ジャングルジム』の作文集

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ジャングルジム』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

9/24/2023, 6:42:11 AM

『ジャングルジム』2023.09.23


「ジャングルジムって三十四万あったら買えるそうですよ」
 スマートフォンを弄っていた最年少の彼が突然そんなことを言いだした。
 そんなことを言われてもどんな反応をしていいか困るし、かといって無視をするもの違う気がするので、そうかと頷くだけにとどめておく。
「買ってくださいよ、リーダー」
「なんでよ。どこに置くんだそんなもの」
「事務所の駐車場とか?」
 最年少の彼だけでも大変なのに、そこに高身長の彼が加わってくるものだからややこしさ倍増だ。
「したらよ、いつでも遊ぶことできるべ」
 高身長の彼は目を輝かせている。最年少の彼も同じようにはしゃいだ調子で、ジャングルジムの通販ページを見せびらかしている。通販ページがあることに驚いた。どこから見つけてきたのだろうか。
「それだったら、滑り台もほしくない?」
「滑り台は十万だそうです」
「ブランコは?」
「二十万あればなんとか」
「おお、余裕で公園作れるな!」
 きゃっきゃと盛り上がる二人に頭が痛くなってくる。事務所の駐車場と言っても、そこまで広くはない。その三つを置いたとしても、満足に遊ぶことはできないだろう。
「あのさ、お前ら。さすがに狭すぎると思うぞ」
 そう言うと、二人は心外と言った表情を浮かべた。
「したら、北海道に土地買って、事務所の新しい保養所にすんべ」
「いいですね、北海道。どこらへんがいいかな」
「そうだなぁ。北海道は広いからなぁ」
 公園遊具の話から、今度は北海道の話になった。
 美味いラーメン屋がある、あそこのスープカレー屋が有名だ、すすきのにあるあの飲み屋に綺麗なお姉ちゃんがいる云々。
「大きな子どもだな」
 それまでずっと傍で聞いていた金髪の彼がボソッと呟く。
 そんな呟きも聞こえていない様子の二人は、いつの間にかみんなで行く北海道旅行の話になっていた。

9/24/2023, 6:31:48 AM

「昔からさ、何かあったらここでよく話してたよね」
2人並んでベンチに腰掛けている。家の近所にある公園。昔はこうやってベンチに落ちついて座ってることなんてなくて、ブランコだったりシーソーだったり、とにかくせわしなく動いていた。10年も経てばそりゃあんな遊具で遊ぶこともなくなるか。そう笑いながらキミは言った。確かにそう思う。僕ら出会って10年も経ったんだね。ひょんなことから知り合って、家が近いから同じ区域内の学校に通って。高校受験互いがどこを受けるのか知らない内に新学期になったと思ったら、まさかの同じ私立高校で。その3年間楽しく過ごせた。いや、3年間だけじゃない。キミと会ってからの10年間は毎日最高に楽しい日々だった。こんなにいつも近くに居たから、この先ももしかして同じ道を歩むのかと少しだけ思ったりもしたんだけど。キミはキミの、僕は僕の未来を選ぶ時がきた。キミは明日ここを離れて遠くの学校へと進学する。
「ね、最後にあれ登ろうよ」
指差してきたのはジャングルジムだった。今じゃこんなに背も伸びてほぼ大人のような体格になった。登れるには登れるけど、もう器用にくぐったり身軽な動きをすることはできない。こんなふうに、成長していくにつれできないことも生まれてゆく。いつまでもあの頃のままじゃないんだって思い知らされる。
「わー。たけー」
ベンチから移動して2人でジャングルジムのてっぺんに登り腰掛ける。あの頃走り回っていた公園の敷地内が一発で見渡せる。あの頃は、どれだけ走っても果てなんてないように感じてたのに。やっぱり今と昔で、見える景色は違うんだな。
「がんばれよ」
「ありがとう」
僕らこんなに仲がいいのに、別れの言葉らしくない実にあっさりしたものだった。
いや、別れじゃない。いつかまたひと回り成長した頃に再び会えるから。それまでは僕も、キミに負けないように足を止めない。成長して変わってゆくものばかりじゃない。変わらないものもあるから。それを忘れずに、そして友であるキミが離れていても成功するようにと祈っているよ。

