『もしも未来を見れるなら』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
夕暮れの金に近い朱に染まる街を、いつものように眺めていた。
行き交う人々の影が伸び、ほんの少し先の動きをする。たった数分。影だけが未来にいる。
それに誰も気づかないのが不思議だった。影の変化に気づくだけの余裕がないのだろうか。人々は常に忙しそうで、誰も足を止める様子はない。
ふと、一人の影が立ち止まった。影の持ち主はそれに気づかず去っていく。
嫌な感じだ。胸を押さえ蹲る影を見て、咄嗟にスマホを取り出しながら駆け寄った。
影に近寄る頃には影の持ち主もまた、立ち尽くしているのが見えた。胸を押さえ、苦しげに蹲る。
それと同時に、手にしていたスマホで迷わず救急車へと連絡をかけた。
思わず溢れた溜息に、隣に座る友人はこちらに視線を向け。僅かに眉を寄せた。
「何だ?悩み事か?」
その問いを、曖昧に笑って誤魔化した。悩み事ではあるものの、どう言葉にすればいいのか分からなかった。
――夕暮れ時。道ゆく人々の影が数分先の動きをしているのが見える。
正直に告げた所で、きっと変な心配をさせるだけだ。
「――疲れた」
正しくはないが間違ってもいない言葉を吐く。
人と影のずれた動きを見てしまうことは、とても疲れることだった。
それでも見てしまうのは、たった数分ではあるが未来を見ることで変えられるものがあるかもしれないと思ってしまうからだ。小さな変化が、やがて大きな運命を変える。そんな可能性を夢見てしまっているからだ。
机の上に伏し、目を閉じる。頭を撫でる暖かな手に、無性に泣きたくなった。
今日は、いつもよりも夕陽が煌めいて見える気がする。
そんなことを思いながら、友人と共に家路に就いていた。
「そういえば、よかったの?」
「何がだ?」
「だって今日、彼女が帰ってくる日だったはず」
今日は久しぶりに友人の姉が帰ってくる日だ。駅まで姉を迎えに行き、それから三人で帰るのがいつものことだった。
「今日は一人で帰りたいらしいからな」
隣を歩く友人は、夕陽に視線を向けながらぼそりと答えた。
その横顔からは、彼が何を思っているのか分からない。しかしその声音はどこか寂しげな、悲しげな響きを含んでいるような気がして、それ以上何も言えなかった。
落ち着かず足元に視線を向ける。いつものように、数分先の動きをした人々の影を見る。
不意に友人の影が立ち止まった。
「どうした?」
酷く不自然な立ち止まり方。反射的に周囲を見回し、影を見る。
こちらに近づく影の一つが歪に揺れる。細長い何かを手に、暴れ出した。
咄嗟にその影と友人の間に割り込んだ。訝しげに眉を顰めた友人は、その次の瞬間驚愕に目を見開く。それとほぼ同時に、体を鋭い痛みが貫いた。
立っていられず崩れ落ちる。痛みは熱に変わり、それもやがては消えて、冷たさだけが残される。
ざわざわと、人が集まってきた気配。煩いと感じる騒めきを、けれど言葉として理解ができない。
人の影が揺れている。友人の背越しに煌めく金色の陽が眩しくて、静かに目を閉じた。
変えることができた。
昔一度だけ見た夢を否定できたことに、満たされた気持ちで意識を手放した。
様々な機械に繋がれ、ベッドで眠り続ける友人を、青年はただ見つめていた。
「どうして……」
何度目かの呟きに答える声はない。そっと触れた手は、あの日と変わらず冷たいままだった。
目を伏せる。繰り返す後悔に、強く握り締めた手が震える。
「変えられなかった」
無意識に溢れ落ちた言葉に、思わず自嘲する。
青年は数日先の未来を夢に見ることがあった。しかし今までは未来を夢に見た所で、それを変えようとは思わなかった。変えることの必要性を感じなかった。
しかしただ一度だけ、夢に見る未来を変えようと動いた。変えたいと思う程の夢を見たからだった。
「すまなかった……」
