『タイムマシーン』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【タイムマシーン】
もしタイムマシーンがあれば
私は過去に行く
漱石の木曜会に参加して
夢十夜の感想を伝える
私がどれだけ
この作品を愛しているか
それだけを伝える
Night Sun
あなたがいた この世界では
私はまだ 笑えたのかな
いつしか消えてしまうこの 喜びは
私をただ 照らしてくれる
今日の夜空見上げた 輝く星
きっと また、出会える時まで
明日の夜空見上げた まだ輝き続ける
きっと まだ、 光る夜の太陽
あの時見た 絶望の記憶
私はまだ 縛られていて
何度も思い出す 夜に泣気叫ぶ私
何度も見る 終わりの妄想
知らぬ合間に 悲しみの狭間に、きずく私の
勝手な言葉に
宇宙に咲く小さなかけら まるで私の瞳の中ね
幸せの数は少ないけれど一つ一つ暖かいのね
悲しみに植えた夜空 輝く雫
きっとまだ、こぼれ続ける
私はただあなたといるこの幸せに
明日の夜空見上げる 風になびく髪
ずっと まだ 見上げていよう
あなたが 見た最後の私
今日の真昼見上げて空高く飛ぶ
今日の夜には、星は消えてて
あなたの未来を照らす、夜の太陽
きっとまた、笑えるから
明日はみんなで笑い合おうね
あのころにもどるためにぼくはタイムマシンにのった。ちゅうがくせいのころのぼくにあってがっこうにいってべんきょうするようつたえるのだ。やはりがくがないとしゃかいではむずかしいことがたくさんある。
そんなことをかんがえているうちにちゅうがくにねんせいのぼくがいるせかいへついたようだ。まずぼくはぼくをさがすためにぼくのいえへむかうことにした。きょうはげつようびだがどうせじぶんのへやでゲームしてるだろう。
いえにつくとおやはいなかった。ぼくのおやはぼくがおさないころからいえにいることのほうがすくなかった。かいだんをあがる。ドアをあけるとやはりぼくはカーテンをしめきったくらいへやでゲームをしていた。
ぼくがいまくろうしていることやべんきょうのたいせつさをいっしょうけんめいおしえた。
じかんがない。ぼくはげんせへかえろうとしたとき
「ぼくがんばるね」
と言ったことにいわかんおぼえたのはなんでだろう。
22せいきのせかいへ戻るまえに最きんはやっていたじかん旅行をしていくことにした。
初めに行ったのは高校せいのじ代だ。家に行ったがぼくを見つけることはできず、ぼくに会うことはできなかったが、それなりに楽しむことが出来たと思う。
次に訪れたのは大学生の時代だった。夏目漱石や森鴎外の本を一読し、現世のお土産にするため、参考書を買っていくことにした。ここでも、過去のぼくには会えなかった。
最後に訪問したのは、私が就職する際に訪れた上場企業である。本来ならば、ここでもこの会社に挨拶をしていくのが筋だが、なんと言ってもここまで学のない者なのでやめておいた。
Returned to this world. It seems that no matter what you say to me, I haven't changed.
Was it a waste?
Come to think of it, everyone passing by gave me a nod as they passed by. I have no education...
【タイムマシーン】
すでにタイムマシーンはある。
私たちの周りには未来人がいるし過去人もいる。
皆気づいていないだけなのだ。
考えてもみてほしい。
今日すれ違った人のことをみんな知っているだろうか?
ほれみたことか。知らない人ばかりである。
彼らが私たちと同じ時間を生きているとは証明できないのだ。
彼らは私の知らないところで、やり直したい過去と見てみたい未来へと到達している。
だが今の自分の時間を疎かにしているぞ。
彼らは気づいていないのだろうか。
他の人の人生の影響も考えないで身勝手な者ばかりである。
彼らの隣には例の青ダヌキがいるのだろうか?