9/24/2023, 6:26:23 AM

ジャングルジム

僕のヒーローは

遊びの天才だ

仕方ないなと言いながら

いつも助けてくれる

ジャングルジムから下りられない僕に

お前ならできると

励まして

勇気をくれた

僕は今

誰かのヒーローになれているだろうか

9/24/2023, 6:23:57 AM

怖くて登れなかったジャングルジムを一番上まで登れた時はとても嬉しくてなかなか降りようとしなかった。できないと思っていた事でも勇気を出して一歩踏み出してみれば違った景色が見える。あの時の一歩があるから今を越えていけるんだとふと思った。無機質で冷たかったり熱かったり、ところどころ水色が剥げているけれどいつも堂々としていてそこにある。撤去されると知った時は悲しかったけれど目を閉じればすぐそこに見えるんだ。

9/24/2023, 6:11:21 AM

ジャングルジムの頂上から、星が輝く空に、手を伸ばす君。そんな君の横顔を見ながら、私は言った。
「星が綺麗ですね」

9/24/2023, 6:08:13 AM

ジャングルジムは人気があり、なかなか人がいなくならない。
日が沈む頃ようやく誰もいなくなったジャングルジムに近づく。

黙々とてっぺんまで登る。
夕焼けを見てる振りでもして、数秒止まる。
そしてまた黙々と下に降りる。

終わったら暗くなる前に家に猛ダッシュ。
帰ったら、鉄クサい手をよく洗う。

ジャングルジムって何であんな人気あったんだろ?

9/24/2023, 5:58:29 AM

無茶苦茶硬いぞ。大人になって再びわかる。ジャングルジムはめちゃくちゃ硬い

9/24/2023, 5:52:34 AM

【ジャングルジム】

昔、転校した親友とジャングルジムに

願い事を他のみんなに内緒で書いたことを

思い出した。今も残っているだろうか?

そう思い、夜中に親友と書いた公園に向かった。

黄色のインクが大分禿げていて、茶色が目立つ。

グルッと一周回った途中で、ある文字を見つけた。

「  と結ばれますように」と今にも

消え入りそうな文字を。この空白は一体

誰の名前なんだろうか。

9/24/2023, 5:37:21 AM

ジャングルジム

前の席の女子が楽しそうに雑談をしている。
ぼくはお腹が減っていて、しかも給食はとてもおいしいものだから、いつもみんなより早く平らげてしまっていた。
おかわりをしようかと思ったけど、それはやめた。
いますぐに校庭に出たい。
今なら校庭を独り占めできる。

ぼくはそそくさと一階に降りて足を靴につっこんで
外へ走り出した。

日差しが丁度良く暖かい。いい天気。
でも、もたもたしてるとみんなが来てしまう。

うーん今日は何して遊ぼう。
ふとジャングルジムが目に入った。
とっても人気だからすぐに人だらけになってしまう、
けれど今は関係なしに満喫できる!

腕を伸ばし、手すりに手を掛けて登っていく、
後ろを見ると自分の身長とは比べ物にならない
とても高い位置にいるように感じた。

頂上は、あと少し!でもなんだか怖い。
思えばちゃんと登りきった事はなかった。
高いとこは怖くて、足もすくむし
下を見ると力が入らなくなる。
手汗もびっしょりだった。

諦めようかと思ったそのとき、てっぺんに何か気配を
感じた。
懐かしい。そんな存在感だ。
何がいるのか、ぼやけているようで
目を凝らしても分からない。

ここで逃げるのは、あまりにもったいない。
きっと登った方がいいと思った。
最後の手すりに手を伸ばし、いっぺんに身を乗り出した!

そこには友達のゆうきがいた。
なんだ…ゆうきか。

ぼくを見るなり
おまえもう給食たべたのか、早いなと言った。

ぼくは落ちないように気をつけて隣に座る。

眺めのいいとこで
ゆうきとぼくはゲームのボスが倒せないとか
あの女子が好きだとか、
どうでもいい事で盛り上がっていた。

長い間、しゃべくっていた。
もう随分とゆうきと話してなかった気がしたから、
とにかく楽しかった。
すごく懐かしい。なんでだろう
勘繰ってみる前に、チャイムが鳴った。
戻らなきゃ

最後に久しぶりにこんなに話したような気がする
と言ったら、そいつは笑ってくれた。

あの日以来、もうゆうきの夢は見なくなった。

9/24/2023, 5:36:35 AM

ジャングルジム
錆びた鉄、自分の心も錆びていた
鉄は取り替えられるけどこの気持ちは、
どうやって取り替えよう

9/24/2023, 5:34:17 AM

ジャングルジム


恋にも、仕事にも負けて地元に戻ってきたあの日

実家には顔を見せづらくて

子どもの頃よく遊んだ公園に足を運んだ

鉄棒も、ブランコの位置もあの日のまま

ジャングルジムに腰掛けて、空を見た

あの日の夢を、もう一度探すように

もう一度、元気を取り戻せるように

涙がこぼれないよう上を向きながら、そう願っていた

9/24/2023, 5:24:41 AM

久しぶりに母校へと訪ねた時、砂場のところにジャングルジムが無くなっていたのに気づいた。
なんでも、場所の維持費と危険度が釣り合わないからやめたのだと。
そう考えると理にかなっているが、私としては少し寂しい気分になった。
頂上まで登り切った時の景色と、誰にも邪魔されないような無敵感。
あの景色が、今の子供達が見れないと思うと少し勿体無い気分になった。

