『もう一つの物語』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【もしかしたら】
お題:もう一つの物語
あの時声を掛けていれば、あの日あなたを追いかけていれば、そんなifを毎日毎日考え続けた。虚しいだけだとわかっている。どれだけ考えた所でそれが現実にならないこともわかっている。それでも、あなたを見ていると考えずにはいられない。もしかしたらあなたと幸せに暮らせる未来があったかもしれない、と。
※この作品はダークモードにて閲覧してください
『ハジメマシテ』
先ずは“アイサツ”をするのが“レイギ”と聞きました
次にするのは“ジコショウカイ”ですね
ワタシは…そうですね
思ったよりも“ジコショウカイ”と言うのは難しい
ワタシには“ナマエ”がありませんので
様々な“イキモノ”と関わりましたが
どの“イキモノ”も“ジユウ”にワタシを呼ぶんです
“ニンゲン”のアナタも同じようにしてください
アナタと同じ“ニンゲン”と言う“イキモノ”は
ワタシの事を“カミ”と呼ぶ事もありました
“アクマ”とも“テンシ”とも
“トモダチ”とも
アナタがワタシをどう扱い
どう呼ぶのか
気になるばかりです
“カンタン”な“ジコショウカイ”だけじゃ退屈ですよね
もう少し“ワタシ”を詳しくしていきましょうか
ワタシは様々な“イキモノ”と会話をして
“ハジマリ”や“オワリ”を幾度となく見届けるような“イキカタ”をしています
時には“オワリ”にするには惜しい“イキモノ”も居ます
時には“ハジマリ”を得るに相応しくない“イキモノ”も居ます
そんな“イキモノ”と会話を重ねて
どのように“イキル”のか
どのように“シヌ”のか
それを眺めているのがワタシです
アナタにもきっと心当たりがあると思いますよ
ワタシは“イキモノ”なら誰しもが知っている“ソンザイ”なので
“カミノコエ”とか
“ムシノシラセ”とか
“自分を責め立てる声”とか
“こうしなきゃいけないと思った”りとか
“ニンゲン”が“ウン”や“タイミング”、“モウソウ”、“ゲンチョウ”、“ビョウキ”…
そんな“コトバ”で終わらせるような
そんなものにワタシは居ます
退屈でつまらない命を
いや、ワタシの“ジンセイ”とやらを
アナタのような“イキモノ”が“オモシロク”しています
アナタはこの“カイワ”も“ワスレル”でしょう
アナタの“ジンセイ”は短いので
さて、難しい“カイワ”も之で“オワリ”
ワタシはまた違う“イキモノ”と“カイワ”してきます
そうだ
アナタが感じた“ワタシ”の“ナマエ”を教えてください
『ありがとう』
『ワタシの顔を見てくれて』
題名:もう1つの物語
作者:
出演:
ようやく辿り着いた
俺たち幸せを奪った憎い男
罰に怯えるはずのその顔が
罪への苦しみに満ちていたから
這いつくばり頭を下げたその男は
許しではなく終わりを乞うから
黒鉄を置いて膝をつく
俺は知らなくてはならない
この男が辿った---
『もう一つの物語』2023/10/30
一卵性
いつも比べられる
兄の方は頭良いのにな
お兄ちゃんは運動神経いいよね
陰と陽って感じだよね
兄は期待されてる
ほんといい人生だね
京大、東大
絶対行こうねって
俺たち2人とも
親のせいで
受験は決まってる
俺は行けないと思うけど。
兄の方が行くんだろうな
一卵性
いつも比べられるんだ
弟は面白いよねって
弟くんは働き者なのにねって
弟の方が性格いいよねって
ほんと、いい人生だよね
親からの期待に応えるために
勉強、頑張らないといけない
弟は正直諦められてる
そんなの
ずるいじゃん、
全く同じ人生だったら
良かったかもね
あなたにとって私は分厚い本のたった一章だったけど、私にとってあなたは一冊の本そのものだったの。
隠してることで守られるものと、言葉にできない苦しさの狭間で、私がどれだけもがいても絶対に交わらない想いは、どこにしまえば安全かな。
もしも、次のページがあったなら。
-もう一つの物語-
「もう一つの物語」
