『もう一つの物語』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
もーっと違う気持ちを持ててたら
私も貴方もラクだったね
もう一つの物語
あれは、風が少しだけ、秋を運んで来た位の頃…
近道をする為に、いつも横切る公園のベンチに、長い髪を揺らし乍ら、俯向き加減のあなたが居た…
何時もは、穏やかに微笑んでいるあなたが、寂しそうに見えた…
そんなあなたが、気になって、声を掛けて…其れから、何となく、言葉を交わす様になり、何時の間にか、心が、あなたで満ちて来ていた…そして、今では、同じ時間を歩み始めて同じ未来を…
そんな、もう一つの未来を、一人で描いている…
「もう一つの物語」
ああ、疲れた。逃避するように眠る。
睡眠薬を飲んで見る夢の行き先を選べたなら。
『もう一つの物語』
もし、この世の何処かに
自分の人生の中で
選択しなかった世界があるなら、
その世界の私は
どんな人生を送っているのだろうか。
私は、もし、そんな世界が何処かにあるなら
きっと、
私が産まれていない世界だってあると思っている。
私の母は、
本当に絵に描いたような気苦労が多い人だった。
母を思うと、
生きて来た人生にどれだけの幸福が
あったのだろうかと
きっと、幸福を感じるよりも
胸を痛めた方が多いように思う。
生前、幸福だったかとは聞けなかったし
聞く事も躊躇ってしまう位だった。
多分、聞いたとしても
大きなお世話だと言われ、
自分の人生を考えなさいと怒られるだろう。
それに、きっと、
母はどれだけ心を痛めたとしても
幸せだったと言える強い人だ。
だからこそ、私は思うのだ。
もし、父親と結婚せずに
愛した人と結婚していたのなら、
あなたは今も元気で生きているのだろうかと。
あなたが、心を痛めずに
素直に幸福を感じられているのだろうかと。
あなたが涙を流すよりも
多く笑っていられる人生なら
私が産まれない世界があれば良いと。
あなたが私の幸福を祈るように
私もあなたの子供なんだから
あなたの幸福を祈りたい。
だから、考える。
はっきりと無いとは言えない世界があるのなら
あなたが
今日も明日も笑っていらますようにと。
もう一つの物語
「じゃ、また来月に来るね」
「うん」
遠距離の彼を見送る。
改札でさよならするのは嫌で、新幹線ホームの入場券ボタンを押した。
手をつないで上がる長いエスカレーター。
発車時刻を待つ新幹線が見えた。
「じゃぁね」
「待ってる」
新幹線に乗る彼の手を離そうとしたら、彼に引っ張られて、思わず私も乗ってしまった。
「やっぱり嫌だ。ユミ、すぐ仕事辞めてオレと一緒に……」
本当に紡ぎたかった……その先の物語。
来世ってあるのかな。
なんか、輪廻転生とかもあれば、そのまま同じ人間として生まれ変わる、みたいな話もあるよね。
どっちなんだろうね、実際。でも、デジャブ現象とかのことを考えると、同じ人間として生まれ変わってるのかなぁ…。
もう一つの物語がある輪廻転生も面白そうだけど。
結局は後悔ばかりだね。
あんな事してなかったらって。今更悔やんだって無駄なのに。
なんでこんな事考えるんだろうね。いらない記憶は消すって決めたのに。
もう何もわからない。わかりたくもない。
真実を知るのがただただ怖い。ただ逃げ続けてるだけ。やっぱりクズで最低だ、僕。
でも他人からクズだとか最低だとか言われるとか傷つくんだよね。自分で言っても何もならないのに。
なんなんだろうね。
なんとなくこれを書くのも日課になってきたな。たまに寝ちゃって忘れちゃうけど。
なんていうんだろう?日記とはまた違うけど、そんな似たような感じ。
その日強く思ったことを書いて。日記と同じなのかな。
よくわかんないや。まぁいいや。
今日は何もわからない日だったなぁ。なにかしたい気分にもならないし。
なにもせずにいたい。
でもだめだなぁ。うちは頑張って学校通ってくれてるんだし。
僕も僕なりに仕事しなきゃだなぁ。
誰とも会いたくない。やっぱ人間と会うとなると怖くなる。
何されるか分からなくて。何を考えているのかもあんまり分かんなくて。
どう行動してどう判断したらいいか分からなくて。
人間って恐ろしいよね。不思議な生き物だ。
さっさと滅べばいいのに。
もう1つの物語。
主人公とヒロインと悪役というふうに3つのキャラに
別けられると思わない?
