時刻は夜の10時
「部活疲れた…ほんとしんどい…死ぬ」
これからお風呂やご飯も食べないといけないのに体が動かない
「最悪…」
こんなことなら
部活なんて
「…入らなければよかった」
「〇〇はなんの部活入るのー?」
「うーん…まだ決めてないかな〜」
「じゃあ一緒に見て回ろう!」
友人の提案で学校を回り、一通り部活を見学することにした
廊下を歩いていると吹奏楽だろう、
軽やかな音楽が聞こえてくる
友人は私より先を歩いており何かを見つけたようだ
「〇〇!これみて!イラスト部らしい〜!」
友人はイラストを描くのが好きで上手かったので
興味を惹かれたらしい
私はというと
ふと窓を見る
【剣道部】と書かれた看板があった
「(剣道部か…授業で少しだけやったけど…全然わかんないな)」
友人が私を呼ぶ声がする
「…わかった!今行く〜!」
(…まぁ剣道部入ったとしても私初心者だし笑
疲れるしいっか笑!)
そしてその友人と共にイラスト部に所属することになったはずだ
剣道部で仲良くなった大多数の友達とは話すこともなく
関わりもなく、その後を過ごすだろう
合宿で皆と辛い稽古をして励まされて乗り越えたのも
深夜のコンビニも
沢山出来たマメも
アザだらけの腕も
面白い同級生も
全ての思い出を経験せずに卒業することになる
そして、私の学校生活を変えてくれた君とも出会うことがなかっただろう
そこまで考えて思考をストップさせる
「………」
私は直ぐにお風呂に入りご飯を食べる
しっかり寝ないといけない
明日も朝練がある
もちろん放課後練も
きつい稽古が待っている
でも私は大丈夫だ
私がきつい時、励ましてくれる友達がいるから
「おやすみなさい」
独り言を呟いて私は眠りに落ちた
10/29/2024, 2:40:10 PM