『ハッピーエンド』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「ハッピーエンド」
終わりよければすべてよしって言葉があるけど、その終わりに至るまでに(なんやかんや)あって、「(なんやかんやあったけど)終わりよければすべてよし」って言葉が思わず出るんだと思う。
いま(なんやかんや)問題がある人、(なんやかんや)闇の中にいる人、(なんやかんや)モヤモヤしてる人は、その終わりがあることをまず信じて、終わろうとすること、どうやったら終われるかを考えること、はたまた遠くから俯瞰してみた時に、あれ?もう実はゴール見えてる?と気がつくこと、意外と他人からしたら大した問題ではないこと、など、終わり地点から(なんやかんや)を観察してみよう。
ハッピーエンド、その終わりだけに褒めがあるようだけど、その言葉がぽろっと出てきたこれまでをも愛でてあげよう。ぜ。
他の誰かからバッドエンドに見えても私からすれば何一つ文句のないハッピーエンドだった。
外野が勝手に同情するな。
ねぇねぇ 、知ってる? あそこで丸くなって座ってる青年 。
皆から「 人殺し 」って呼ばれて嫌われてるの 。
あの青年 、なんと "44人" も殺してるのよ 。
今も 誰を殺そうか考えてるみたい 。
そこに1人の男がやって来て 、青年を殺した 。
…… これで 村は平和になると村人は喜んだ 。
みーんな幸せのハッピーエンドね 。
…あの青年 ね 、"死にたいと自ら望んでる" 村人を殺してたんですって 。
助けを求められてやっていただけなのに 、可哀想な青年ね 。
でも 、これも一種の 『 ハッピーエンド 』なのかもしれないわね 。
主人公に生まれてしまったからには、
ハッピーエンドをむかえたい
救いのない話はマジで勘弁
「めでたし、めでたし」
そんな言葉の括りで締められている話を読むと、否が応でも一つの喪失感に襲われる。
紙の上に紡がれていた物語を見届け、文字の中に生きる人物と迎える終幕。
晴れやかな結末か、後味の悪い離別か。
こればかりは個人的な趣向ともなるが、もし後者ならば、出来うる限り避けて通れたら良いなと読み進める心としては願っている。
何より、またひと味違うカタチで綴られる“自由さ”も描かれるとくれば、意外と気が抜けないのだが。
──ただ、等しく言えることも、ある。
誰かしらが苦しみに眠る様を見るのだけは、どうにも悲しくなるというもの。
彼らの「終わり」がそこに残るのだから、尚更だ。
【ハッピーエンド】
「せめて物語の世界だけでも」
「……てわけでさぁ、最近は最終回のネタバレチェックして内容と結末確認してから読んでるんだよね〜」
「ふぅん。今話題の『ネタバレ消費』みたいな感じ?」
「あー、せっかく見るなら最後まで安心して見たいから、とか、そういうタイパ的なやつでしょ?」
「そうそれ」
「ちょっと違うんだよね〜」
そう言って彼女は、いちご牛乳のパックのストローをくわえた。
考えながら、ちゅうちゅう飲む。
「だって、現実って結構キツイじゃん。せめて物語の中だけでも、平和なもの見たいっていうか。辛い幼少期とか、虐げられる展開、読むのキツくなってきてさ。妬みや争いは現実だけで充分だよ」
窓の外を見ながら言う彼女。
その視線の先にいる人は、彼女の想い人だ。
「なるほどねぇ」
「昔は、鬱展開とか、ざまぁとか好んで読んでたけど、最近はダメでさー、悪役も改心して最後はそれなりに幸せを掴むとか、そういう話に惹かれる今日この頃なわけよ」
「へぇ……」
「年かなぁ……」
彼女はそう言って、制服のリボンを直している。
「まぁ、来年成人だからね」
────ハッピーエンド
ハッピーエンド
今日車でお買い物
あれこれカゴに入れお会計
ふぅ…やっと終わった!
さて帰ろう♪( ◜ω◝و(و "
路面電車に揺られる事7分
自宅マンションに到着(* 'ᵕ' )☆
んっ?しまったぁぁぁ!
