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苦しい局面で一筋の光が見えることを人は奇跡という。

私は奇跡は軌跡だと思う。

奇跡はここまで人一倍努力して、何かを犠牲にしてまで頑張ってきた人にしか起こらない。頑張った人全員に必ず起こるわけでもない。

毎日汗か涙かわからないくらいきつい練習、朝から晩までコートに立って、監督の怒号を浴びた高校時代。引退した今も現役生に監督が私のことを話してもらえるくらいには努力した。それでも私に奇跡は起こらなかった。インターハイ予選で急にプレーすることが怖くなって負けた。正直立ち直れないくらいに落ち込んで、試合後に学校へ帰るバスでも帰ってからのコートでも家でも泣き続けた。

でも次の日から私はコートで泣かない決心をした。
監督にチームのためにサポート側に回らせて欲しいとお願いして、インターハイに進んでくれた選手やまだまだ未熟な後輩の指導やサポートにあたった。本当は惨めで、情けなくて、辛かった。

高校卒業の日。予選でペアを組んでいた後輩が手紙をくれた。「先輩はチームにとってかけがえのない存在です。」この一言で、軌跡なんだと思った。奇跡は起こせなかったかもしれない。でも私の歩んだ軌跡はちゃんと伝わってる。ここに来てよかった。

11/5/2023, 12:16:19 PM