9/24/2023, 5:05:14 AM

子供の頃、ジャングルジムの上から見る景色は、まるで違って見えた
いつもの公園が異世界になったような感覚
恐ろしくなってすぐに降り、いつもの友達の笑顔に安心していた
高いところに登って、全部を見ているような気持ちになった時、あの恐怖を思い出す
広い世界の中で結局、手の届く範囲は知れている
自分の手に入れられるのは、ほんの一握りだけ

(ジャングルジム)

9/24/2023, 4:59:43 AM

お題「声が聞こえる」
※昨日のお題です

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満花が最初にこちらの世界に来たのは約十ヶ月前

大学進学と同時に始めた一人暮らし
その日は休日で、夕方からのバイトに行く為準備をしていた
ギリギリまで寝ていたせいで、慌ただしく狭い部屋内を走り回りボサボサの髪をどうにかしようと洗面所に向かった…その時

『…さ……れば』

男の子が囁くような声が聞こえた
「…え」
サッと血の気が引く
「…なに…?」
このアパートに男の子がいただろうか
確か近隣の部屋にはいないはずだ
いるとすれば、あまり会ったことのない離れた部屋にだろう
この部屋で声が聞こえるわけがない
…まさか聞こえてはいけない声が聞こえたのでは…?

『……あめ……い……』

「やだやだ無理ぃ」

怖い怖い
震える手で耳を塞いでも聞こえてくる
幽霊とか本気で無理だ
恐怖で泣けてきた

固く目を閉じた時、急に瞼越しに金色の眩しい光を感じ、反射的に目を開いた
足元からの刺すような光はよく見ると紋様を描いている
漫画やアニメで見たような魔法陣のようだった
徐々に目を開けていられないほどの強い光を放ち始め、また強く目を閉じた
暫くすると強烈な光は収まり、じんわり痛む目を恐る恐る開いた

「…え?え??」

今までこぢんまりとした見慣れた部屋にいたはずだ
だが目を開けば、もう使われていないような古びた礼拝堂のような場所に何故か変わっていた
もしかして本当はまだ寝ていて夢をみているのかもしれない
でもなんだろう…妙にリアルだ
心臓がバクバクと痛いくらいに早鐘を打って、上手く息が出来なくなる

「……かみさま?」
「…!」

あまりに動揺していて気付かなかったが、すぐ近くに十歳くらいの男の子が座り込んでいた
見た事ないくらいの整った顔に驚く
黒髪に大きなアーモンドアイ
瞳の色は射し込む陽光を取り込んで、キラキラと輝く美しい青色
創造主が丹精込めて作り上げたかのような形の良い鼻と口
それらすべてのパーツが完璧なバランスで配置された、現実離れした美少年だった
気品漂う容姿なのに、艶のない髪やうっすら汚れた肌、サイズの合っていない服が少し違和感だけれども…

「助けにきてくれたの…?」

声変わり前の高めの声が、あちこち穴の空いた建物内で涼やかに響く

(…ん?あれ?この声…)