食材をなおし
車を取りにスーパーまでダッシュ
スーパーに着くと買い忘れた物を思い出し
ついでにお買い物🛍
これハッピーエンドなのか?
知らんけど
多分
ハッピーエンドで良くない?
知らんけどw
勧善懲悪の物語というものは世の人の好むところであり、人の世の望むところである。
しかし、実際の人生において、人間は自ら悲劇の主人公となることを選ぶ。人生はその人生を生きる人の選択の結果であり、数ある選択肢から一つを選ぶこと、選び続けることこそ生きるということである。その選択の中で直面する問題を悲観し、時には絶望するのが人間であるが、得てして人間は悲劇の主人公を演じるものである。困難な状況を柔軟な思考で笑い飛ばし、嬉々として臨む心持ちを持てたならば、自ずと幸せは訪れる。
「ハッピーエンド」
ハッピーエンド。そんなことみんな望んでいることだろう。いや、「望むべきことだ。」…
はは少しカッコつけてみた…つもり。
本当に君はこの先を見たいの?
ははっすごいね。まぁ人によるだろう。
ハッピーエンドなんで夢見ないでよね…?
わかば「あぁー…眠いよー…」
私はわかば。普通の女子中学生だ。
わかば「え?!もう8時?!やばい朝ごはん食べる暇ない!!」ダッダッダッそんな音が階段に響く。
わかば「はーあ。」私の家には私以外住んでいない。
お母さんもお父さんも〇〇○も。
行ってきまーす。なんて言う必要ないんだけどさ、
誰かが聞いてくれてる気がしてさ。
…眩しくもない雨が降りそうな天気って一番やだよね
なんか気分悪くなる。なんかモヤモヤする。
え、嘘なんでどうして…?
グシャグッグジャッ
平和なんて脆くて突いただけで壊れるのさ。
私が殺人鬼になる日が来るなんて思ってもいなかった。あぁう、ううやめてください謝りますからあ〝っ
え…?私の手は真っ赤で、傷だらけで血がとんでもなくついていた。
目の前にいるのは黒いTシャツを着た30くらいの男性だった。でも冷たくて動かない。
あぁ私が殺したんだぁ
お母さんとお父さんと〇〇○を殺したんだよ
お前は。
ははっどう?つまんないよね。普通の女子中学生が30くらいの男性を殺すだぁ?どこがハッピーエンドなんだろうねぇ
あーそっか。あの子からしたら
ハッピーエンドなんだろう
ハッピーエンド
黒い幕が襲ってくる。
既にわたしの身体はボロボロだった。生き物や武器に姿を変えて絶え間なく襲い掛かってくる黒や真紅や白の幕を避け続け引き裂き続けて、どれほどの時間がたったのか、もう分からない。
狂犬を模した黒い幕を素手で掴んで左右に引っ張るが、力は込めたそばから抜けて行く。
「粘るねえ」
肩から声が聞こえてきて、わたしは無理矢理手に力を入れ直し、幕を破いた。
わたしは白雪姫の継母だ。ヘンゼルとグレーテルの魔女だ。赤ずきんちゃんのオオカミだ。だから、わたしは罰を受けている。悪役は制裁を受けなくてはいけないから。
「悪役が悪役であるのに理由なんていらない。主人公の幸せを邪魔するっていうだけで充分なんだよ。なのに君はそれを絶対に受け入れなかったね。君は主人公と悪役に差異を見出すことがとうとうできなかった。『善』と『悪』に違いがあるということを、君は信じなかった」
声は話し続ける。ある時は白雪姫、ある時はシンデレラ、ある時は誰かも分からない純粋な目の女の子。主人公の善人。今は妖精だった。
「自分の望む道を進むことが幸福で、選んだ人生を駆けることがハッピーエンド。それが、たとえ日の当たる世界でも、日陰の世界でも」
「ボクは君のその主張が嫌いじゃない。けれど、自分を曲げないと、君が辛いだけだよ」
