カーテン。
薄い、カーテンを透かして見る外の世界は、なんだかいつも綺麗だった。
私が住む家は、こじんまりとだがベランダがあった。ベランダは、大して整備もしていない上、昨日の雨で曖昧に濡れている。朝晩と涼しくなってきたこの頃は、日が落ちてから網戸に薄いカーテンを掛けて涼むのが、一日の癒しだった。
今日は道が明るく見える。それが、通り過ぎる車のせいなのか、街灯のせいなのか、久々に晴々している僕の心のせいなのかは分からないが、時計の針だけは明確に示しているのだろうと、思う。
綺麗だな。気持ち悪い。眠いなぁ。人が沢山だ。どこ行くんだろ。虫多いな。わ、刺された。少し寒い。芯に沁みる。柿が熟れてる。煩いなあ。
幾つか言葉が浮かんで、跳ねて、去っていく過程を楽しみながら、今日は外を眺めていた。
明日は、どうしようか。
とり敢えず、カーテンは、開けておこうか。
10/11/2023, 2:28:41 PM