『ブランコ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ブランコ楽しい
大体みんな小さい頃に乗ってる
楽しいけどその場にたくさん人がいたらすぐ交代しなきゃいけない
もっと遊びたかったのにって思って滑り台に行く
ゆらゆらり
月に腰掛け
夢を見てる
星が降る夜
君を見てる
近くになり
遠くになり
届きそうで
届かなくて
子供のまま
夢を見てた
さようなら
いつかまた
大好きな君
『ブランコ』
ブランコ 2/1 (木).
「お隣、いいですか」
素朴というか、飾り気のないというか、暖かいというか。
そんな声で、ふと聞かれた質問に、適当に僕は答える。
「はい。」
はい、うん、わかった、おっけー。これは僕の口癖の数々であり、悪い癖である。
人になにかを聞かれるだとか、お願い、頼み事だとか。そんなことには大抵
こんな言葉を返すのが僕の癖で、大事を任されて徹夜をするのもしばしば。
その事を思い出し、はっとする。ふと隣を見やる。そこには、黒髪ミディアムの少女が
ブランコにゆらりと座っていた。
…なんだ、ただブランコの隣に座っていいか聞いただけか。
僕はほっとして、手の力をふわ、と抜く。そして、彼女の横顔にすこし見惚れた。
特別美人だとか可愛らしい顔立ちというわけではない。…失礼だが。小説などで
よくいる美しい女性はストレートな髪型だったりするが、この少女は毛先や前髪が
若干カールしていて、ふわふわ、と揺れている。恐らく先天的なくせ毛。
僕はその髪にも、きれいな瞳にも、不思議と惹きつけられる。
その少女は、僕に視線を合わせ、こう言った。
「ブランコって、素敵な魅力がありますよねえ」
「…そうですね」
そんな、適当な会話。それが、僕の心が穏やかに、緩やかに癒やされる。
僕は疲れているのかもしれない。僕は彼女と、にこにこと話をし続けていた。
……………
…よし。僕はペンを机に置き、小説を書き上げた。題名は、「ブランコ」である。
『ブランコ』
「ブランコで大車輪ってできるモンなのかね」
「無理だろ」
「できるぞ」
「は?」
「俺ならできるぞ」
「何言って」
「1、2の、3っ!」
ピロン♪
「ん、LINEきたな。何これ動画?」
『ヤバヤバヤバヤバめっちゃ回ってる!!!』
『回ハッハッハッwwwwwファーwww』
『真顔やめダハハハハハwwww』
『いき………いきできなイッヒッヒッヒwwww』
「いやなんだこれ(困惑)」
ブランコ
ゆら、ゆら、ゆら
世界が揺れる
ゆっくりと繰り返される
ゆら、ゆら、ゆら
空が近くなり
遠くなる
ゆら、ゆら、ゆら
繰り返しているうちに
世界が霞んでいく
忘れたくて揺れていたのに
規則正しい揺れが、音が
悲しさを際立たせていく
揺れるブランコの下
ぽつりと水滴が跡を残した
ブランコ
風を正面に受けながら、自転車のペダルを踏み込む。この道を通るのはあと1回だけだ。私の青春は青かったのだろうか。中学の時より馬鹿をした気がするが、最後の3年間なのだから見逃してほしい。
通学路から少し外れた所に小さめの公園がある。公園といってもブランコと滑り台しかないので、子供たちが遊びにきたりすることもない。存在はなんとなく覚えてはいたが行ったことはない。せっかく思い出したので、自転車からおりて公園に向かって歩き始めた。
やはり老朽化が進んでいるが、まだ乗れないほどではない。ブランコに座りこぎ始める。空が恐ろしいほどに青く、思わず目を逸らしてしまった。
目を逸らした先に、春を知らせるように菜の花が咲いていた。
また、ここに来たいと強く思った。
ブランコ
───薄寒い夕方
ブランコに揺られながら
君が笑ってる顔を思い出すんだ。
僕にとって君は特別で
どうしようもないくらい好きだったんだ。
でも君は友達としか思ってないよね。
分かってるけどこのままは
嫌なんだって思って覚悟を決めた。
帰り道で電車を待ちながら
TikTokを見てる君の肩を叩いて