最初は主人公目線で始まってからヒロインの
悲しい出来事から主人公に手を差し出され
救われ、立ち上がる。そして、悪役と出会い、
何故、悪役になってしまったかの回想が入る。
大体こんな感じのアニメ、漫画が多いと思ってる。
さて、本題に入るが大体のアニメや漫画は考察できる
箇所があり、先のストーリーを予測し、楽しむ。
という遊びもできる訳だが、それをもう1つの物語だと
思っている。
考察し、こうではないか?と説をたてる。
主人公だと思っていた奴が本当は悪役だった、とか
そんな考察をしストーリーを形成する。
これが、もう1つの物語だと思った。
じゃ、言いたいこと言えたからありがとうございました
エピローグから始まる、そんな物語があってもいいってきみが教えてくれた。
─もう一つの物語─ #109
(しばらくお休みするかもです。なかなか書けなくなってしまって、一旦離れてみようと思いまして。でも必ず戻ってきます)
人目に付く所にあるはずなのに
私のものはみんなに見えていないみたい
何かもらえるだろうと期待して
期待するだけ無駄だと分かっているのに期待して
ああ。埋もれて何処かに消えてしまった
もう誰の目にも留まらない
もしも、あの日。
もしも、あの時。
もしも、あの場所に。
戻れたら。やり直せたら。
そんな非現実があり得るとしたら、そうしたら、何か変わるのだろうか。何か変えられるのだろうか。
後悔を、失敗を、未練を。取り返すことを、その努力をきっと精一杯行うのに。それなのに、やはり、時間は巻き戻りはしない。過去は過去だ。
けれど。未来──現在から続くその時間は、確かにこの手で描き換えることができる。
後悔は遅すぎる。それでも、かつて舐めた辛酸を糧に成長する権利は今ここだけにあるのだから。せめて、
せめて。躊躇わず己の望みの方へ一歩踏み出すと決めた。
────────────
テーマ; 【もうひとつの物語】
「暇だなぁ…」
宝箱の側で、灰色の少女が退屈そうな声を上げている。
「ねぇ、楽しい事っていつ起こるの?」
少女は、唇尖らせて如何にもぶーたれてますっていう顔だ。
質問に答えてあげたいのは山々だが、それに答えられる人は現実的に少ないだろう。
「いつか、だよ」
「ふーん」
やはり私の曖昧な言葉では、満足してもらえないようだ。
「ごめんね、ちゃんと答えられなくて…」
明確な答えがあれば良いのだが、それとは別に月日が経つにつれ、現実的な問題が眼前に迫っている。
どんな中にあっても、生きていく選択肢は選ばなくてはいけない。
「はいはい、大人は大変だね」
「まぁね…。だから、今この状況が変わらない、或いは、悪化するのなら、別の道を検討しなきゃ…」
「…飽き飽きしてる、あのルーチンの世界に戻るってこと?」
「うん、そう。最早慣れ親しみ過ぎて、先がよく見える世界だよ…行きたくないけど」
そう言うと、少女は真面目くさった顔をしてこちらをジッと見てきた。
「あのさ、今この状況って曇りかなーって自分思うんだけど。覚えてる?」
「曇り?太陽が隠れて、薄暗い状態だね」
「そうじゃなくて、光の道と影の道だよ。一人歩きの時よく考えてたじゃん」
懐かしい考え方だ。
太陽が出ていると必ず道には、光と影が出来る。
建物の影、草木の影──光がある限り、道には大小の影がある。
光が好調期と考えるならば、影は停滞期と考える。
光があるうちに前をよく見ておけば、誤って影に踏み入れてしまったとしても、光の場所を目指して早く切り抜けられる。
逆に自身の足元の影ばかり見ていると、影の中に入ったことにも気づかず、影での停滞が長くなってしまう。
前を見て、常に先を考えなさいという事だ。
そして、太陽が無い曇りの時は──
「前と上を見るんだよ。雲の切れ間が空にあるかもしれないし、前に光が差し込む瞬間を見つけられるかもしれないんだから」
少女がニコニコしながら言う。
大抵のことはそれでなんとかなるだろう。けれど──
「今回、その考えは使えないかな…。ちょっと状況が合わない…」
そう返すと、少女は腕組みをして眉毛をギュッと寄せた。
暫しウンウンと唸っていたが、答えが閃いたのか目を大きく見開き大きな声をあげた。
「だったら、期限を決めるのはどう?!期限を決めて、それ以降はスパッとあきらめちゃうやつ。現実的問題を鑑みて、来月半ば頃まで何も起きない、或いは、悪化するのなら状況をリセットしちゃうの」
リセット…。
「…なるほどね…。うん、一つの物語候補としておくよ」
出来ればなってほしくないルートだ。
可能性のレベルを極小にして、見えづらいところに置いておくことにする。
「じゃあ、次は明るい道を考えよう」
こちらの暗澹たる心もつゆ知らず、少女が明るい声を出す。
「現実的問題は脇にやって、やりたいことをすれば良いと思うよ」
「…それなりにしているよ」
「けど、お預けを食らっている犬みたいな顔をしているよ」
