また会いましょう』の作文集

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また会いましょう』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

11/13/2024, 2:14:03 PM

その日の麻婆豆腐は会心の出来だった。
ピリッと辛い豆腐を飲み下して、しばらく、さっきの言葉の意味を考えていた。

目線の先では、あなたが無表情で食事を頬張っている。
チェーン店から取り寄せた、一人分のフライドポテトとパンケーキセットを齧りながら、あなたはさっきの言葉を繰り返した。

「…そういうことだから。やっぱり私たち、合わないよ。さよなら。…また会いましょう、いつか」

尚も喋り続けるあなたが、遠く遠く思えた。

私とあなたが出会ったのは、少し昔のこと。
ちょうど、今日と同じように暖かい秋の日で、雨が降っていた。

私が差し掛けた傘に、あなたが柔らかく微笑んで入って、二人で取り止めのない話をしながら、帰路を一緒に歩いた。
自動車が、秋風と雨を掬い上げながら通り過ぎて、「なんで今まで話したことなかったんだろうね。こんなに話が盛り上がるのに」と、笑い合った。

あの日から、私とあなたは仲良くなった。
私たちは友達になり、親友になり、自立する段には、一緒に暮らし始めるほどの仲になった。

けれども、私たちは正反対だった。
ご飯は辛いものが好きで自炊中心。食べ物はなんでも食べて、ちょっと素敵な食器を買って、キチンと三食、たくさん食べる私。
甘いものが好きで料理は苦手。食へのこだわりと偏食少食で、食事よりも趣味や生活が大切なあなた。

毎日、朝早く起きて日光を浴びたい私。
出来るだけ長く眠って、のんびり過ごしたいあなた。

課金やサービスに使うお金は節約する私。
課金やサービスにお金を使うために日常生活を切り詰めるあなた。

服は身だしなみを整える程度でいい私。
少しでも綺麗になりたいあなた。

私たちはよくよく知れば何もかも正反対で、一緒に暮らすにはあまりにも噛み合わなかった。

きっと、人と人が一緒に過ごせる時間には限界がある。
私たちは、きっと、一緒に長く居すぎたのだ。

最近は、私とあなたは顔を合わせると、すれ違いと喧嘩ばかりだった。
顔を合わせたあなたは、いつも眉間に皺を寄せていて、ついつい私もしかめ面になる。

あなたの行動に、私がイライラしてしまう。あなたも負けじと言い返して、ひとしきり水掛け論をして、最後には、冷たい沈黙だけが、私たちの間に横たわる。

分かってる。
あなたの提案が正しいことも。
私たちの関係は、もう終わりだということも。

…それでも。
それでも、私の中にはあなたと過ごした、楽しい日々が満ちている。
あなたがくれたもの、あなたがしてくれたこと、あなたと笑ったこと。

冷め切ったこんな仲になった二人でも、もう合わない方が良いのだとわかっていても、本当に終わりなんだと知っていても。
どうしても、心の奥で望んでしまう。

また、あの日に戻りたい。
もう一度、笑い合いたい。
もう一度、賑やかに会話をしたい。
もう戻れないと知っていても。

だから、これが一緒に食べる最後の食事なのだとしても。
あなたの、ジャンクでおやつみたいな食事に、どれだけ辟易していたとしても、私は言ってしまう。

「…うん。また会いましょう」

今日はきっと、私とあなたが絶交する、二人の最後の日。
それでも、最後でも、私たちの別れの文言は変わらない。
私もあなたも変えられないのだ。きっと。

たとえもう二度と会えないとしても。
「「また会いましょう」」
私とあなたはそれだけ口を揃えて、それから別々に、歩いていくのだ。

11/13/2024, 2:11:56 PM

私は毎晩夢を見る。
夢には毎回同じ女が出るが、まったく知らない人。
そして毎度、夢から覚めるとき一言。
「また会いましょう」

目が覚めるたび女を気に掛ける。
あの人は誰?どこにいるの?
そう悶々としていたある日、
父から母が亡くなったと言われた。

だが母は私が生まれてすぐ離婚していて顔も知らない。
離婚理由もどんな人かも知らない人。父は、
母は私を産んですぐ持病が悪化し入院した。
弱っていく私を見てほしくないという母の意向で
離婚したと告げた。
父は私に葬儀に出てほしいと言ってきた。