わたしも彼女は嫌いじゃない。けれど、曲げられない自分が、わたしにはある。
わたしはずっと悪役だったのだ。たくさんの人を手にかけて、たくさんの人を裏切って、たくさんの嘘をついて、その全てをたったひとりに捧げてきた。だから、わたしは悪役でなくなるわけにはいかないのだ。わたしは善人として自分の人生を選んだのでも、悪人として罪を重ねてきたのでもない。
さあ、行こう。エンドロールはすぐそこだ。
「ハッピーエンド」
私がいずれしわしわのおばあちゃんになるその時まで、あなたがそばにいてくれたら。
私は幸せだった、と心から言えると思うの。
何だそれ
片方にとってはハッピーかもだが、
もう片方にとっちゃバッドエンドだ
勝者と敗者がいるように、
弱肉強食のように
不平等であり、
それがこの世にはムラなく、
綺麗に、
平等に、
当たり前にある。
ハッピーエンドって
ハッピーエンド
「ハッピーエンド」の物語りより、
「アンハッピーエンド」寄りの物語りに私は惹かれる。
「ハッピーエンド」の枠から少し外れた人物の方が謎めいていて印象に残りやすく、私には魅力的だったりする。
「ハッピーエンド」
私にとっては、高嶺の花だ。
ゲームでいうと、「ハッピーエンド」を迎えるためには、分岐点が何よりも大事だ。
レベルが足りていなかったり、選択肢をひとつでも間違えると辿り着けない。
でも、ゲームだから、やり直しがきく。
セーブデータがあれば、そこからやり直せる。
しかし現実世界の人生で、過去に戻ってのやり直しは一切出来ない。
その時々のルート変更は可能だが、まさに一瞬一瞬は一発勝負だ。
どういった人生を歩めば、「ハッピーエンド」と言えるかは誰にも分からない。
個人個人で何が幸福だと思えるのか、基準が違うからだ。
私は「ハッピーエンド」の方より「アンハッピーエンド」に少し傾いたくらいの人生が似合うと思っている。
幸福の頂点のあとが何かいつも怖いから。
目の前が緩やかな登りかも?くらいが私には丁度いい。
「ハッピーエンド」
世の中にはハッピーエンドはないのかもしれない。
ずっと好きだった人と両思いだった。
嬉しすぎて、自分は世界で1番の幸せ者だと思った。
けど、彼のことが好きな人は他にもいたかもしれない。
この出来事は私にとってハッピーエンドだ。でも、もし、彼のことが好きって言う人がいたら、その人にとってはバットエンドだ。
世界中の人全てが幸せになるということは難しい。
合格な人の裏側には必ず不合格の人、幸福な出来事があった人の裏には必ずその出来事によって不幸になった人がいる。
身の回りの何気ない幸せに感謝して過ごしていきたい
ハッピーエンドって
人生の途中の中継地点で得られるご褒美みたいなものだ。
だってハッピーなのだから。
例えば
好きだった人と喧嘩したり、離れたりしながら
やっとの想いで叶えることができた恋愛や結婚。
目標を立てて、それに向かって数字を上げたり
努力して達成できた会社やチームでの大仕事。
またはそれに伴う昇進や独立なんかも。
スポーツをやっている人であれば第一位獲得とか。
しかし、ハッピーエンドの次は
またすごろくのスタート地点に戻るのが定めだ。
人生はなおも続く。
どんな恋愛をしようと
どんな成功をしようと
人が最後に迎えるのは死である。
多くの人はその瞬間をハッピーエンドだと
思えるだろうか?
悔いなく生きた、またこんな人生を生きたい!と
最後に思えたならハッピーエンドと言えるかもしれない。
まだ生きていたい、死にたくない!