僕と目が合った時に
「好きだ、付き合ってくれ」
勇気を出して言った。
タイミングが悪かったのか
電車が通って僕の言葉は届かなくて。
もう一度、もう一度言おう。
そう思った時
君のスマホの通知が鳴った。
僕の知らない男と親しそうな内容で
話しているのを見えてしまった。
誰?と聞いても友達だよと君は言う。
僕はとてもそうには思えない、
友達には「愛してる」なんて
言わないはずなんだから。
僕の気持ちが届く前に
失恋したなんて信じたくない。
でも君が幸せそうで苦しい。
好きな人の幸せは僕も嬉しいのに、
嬉しいはずなのに。
いつも君は、子供のような雰囲気を醸し出しているけど、ブランコに乗るとどこか儚い雰囲気を醸し出す。
そのまま消えたりしないでね。
ブランコ
公園の前を通ると、どうしてブランコに乗りたくなるのだろう。もう成人したというのに、小学生が乗っているのを見ると私も一緒に乗りたくなる。近所に、昼はあまり人がいない、いやほとんどいない公園がある。別に悪いことをするわけでもないのに周りを気にして乗ろうか乗らないかひたすら迷う。結局、こんな大人が、と思い乗らないのだが。
私の夢の一つは、ブランコを思い切りこぐことです!笑
中学時代からの友達と公園で語ることがある時に、こげばいいか。笑
案外すぐ叶いそうだ。
300字小説
三日月ブランコ
軽い気持ちで行った心霊スポットで俺は若い母親の幽霊に憑かれた。同じく幽霊になっている娘を見つければ成仏してくれるという。
『あの子はいつも私の帰りを公園のブランコに乗って待っていたの』
今時、どこの公園も危険だとブランコは撤去している。それでも俺は彼女の朧気な記憶を頼りに娘を探した。
ようやく見つけた母娘の住んでいたアパート。が、近くの公園のブランコは数年前に撤去されて無くなっていた。
もう一度、夜に母親と向かう。暗い中、無いはずのブランコを漕ぐ音が響き
『お母さん!』
黄色いブランコから娘が飛び降りて駆けてくる。
『おかえりなさい』
『ただいま』
二人が消える。その向こう西の空に三日月がひっそりと光っていた。
お題「ブランコ」
仕事の帰り道、何を考えたのか、いつもより遠回りして帰った。
道の途中には、小さな公園がある。
ベンチが三つ並んでいて、花壇が公園を囲んでる。今は寒くて何も咲いてないけど、春になると何かの花が咲く。
公園の中心には一台のブランコ。
あれを二人で漕いでいた。あの子に恋をしていた。
二人並んで、きぃきぃと鳴くブランコを、青空に飛び出していきそうなくらいに漕いだ。
久しぶりに腰をかける。ギィ…と鳴くブランコ。私たちが歳をとるように、ブランコも、歳をとるみたいだ。
空を見上げると、藍色の空に、白く瞬く星が散らばっている。
あの時とは違う空。あの時とは違うブランコ。あの時とは違う私。
あいつ、元気かな。まぁ、どこにいっても元気だろ。
そんなふうに昔の記憶を思い出して、空を見上げながら穏やかに笑う。
一つため息。ゆっくり立ち上がる。キリキリ…と、チェーンが擦れる音がする。
このブランコは、来週で取り壊されるそうだ。あいつとの思い出も、これでなくなる。
空から見ていて。ブランコに乗りながら。あの頃のように、笑顔でさ。私も、あとちょっとで、そっちに行くから、その時は、あの頃のように、10年前のように、ブランコに並んで座ろう。
約束だ。そう言って、ブランコの前に立つ。一瞬だけ、笑うあいつがブランコに座っているのが見えたのは、気のせいだと思う。
ブランコ
久しぶりに乗ってみた
子供の頃よく乗っていた時のことを思い出した
あの時に戻れたらな なんてことを考えてみたりしたけど、なんでもないこの瞬間が大切なのかもしれない
「ブランコ」
行くあてもなく歩いて
たどり着いた公園
とりあえず
ブランコをこいでみる
オレンジ色の空が
遠くなったり
近くなったり
″気持ちいいなぁ…″
さっきまで悩んでた事が
どうでも良くなってくる
さぁ、帰ろう!!