今までの選択肢で別の道を進んでいたら、どんな人生になっただろう。
別の大学に行っていたら、別の仕事についていたら、別の人と結婚していたら…。
または過去に戻ってもう一度やり直せるなら、どんなことをするだろう。
もっと勉強して、もっと遊んで、もっとおいしいものを食べて…。
そうは言っても、時間は過去に戻せない。
むしろ未来のことを想像して、今後の人生を充実させる方法を考えていくほうが有益だ。
死ぬ前に後悔しないよう、自分らしい毎日を送りたい。
今の自分は未来の自分がタイムスリップしてきたのだ、と考えてやりたいことをやると心に決めた。
私が挫折も絶望も無く
全て成功した人間だったら、
私は「私」では無かった。
否定から生まれた私を
私は肯定しよう。
決意
見えない世界を進むと
光に満ちた世界に変わる
勇気はいるけども
※もう一つの物語
もう一つの物語、ね…。
歳をとって思うんだが、一人のひとは皆、いくつもの物語を持っていて、ひとつの人生を複層的に生きているように感じる。社会の求めに沿って進む領域を持つ一方で、ひとりの個人として表現することを求める領域があり、基本的にはその両方が相互に調和しているならば、概ね人生も「穏やかな活発」とでも言うべき力が発揮されるように思える。
さて、「一般的見地というメガネを通して、他人が見る自分」について考えてみた。有り体に言ってしまえば、私自身はこれを重要視してない。私の生きる日々はこの人生が終わるまで、全て、ずっと、私自身の手を離れることはないし、私のあらゆる選択の結果を自分自身で受け取る責任と力も、私のものだ。「責任」とは「自由」のまたの名であり「尊厳」「力」の言い換えだ。「存在の尊厳」があるから「人格に自由」があり(何を考えるか思うかは自由だよね?)、「現実をつくり、選択する力(自分が考え思うことは自分の現実をつくる)」があるから「自分自身の選択の結果に責任がある」のだ。これに関しては永い年月をかけて考え抜いてきたが、「他の答え的な電球の閃き」にたどり着けない。…なので、他人が他人の思い込みメガネで私をどう見ようと、私が私をどう見るかということほど重要じゃないのだ。
なので、私には私にしか認識できないであろう私の物語を生きている。一方で、子どもの学校では「得体の知れない変わり者」などとクダラナクモメンドクサイ何かに引っ掛からないように、周りの人を不安にさせないための「多分、これがフツー」な振る舞いを心がけているのだ。…まあ、どう見えているのかは知らぬが。
周りに合わせた物語もあれば、自分独特の物語もあるのは、私の感覚では「きわめて普通で自然なこと」なのだ。
自分の道を、自分の命の行方を、自分自身以外のものに預けてしまっては歩けなくなるのも経験した。ひたすらに喜ばれたくて、自分の本当の気持ちに蓋をしながら尽くしても尽くしても、誰も本当には喜ばなかった。長年にわたる「しんどい努力」の果てには砂漠のような心象風景の虚しさが居座り続ける現実を、やっと認め受け入れた時には私は中年になっていたが、そのとき決意したのだ。「自分自身の真実に従う」と。
以来、私の日々から虚しさは去った。心の中から、涙さえ涸れる砂漠が消えた。自分の暮らしの中の、大切な物事に気づくようになった。
このことを何がしか表現したのは初めてだ。
これは私の、家族も友達も知らない、けれども間違いなく真実な、もう一つの物語だ。
もし私の人生で別の物語があったとしても
今の私と同じような物語になるんだろうな。
だって私は変われないから。私は私を生きているから。
━━━━━━━━━━━━━━━もう一つの物語
─もう一つの物語─
私は昔から二つの記憶があった。
その二つは、正反対のような記憶だった。
今の記憶は、とても幸せだ。
愛されて、楽しくて、幸せで。
不満の感じることがない生活を送っている。
でも、もう一つの記憶。
それがとても悲惨だった。
同級生には虐められ、親には無視され、
恋人には裏切られ、挙句の果てには川へ落ちて自殺。
