Blast.

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「カーテン」


あの部屋、あの場所にはいないはずなのに。

締め切られているはずの無菌室。
それなのに何故かカーテンが揺れた。
フワッと揺れて頬に暖かい風を感じた。


「間違ってなかったよ。ありがとう。
それでも、苦しくても前に進まなきゃいけないよ」

って言ってくれたのかな。

思い出すのは、モニターの緑色の直線。無機質な高音。

繰り返されることのない呼吸。
青ざめていく肌色。
力が入ってないことが分かる筋肉。
穏やかな表情。
もう二度と開くことのない目。

もう帰ってこない
冷たくなっていくだけ。

その部屋には、もう次の患者がいて。
自身と治療と日々戦っている。

でも…忘れられないよ…。
だって数分前まで生きていたじゃない。
そんなに割り切れるほど私は強くないの。

悔しいよ。悔しすぎる。
いかないで欲しかった。
優しい貴女とまだこの世界を一緒に生きていたかった。

埃ひとつなく風の吹かないこの無菌室で
私はリベンジしなくてはいけない。
待っててね。いつか必ず会いにいくからね。
まだいってあげられない。
治療を待ってる人がいるから…

また私が迷ったなら
もう一度フワッと揺れてほしいな。

10/11/2023, 2:33:53 PM