少年の声に既視感を覚える
さっき部屋で途切れ途切れ聞こえてきた声に似ている

「…え…えと、ちが……私、神様とかじゃないよ」
「…違うの?」

少年の期待の籠った澄んだ眼差しが少し沈み、不思議そうに小首を傾げる姿になんとなく申し訳ない気持ちになった

「うん…ごめんね…?」

少年のことも何かと気になるが、満花も自分の事でいっぱいいっぱいだった
とにかく帰りたい

「あの…ここはどこか教えてくれる?」
「…?ここはラプム村の外れにある星屑の森だけど」

日本にそんな名前の村あるだろうか
いや、多分ない
嫌な予感がする
手が微かに震え出した

「…ね、ここって日本だよね?」

体は急激に冷えていくのにじっとりと気持ちの悪い汗が噴き出てきた

「ニホン?ってなに?」
「…なにって…国の名前でしょ?」

少年は口元に手を当てて数秒考えた後、納得したように呟いた

「…あぁ、お姉さんはニホンって国から来たんだね」

「ここも日本でしょう?」という言葉は何故か喉につっかえて出てこなかった
自分の心臓の音がうるさい

「ここはリュペリオン王国だよ」

リュペリオン王国…
聞いた事ない国の名前だ

「ねぇ、やっぱりお姉さん俺に応えてくれたんじゃないの?」
「え…いや、ちが「だって、俺の召喚魔法陣から出てきたでしょ?」

しょうかんまほうじん…?
満花は思考を放棄した
分かりたくなかった
今の状況に似たアニメを思い出してしまったのだ
女の子が異世界に召喚されてしまい、聖女として仲間達と魔王を倒す…みたいな異世界転移もののアニメ

「お姉さん、名前はなんていうの?」
「…え…なまえ?えと…満花、天宮満花」
「ミチカが名前?」
「うん…」

話しかけてくる少年を無視する訳にもいかないので、停止した頭を必死に動かして答えると、彼は花が綻ぶように笑った

「俺はルカ
よろしく、ミチカ」



これが、ルカとの出会いだった

9/24/2023, 4:58:19 AM

ある時、僕が公園でひとりぼっちで遊んでいると、「ねぇ、一緒にあれに登ろうよ」と、いつの間にか知らない男の子が寄ってきていて、敷地の真ん中にある大きなジャングルジムを指さした。
 僕はあまり気乗りがしなかったけれど、男の子があまりにも強く誘うものだから断れなかった。僕が頷くと男の子は満面の笑みになって僕をジャングルジムの方へ引っ張っていく。近くで見るとあまりにも大きく感じるその遊具の存在に、僕はひっそりと息を飲み込んだ。

「君はここから、僕はあっちからスタートするから、先に天辺まで登ったほうが勝ちね」

 そう言い置いた男の子は、僕がいる所の向かい側に位置する場所に回り込んでいった。

「じぁあ、行くよー!」と、遠くから聞こえる男の子の声を合図に、僕はジャングルジムを登り始める。慎重に一歩一歩、上へ上へと手足を動かした。

 「あ」と、途中で僕は声を上げる。登ろうとした足が滑り掴んでいた手を離してしまった。幸いにもまだ一段目あたりであったから、浮いていた足が地面についた途端、尻餅をついただけで済んだ。

 僕は地面に座ったままジャングルジムを見上げる。奇妙なことにさっきの男の子の姿がどこにもなかった。代わりに「チッ」と、耳の側で誰かが舌を打ったような音がした。

 僕はさっきまで話していたはずの男の子がいなくなったことが不思議だったけど、またジャングルジムに登る気も失せてしまって、その日はそのまま家に帰ったのだった。

 それから、これはずいぶんと後になって知ったことだけど、あのジャングルジムに登った子供が天辺から落下するような事故が何件か起こったらしい。そのせいであの遊具はしばらく使用禁止になっていたそうだ。

 次にもし僕があの男の子に会ったら、落ちたら危ないからジャングルジムはやめて別のもので遊ぼうと誘ってみることにしよう。



【ジャングルジム】

9/24/2023, 4:50:28 AM

喰われる、と思ったときには腹のなかにいた。
5時のチャイムの音色が夕闇の一点に消えていく、瞬きのあいだのことだった。

じめじめと生い茂る雑草が、棒になった足に絡みついて、冷たい鉄の味が口に広がってゆく。
何も考えられない頭に、「ドーカ」と声が響いた。
私の名前じゃない。どこの国の言葉だろう。何度も折り重なるように、思考のオブラートを分厚くしていくように私は「ドーカ」で埋め尽くされる。


ドーカ
ドーカ
ドーカ

助けて

ド ー カ
ド ー カ

お願い

ド ウ カ
ドウカ

同化。
その瞬間、ばちんと何かが弾けた。
嫌だと叫びたかった。ここから出してと口にしたはずなのに。頭とは別に、咄嗟の言葉が身体からでた。


「違う、私じゃない。」




頬にそよぐ風に気づいて目を覚ますと、冷たい
空気が肺に流れ込んでくる。
大きな黒い顔が3つ、私を覗き込んでいた。


「目を開けたぞ」
「頭打ってるんだ、動かすんじゃない」
「今、救急車を呼んでるから。」


空がゆっくりとまわっている。筋をひく雲が生クリームみたい。星がちらちらと浮かぶ紺色のソーダに溶けてゆく。視界の端には、ジャングルジムが黒々とそびえ立っていた。その横で友だちが泣きじゃくっている。

