せるようになった。いつか心に明かりが灯るはず。生きたいと願うようになった。
____
「ねえ、こんなに明るい茶色だったっけ?」
ふと恋人に言われた言葉。
一緒に鏡を覗いたら驚いた。電気の明るさのせいかもしれない。だけど前より幾分も目が透き通って見えた。
(きっとあなたのおかげで心が落ち着いたんだ)
いつの間にか自分の中で整理がついていたのかもしれない。
暗い視界から見える世界は気づかない内に淀んでしまう
一筋の光は一瞬の望みだけれど、その光さえつかむことができれば大きな変化を生み出せる。
朝が来るのが怖くて、夜は安心するようで心がざわつく日々を送っている人がいたら。そんな日々が自分の弱さのせいだと思っている人がいたら、それはきっとあなたの限界であって。
日が昇っては沈む日々は命が尽きるまで続くから。休む時間だって必要なのだと思って欲しい。逃げてないよ。そんなあなたを褒めてあげたい。少しでも早く光を掴めますように。
一筋の光
私の中で
小説や映画、ドラマのナレーションで
使われてるという言葉
実際に使った事ないかも
意味は分かるけど
使うタイミングがないなぁ
暗黒の世界で一筋の光が見えた
あなたが現れて、私の人生に一筋の光がさした
一筋の光
私にとっての一筋の光
ほんの少しの希望、それが叶うかも
と思えるときに差し込んで来る光
いつか、一筋の光となって差し込んできて欲しい
6.一筋の光
暗闇の中に差す一筋の光
私にとってそれは…
なにを表すのだろうか?
希望それとも道標
いや、君が照らしてるんだ
君から私へのエール
早くこっちおいで
暗い所に居ないで
明るい所においで
私は嬉しくなる
手招きして
呼んでくれる
君を探してた
笑顔で迎えてくれる
君を探してたんだ
歩いて行きたかったんだ
君と一緒に
暗闇だった。
わたしって
病気
なんだ。
だから
他の人から
考え過ぎ
気にし過ぎ
真面目過ぎ
って
ずっと
言われてきたんだ。
そういう
病気
だったんだ。
それなら
そうと
もっと
早く
教えてよ!
体が重くて
何も
手につかなかった。
それでも
あなたは
優しく
ぎゅってしてくれた。
ごめんね。
ありがとう。
#一筋の光
非常にまずいことになった。
あと数時間で訪れるだろう脅威に私は焦っていた。
先程まで穏やかだった心臓が、今は絶えず脈動している。
「うわ〜何?頭抱えてる。面白。」
私の深刻な様子を見ても、我関せず話しかける人物。
そんなの1人しかいない。親友の莉奈だ。
「うう…日本史の小テスト、今日だって忘れてた…!」
「あーあ。やっちゃったねー」
私は日本史の授業は常に寝ていて、ノートには文字1つ書き込まない最悪の生徒だった。
そんな状況を分かっていて、莉奈は恐ろしい交渉をする。
「貸してください莉奈様!って懇願すればノート貸すけど?」
「うわあ、もうこの際ネタにされてもいい!ありがたくお借りします莉奈様!」
「こうも素直だと面白くないなぁ…ちなみに範囲はp150〜160ね。」
普段は私をおちょくってばかりの存在が、まさかこの危機的状況を照らす一筋の光になるなんて…しみじみ思いつつ、私はノートを借りた。
***
「…よし。10ページ分の暗記終わり!どんな問題でもかかってこい!」
お昼休みを返上し、ひたすら暗記に努めた私だ。
これなら満点も夢じゃない。
私は期待とともに、日本史の先生が来るのを待つ。
ドアの開く音。
「はーい日本史の授業始めますよー。まずはp160〜p170の小テストから。はい、プリント後ろに回してー」
は?
範囲が全く違う。
全身が冷たくなる感覚。
一筋の光なんてとんでもない。
私が掴んだのは…
親友の方を振り向く。
「間違えた範囲教えちゃった。てへぺろ。」
そう言わんばかりの表情に、私はどんな顔をすれば良いか分からなかった。
#92 一筋の光
暗闇を切り裂く、一筋の光。
僕はクローゼットの中で膝を抱えながら、
息を潜めて扉の隙間から差し込む光をじっと見ていた。
心を占めるのは、
緊張と僅かな不安、それから期待。
聞こえるのは、消しきれない呼吸音と鼓動。
それから、少女特有の高い声。まだ遠い。
僕を探している。
見つかったら終わり。
見つけてもらえないと終わらない。
階段を上がる音。
もっと、もっと探して。
君がいなきゃ、満足に呼吸もできないんだ。
とうとう、この部屋の扉が開けられた。
早く、早く。
でないと僕の心臓が飛び出しそうだよ。
胸を押さえるように、
ぎゅっと腕に力を入れて、その時を待つ。
ざあ、という音と共に光が一気に入り込んできた。
目が慣れなくて、よく見えない。
「みーつけた!」
その弾んだ声から、君が笑っているのが分かった。
君に求めてもらえる喜びが、
僕の心に一筋の光となって差し込む。
「つぎは、-----ね!」
---
ただの隠れんぼを希望される方は、
「私が隠れる番」と入れましょう。
ダークな隠れんぼをご希望の場合は、
どうぞ、好きな部位を、彼女に。
その光は突然現れた。
一筋の光。
神々しくたくましく、荒々しくも優雅に。
誰しもが見惚けた。
その光は街中を包み、そして、やがて全てを消し去った。
「ああ…」
小さな箱の中の世界に対し、その一筋の光はあまりにも巨大だった。
小さな小さな穴。
けれども大きな大きな穴。
誰が開けたのか、それとも偶然だったのか。
「一筋の光」
光明ってこと、なのかな。
天啓ってこと、なのかなぁ?