謝罪の言葉は、無機質な機械音に掻き消されていく。
外の音が遠い。扉一枚隔てた向こう側の日常から切り離されてしまったかのようだ。
込み上げる思いが溢れてしまいそうで、青年はきつく瞼を閉じる。
変えるための行動を起こし、確かに未来は変わった。
あの日襲われたのは、本来ならば青年の姉であった。
崩れ落ちる姉の姿。耳障りな笑い声。呆然と立ち尽くす友人。
確かに未来は変わった。けれども大切なものを失う結果は何も変わらない。
未来を見れたとしても、苦しいだけで何の意味もなかった。
「どうして……」
声が掠れる。握り締めた手が震え出す。
昨夜見た喪服姿の人々の背が、青年の脳裏から消えて無くならない。
震える手を伸ばし、冷たい手を握る。両の手で包み込み、祈るように目を閉じる。
震える唇で名を呼んだ。続く言葉は声にならない。
窓から差し込む夕陽が、青年と友人を赤く染めていく。
伸びた影が揺れた。重なる影が、数分後の動きをし始める。
青年は、それにまだ気づかない。
20260419 『もしも未来を見れるなら』
もしも見えたとして、今のこのどん底から抜け出せる未来はあるんだろうか。ずっとずっとつらいまま いつかはいいことあるよなんてそんな言葉信じられない。もう少し頑張ろう もう少し、もう少しを繰り返してここまできた。いつまで あと何回頑張れば楽になれる?こんなこと考えるより、今流れてる時間を埋めていった方が早いよね。どうかどうか…未来の自分が少しでも楽しく、幸せに過ごせてますように
「もしも未来を見れるなら」
【もしも未来を見れるなら】
過去なら、見てみたいと思うことがある。
変わらない事実があることに安心するから。
過去の自分が、必死にもがいて生きて。
でも、未来は見たくないかもしれない。
変わらない事実に不安になるから。
社会の荒波の中で揉まれて、苦しんで。
変わっている自覚もないまま変わっていくほうが、
ずっといい。
fin.
もしも未来が見れるなら
私の死に様を見てみたい
それが美しくないならば
さっさと死んでしまいましょう
『もしも未来が見れるなら』
「もしも未来が見えるとしたら、あなたはどんな場面を見てみたい?」
買い物帰り2人でいつもの道を歩いている途中、私を見上げながら握る手の力を込めた君はあの時どんな事を思ってそんな言葉を出したのだろう。
「そうだな…、ずっと未来が良いな。自分達の知らない技術とか興味ある。君はどんな未来を見てみたいんだ?」
いつものたわいない会話だと思っていた私は特に深くも考えなかった。君はこの先ずっと側にいてくるものだと思っていたし、幸せはずっとずっと続くんだと疑ってなかった。
「私?私はね…。あ!あなたが私にどんなウエディングドレス贈ってくれるのか見てみたい。気に入ったのじゃなきゃ文句が言えるでしょ?」
そんな風に悪戯な眩しい笑みを浮かべていた君も、きっとそんな未来しか思い描いてなかっただろう。
これから家族になるって決めた私達は幸せになる未来しか描けなかったから。
そんな未来は突然変わった。
『もしも未来が見えるとしたら、あなたはどんな場面を見てみたい?』
本当にあの日未来が見える力を得ていたら。今ならこう答えるだろう。
「3日後の午後3時の君をみたい」
と。
それさえわかっていれば、子供を助けて消えてしまった君の未来を変えることが出来たのだから。
(もしも未来を見れるなら)
自分の為に外道を逝くお前を、
息子を止められたかもしれない。
わかってやれなくてすまない、
どう寄り添ってやれば良かったのか。
後悔はあるけれど、最期まで叱ってやるから、
もう外道に行くんじゃない。
一緒に戻ろう。
こんな夢を見た。
「もしも未来が見れるなら、どうする?」
最近、仲良くなった異性の友人が楽しそうに尋ねてきた。彼は、私のクラスでも他のクラスでも人気のある男子だ。そんな人が、私のようなモブを構うなんて何のつもりだろう?