夕飯の支度しないとね
もう長いことブランコには乗っていないけど、子供の頃はよく乗っていたな
立ちこぎもしたよ
空に届きそうなくらい思いっきりこいだ
鎖がたわんでガッチャンガッチャンいうくらい
「今手をは離したら死ぬかも」って思いながらガッチャンガッチャンって
公園を通りすぎるとき、ブランコが見えると、「ああ、こぎたいな」と思う。
大人になってから、ブランコに乗ることはなくなった。
だって目立つから恥ずかしい。子どもから「ママーあの人、大人なのにブランコに乗ってるー」なんて指を指されたら辛い。
それにブランコのほうが大人である私を拒んでいるときもある。昔ながらのブランコは撤去されて、子どもにしか座れないようなブランコが設置されているところがある。
だから、まだ私が乗れるようなブランコが残っているのを見ると、嬉しくなる。嬉しさも相まって、乗りたくなる。
私が何の躊躇いもなく、気持ち良くブランコに乗るためには、大人という外聞を捨て去るか、この世界の大人全員がブランコに乗るか。そのどちらかしかない。
願わくば、後者のほうであってほしいと思うばかりである。
ブランコ
前へ後ろへ揺れる
大きく前へ漕いでも
大きく後ろへ引き戻される
それより前には進めない
もがきながら
前に進めなくなっていませんか?
それでもブランコを漕いでいるのは『じふん』
不器用でも動かなければ
ブランコは揺れることさえない
前には進めないと諦めず
大きくブランコを漕いでみれば
見える景色が変わるはず
空を近くに感じ
広くまわりを見回して
きっと何かを見つけるはず
もがきながら揺れたのも
そこに辿り着くための
大切な時間
放課後に、友だちとどちらが高く漕げるか競走をした。ある時はあの人と隣同士、手を繋ぎながら優しく漕いだ。ひとりでぼんやり、変わりゆく空を見送ることもあった。
前に後ろに、規則正しくゆらゆら揺れる。進んでもいい、戻ってもいい。止まってもいい、降りてしまうのもいい。周りは勝手に廻っていく。変わっていく。
わたしはもう少しここでのんびりと、空の模様を眺めます。
お隣、座りますか?もちろん、どうぞ。
ブランコ
少年の日の思い出
なるべく大きな弧を描けるように勢いをつけて遊んだ。
靴飛ばしや友達の背中を押して助走をつけてあげることもあった。
とにかく夢中に遊んだ懐かしい思い出。
通る度に思い出す。
あの頃、貴方と一緒に乗ったブランコ。
あれから色々あって、
近くにいるのに心は遠くなってしまった貴方。
知らない土地に触れて、私に夢を見させてくれた。
楽しかった。
あれから、あの道を通る度に思い出す。
楽しかったあの日を。
「ブランコ」
『ブランコ』
昔はよく乗っていましたわね。
ええ、従姉妹と取り合いになるほど
夢中になりました。
紙の箱をお城に見立てたり、
針金や海岸で拾った貝殻でティアラを作ったり、
便利なおもちゃを与えなくても、子どもは
勝手に自分で遊びを作り出すのが得意なんですの。
今では子どもの頃に出来なかった遊びも物も簡単に手に入れられるようになりましたが、あの頃のような新鮮な気持ちになることは少なくなりましたわね。
「では童心に帰ってみるのはいかがでしょうか?」
振り向けば魔術師がブランコの前に立ち、
ニコニコと笑顔で手招きしていました。
私は不審に思いながらも魔力に取り憑かれたように、
足を運び、知らぬ間にブランコに座っていました。
魔術師が鎖を握る私の手を上から優しく包むこみ、
背中を押せばブランコがゆっくりと動き出します。
ゆらゆらと揺らされていると、
なんだかこころもからだもかるくなってきましたわ。
きがつけばわたくしのからだは
ちいさくなっていました。
さきほどまでいたまじゅつしのすがたは
どこにもみあたりません。
わたくしはこれからどうすればよいのでしょう?
こどものすがたのまま、もとにもどらなかったら…。
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子どものように泣き喚く悪役令嬢の元にセバスチャン
が駆け付け、屋敷へと連れ戻されました。
その後一日経つと、悪役令嬢は元の姿に
戻っておりましたとさ。