『カーテン』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
カーテン
私の真っ暗な部屋では
カーテンは閉じたまんま
私の心と同じように
まるで居場所がないみたい
いいや、最初から世界に
私の居ていい場所なんてなかったみたいに
私の夢は????????だった
夢を思い出す度に嫌な思い出が
脳みそにのこびりついて剥がれない
誰かは言った
「諦める程度ならそれ程の夢だったんだ」と
誰か問いかけた
「じゃあ、どうやって生きるのだ」と
生きるということは
ご飯を食べるということなのか
息を吸うことなのだろうか
幸せでいるということなのだろうか
そんなことを毎日毎日うんざりするほど考えた
みんな知っている通り答えなんてなかったね
あんなに張り付いていたSNSさえも
だだの空虚でしかない
この頃何にも手が付かない
逃げている
階段を降りる度に
わざと足を踏み外す妄想をしては
その妄想に冷めた気持ちで向き合い
確実な1歩を踏み込む
生きる妄想より
死ぬ妄想の方が心地よい
なんて人間になってしまった私を
誰か、
Theme:カーテン
通勤中、いつも気になる家がある。
一見、なんの変哲もない一軒家だが、道路から見える小窓はいつもカーテンが閉まっている。
何か事件があったか、それとも特別な事情があるのか。
気になりつつも、そのまま通り過ぎる日々が続いていた。
そんな時、友人から面白い話を聞いた。
「ねえねえ、知ってる?あの家に住んでいる人って、魔女らしいよ」
最初はただの噂話だと思った。でも、気になって仕方がなかったため調査することにした。まず、あの家に誰か済んでいるのかどうか。そして、“魔女”とは何なのか。
近所の人に話を聞くが芳しい成果は得られなかった。
そんなある日、私は偶然あの家の敷地に入っていく人の姿を目撃した。
一瞬だったが間違いないだろうと思いそのまま尾行する。
すると、その人はポストに手紙を入れた後、そのままどこかへ行ってしまった。
俺は気になってそっとポストを覗いてみた。手紙を取り出すと開いてみる。
手紙には一言「○○を呪ってほしい」と書いてあった。
見てはいけないものを見てもらったような気がして、俺は慌てて手紙を元に戻した。
それから、それとなくその家を観察していたが、やはりなんの変化もなかった。
所詮、噂話か。
踵を返そうとしたとき、俺は気づいてしまった。
カーテンの隙間から、血走った目がこちらを見ていることに。
お題:カーテン
観客
観客席に座る俺には重いカーテンの向こう側を知る権利なんてないだろう。知る機会もないだろう。重厚感溢れる赤いカーテンが舞台の世界と俺を区切っている。圧倒的な存在感で「こちら側」を。見せないように、見えないように、知らないように、互いが互いに干渉し合わないように世界を隠し区切っている。
カーテンコール
カーテンコール。好き嫌いはあるだろう。良し悪しなんて俺が計り知れたものではない。一概に決めつけるのはナンセンスだ。そう言っておきながら「一度閉じた世界が再び開く、それがカーテンコールだ」と思う。「それは何を意味するのか」尋ねる前に観客席に座ってくれ。
スポットライト
スポットライトを一身に浴びた。光り輝く柱がこちらに落ちてくるのはひどく高揚する。視界が色とりどりチカチカ輝き、観客の頭は光の粒の一つとなる。幻覚を見ている時と酷似している。不安と興奮の間、マーブルの世界。この場所に立ったとき観客席は見ていない。見えないし、見る必要もない。僕は僕だけのスポットライトを知っていればそれでいいのだ。
フィナーレ
拍手喝采、スタンディングオベーション。舞台上で深々とお辞儀をしているあの人はきっと私のことは見ていないだろうし、客席から強く見詰めているあの人は自分の世界で成り立っているし、私はただのエキストラだ。
曽て
スポットライトを浴びたことがある。曽てその舞台に立っていた。重厚なカーテンの向こう側、もう戻れないだろう。小手先の技術を中途半端に手に入れ、磨き上げることなく舞台を降りた俺にも純粋な目だけで見ていた曽てがあった。重いカーテンの向こう側を知った。
レースのカーテン越しに
きらきらと明かりが降りてきて知った
深夜の満月
ホットミルクを飲もう
よく寝れますように
#カーテン
#カーテン
夢を見ていた。
風になびく真っ白なワンピースが似合う、1人の少女。
そして、僕の初恋の人のこと。
向日葵に囲まれたあの夏のこと。
太陽にも負けないくらいの笑顔が、今も脳裏に焼き付いている。
夢から覚めた。