いつも隣にいる友だちも、寄り添ってくれる恋人も、手を繋いでくれる家族も。
たとえ彼らが時空を越えた異邦人であったとしても、私はすべてを愛す。
こんな私と時空を越えて関わってくれるのだ。
そんな彼らは到底まともではないが、私と会うことを選んでいるのだ。
まともでないから私を選んだのか。
それならば納得である。
私はタイムマシーンに乗れない弱者である。
過去などとうに過ぎたし、未来など見たくもない。
対した手応えのない毎日だが、捨てたものでもない。
今日は定時上がりでこの文章を書いている。
読んでくれる人がいる。
この時間を愛せず、何を愛せるだろう。
…やり残した仕事を思い出した。
タイムマシーンに乗れないことを悔やむ。
明日の私よすまない。
タイムマシーンがあってもきっと戻らない
今まであった素敵なことが
なかったことになるから
もちろん、嫌なことは素敵なことの
何倍も、何十倍もあった
それでも、貴方を好きになった
この生きてきた経路を
捨てたいと思えないの
"タイムマシーン"
『過去に行って事の顛末を変える』
大体の人はそう言うだろう。俺にだって変えたい過去はある。
けれど、その《過去》を変えてしまったら、《今》にどんな影響があるか分からない。
どんなに些細な事でも、大きな影響を与えかねない。そんな事はしたくない。もしかしたら《今》の大切な《何か》が 消えるかもしれない。
だから俺は《未来に行って、今自分がやっている事の顛末を見る》。
どんなに小さな事でも、未来に良い影響を与えていると知れば、それがモチベーションとなって継続の力となる。
タイムマシーンがあるなら過去に戻りたい。
全部、一からやり直すんだ。勉強も、バイト選びも、人間関係も全部。
全く違う人生を、もっと苦しまないで済む人生を生きてみたかった。
でも、どれだけ足掻いたって、願ったってタイムマシーンなんて出来やしないから。
未来なんて望まないから、今日だけでも楽にいきたい。
ユーサネイジア・デバイス
同意書にサインする
これは私の意思だから
全てを諦めた
全てを捨て去ったの
大丈夫、これで終わりなのだから
棺桶の扉がゆっくり閉まる
中から開けることはできない
私は気持ちを鎮める
何も怖がることはない
何も恐れることはない
外の世界の音が完全に消えた
聞こえてくるのは自分の鼓動
だけどパニックになる必要はない
私は眠りに落ちていく
深い眠りへと落ちていく
液体窒素の幻影
酸素濃度低下の脳内アラーム
遠退く意識と目まぐるしい七色の光
平穏な世界と聳え立つ雄大な楼閣
そして静寂
やって来る暗闇
あるのは暗闇だけ
心地よい暗黒の世界
私は
やっと自由になれた
だけど、ここは私の望んだ世界じゃない
「もう後戻りできない」
やっと苦しみから解放された
だけど、ここは私の夢見た場所じゃない
「もう元の世界に帰れない」
やっと自由を手に入れた
だけど、ここには何もない
「帰りたい、こんなはずじゃなかった」
「帰りたい、こんなはずじゃなかった」
「帰りたい、こんなはずじゃなかった」
帰りたい。ここから、帰りたい。
こんなことになるくらいなら、私は、もう少し。
「タイムマシーンが完成した!」
高らかな宣言だった。大きな機械を背にした博士が、両腕を大きく広げて掲げている。自信に満ちた笑顔は異様に幼い。たなびく白衣が海原を征く鳥のように広がり、バサバサと音を立てた。その様がなんだかとても仰々しかったので、取り敢えずぱちぱちと拍手をする。ついでに気のないおめでとうございますを渡せば、それでも目の前の人は満足そうに鼻から息を漏らした。単純。
ピアニッシモかつリタルダンドな拍手がそろそろ終止符を打つ。そんな時、感動を噛み締めるように閉じられていた瞳が勢い良く開いた。そして、その射貫くような視線に、助手くん、と呼ばれる。何ですか、と言う頃には拍手は息を引き取っていた。
「君、乗ってくれないか」
至極真剣な声音で打診された。この人馬鹿なのかもしれない、と瞬時に思った。あまりにも真摯な瞳にため息が出そうになる。しかしそれは失礼なので、自分で乗らないのですか、という疑問に変えた。すると、乗らない、と即答される。間髪入れずに、何故、と問う。乗りたくないからだ、とその人は答える。その理由を聞いているのですが、とは言わなかった。代わりに沈黙を提供すれば、博士は高々と掲げていた鼻を萎れさせていった。ついでに視線が下ったので、博士のつむじがよく見える。
そして、ぽつり。
「そんなことをしたら、この私の長年はどうなるのだ」
愚か。馬鹿を超えて愚かだった。先程と比べると一回り二回り小さくなっていそうな存在を見る。幼子のようにあからさまに落ち込む全身を見る。やっぱり愚か、いやマヌケ。そしてその真意の想像がつく自分もなかなかの阿呆。
博士は過去には行けない。行ったが最後、タイムマシーンを世に広め、現在の長年の功績は泡と消える。今の自分は無価値になる。
