枝守

Open App

ブランコ

風を正面に受けながら、自転車のペダルを踏み込む。この道を通るのはあと1回だけだ。私の青春は青かったのだろうか。中学の時より馬鹿をした気がするが、最後の3年間なのだから見逃してほしい。

通学路から少し外れた所に小さめの公園がある。公園といってもブランコと滑り台しかないので、子供たちが遊びにきたりすることもない。存在はなんとなく覚えてはいたが行ったことはない。せっかく思い出したので、自転車からおりて公園に向かって歩き始めた。

やはり老朽化が進んでいるが、まだ乗れないほどではない。ブランコに座りこぎ始める。空が恐ろしいほどに青く、思わず目を逸らしてしまった。


目を逸らした先に、春を知らせるように菜の花が咲いていた。



また、ここに来たいと強く思った。

2/1/2024, 12:01:36 PM