「どうするって?」
「未来、見てみたくない?自分がどんな大人になってるか、とか」
「んー見てみたいような、見たくないような…」
「俺は見たいな。どんな大人になって、どんな風に社会貢献してるのか。あ、あと結婚してるか!」
「それなら心配ないと思うよ。絶対に素敵な大人になって、きれいなお嫁さんもらってると思う」
正直な気持ちを伝えると、彼はポカンと口を開けた。もしかして、的外れなことでも言ったかな?そう思っていると、机に頭を打ち付けるように急に突っ伏した。
「わっ!大丈夫?」
「大丈夫…大丈夫」
彼は顔をぶつけたのか、両手で顔を抑えている。しばらくすると、彼は顔を上げた。全体的に赤みが残っている。すごく痛そう。
「うん。素敵な大人で、きれいなお嫁さんか。悪くないけど、俺は君と一緒にいる未来の方が良いな」
彼は、今まで何人もの女子を落とした笑顔で私に微笑みかける。目を逸らしたいほどかっこよくて、胸がときめくのを感じた。だが他の女子にもしているのを思い出し、冷静になれと頭を振った。
「そ、そう?ありがとう」
苦笑しながら、お礼を言うと彼は無表情になった。
「おかしいな…パラメータも好感度も足りてるはずなのに…」
彼はスマホを取り出すと、ぶつぶつと呟きながら操作し始めた。
「やっぱり元々非攻略対象だから、イベント進行に問題が…」
彼の顔は見たことがないほど、怖い顔をしていた。独り言を呟きながら操作を続ける彼に恐怖を覚え、席を立とうか迷った。
「無理やり、没キャラのイベントを実行したからか…?」
彼は舌打ちし、スマホを置く。その時、スマホの画面が見えてしまった。画面には、私の顔写真と私のプロフィールらしき文字化けが表示されていた。彼の独り言とこの画面…。もしかして、私はいわゆる恋愛ゲームの攻略対象?いや、非攻略って言ってたし。それじゃあ彼は…。肩を突かれ、ハッとすると彼が私に笑いかけていた。
「ぼんやりしてるけど、大丈夫?ところで今週の土曜日さ、遊びに行かない?」
態度がころころと変わる彼に戸惑っていると、強引に約束を取り付けられた。
「今週の土曜日だからね。忘れないで」
楽しみだね、と彼は爽やかに笑った。
私は彼女の墓に花を捧げ、お供え物を添える。
「……私のせいで……ごめん、なさい……ごめんなさい……」
あのとき私が躓かなければ、彼女はまだ生きていたはずなのに。私が彼女の逃げる足を引っ張った。だから、彼女はこの災いで死んでしまった。
そして私は、彼女と会えなくなることを実感していくうちに、彼女との大切な思い出が確かに消えるうちに―――どんどん汚れてしまった。盗みも殺しも、たしかに彼女の尊き命で助けられたもので、確かにしてしまった。
「……」
―――もしも未来を見れるなら。私はあの日現れなかった。私はあの日、彼女の足を引っ張らず唯一人死んだのに。
私は、この未来を見た王様のことも、その末路も。未来を見たところで変わりないことを、まだ知らない。
もしも未来が見えるなら、見た時から、未来は変わってしまう気がする。未来が今の積み重ねだとしたら、目の前の今をなんとかしていくしかないのだろう。
もし、未来の世界に、自分の力ではどうにもできないことがあったとしたら、どうするだろうか。色々と悩んでしまうだろう。やっぱり未来は分からないほうが、いいのかもしれない。
「もしも未来が見えるなら」
休職して次の就職先を探すために気持ちばかり焦る日々。
あくせく働く周りの大人達が眩しく見えて、置いていかれているような気がして。
からだに力が入らなくなって、また働けるのか不安になって。
あれを勉強したい。こんな活動をしてみたい、夢あふれ、取捨選択ができない私。
一方で、あれもできない、これもできない。わたしにできることなんて何もないんじゃないかと思う日もある。