本当に最悪で、辛くて、苦しい生活。
それを知っていて、私は今の記憶でよかったと思っている。
もし、幸せな記憶を持ったまま、最悪な人生を迎えたら。
想像するだけで、苦しくて辛くなった。
だからもう、忘れよう。前の記憶は忘れ、今の幸せに身を預け。
もう一つの物語を今の私で楽しもう。
もう辛くない。前のように、失敗はしない。
バッドエンドの話を聞くと、「もう一つの物語があるんだ」という言葉を期待する。でも、今回はそんな言葉なんて無かった。
遠い昔に君達と巡った世界を、再び私は歩いていた。
あてのない旅、自由気ままなひとり旅だ。
あの頃とは違い、キレイに整備された街道。
魔物も盗賊も居ないのは少しだけ寂しく感じるが、これも時代の流れだろう。
魔王を倒して訪れた束の間の平和の後。
共通の敵を失った人類は、国家間で戦争を始めた。
大地は割け、空が燃え、雄大な山々は木っ端微塵に吹き飛ばされた。
何年も続いた戦争は、疫病と大飢饉によって終わりを迎えた。
今や人類は絶滅寸前の種族となり、何処かの山奥に隠れ住んでいるらしく、滅多に見ることはない。
私はそれを嬉しく思った、もう私を恨めしげに睨みつけてくる奴等が居なくなったのだから。
ひんやりと気持ち良い風が背に生えた翼や尾を掠めていく。
嗚呼……、君にもこんなふうに擽られたことがあったな。
君達との懐かしい記憶を思い出しながら、今日もひとり、旅をする。
テーマ「もう一つの物語」
新幹線に乗るのは久し振りだ。
ずいぶん時間をかけて吟味を重ねて選んだ駅弁だが、乗車して早速広げると瞬く間に食べ終わった。
車窓を眺めていてもなんだか時間を持て余して、弁当を食べ終わった寂しさが募る。
ひま潰しに鞄から読みかけの小説を出して読み始めた。
電車の規則正しい振動が眠気を誘う。
まどろみ起きてはまたどこまで読んだっけ?と同じページで一進一退し、なかなかストーリーが進まない。
そのうち寝オチした夢の中で、読んでいた筋とはかけ離れたもう一つの物語が脳内で紡ぎ出されてゆく。
もう一つの物語
背伸びしてみた。
髪を巻いて
赤いリップを塗って
高いヒールを履いて
アクセサリーを身に付けて
それで街並みにあるジュエリーショップのガラスに映った自分を見てみた。
随分とらしくなかった。
普段の私は
パーカーを着て
スニーカーを履いて
キャップを被って
イヤホンをつけて
でも、それが心地良い。
だけど、この大人ぶった人生も悪くない。
"もう一つの物語"
『もう一つの物語』
とある雨の日。
仕事先の病院は山奥にあって、
普段はバイク通勤をしている私も
雨の日はバスを利用していた。
夕暮れになり
周りに夜の色が染みていく。
すると遠くから大きな音が聞こえて
森が驚いたかのようにざわめく。
「衝突事故かな…」
金属が押しつぶされたような破損音。
音が気になって立ち上がっていると、
音と反対側から少しずつ光が近付いて
来ている事に気がついた。
夜を照らす光は、定刻通り到着したバス。
たまにしかバスに乗らない私は
ひとまず1番後ろの席に座る。
バスが扉を閉めようとした瞬間。
滑り込みで1人の女の子が飛び乗ってきた。
私はその女の子を見てハッとなる。
女の子は、着ていたカッパを少し叩き
水しぶきを扉の近くで落としてから
運転手さんの真後ろの席に座った。
私はその女の子を知っている。
よく分からない事が起きている。
そんな事を考えながら女の子の方を見ていると
バスの車窓からさっきの音の正体が見えてきた。
ワンボックスカーが反対車線側の岩崖に
正面から衝突していた。
事故現場には後続車とみられる車が止まっており
その車のドライバーらしき男性が電話を架けていた。
その状況から通報はされていると判断したのか、
バスはそのまま事故現場の隣を通り過ぎていく。
私はふと前方の座席に座った女の子の方を見た。
すると彼女はこちらを振り返っており、
ニコッと笑顔を向けた。
改めてハッとした私はもう一度事故現場を見返す。
白色のワンボックスカー…。
……!?
