#一筋の光
「ブラックホールみたいだね。」
いつだったか先輩に言われたことがある。
これは私の目がブラックホールみたいに黒くて
「なんか吸い込まれそう。」
ということらしい。
確かにカラコンをつけても黒いが故に目立たず、あまり目に光がなかったなぁ、とふと思った。
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今年に入って心の調子が落ちた。もう1年終わりそうである。
自分で気づかない間に少しずつ蓄積されたストレスと不安は半年も経てばそれなりに重くなっていたらしい。きっと他の人にとっては大した事ないんだろうな。多方面に申し訳なくなる。
でも、こんなふうに味方でいてくれる人がいた。
「心身共に疲弊して涙を流すほど苦しいと思った。それはあなたが限界である証拠。「他の人は」じゃなくて、「あなた」の基準でいい。優しすぎるが故に心が疲れてしまったから。弱くない。自分がもう無理だ、限界だって決めていいから、死にたくなるほど頑張る必要ないんだ」
今は心を休めることにした。少しだけ自分を許せるようになった。いつか心に明かりが灯るはず。生きたいと願うようになった。
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「ねえ、こんなに明るい茶色だったっけ?」
ふと恋人に言われた言葉。
一緒に鏡を覗いたら驚いた。電気の明るさのせいかもしれない。だけど前より幾分も目が透き通って見えた。
(きっとあなたのおかげで心が落ち着いたんだ)
いつの間にか自分の中で整理がついていたのかもしれない。
暗い視界から見える世界は気づかない内に淀んでしまう
一筋の光は一瞬の望みだけれど、その光さえつかむことができれば大きな変化を生み出せる。
朝が来るのが怖くて、夜は安心するようで心がざわつく日々を送っている人がいたら。そんな日々が自分の弱さのせいだと思っている人がいたら、それはきっとあなたの限界であって。
日が昇っては沈む日々は命が尽きるまで続くから。休む時間だって必要なのだと思って欲しい。逃げてないよ。そんなあなたを褒めてあげたい。少しでも早く光を掴めますように。
11/5/2023, 12:47:02 PM