私は会ったことのない母の葬儀へ参加した。
葬式で遺影を見たとき、私は絶句した。
夢の女と同じ顔だったからだ。
急いで棺に近づくと、夢の中とは違う抜け落ちた髪に
骨のような手。

でも顔は夢と同じ顔だった。
私はそこで涙を流した。
やっと会えた時には全てが遅かったからだ。

11/13/2024, 2:11:54 PM

「また、一年後ここで会おうね」
 そう織姫は言ったくせに、今年の七夕、彼女は訪れなかった。
 嘘つき。雨でも天の川のほとりには来るって言ったのに。
 彼女は来ない。もう僕の前には。
 織姫の心はもう他の男のところへ行ってしまった。
 僕は川に身を投げる。恋に溺れて、命のともしびを自分で断つ。
 織姫への想いを断ち切れないままーー


「見つけた、アンタ。織姫の生まれ変わりだろ」
「え、な、何。あなた」
「俺は天野星彦。七夕伝説の牽牛の記憶をもつ男だ」
「……は?」
「ひと目見てわかった。ビビビってきたぞ。アンタ、名前は?」
「お、織田姫子……」
「ほうらな、やっぱりだ。織姫、会いたかったぜ」
 前世の記憶を持つのは、どうも彦星の方ばかりのようで。
 この2人の恋物語、これより開幕?

#また会いましょう

11/13/2024, 2:11:39 PM

僕はあなたのことが愛おしくて愛おしくてたまらない
君はそれを知ってるし、君もまた僕のことが愛おしい
相思相愛だっていうのに
どうして君は「また会いましょう」
表裏は一体、生には死、出会いに別れ
別れは悲しく、君のいない時間は心が凍てつく吹雪のようだ
君と想い合う、ただそれだけで世界が色づき心は躍る
なのにどうして『再会』なんだ
出会って別れて、また会ってやっと『再会』なんだぞう
僕はこれっぽっちも、別れたいなんて、考えたこともないというのに
出会って別れてもう4、5年
まだまだ分からない君のこと
もっと知るべく、また会おう

11/13/2024, 2:09:47 PM

また会いましょう

サッカー選手が引退するとき言ってた
サヨナラは言いません、また会いましょうといい言葉だな🙇‍♂

11/13/2024, 2:09:11 PM

「また会いましょう」

「今日は楽しかったです。また会えたら嬉しいです!」
 私は今日、貴方と過ごした時間を振り返りながら言った。
「私も、今日は楽しかったです。君と過ごせて良かった。また会いましょう!」
 貴方はそう言って手を振って駅の改札口へと向かった。
 私も手を振り返した。