その言葉に心臓がドキリとした。
心のどこかで見ないふりをしていた感情が、ざわざわとしている。
「…わからないんだ。何だかここのところ全部空回りしているみたいで。ずっとどこか宙ぶらりんな感じがするんだ。その度に、不安が現実を連れてきて。その度に跳ね返して…ひたすらに待って、信じるを繰り返してるんだ」
「待って信じてるだけって!本来の性に合うわけないじゃん。私見て!好奇心で何キロも歩く奴だよ?待ってないよ?」
「行きたいんだけど、道がわからないんだよ」
「だったら簡単さ」
少女が得意そうに言う。
「行きたい場所があるなら行けるよ。想像の羽根は無尽蔵、奇跡だって起こすよ。その為に、邪魔な思考なんて取っ払って…」
少女は、私の頭の上をパタパタとはたいてくる。
まるで、羽虫を追い払うかのような仕草だ。
「はい、はい、余計な思考いらない。余計な気遣いもいらない。邪魔、邪魔、重い感情も、はい、そこ除け、そこ除け、お呼びでない、必要なのは明るさ、
希望、心が温かくなるものだけ」
軽い調子で紡がれる少女の言葉に思わず吹き出すと、心が軽くなった。
「ようやっと笑ったね。ならば、質問です。あなたの願望は何ですか?」
私の願いは──
「──早く会いたい」
────────────────────────
もう一つの物語
「もう一つの物語」
ここから、もう一つの物語が始まるんだ。
僕の人生の第2章が始まると僕は思った。
「付き合ってください。」
彼女からの一言で、俺らの物語は始まった。
「将来は、君のお嫁さんにしてくれますか?」
物語の中盤。彼女は、頬を染めながら、俺に尋ねた。俺は、彼女を抱きしめながら言った。
「もちろん。だから、この指は残していてください。」
俺が言うと、彼女は更に赤くなった。その姿が、とても愛おしかった。
「卒業したら、一緒にサイズ測ろうね。」
俺がからかうように言うと、彼女は拗ねてしまった。それでも、小さく頷いてくれた。あぁ、俺はなんて幸せなのだろう。ずっと、この幸せが続いて欲しい。そう心から願った。
しかし、人生思い通りにいかない。彼女は交通事故に遭い、この世を去った。ここで、俺らの物語は幕を閉じた。
俺は部屋の外に出れなくなった。外に出ると、彼女との思い出が散らばっているから。そんなものを思い出してしまったら、きっと俺は立ち直れない。俺は、部屋の隅に蹲ったまま。傍には、彼女に渡すはずだった指輪。
「内緒にしてたのになー。」
時々、考えてしまう。あの事故がなかったら、俺達はずっと幸せだった。そんな起きない、もう一つの物語。あぁ、俺はもう駄目みたいだ。
もう一つの物語
こんにちは。俺はオバケ引き寄せ体質の尾上蓮。
幼馴染のちいせぇ無害なヤツら(オバケ)と戯れていたところを転校生の縦ロールお嬢様に目撃されてしまった。
小さいヤツらと戯れるのに夢中になっていた俺は、背後から刀を振るわれたことに気付かず、目が覚めたら……。
オバケは除霊、俺は所詮「見えるヤツ」ってことで縦ロールお嬢様と同じ「陰陽師」になることが決定していたのだった。
いや厳密には違うらしいんだけど。とりあえず一般人として暮らしていくのに不自由ない程度にそういう知識と技術を伝授してくれるんだってよ。ありがた迷惑ですって一回断ったんだけどな。
『二十歳前に行方不明になるのと、怪異に食べられて生きたまま化け物になって2度と人の道をあるけなくなるのと、普通の人と同じように大学や就職するの、どれが良いですか?まだ選べますわよ』
それもはや一択だろ。
行方不明も人間やめるのも一緒じゃねえのと思ったが。まだ自由度が高そうな道ってことで今おれは柳谷邸にいる。
もしあの時お嬢に出会わなかったら、また違う道だったと思う。
行方不明になった後とか、怪異になって徘徊するのとか、知らないまま、そのみちの世界にかけだして行ったんだろうなと思う。
ハローハロー、お嬢に出会わなかった俺。
そっちはそっちで、元気にやってて。
時刻は夜の10時
「部活疲れた…ほんとしんどい…死ぬ」
これからお風呂やご飯も食べないといけないのに体が動かない
「最悪…」
こんなことなら
部活なんて
「…入らなければよかった」
「〇〇はなんの部活入るのー?」
「うーん…まだ決めてないかな〜」
「じゃあ一緒に見て回ろう!」
友人の提案で学校を回り、一通り部活を見学することにした
廊下を歩いていると吹奏楽だろう、
軽やかな音楽が聞こえてくる
友人は私より先を歩いており何かを見つけたようだ
「〇〇!これみて!イラスト部らしい〜!」
友人はイラストを描くのが好きで上手かったので
興味を惹かれたらしい
私はというと
ふと窓を見る
【剣道部】と書かれた看板があった
「(剣道部か…授業で少しだけやったけど…全然わかんないな)」
友人が私を呼ぶ声がする
「…わかった!今行く〜!」
(…まぁ剣道部入ったとしても私初心者だし笑
疲れるしいっか笑!)