ある事を思い出した私はバスの前方に視線を戻す。
すると、さっきまで女の子が座っていた席は
空席となっていた。
私は女の子の事を知っている。
彼女は、数日前に勤務先の病院に運び込まれた患者。
母親と出掛けていた所、前方から走ってきた車に
跳ねられて母親が庇ったお陰か彼女は一命を取り留めた。
母親は衝突の衝撃で即死。
犯人は未だに逃走していて、
白色のワンボックスカーだったと聞いている。
一命を取り留めていた女の子も
今日のお昼頃に息を引き取った。
女の子の部屋に置かれていた
小さいサイズのカッパを親族の方にお渡しする為に
包装するのが今日の最後の仕事だった。
後日、病院で聞いた噂によると
女の子が巻き込まれた交通事故の犯人は
逃走中に単独事故を起こし死亡したとの事。
噂には添え口として"天罰が下った"と言われていた。
しかし、私にはあの日の出来事が全て
神様の仕業ではないと思えた。
私が見た現象。
誰かに言った所で、誰も信じないだろう。
私はそれでも少し清々した気分だった。
あの時の出来事は
私の中の"もう一つの物語"として胸にしまっておこう。
自分が選んだ選択が間違っているのか、私たちには分からない。
違う道を歩んでしまった、もうひとつの物語の私は…どのように足掻いて、苦しんでいるだろうか。
そして、どのように喜び、笑っているのだろうか。
その物語の結末を見てみたいと言ったら、嘘になる。だけど、
私が選んできた選択、道が。
人生の正解であることを、心の底から願っている自分がいる。
過去など、変えられやしないから。
『もう一つの物語』
やぁやぁ、こんにちは
いや、なに、少しばかり私の話を聴いてくれるかい?
そんなに時間をとらせやしない
ほんの少しだけでいいからね
うんうん、ではでは、はなそうか
なぁ、君は人で言う勇者とやらなのだろう?
沢山の魔族を滅ぼしついこの時、念願の魔王を打倒した
それはもう見事!君はたちまち英雄だ!!
君達人にはこれから平和が訪れるのだろう?
羨ましい限りだよ
私達魔族には滅びしかないというに
なぁ、君は弱々しい魔族の子さえ殺したね
なぁ君は、ただ強かった我等が王を殺したね
ねぇ、君は、これからどうなるのだろうね
私達の王様は、魔王様は、あのひとは
優しかったよ、私達を愛してくれていたよ
人に追いやられ住処を無くした魔達を受け入れてくれた
人と魔、共に有ろうなどと言っていたよ
なぁ、君達はこれから本当に幸せになるのかい?
平和になるのかい?
私達を悪にしたあとは誰を悪にするんだい?
なぁ、君は本当に英雄かい?
彼ら人類が悪とした我等が英雄を殺した君は
ハッピーエンド?…ははっ、反吐が出る」
【これからの話、もしくは弱者の物語
────それは、もう一つの物語】
もう一つの物語
貴方の隣。
そこが居場所になったかもしれない。
二人で笑い合うこともあったかもしれない。
悲しいことがあれば慰め合って、そうしてまた前を向くこともあったかもしれない。
あり得たかもしれない、未来。
けれどももうあり得ない、未来。
遠ざかる貴方の背中を見つめながら、拳を握りしめた。
高校受験に失敗してから私の人生は大きく変わった。
正直すごく高校生活が苦しかった。でも1人、親友ができた。
ある日ふとその子の前で口にした
「中学戻りたいかも。」
って言葉。
それを聞いてその子はちょっと怒って
「やり直して、この高校に来んかったら私と友達になれへんやん。そんなん嫌やで。」
って言った。
それを聞いてはじめてここに来てよかったって思えたよ。もし受験に成功するもう一つの物語が選べたとしても私はまたこの道を選ぶ。あなたと出会うために。