未来がもしも見れるなら、ある程度の指針が立って安心するのだろうか。天邪鬼な性格だからそれに抗おうとしてまた苦悩しそうだ。
もしも未来を見れるなら
人は自分の前世をなかなか言えれないだろう
私もそうだけど今日、私の前世の夢を見た
中学生、高校、専門学校、就職している時も
同じ夢で、何度も何度も………
【2026年4/20日(月)】
今日、自分の前世の夢を見た
同じ行動、同じ容姿、同じ微笑み方、悲しい表情で…
私の過去の夢で当時、幽霊さんだった方が
今日の夢でも出てきた
そして、今日の夢で、豊臣国松公、岡田以蔵命
織田信長の小姓[森蘭丸]1565〜1582年17歳没
その他の小姓たちもいた
その他でも、女性、青年も出てきた
尾山神社に祭られている[前田利家公]
土方歳三の小姓[市村鉄之助]
荒木村重の妻[荒木だし]1557〜1580年23歳没
荒木一族の[荒木新丞]1561〜1580年19歳没
荒木一族の女性だろう方もいた
そして安徳天皇らしい姿も見えた
[今日の夢を夢日記にして小説化します]
人々たち
[小さな子………]
[何があったのかしら?]
[その子を許してあげて!』
『ダメだ!ダメだ!豊臣復興の火蓋になる!』
ガタン、ガタン…
『コソ退け!』
ガタン………
豊臣国松は7歳にして身長128〜130センチぐらい
死装束を着て六条河原へと向かっていた
小さな少年は空を見上げて手首は後ろに回されて
体幹筋ごと後ろ手拘束されていた
??『グスン………』
豊臣国松はグスンという音が聞こえるところに顔を
向けた
身長148センチぐらいの少女幽霊だったのだ
そして豊臣国松の縄が光の粒になり
拘束が解けた
(映画、国宝の[継承]が流れる)
グスン、グスン………
豊臣国松は[豊臣国松公]になり
彼も暗闇の中にいただろう少年が光り輝き出した
少女幽霊の近くに荒木一族の[荒木だし][荒木新丞]荒木一族の叔母さん、少女も、
そして岡田以蔵、森蘭丸、前田利家公
市村鉄之助もいた
前田利家公は若すぎる青年[前田犬千代]として現れて
180〜184センチぐらいで、岸優太、綾野剛のような
細マッチョな腕の筋肉質があり
藤ヶ谷太輔さんと中川大志さんの顔を合わせたような
爽やかワイルド系男子だった
まるで王道アイドルの様な
オーラや色気に包まれていた
森蘭丸[森成利]の場合
身長165〜167センチぐらいに見えて
水色小袖を着て
猫目でクールで真面目で白顔で小顔
相手の話を聞き話し上手な
美少年男性に見えた
土方歳三の小姓[市村鉄之助]は、
身長163〜165センチぐらい
行動が早かった
頬に切り傷があったが
微笑んで元気だった
(ヒロアカで例えるなら切島悦児郎なタイプでした)
荒木村重の妻である[荒木だし]は
身長153センチぐらい
健康的で白顔小顔
荒木新丞は
身長160〜162センチ
ぽっちゃりお腹でも、この夢の中で
この彼が1番優しそうな雰囲気を保ちながら
容姿はヒゲダンの藤原聡さんに似てる男性だった
岡田以蔵は身長165センチぐらいの
白肌小顔で髪が荒れていたが
無言で微笑んでいた
安徳天皇の様な姿が見えた
豊臣国松公と同じ年齢で、
彼の身長115〜118センチぐらいで
身なりも、背中も整っていた
全員がディズニーキャストが付けているような
ディズニーキャスト風の名前バッチを付けている
豊臣国松公『もう(前世)終わったことだからね?』
と、幽霊少女である前世の私
[荒木だし妹]は、顔の近くに銀色着物を着た
豊臣国松公の優しい息と
[荒木だし]が近くにソッと顔が近づいた
その近くには森蘭丸が純白フリルハンカチを
荒木だし妹に渡された
荒木だし妹『………ン………』
グスングスンと泣くばかりの少女の顔に涙が垂れる
森蘭丸は涙をソッと拭いて
前世の自分は、まだ先が見えない恐怖に
魘されて(うなされて)顔を隠していた
荒木だし妹(私の未来の夫………は?)