じりじりと肌を焼くような暑さに、蝉の声が響く。
突っ伏していた机からふと顔を上げる。
そして目を見開く。
目の前には、あの少女が立っていたから。
あの頃と少しも変わらない笑顔で、ただ、そこに。
僕は思わず立ち上がり、手を伸ばす。
少女に伸ばしたはずの手は、空を切った。
バサバサと、音が聞こえる。
少女のワンピースにそっくりの、真っ白なカーテン。
風に吹かれて舞い上がると、彼女の笑い声が聞こえてくるような気がした。
僕は天を仰ぎゆっくりと目を閉じる。
夢であれば良かった。
君はもうこの世にはいないってこと。
「カーテン」
もうあの部屋、あの場所にはいないはずなのに。
締め切られているはずの無菌室で何故かカーテンが揺れた気がした。フワッと揺れて暖かい風を感じた。
「間違ってないよ、前に進まなきゃいけないよ」って言ってくれたのかな。
思い出すのは動かない直線。無機質な高音。
繰り返されることのない呼吸。
もう帰ってこない。冷たくなっていく一方。
カーテンで仕切られたその部屋には、もう新しい人がいて。自身と治療と日々戦っている。
前を向いて進めない私を励ましてくれたのかな。
助けられなかったという悔しい思いは次へ。
いつまでも泣いていられないね。
清潔で外気の入らない無菌室で私はリベンジしなくてはいけない。
待っててね。いつか必ずこの気持ちは払拭するから。
また私が進めなくなっていたらもう一度フワッと揺れてほしいな。
カーテンに滲んだ憂鬱を見て
太陽は呆れながらも
適当に雨を降らす
一時的に言い訳になったって
ずっとじゃなければ逃げきれない
もう 中途半端にするから…僕が
またうずくまる
眠たくないのに眠るんだ
ひとまず今日は天気のせいだ
カーテン
好きな模様、色で窓を華やかにしたり、シンプルにしたり、可愛くもかっこよくもなるカーテン。
カーテン売り場に行くだけで、ワクワクする。いいものに巡り会えますようにと――
「カーテン」
自分の部屋のカーテンが好き。
1人になりたい時、
それは外の世界との柔らかい隔たりを作ってくれるから。
壁のような頑丈な隔たりでもない。
ドアのような開けばすぐに外に繋がる隔たりでもない。
カーテンは、
外の音、光、温度、振動、全ての情報を緩く伝えてくれる。
外との繋がりを感じられるままに1人になれる。
私は、外の強い日光を柔らかい光に変えてくれる
そんなカーテンが好き。
カーテンの隙間から見える光が
今日も朝を伝えに来て
それはきみと会えるということも
伝えてくれる。
◤カーテン◢
誰もいない教室。大きな窓とカーテンの間。二人きり。
横に並んで、開け放った窓からグラウンドを見下ろす。
「……あ」
隣から小さく声がした。視線を向けると、嬉しそうに微笑む横顔。
ランニングをする陸上部の集団の中に、お目当ての先輩を見つけたようだ。
「よく飽きないね」
この道を通るのは、日に一度だけ。
その一瞬を見るためだけに、毎日毎日ここで待っている。
「好きな人を見るのに、飽きるなんてないでしょ」
「……まあ、そうだね」
真っ直ぐすぎる言葉が、痛い。
「そっちこそ、こんなことによく毎日付き合ってくれるね」
緩い風が吹いて、カーテンとやや長めの髪が揺れる。
外を向いていた目がこっちを向いて、二秒。視線を反らす。
「オレも、同じことしてるから」
グラウンドから目を逸らさないまま、いつもより小さな声で呟く。
視線の先に、その人はいないけれど。
「えっ、誰!?」
「ひみつ」
「なにそれズルい!」
何を言われたって教える気はない。
いつか、気づくまでは。
「わっ……」
突然強い風が吹いた。煽られたカーテンが滑って、大きく開く。
陸上部の集団はもう見えない。
二人きりの時間はおしまいだ。
カーテン。
薄い、カーテンを透かして見る外の世界は、なんだかいつも綺麗だった。
私が住む家は、こじんまりとだがベランダがあった。ベランダは、大して整備もしていない上、昨日の雨で曖昧に濡れている。朝晩と涼しくなってきたこの頃は、日が落ちてから網戸に薄いカーテンを掛けて涼むのが、一日の癒しだった。
今日は道が明るく見える。それが、通り過ぎる車のせいなのか、街灯のせいなのか、久々に晴々している僕の心のせいなのかは分からないが、時計の針だけは明確に示しているのだろうと、思う。
綺麗だな。気持ち悪い。眠いなぁ。人が沢山だ。どこ行くんだろ。虫多いな。わ、刺された。少し寒い。芯に沁みる。柿が熟れてる。煩いなあ。
幾つか言葉が浮かんで、跳ねて、去っていく過程を楽しみながら、今日は外を眺めていた。
明日は、どうしようか。
とり敢えず、カーテンは、開けておこうか。