こんな終わり方は嫌だともがきながら
バッドエンドだと感じる人もいるかもしれない。
私は人が亡くなると
最後に見える景色について
想像してしまうことが少なくない。
恐らく日本における殆どの人が病室か自宅の天井を眺めることになるだろう。
あの真っ白な余白を見て何を感じるだろう。
余白など見えないくらいに精一杯生きた思い出で溢れてきたら、きっとそれはハッピーエンドだと思う。
今まで積み上げてきた何もかもを捨ててあなただけを選べる愚かさが私にあれば良かったのに。
変な意地など張らずに素直にあなたに思いを伝えて、あなたの手を引いてどこか遠くへ駆けていけたなら。戦場であなたを思いながら血を流すこともなかったはずだ。
剣戟の響き、鳴り止まぬ銃声、戦士たちの勇ましい声、辺りに漂う血の匂い。命の消える音。
「__」
消え入るような声であなたの名前を呼んだのはあなたが私の救いだったからだ。あなただけいれば、その他には何も望まなかったのに。
視界が滲む。ぼやけた世界で私はあなたの幻覚を見た。
あなたの口元が私の名前を象る。それだけで私は幸福だった。穏やかな心で私は目を閉じた。
あなたと同じ道を歩めるならそこが地獄でも私にとってはハッピーエンドになる。もう来ることのない未来の話だが。
*ハッピーエンド*
ハッピーエンド作品でも
バッドエンド作品でも
解釈は自由な作品でも
楽しめる日々を過ごしたい
今は
ハッピーエンドしか求められない
疲れているんだ
はじけるような笑顔が眩しい。
目尻があの人に似ている気がする。
声はあの子に似ている気がする。
耳の形があちらのお家の方たちかもしれない。
やっぱりこのえくぼはあの人に似ている。
小さな手が愛おしい。
小さな重みを抱えきれないのが悔しい。
会いに行ける足はないが、
顔を見せに来てくれる子たちが何より嬉しい。
どうかどうか、この子の未来が素晴らしいもので彩られていますように。
あの人のように、幸せな最期を迎えられますように。
どうかどうか、どうかどうか……。
“ハッピーエンド”
持つ者と持たざる者の差は果たしてなんなのだろうか
同じ日にデビューしたけど、自分より人気がある人はいくらでもいる
頭ではわかっていても、感情は到底抑えられそうにない
誰かが迎えたハッピーエンドの裏には、必ず誰かがバッドエンドを迎えている
他ならぬ私自身がバッドエンドを迎えているのであれば、ハッピーエンドは果たして誰が迎えているのだろうか……
マメ豆腐
ハッピーエンド(?)
「あ!あった!
おーい!見つけたよー!」
手にした果実を手にし、大きく手を振る。
ぞろぞろと仲間が次第に集まってくる。
「おぉ!お前が選ばれるとはなー!良かったじゃないか!」
「良かったわねぇ〜。ついにあなたも夢が叶えられるのよ!」
そう、この果実は、選ばれた者が願い1つ叶えられる権利を与えられると言われる〝神秘〟の果実。
何百年に1度現れる不思議な果実。
「これがあれば……」
少年はみんなに別れを告げ、足早に家に帰った。
「姉様!見てください!これっ!」
窓際のテーブルで、紅茶を嗜みながら本を読んでいる人の姿。鮮やかな霞色に、透き通った空色のドレスの女性。彼女が少年の姉である。
「あら…、今回は貴方が見つけたのね。すごいわ。」
本を置き、少年に駆け寄る。
「姉様!これがあれば、あの城に行けますよ!」
ぴくっと姉の表情が固まる。
「……、あの城のことはもういいのよ。これはあなたの願い。あなたの叶えたいものを叶えるためのものよ?」
姉と一緒にテーブルへと向かう。
「でっ、でも!」
「でもじゃないわ。これはとうの昔に私が願ったこと。それは、あなたには重すぎるほどの願いよ……。」
椅子に座ると、窓の遠くを眺めながら呟いた。
「それに……、これは私が叶えなければならないものなの。」
「だから、あなたの願いを叶えなさい。」
ニコッと微笑む。
「……。姉様がそういうのであれば、分かりました。」
姉が入れてくれたハーブティーを飲み、今日あったことを話し始めた。
ーー「あら?もうこんな時間なのね。そろそろ夕食の支度をしないと。」