岡田以蔵命(将来が………心配なんだな………)
荒木だし(ちゃんと未来…用意してありますよ)
荒木だし妹『グスン………グスン…』
森蘭丸(私には見えてる………あなたの先が…)
[荒木だし妹]と、[荒木だし]の関係は
姉妹だった
荒木だし妹(川那部きみよ)は、
1565〜1580年15歳没の
大人しくてクールで白肌小顔
そして政略結婚したばかりの少女だった
荒木だし妹は泣きまくる
今の私は15歳を超えていることに嬉しく思うが
前世では悲惨だったからだ
・人質
・市中引き回し
・六条河原で公開処刑
・斬首
・血の海
・晒し首
・胴体と頭部遺体が、さらに灰になるまで燃やされた
・遺体放置されたこと
・海な川に遺体が流されたことだ
ザシュ………(刀の音)
ポチャチヤ………(血の音)
荒木だし妹『あーーーーーーー!!!!!』
荒木だし妹『あぁァ………アァ!』
震える悲鳴が上がるほど
ずっと、そばに居てくれた人は
荒木だし、豊臣国松、森蘭丸だった
岡田以蔵命と前田利家こと前田犬千代と、市村鉄之助
その他の小姓たちは人間ではない幽霊の影を
斬って斬りまっていた
森蘭丸は涙で目の前が涙で見てなくなった
[荒木だし妹]を彼が拭いてあげた
彼女は目の前にいる前田利家こと前田犬千代が
魂にとっての理想の魂像だったと気付いたときには
彼は黒い影[幽霊]と闘っていた
豊臣国松公の後ろから
テテテッ
と、走ってきた小さな子供が走ってくる
安徳天皇『私、安徳です』
と、銀色と金色に混ざったオーラが周囲に明るくした
安徳天皇は笑顔で自ら名乗ったのだ
豊臣国松公は豊臣秀頼公と側室の伊茶の間に生まれた
安徳天皇は、高倉天皇と平清盛の娘[平徳子]との間に
生まれた
2人とも『………』
ぺこりと、お辞儀をした
安徳天皇は、
荒木だし妹に近づいて彼女に光をあげた
【終】
多くの犠牲者たちが私を慰めてくれた
とても不思議な夢だった
無味乾燥な人生だった。
騒がしく、喧しく動く喧騒に包まれた交差点のど真ん中。
自分の中を埋めていた大切な何かが溢れていくのをひしひしと感じながら、向けられるカメラの視線と冷えた地面の感触を、これでもかというほど味わっていた。
適当に生きてきた人生の末を、俺はたった今知った。
幼少期を変に要領良く過ごし、典型的ないい子のテンプレートをなぞって終わらせた。
学童期だって、先生の顔色を伺って、いかに努力せず、そこそこの、目立たない結果を残していくかを学んで終わった。
アニメや小説にあるような青春なんてどこにもなくて、あるのは世間好みの味に味付けされた、量産型のありがちな人生だけだ。
周りに流されて就活をして、甘い誘い文句を疑いもせず入社した。
案の定そこは真っ黒で、見えない残業は当たり前、理由のない上司の叱責に、常にピリついた職場の空気。
誰もが死んだような目をして電車に乗り込んで、重たい溜息と一緒に運ばれていく。
幼い頃の無垢な夢を叶えられるような才能ある人間はほんの一握りで、後の有象無象は大抵、その夢を捨てて社会の型に収まっていく。
こんなザマを、まだ幼かった自分が見たら何と言うだろうか。
保育園の頃の俺なら、何故そんなにつまらなさそうなのか、なんて聞いてくるだろう。
小学生の頃なら、何故そんな会社を選んだのか、と。
中学生なら、もっと察しがいいから、きっと何も言わない。