「カーテン」
外界は奇声に満ちていて
無理やり手を引っ張る奴らや
肩を組みたがる気持ちの悪いやつら
群れて同意を求めて
私を無理やり私でないものにしようと
虎視眈々と狙う奴ら。
誰も彼もが私に群がる。
ゾンビのように。
外界から私を守るものは
濃紺のカーテン。
この内側は私の世界。
今夜も魑魅魍魎や有象無象から
私を守ってくれる。
朝日がこの濃紺を
コバルトブルーに変えるまで。
カーテン
作者:ノワール
うちは山宮 沙奈、ちょっとした話に付き合ってもろて。その日テストの点が悪かったから強制的に学校で居残り補習をしてたんよ。いまは17時、春だからまだ日が落ちるのが早いから夕日が教室を照らしてるんよ。
沙奈「はよ帰りたいから早くカーテン元通りにせなあかんなぁ…」
そんときな?風がブワーって吹いてきてカーテンが舞ったんよ、夕日に照らされてカーテンがなんだか神秘的に見えたんよね。
そんで一瞬小学校の頃思い出したんやけど、幼なじみがちょうどこんくらいの時間、季節にうちに告白してきてな?その頃はまだ恋心がまだわからんくて断ったんやけどね…今考えると複雑なんよ。
だからーー
だから、その幼なじみが今また告白してくれたらOKしたのにって思いながら目の前にいる幼なじみに、今度はうちから。
あとがき
こういうの本当に中々慣れないので変だったら申し訳ありません。また良かったら見に来てください。 ノワール
カーテン
いーち、にぃーい、さーん、よーん、ごーぉ、ろーく、なーな、はーち、きゅーう、じゅう。
もういーかーい? もーいーよー。
私は妹を探しに扉のドアを開けた。
そこには足の生えたカーテンがあった。
最近片方の靴下が見当たらない。いいや靴下だけではない。
友達に貰った、ちょっと自分じゃ買わないお高いハンカチまで行方不明なのだ。
ベッドの下クッションの裏ソファーの脇。隙間という隙間を執念深く探す。遂に服のポケットまで探すも見当たらない。
「……ねぇ、どこいったと思う」
見つからなすぎて愛猫に話しかける始末。
お姫様は知りませんことよと言うように一言鳴くのみ。それもそうか。
もう探せる場所は全部見た。
一度頭を冷静にさせるため換気をしよう。いつもは猫の定位置の為たまにしか開けない窓がある。今日くらいいいだろう。そうカーテンを開ける。
するとそのカーテンの裏には探し物が詰まっていた。
私は犯人を尋問すべく部屋に戻った。
カーテン
何時も通る道沿いに、一寸古い一軒家がある…2階建てで、広い庭があり、山茶花の生け垣で囲われている…何時もひっそりしているけれど、時々車が停まっているのを見掛ける…そして、2階の窓は、何時もカーテンが閉まっていて、だけど、少しだけ隙間がある…ある昼下がり、何時ものように、近くに差し掛かると、ピアノの音が洩れてきていた…思わず、目を向けると、何時も閉まっているカーテンが大きく開放されていて、ピアノと演奏している女性の後ろ姿が見えた…
カーテン
「もーういいかーい?」
そう問いかければ、元気な声が遠くから聞こえてくる。
「もーいいよー!!」
閉じていた目を開けて、声の主を探しに行く。どこかなー、と言いながら、寝室やキッチンを軽く見つつ、本命のリビングへ。
「どこかなー? 机の下かなー?」
もちろん、机の下には誰もいない。というより、リビングに入ってきてすぐわかってしまったのだ。
カーテンがぐるぐる巻きになって、中に人がいることが。可愛らしいな、なんて思いながら、イスの下かなー、とまだ探している振りを続ける。
カーテンの中からはくすくすとした笑い声が聞こえてきた。
「んー? なんか笑い声が聞こえたぞ。ここかな?」
カーテンごと抱きしめるように覆い被されば、あはははは、と楽しそうな声が上がる。
「みーつけた」
その言葉が、かくれんぼの終わりの合図。ぐるぐるのカーテンから救いだし、ふぅ、と一息つけば、キラキラとした瞳でこっちを見つめてきた。
「もういっかい! つぎは、わたしがさがす!」
君は夜、カーテンを閉めたがる。
「高層マンションじゃん。気にすんなよ」
「やーなの。だって夜は…」
「夜は?」
「…おれらだけが良いから」
夜さえも邪魔者だって? お前ホントに…
「俺のこと好きすぎるな」
うるさいなー!!
君は照れまくって顔を真っ赤にして、そんな君を俺はケラケラ笑いながら抱きしめて。
わかったよ、朝までこうしていよう?
そして朝になったらさ、カーテンを音を立てて思いっきり開けて、そしてベランダでコーヒーを飲もう。君が俺のためだけに淹れてくれたコーヒーを。
それまで幕開けはお預け。
▼カーテン