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「めでたし、めでたし」

そんな言葉の括りで締められている話を読むと、否が応でも一つの喪失感に襲われる。
紙の上に紡がれていた物語を見届け、文字の中に生きる人物と迎える終幕。
晴れやかな結末か、後味の悪い離別か。

こればかりは個人的な趣向ともなるが、もし後者ならば、出来うる限り避けて通れたら良いなと読み進める心としては願っている。
何より、またひと味違うカタチで綴られる“自由さ”も描かれるとくれば、意外と気が抜けないのだが。

──ただ、等しく言えることも、ある。
誰かしらが苦しみに眠る様を見るのだけは、どうにも悲しくなるというもの。
彼らの「終わり」がそこに残るのだから、尚更だ。

【ハッピーエンド】

3/29/2024, 2:16:19 PM