そんな人生を送ってきたのだ。
もしも、もしも未来が見られたのなら、俺はもっと価値のある人間になれただろうか。
交差点の真ん中、腹に突き刺さった刃もそのままに、俺は瞼をゆっくり下ろした。
人生の中で一番注目されて、一番カメラを向けられた、皮肉な形の夢の叶え方だった。
テーマ:もしも未来を見れるなら
『もしも未来を見れるなら』
地球最後の日まで、花のように咲う彼女は歌を唄い水溜まりの上でバレエシューズの音を響かせる。
白鳥のように美しく、しなやかで、彼女の手はいつも氷のように冷たい。
隣で笑っているのは私ではなくて──
放課後の踊り場
その時間だけは私と彼女だけとの世界
夕焼けが踊り場を暖かく照らし
バイオリンの音が響く校舎に彼女のステップが響く。
そっと弦から弓を離せば彼女と目が合い、彼女はにへらと笑った。
この時を永遠という名に閉じ込めてしまいたかった。
この時間だけは私は素直になれた。
ボロボロになったスカートに、薄汚れた鞄
ケースにバイオリンを仕舞い、彼女は軽くストレッチをしていた。
“帰ろう”
彼女の差し出した手は私よりも小さくて、細くて──
この時間だけは、まだ、私の隣にいる。
私は彼女の手をじっと見つめた。
彼女は不思議そうに首を傾げ、私の手をそっと握った。
私は、ほんの少しだけ、握り返した。
過去を変えるか未来を見るかだったら、私は迷わず未来を見る。宝くじ、競馬、株、ありとあらゆるお金の事を覗き見するんだ。
そして過去の思い出を真空圧パックに詰めながらその未来を暗記するんだ。
過去なんて見るもんじゃない。「今を生きろ」なんて言った瞬間、時すでに過去。だから未来しかないのだ。今を生きる者などは存在せず、ほとんどの人は次に来るであろう未来を思い描いて生きている。
つまり金だ。
金があれば思い描く未来を昇華させられる。金さえあれば無理難題も札束ひっぱたいて解決するんだ。
やっぱり金が一番。『運命の人』とか私からしたらくだらないね。
だって未来を覗き込んで、その未来の私の周りに誰もいなかったら、この先どうやって未来を思い描けばいいっていうのさ。
もしも未来を変えれるなら
あんなこと言わなければよかった。
そしたら彼との関係はそのままだったのかな。
失言してしまった自分を呪いたい。
次の恋はこんなことのないように慎重に言葉を選びたい。
もしも未来が見えるなら
君の隣にいる私を探したい
笑っているのか
泣いているのかはわからなくても
その景色の中に
君がいるなら、それでいい
今この瞬間の想いを信じて
未来へ、そっと手を伸ばす。
もしも未来を見れるなら
純粋に考えば
良いことかも知れないと思った
主観で見る未来は
まだ、明るい様な気がしていた
それでも
ふと、思うのは
変えようのない未来が
そこにあるかも知れない事だ
その真実に向き合う勇気も
明日を生きる勇気も無い
あるのは
ただの惰性だ
きっと
自分では未来の重さを
背負えない
『もしも未来を見えるなら』
もしも、俺に未来を予知することができるのであれば、数分前の彼女の行動を許さなかったはずだ。
そんな彼女はキッチンにいる。
インスタントの味噌汁をお揃いで買ったハムスターのマグカップに入れ、電気ケトルで沸かしたお湯を注いだ。
俺が朝食兼弁当用に作り置きした卵焼きは既に電子レンジの中でほかほかになっていたらしい。