日が徐々に暮れ始めている。
「あっ!そうだ!姉様、僕の叶えたいことが決待ったかもしれないです。」
「あらっ、もう少し時間をかけてもいいのよ……って、あの子どこに行ったのかしら?」
キッチンから出てくると、既に弟の姿はない。
玄関の扉が空いたままになっていた。
「もう……、あの子ったら。もうこんな時間なのにどこに行ったのかしら…。」
姉は弟を探しに、家を出る。
「あ!ガーディさん、すみません。弟を見ませんでしたか?」
広場にたどり着き、知り合いのガーディさんに尋ねた。
「えっ?あの子なら、さっき村長のとこに行くっていってたような…。それがダメなら、瑠海の森に行くって言ってたよ。」
「なんですって!?あそこは立ち入ってば行けない場所ではありませんか!」
焦りが募り、憤りをぶつけてしまう。
「少し、落ち着いて。私も、あそこは入ってはダメだと言っておいたさ。でも万が一何かあったら行けないから、警備の人に伝えておいたよ。」
「そ、そうですか……。」
少し安心し、落ち着いてくる。
「貴方たちに何かあったら行けないし、私も一緒に行こうか?」
「ありがたいですお言葉ですけれど、大丈夫です。もう少し、私の方で探してみます。」
「そ、そうかい…。」
ガーディさんにお礼をして、瑠海の森へと向かう。
「あの子、やっぱりお城のことを気にして……?」
不安が募りながら走る。
「どこにいるの!ねぇ、いたら返事をして!」
森の中は既に日が落ち始め、薄暗くなり奇妙な雰囲気が漂っている。
「どこ……、どこにいるの?」
ランタンの明かりを頼りに歩みを進める。だが、一向に人一人にも会わないのだ。
「あのお城に行ったとは思えないけれど……、一応確認をしに行かないと。」
記憶を頼りに、お城がある場所へと走り続ける。
次第に道が開け、薄暗い空に雨足も強くなり始める。
「っ……、っは、あった…。」
ようやくたどり着いたお城は、既にコケやツタでおおわれていていかにも趣がある城だ。
「っ、はやくっ…行かないと。」
残りわずかの体力だが、走る足を止めることは無かった。
階段を何段も上がり、一部屋一部屋くまなく探す。
「どこ?どこにいるの、いるなら答えて!お願いよ!」
ランタンのあかりもあとわずか、残された力を振り絞り、階段をさらに登っていく。
屋上へと、続く階段を上り見えたのは……
「これは…、何?」
その場所は、お城とは言い難いものが沢山転がっている。
ただれた皮膚の間に骨が見えるほど腐りかけている獣の胴体や、人と思われる頭蓋骨に飛び出た目玉。
床には何やら道具で掘られた魔法陣と思われるものが描かれている。
「うっ…、何よ……これ。」
酷い匂いと、血の跡に今にも気を失いそうなほど調子が悪くなり始める。
ランタンで周りを照らしながら、足元も気をつけながら進む。
雨足は酷くなり、荒れ始める。次第に風も強く吹き始める。
そして……、
「……、そ、そんな。」
持っていタラントンを落とし、その場に崩れ落ちる。
そう、魔法陣の中央には弟の亡骸があったのだ。
「……………。」
言葉が出ないほどの、悲しさやむなしさ、恨みや憤りを感じる。
涙がおち、雨につたわり流れていく。
「……ナゼ……。」
次第に風が止み、雨が降り続ける。
魔法陣は、動き出す。周りにはケタケタと笑い声が聞こえる。この世のものとは思えない声らしきものまで聞こえてくる。
「あぁ、そっか……。」
立ち上がり空を見上げる。曇り空の中、雨は止まない。
「私が悪かったのね……。」
昔の記憶が蘇ってくる。
雨の音だけが響く。
「私は……、ようやく帰れるのね。」
光が彼女を囲んで、灯される。
「長かった……。100年以上もの年月が過ぎた。
やっと、やっとだ。」
天に手を伸ばし微笑む。
眩い光が辺り一面に広がり、その城は姿を消した。
「いたぞ!おーい!こっちだ!」
警備員は、森で少年を見つけた。
「おい、おい!聞こえるか!」
少年は少し目を開けて微笑み、気を失った。
……………………………………………………………
ハッピーエンドorバットエンドどっちにも捉えられたらいいなと思うお話でした。