誰とも語り合えなくても、面白かったあの映画の主人公の足取りをこっそり真似た。そんな自分の姿がなんだか心地よかった。わかってもらえなくとも、知らなくとも、別にいい。私だけの空間がここにあるんだ。けれど、いつものレンタルショップで貸出中のそのDVDを見ると、今は違う誰かがあの世界に入り込んでいるのだろうと思えて、私は軽いスキップに鼻歌を加えるのだった。
11/5/2023, 12:52:04 PM