彼女はその卵焼きとカットキャベツとミニトマトを手際よく皿に盛りつけた。
最後に、ご飯をよそい、箸置きと箸を準備する。
火もエプロンも必要ない、忙しい朝でもズボラな彼女でも安全に対応できる、そこそこ手軽な朝食が完成した。
「お待たせ」
彼女がゆったりとした足音を立てて食事を運ぶ。
テーブルに食器を並べていく彼女の姿に、ギュンッと俺の心臓が締めつけられて、頭を打ちつけた。
「って、うわ!? ……生きてる?」
「ギリ、死んでるかもしれません……」
今日も今日とて彼女がかわいい。
俺の見立ては正しかった。
むしろ正しすぎて恐ろしいくらいである。
昨夜、彼女は俺の家で、散々に俺の愛で押し潰された。
そんな彼女が一夜明けて、素肌の上から俺の長袖シャツを纏っている。
几帳面に折り曲げられた袖口や、裾から覗く太ももに生唾を飲んだ。
ただのシャツが、彼女が着ると丈の短いワンピースと化している。
控えめに言って最高だ。
「いきなりどしたの?」
どうもこうもあるか。
遠慮がちに指先でツンツンと俺の肩を突く彼女に、朝からムラついてしまってしょうがない。
例え今日が、彼女の休日でも、特に買い出しやデートの予定がなかったとしても、朝からガッついて彼女に嫌われたくなかった。
「そのシャツを……、どうにかして脱がせたいという己の煩悩と戦っています」
「……っ!?」
俺の言葉に、彼女の警戒心が一気に上がる。
ガッつくつもりはなかったが、明け透けな下心が漏れてしまったのだから当たり前だ。
うまい言いわけが思わず口を噤んでいると、彼女がそそくさと距離を取る。
「そ、それは……。引き続き、がんばって」
俺のシャツを手に取って着込んだのは彼女のほうだ。
裏表も前後も確認せずに袖を通すから、つい俺は、やかなくてもいい世話をやいてしまう。
時間とともに頭も冴え、眼鏡をかけて、彼女への解像度を上げれば、彼女は視覚的暴力で俺の理性を殴りにかかってきた。
それでも耐えているのは、ひとえに彼女を大切にしたいからにほかならない。
俺は煩悩をため息に変えて吐き出した。
「…………えぇ。がんばります」
もしも未来を見ることができるなら、俺は朝っぱらから彼女に彼シャツをさせないことを誓うだろう。
とにかく、彼女よりも目の前の食事に集中したく、俺は手を合わせた。
もしも未来を見れるなら4/20
「そこのお嬢さん。ちょっと未来を見てみんかい?」
下校中、怪しげな少女に声をかけられた。
だが、纏う空気と喋り方は、どうも少女のものとは思えない。
普段ならそこで素通りするだろう。だが、立ち止まってしまった。
「五分につき、寿命一日で見せてあげるよ。いい話だろう?」
私は迷った。
見てみたい。喉から手が出そうだ。
好きな人と付き合えた?
ちゃんと夢を叶えている?
もしかしたら、宝くじや万馬券の番号も見れるかもしれない。
「買います」
と言いかけた喉を抑え、考える。
いや、ここで寿命を売ったら、死ぬとき、とても後悔するだろう。それだけは嫌だ。
「未来を失ってまで、見たい未来はありません。」
未来は、わからないから未来なのだ。
私は、迷わず歩き出す。
一秒先も、分からぬ未来へ。
もしも未来が見れるなら.....
未来は知らないほうが人生楽しいと思う........
ワタシ昼寝三時間野郎でーす\(^o^)/