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新幹線に乗るのは久し振りだ。
ずいぶん時間をかけて吟味を重ねて選んだ駅弁だが、乗車して早速広げると瞬く間に食べ終わった。
車窓を眺めていてもなんだか時間を持て余して、弁当を食べ終わった寂しさが募る。
ひま潰しに鞄から読みかけの小説を出して読み始めた。
電車の規則正しい振動が眠気を誘う。
まどろみ起きてはまたどこまで読んだっけ?と同じページで一進一退し、なかなかストーリーが進まない。
そのうち寝オチした夢の中で、読んでいた筋とはかけ離れたもう一つの物語が脳内で紡ぎ出されてゆく。



もう一つの物語

10/29/2023, 4:40:34 PM