博士は未来には行けない。行ったが最後、自身の発想の底を知り、これからの長年の楽しみが奪われる。今の人生が無味乾燥なものになる。
故に、博士はタイムマシーンに乗れない。せっかく築き上げたそれを体感できない。だから助手の私の出番というわけだ。
であるならば、私の返答は。
「乗りません」
きっぱりと告げた。何故、と博士が愕然とする。断られるなどと微塵も思っていなかった顔だ。寧ろそれが何故、である。
「私には、過去も未来も行く利がありません」
ともかく聞かれたからには回答する。淡々と理由を述べれば、博士は絶句した。どういう感情だろう。いや、というか、博士にどういう人物だと思われていたのだろう。たしかに私は荒唐無稽で幼稚で純粋で夢見がちな博士の助手ではあるが、安全性も信頼性も不明瞭なものに諸手を上げて喜ぶ人間ではない。それに、博士が何を勘違いしていたか知らないが、私はタイムマシーンなどに興味はない。先回りの人生も、一足飛びの人生も、どちらも全然微塵もまるで興味がない。たとえ博士が助手への信頼故にした提案だとしても、クソくらえだと思う程度にはどうでもいい。
だがまぁ、どうしても行って欲しいと言うのならば。
「貴方が行くのなら付き合いましょう」
「話を聞いていたかい、助手くん」
告げた妥協案は捨てられた。肩を落とした博士が、なんて助手だと頭を振る。そんなことを言われても、雇ったのは博士である。恨むなら自分を恨むべきだ。
それにしたって、なんて馬鹿馬鹿しい。大それたものを発明したのに、使用者がいない。これ程マヌケなこともない。けれど仕方がないだろう。だって自分は、貴方の隣に立つ時間があるだけで十分だ。
だから、過去の優位性も未来の栄誉も役不足。我々には、ここに縛られる人生こそがお似合いだろう。
【タイムマシーン】
「じゃん!見て!これ、何かわかる?タイムマシーンだよ!!」
近所のお兄ちゃんの、唐突な意味不明発言に私はキョトンとする。
「まあ、俺が作ったわけじゃないんだけどね。とにかく、これがあれば、過去にも未来にも行ける。君の過去も、これで何かわかるかもしれないってことだよ」
え、私の過去が、わかる……?
……それは嫌だ。私は辛いこと苦しいことも人より沢山味わってきた。もう私の家族はいない。ろくな大人も登場しない。そんな暗い過去、お兄ちゃんに見られたくない。
「……そっか、そうだよね。あ、じゃあさ、赤ちゃんの頃の君を見に行こうよ!それならいいでしょ?」
まあ、赤ちゃんの頃なら。
「それに、もしかしたら君のその不思議な力の正体も、わかるかもしれないしね」
そう。私には生まれつき、妙な力が備わっている。
見えるはずのないものが透けて見えるのだ。
服の内側も、鞄の中身も、人の本性も。
言葉巧みに嘘をつく人も大体わかる。
まだ子どもなのに、私の鋭い洞察力は何処から来ているのだと、周りの人間は首を傾げていた。
私自身も、なぜこんな能力を持っているのか知らない。もしこの力の理由がわかるのなら、過去に行ってみてもいいかもしれない。
「気になるでしょ?一緒に行こうよ!」
お兄ちゃんがマシーンに乗り込み、こちらへ手招きする。私が乗り込むと、おぼつかない手つきで、目的地を設定し始めた。
「過去に滞在できる時間は、1分間だけらしいんだ。まあ、短い間だっていいよね。よし!出発進行!!」
マシーンが重たい音を立てて動き出す……。
気がつくと、私はお兄ちゃんと古い家の中に立っていた。
「ここが君の生まれた家か」
興奮を抑えられない様子でお兄ちゃんがつぶやく。
私の目の前には、キシキシと音を立てる木製のゆりかご。そして、赤ちゃんの頃の私がいた。
昔の私はこんなにポヨンポヨンだったのか。鏡ではなく、現実の自分を客観的に見るというのはなんとも変な気分だ。
「ふふっ。今の君も可愛いけど、赤ちゃんの君は、ほっぺがぷよぷよで可愛いね」
突然、屋内に、妙な風が吹く。心までぞわぞわするような気味の悪い風は、次第に強くなり、2人の髪を巻き上げる。
何なんだこれは、と2人たじろいでいると、目の前に信じられない光景が広がった。
「あんた……誰だ?」
コレは、何かの神様か仏様だろうか。白い衣を纏い、音もなく現れた「何か」は、体の輪郭がハッキリせず、蜃気楼のようにゆらゆら揺れている。地に足は着いていないようだ。
その「何か」が、ゆっくりこちらに近づき……赤ちゃんの体に入り込んでいった。
「…………!!」
気がつくと、2人は元いた場所に佇んでいた。どうやら1分が経過して、元の時間に戻ってきたらしい。
「あれは一体…何だったんだ?まさか、幽霊か?それとも神様か何かか??」
我に返ったお兄ちゃんが、あの謎の現象に対して考察を始める。
「もう一度過去に行けば、アレの正体がわかるかな?」
いや、わかんないと思う。だって、もしも今この瞬間アレが現れたって、きっと正体は理解できないでしょ?