光が指す方に、生きているものは向かうらしい。
でも、その光が本当に光なのかは解らない。
”一筋の光”は、見る人や状況によって違うんだからね。
一筋の光
もうだめだと諦めそうになった瞬間だった
目の前にあらわれた一筋の光
暗闇の中 私を導く
光さす方へ手を伸ばす
そうだ
まだやれることはある
もう少し踏ん張ってみよう
夢に向かって
もう少し
#一筋の光
#21
300字小説
勇者の帰還
村から北へと向かう道を眺め、今日も私は木に水をやる。
長引く魔王軍との戦いに第五次討伐隊の勇者として選ばれた婚約者が
『必ず帰ってくるから』
と渡してくれた白い花の咲いた枝。それを植え、育てた木に今日も彼の無事を祈る。
「第十次討伐隊の勇者が魔王を倒したぞ!」
それまでの討伐隊がなしえなかった魔王討伐をついに成功させ、無事勇者が王都に帰還したらしい。国中が喜びに湧き、こんな辺境の村にも伝令が回り、皆が盛大に祭を催す。
ようやく訪れた平和に誰もが安堵し祝うなか、私は今日も一人、北へと向かう道を眺め、木に水をやる。
「……あ」
一筋の光が差し込み、木の枝に送られたのと同じ白い花が咲く。
「……おかえりなさい。貴方」
お題「一筋の光」
私は幼い頃からこれといった勝利を経験したことがない。
そんな私でも一度の大きな勝利が大きな自信になることを私は知っている。
ここ最近、部活において勝利を勝ち取らねばならない場面があった。自分に自信をつけたいといった欲望も混じっていた。
だが私は最後の最後で一筋の希望の光を失ってしまった。ただ悔しい勝ちたいそういう想いでいっぱいです。
一筋の光が見えるのは
辺りが真っ暗闇だからだよ
だから余計に手を伸ばしては
届かないと蹲って泣いては
真っ暗闇に沈んで眠るんだ
#一筋の光
一筋の 光の下で 紅の
落ち葉を拾う 幼子(おさなご)2人
色とりどりの 紅葉踏みしめ 幼子が
やらかい秋を 確かめている
(昔、幼い我が子を連れてよく遊びに行った公園を夫婦二人で訪れた。かつて世界的イベントが行われた跡地にある公園だ。今の時期にしては少し強い光が、まだ枝に残る葉の間をすり抜け、昔と同じ美しい紅葉(もみじ)の絨毯と、昔の我が子に似た幼い兄弟に降り注いでいた。昔と同じ、柔らかい秋だと思った)
苦しい局面で一筋の光が見えることを人は奇跡という。
私は奇跡は軌跡だと思う。
奇跡はここまで人一倍努力して、何かを犠牲にしてまで頑張ってきた人にしか起こらない。頑張った人全員に必ず起こるわけでもない。
毎日汗か涙かわからないくらいきつい練習、朝から晩までコートに立って、監督の怒号を浴びた高校時代。引退した今も現役生に監督が私のことを話してもらえるくらいには努力した。それでも私に奇跡は起こらなかった。インターハイ予選で急にプレーすることが怖くなって負けた。正直立ち直れないくらいに落ち込んで、試合後に学校へ帰るバスでも帰ってからのコートでも家でも泣き続けた。
でも次の日から私はコートで泣かない決心をした。
監督にチームのためにサポート側に回らせて欲しいとお願いして、インターハイに進んでくれた選手やまだまだ未熟な後輩の指導やサポートにあたった。本当は惨めで、情けなくて、辛かった。
高校卒業の日。予選でペアを組んでいた後輩が手紙をくれた。「先輩はチームにとってかけがえのない存在です。」この一言で、軌跡なんだと思った。奇跡は起こせなかったかもしれない。でも私の歩んだ軌跡はちゃんと伝わってる。ここに来てよかった。
『一筋の光』2023.11.05
夜空の星のようなキラメキをあの人は持っている。オレとは違って、根っからの正義の人だ。
あの人はみんなを笑顔にする。オレは、どうだろう。偽りの正義で、人を笑顔にすることが出来るだろうか。
更生した、と自分で言うのもおかしいが、少なくとも以前までのような悪さはしていない。それをするとあの人は叱るし、悲しむ。
それでも、不安の種はつきない。もともと、そういう産まれなので、いつその血が優って悪さをするかもわからない。
だから、この地にいないほうがいいのかもしれないと、考えることもある。
試しに遠くに行ってみる。オレを知らない土地へ。
そこでホテル暮らしをしていると、きまってあの人はふらっとやってきた。
奇遇だな、なんて言って。
そんなときのオレは、決まって憂鬱をこじらせていて、ホテルの部屋に閉じこもってウジウジしている。
一寸先は闇だと信じて疑わないオレに、あの人は光を降らせてくれる。
お前がいるべき場所はこっちだと、オレの手を取って引っ張り上げてくれる。
強く優しく気高い、燃える太陽のようなあの人は、オレにとって一筋の光なのだ。
«一筋の光»
雲からの光が、
今でも忘れられないほどに綺麗だった。
#4