そうか、私、あれから落ちたのか。

小さい頃からよく通っていた公園がつぶされて、もう5年になる。老朽化が原因だった。それなのに、なぜかジャングルジムだけが壊されずにそこにあった。

面白半分だった。小さい頃のようにテッペンまで登ってみたくて、学校帰り友だちをつれてここへ来た。夕陽を背に、しんとして立ちすくむ錆びた鉄の塊が、少しだけ、何だか生き物みたいだと思ったのだ。

結局、私は頭を数針縫った。ジャングルジムはテープでぐるぐる巻きにされていて、あの場所は不良の溜まり場になった。そして、やはり壊されない。

多分、私と友だちだけが知っている。
私はあの日、確かにジャングルジムに食べられかけた。だから今、生きているんだと思う。今でもあれは錆びつきながら、「ドーカ」を待っている。

9/24/2023, 4:36:24 AM

記憶というものはとても曖昧で、中には様々な記憶が混ざってなかった物を生み出していたり…なんて事もある。

久々に地元に帰った時、空き地ができていて何があったか忘れてしまった事を友人に話すと「古い文房具店だった気がする」なんて言われたら「そうだっけ?そうだったかも。確かにあったあった!」なんて会話になる。
本当はただの一軒家で文房具店だったのは他の場所だった。

公園のジャングルジムで遊んでいる記憶も、本当は公園にはなくて、遊んでいたのは学校だったなんて事も…

昔の知り合いにもこんな人いたなぁなんて思い出すが、それが小学校の知り合いなのか、中学校の友達なのか、習い事で知り合った人なのか。
その知り合いの性格も出来事も他の人と混ざって曖昧になる時がある。

私にとって私は唯一の存在だが、他人にとっては知り合いの中の1人。

時間が経てば経つほど記憶は風化し、錆びれ、曖昧な存在となり、やがて本当の私は朽ちてしまうのだろう。
そして朽ちた私は他の記憶と混ざり、新しい私として記憶に残ってしまう。

9/24/2023, 3:55:43 AM

子どもの頃、家の近くの公園には、お城のようなどでかいジャングルジムがあった。他の地域の子ども達がそれを目当てに遊びに来ていた程だ。そこで良く戦国武将ごっこをした。闘いに勝ったものだけが、ジャングルジムのてっぺんに登れる。そこから見る景色は、特別なものだった。まさに天下を取った気分を味わえたものだ。ちなみに闘いの方法はじゃいけん。ジャングルジムを自由に登り、対面すると、じゃいけんをして負けた者は一度降りて、また登る。じゃいけんに一番多く勝った者が天下人だ。ジャングルジムだけで、夕方まで遊べた。

 その後、テレビゲームが流行り、子どもが外で遊ばなくなった。高校生の時、ジャングルジムは老朽化し、危険な遊具として撤去された。撤去される前、何年ぶりかに誰も居ない公園でジャングルジムのてっぺんまで登り、そこからの景色を堪能したことを今でも覚えている。高校生にもなれば、どでかいジャングルジムがそう大きく感じられず、時間の経過を空しく思えた。

 現代の子どもには、時代に合った遊び方があるのは理解している。ゲームやスマホなどデジタルが主流だが、外で身体や頭を使い自分で遊び方を考え、夢中になるのも楽しいことに気付いて欲しい。泥だらけになり、多少のケガもし、地域以外の子ども達と交流する。子どもの時にする色々な経験は大人になると財産になること。大人にも思い出して欲しいと思う。

 ジャングルジムは危険だから、現代の公園にはない。ジャングルジムという言葉を知る子どももいないかもしれない。時代の流れだから寂しいけど仕方ないという思いもある。だが、僕の思い出にはしっかりと残っている。景色や遊び方だけじゃない。鉄を握った時の感覚や手についた錆びの匂いも。

9/24/2023, 3:55:04 AM

朝夢目を覚ますと、なんとも言えない気持ちにさせられる。
それはなんと言っても公園で遊んでいた私と彼のせいで。

『ねえ見て!!先に登った方の勝ち!!』
「えっ!ちょっと!?反則だよ~!」

と言いながら追いかけて登っていく私。もちろん彼の不意打ちのせいで買ったのは彼で。

『へへーん!僕の勝ちぃ』
「かってに行くのがずるい…」

と幼稚園生なりの愚痴をこぼしていると、

『僕が買ったんだから僕と結婚するんだよ!!』
「え!一緒に結婚するの?」
『うん!』

いつも私は彼に勝てないみたいだ。

9/24/2023, 3:49:21 AM

ジャングルジム

小学校にあったジャングルジム。
高いのもあって、おにごっこによく使っていた。

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