「まあ、そうかもだけど……。ねえ、アレさ、最後、君の体に入り込んでいったよね。そして、今ここにいる君は……」
お兄ちゃんが心配そうに私を見つめる。
あの正体はわからない。人類には理解できないものなのかもしれない。アレのせいで私の人生は暗い闇に突き落とされたのかもしれないし、アレのおかげで私には妙な能力があるのかもしれない。
真実なんてわからないけれど。
でも、大丈夫だよ。例え神様か何かが入り込んだって、私は私だから。私は私の意思で、今ここにいるから。
私の言葉を聞いて、お兄ちゃんはホッとしたように笑顔を浮かべた。
「そうだね。何があったって、君は君だ。」
時計の針が3時を指している。
「気休めにおやつでも食べよう。それにしても、赤ちゃんの頃の君、ほっぺも腕もぷく〜ってしてて、ほんと可愛かったな〜」
お兄ちゃんにメロメロな声色でそんなことをのたまわれ、しかしそれがどこか嬉しくて、私は頬を少し赤く染めた。
「タイムマシーンってあるじゃん?」
前の席のユミが背もたれに腕をかけてふり返った。その流れで後ろ向きに座り直して『たわいもない雑談をします』の姿勢になる。
「うん」
窓際で友達と喋る笹本くんの髪は今日もさらさらつやつやしている。一体どんなケアをしているのか。遺伝か。あ、今こっち見た。
「ねぇ、聞いてる?」
「きいてるきいてる」
笹本くんからユミに視線をうつす。前に座るこの女子はつやのある唇を少しつき出し整った眉毛を八の字にしていた。どんな表情をしていてもその大きな瞳を向けられると誰でも可愛いと思うだろう。笹本くんもきっとそう。いつも笹本ばっかり、とユミがぼやく。10分の休み時間くらい好きな人を眺めてもいいはずだ。
「…でさ、タイムマシーンってあるじゃん。」
「実在するかわからないけど。」
「あるの。」
「へぇ」
ユミは少し不思議な子だ。炊きたてのお米に感動して号泣したり、ニュースを見るとき難しい顔をする。あと今みたいに根拠のない自信をもったりも。
「ふつうタイムマシーンって机の引き出しとかさ、なんかでっかい装置を思い浮かべるよね。こーんぐらいの」
「うん、そうかも。」
「実際は違うんだな。これよこれ」
そう言うと手に持ったペットボトルを指さした。よくあるミネラルウォーターのペットボトル。ラベルは剥がされてるけど、ボトルの形に特徴がある。
「うっそだぁー」
「ほんと!いつでも持ち歩けるし現実的でしょ。2060年からタイムマシーン開発が進むようになって最終的にこれになったんだ。」
「えぇ〜」
話を聞きつつ、つい笹本くんの方に気が向いてしまう。休み時間ももう少しで終わりだ。笹本くんは一番後ろの席だから授業中視界に入らない。
「私、あなたがいたからこの時代に来たんだよ。でも…笹本に負けちゃったなぁ」
一瞬ごくっと喉を鳴らす音がすると、すぐに予鈴にかき消された。
「え」
前を向くとユミはもういなかった
「もしタイムマシーンがあったら過去か未来どっち行きたい?」
ちょっと暗い顔をしてそんなことを聞いてきたきみはどっちに行きたいのかな。
「わたしはタイムマシーンなんていらない。
あなたといる今が1番好きだから」
『タイムマシーン』
【タイムマシーン】
未来に行く勇気はないから
きっと過去を選ぶ。
選んだところで、過去を変えようとも思わないけれど。
変えたところで君は側にいないだろうし
この手を繋ぎ止めようともしないだろうから。
あの頃の私を客観的にみて
あー、なんてつまらないドラマなんだと
嘆きたくもないな。
やっぱり未来に行った方がいいのだろうか。
いや、タイムマシーンがあったからって
乗らなきゃいけない理由もないか。
そうだ、そうだよ。
一秒先さえわからない今が
一番スリリングで面白いじゃないか。
『タイムマシーン』
何夢を見ているんだ。
タイムマシーンなんてこの世に存在しない。
今日は1度きり。
365日、全部有効に生きるのは難しいこと。
「悔いがないよいにくらす」
そんな目標、守れるわけが無い。
だけど、黒歴史が作れるのは今だけだ。
失敗したっていい。
つまずいたっていい。
生きていればなんかはあるさ。
でも、タイムマシーンがあったら言ってあげたい。
小さい私に、
「お父さんお母さんを大切にね」
「今を精一杯楽しんで。」
と。
タイムマシーン
もしタイムマシーンがあるのなら自分が生まれてくる前まで戻って、全部無かったことにしたい。
いつもいつも、ずっと仮面を被り続けて、本当の私を殺して、なんのためにここまでやってきたの?