そしてその友人と共にイラスト部に所属することになったはずだ
剣道部で仲良くなった大多数の友達とは話すこともなく
関わりもなく、その後を過ごすだろう
合宿で皆と辛い稽古をして励まされて乗り越えたのも
深夜のコンビニも
沢山出来たマメも
アザだらけの腕も
面白い同級生も
全ての思い出を経験せずに卒業することになる
そして、私の学校生活を変えてくれた君とも出会うことがなかっただろう
そこまで考えて思考をストップさせる
「………」
私は直ぐにお風呂に入りご飯を食べる
しっかり寝ないといけない
明日も朝練がある
もちろん放課後練も
きつい稽古が待っている
でも私は大丈夫だ
私がきつい時、励ましてくれる友達がいるから
「おやすみなさい」
独り言を呟いて私は眠りに落ちた
最初はね、昔からの腐れ縁くらいにしか思ってなかったのよ。
家が近所でね。小さい頃から遊ぶのも学校へ行くのも一緒だった。
もう当たり前ってくらい一緒にいた。だからなかなか気付かなかったわ。本当はわたしにとって、あいつは大切で特別な人だったんだってこと。
あいつが就職で地元を離れることになってから、好きだって自覚した。さんざん泣いたわ。わたしってなんて馬鹿なんだろって、後悔した。
それで腹が決まったのかな。わたし、あいつのこと追い掛けて行っちゃったの。自分が就職した会社を一ヶ月で辞めてまでね。あいつすごく驚いてたわ。それでますます驚かせてやろうと思って告白してやったの。そしたらなんて言ったと思う?
俺が十五年も言えなかったことを、お前はあっさり言うんだなって。むかついたから叩いてやったわ。早く言いなさいよ。せめてこっちに来る前に告げなさいよねって。
私の人生に連なる、私の知らないもう一つの物語である、父と母の馴れ初め話。
まるで少女のように笑う母の隣で、私もクスクスとつい笑ってしまった。
【もう一つの物語】
人生にもう1つの物語があるのならば
それはきっと、自分が過ごしたかった人生なのだろう。
理想の物語を自分で創り出すの。
今の人生に満足していない?
過去をやり直したい?
それとも、今の自分を
最初から無かったことにしたい?
ほんとばかじゃないの。
もう1つ物語があったとて結局
今の物語が1番幸せだと私は思うよ。
2024.10.29. もう一つの物語 03
あなたの前に転がるもうひとつの物語
私は日々色々な選択をして生きている
私が選んだ方の物語は私と共に描かれる
だけど私が選ばなかった方は私とは別に
描かれるそれぞれ違う道だけど
お互い幸せであることを願って
人は何かと物語を紡ぎたがる生物である
そしてそれらの物語は恣意的に示唆的になる
要は共感させることで、もしくは恐怖させることで
さらには感嘆させることで
人を導きたいという思いがそこにはあるのだ
アナザーストーリー
訓話でも童話でもない
人の意図の介在しない物語
つまり事実なのである
意見を交えず、考察を交えず、事実を淡々と述べる
そう、歴史の教科書こそ純粋な物語たり得るのである
という詭弁だった
#もう一つの物語
隣にもし、あの人がいたら、
ぼくはどんな風に暮らしていたのだろうか?
果たして、今と同じくらい
平凡な、でも、大切な宝物を託されて
幸せに人並みに 生活を送れていただろうか?
もう一つ、物語ができたなら、
ぼくは誰を選んだだろう…