偽りだらけで出来てるような、こんな残酷な世界で生きてる意味はあるのかな。
死にたいって思うほど嫌なことがあった訳ではないけれど、生きたいって思えるほど楽しいことがある訳でもない。
もう疲れたよ。
死にたいんじゃなくて、最初から無かったことにしたい。
タイムマシーンがあったらこんな人生なんて一瞬で無かったことにできるのになぁ。
タイムマシーンについて考える。
車、机の引き出し、洗濯機。
映画やテレビの中では、いろんな形で登場するタイムマシーン。
個人的には、脳波をコントロールする帽子なんかをイメージする。
物理的に時を超えることはなくて、意識だけが過去へ、未来へ。
同じ世界に自分が二人いるのってホラーだし、絶対にタイムパラドックスが起きると思う。
例えば30歳の自分が10歳の自分に会いに行ったとして、その10歳の自分は30歳の自分に会ってるけど、30歳の自分は10歳の時に30歳の自分には会ってない。
いや、思い返せば会ってた、なんてオチもあるけど、だとすれば、自分の人生はすでに「30歳になったら10歳の自分に会いに行く」と決められてたことになる。
それはいつから始まったループなのか。
気まぐれで会いに行かない30歳はいないのか。
洗脳されたように行くことになるのか。
…ああ、訳の分からない考察に209文字も使ってしまった。
一言、「親殺しのパラドックス」で済む話だったな。
意識だけが過去や未来へ飛んで、自分を含む別時代の世界を俯瞰で見るような…そんな感じなら、トラブルも起きないんじゃないかな。
見に行くことは出来るけど、干渉することは出来ない。
自分が幽霊になった感じ。
それだったら、タイムマシーンの可能性もそれなりに広がったりして…?
あ、そーすると、俺が愛して止まない「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を否定することになる…?
あの素晴らしいストーリーは、物理的に移動しないと成立しないよな。
やっぱり却下しとこう。
マーティはビフを殴るべきだ。ん?殴ったのはジョージ?
…うん、やっぱり行き詰まった。
タイムマシーンなんて、アインシュタインでもなくちゃ語ることは無理なのかも。
でも、いつの日か、本当にタイムマシーンが発明される未来があるなら、まだまだずっと先のことだと思うから、そこまでタイムマシーンに乗って飛べればいいのにな。
あ、これもタイムパラドックス…?
300字小説
過去の私からの手紙
パートと買い物から帰ると郵便受けに一通の手紙が入っていた。
「……懐かしい……」
高校の授業で『未来への自分』宛に出した手紙だ。開くと、あの頃流行って練習した丸い文字が並ぶ。まるでタイムマシーンに乗って、高校生の自分に戻ったみたいだ。
『秀樹くんとは仲良くしてますか?』
の文字に苦笑する。
夫とは二人の子供が出来た今、倦怠期を通り越して空気のような関係だ。でも……。
「あの頃は手を繋ぐだけでドキドキしたけど、今の何でもない話をして穏やかに過ごすのも乙なのよね」
買い物袋を片付ける。今夜は家族みんなが好きな鍋だ。冬の透明な夕日の光が薄く差し込む。
「今夜は二人でビールでも飲もうか」
私は小さく笑って土鍋を出した。
お題「タイムマシーン」
タイムマシーン
過去未来
行けるならどっち?
迷うけれど
行けてもそこに自分の居場所はないのだとも知っている
だから行けても
私はきっとそれには乗らないのだろう。
題『タイムマシーン』
虚空から紫影が静かに降り立った。
そのよく識る翠の瞳が物憂げに揺れて、心の内を言葉より雄弁に現した。
糸は確かに未来へと紡がれ続けていることへ安堵すると同時に、沸いた疑問は胸中で荒れ狂う。
問いたい。解きたい。
……けれど、彼はそのどちらも望まないだろう。
「何も聞かずについて来い」
差し出された手には、知らない傷が増えていた。
震える指先を包み込み、私は答えるーー。
タイムマシーンってもうあるじゃない。私が大好きな本。過去にも未来にも繋がってる。