11/13/2024, 2:06:59 PM

また会いましょう


今日は会社で相手の言葉遣いにイラッとしたり、だからこっちはこう聞いてるのに。と思うような不満があって、帰宅してもなお、モヤモヤしている。

モヤモヤイライラ。

最近は穏やかに平和に時間が過ぎてゆくだけだったのに。

久しぶりにイライラした気がする。

でも私だけがずっと引きずっていても馬鹿らしいので早く忘れよう。そして忘れた頃にまた会おう。

11/13/2024, 2:05:18 PM

【また会いましょう】

都合のいい存在が

どこにも行かないように

四方を壁で覆った中に1人取り残された

外側にみんなが好む顔を貼り付けたら出来上がり

それを見てみんな喜ぶから

内側なんて知らんぷり

それでいいよ

みんなから見えない世界で

小さな小さなユートピアを作り出した

外に僕の声が聞こえないことはとうに知ってるから

いくら大声で歌ったってバレない

ただ寄り添ってくれる形のないきみが居てくれれば

それだけでこの世界に明かりが灯る

昔読んだお話の続きを

みんな苦しんだ後にハッピーエンドを迎えるその先を

僕なりの言葉で綴ったら

きみに1番に聴かせよう

僕の幸せなお話が終わらないように



2024-11-13

11/13/2024, 2:01:45 PM

疲れて歩くサラリーマン
四角いカバンが重そう

公園へ向かうじいさん
白んだあたまが軽くうごく

楽しそうに駆ける子どもを、微笑みながら見る母親

気怠そうに働く牛丼屋のバイト

今日会った全ての人に

幸せがありますように

それでは

いずれ。

11/13/2024, 2:01:43 PM

初対面でコーヒーをぶちまけた貴方へ

 私がまさか、ドジでマヌケなアンポンタンを絵に描いたような貴方と結婚するなんて思わなかった。

 せっかちで、騒がしくて、慌ただしくて。

 とにかく、貴方といる時間は気が休まらなかった。

 子供たちの成人式の時、貴方のドジが遺伝しなくて心の底から良かったと安堵したの。きっと貴方のドジが移っていたら、あんなに可愛いお嫁さんと孫ちゃんとは出会えてなかっただろうから。

 貴方を見送ってから長い時間が経ったと思ったの。スマホで確認したらまだ四十九日も過ぎてない。
 庭付き一軒家なんて今どき流行ってないのに、見栄を張って買ってしまうんじゃなかった。

 この家、一人で住むには広すぎるし静かすぎる。

 貴方のような賑やかなドジがいないと、お化け屋敷みたいに怖いの。……まだ、お化け屋敷の方がお化けがたくさんいて賑やかだったわ。

 私の人生、貴方との暮らしが半分以上占めているの。
 今更静かに余生を送るなんて都合のいい切り替えなんてできやしない。貴方がいなかった時の生活なんて、遠い記憶の彼方だから。

 貴方のドジを求めているだなんて、私の頭もとうとうおかしくなったんだわ。

 貴方には悪いけど、きっとあの世へ行ってもドジしているのでしょう。
 くれぐれも神様閻魔様にはご迷惑をお掛けしないよう、細心の注意を払ってちょうだい。
 そして、また私に出会ったときは。
 何も落とさず、何もこぼさず、何にも躓かず。
 普通にお会いしましょう。



『また会いましょう』

11/13/2024, 2:00:28 PM

「また会いましょう。」 
これで良かったんだよね、、、?
ねぇ、、、誰か、、教えてよ、、!

きっと明日は輝いている。

第一章 始まり

「玲奈って絶対瑠依のこと好きだよね〜笑」
「違うし〜笑幼馴染ってだけです〜笑みんなが思ってるような関係じゃないって!笑」
そうやって笑う僕の幼馴染の玲奈。
そういう関係ではないが僕だけはきっと違う感情を抱いているはず。
また、、、、か笑もうとっくに好きなんて気持ちは捨てたはずなのに、、、笑
「瑠依〜行こーぜ!」
「うん。ちょっと待ってて。」
「おう。」
「玲奈ー今日遊ぼ〜」
「いいよ〜!てか、ボタン!上着てるんだから一番上のボタンは閉めるんだよ!」
「だって苦しいもん。」
「も〜、、、ほらこっち向いて!、、、、はい!できた。」
「ありがと。じゃあまた。」
「うん。またね!」
「行こ春哉。」
「瑠依また玲奈ちゃんと話してんの?w」
「まあね。幼馴染だし笑」
「どーせ好きなんだろ?分かるぜ。顔に出やすいもんな瑠依。」
「そーかな。でもあっちは多分ないんだよな〜」
「まあ伝えてみないと分かんなくね?」
「まあね〜。」
そんな時、胸にズキッと痛みが走った。
「っ、、、、」
「る、瑠依?大丈夫か?」
「う、うん。大丈夫大丈夫笑」
もしかして、、、また、、、、?
「おーい瑠依?ほんとに大丈夫か?体調悪いなら保健室行ったほうがいいぞ?連れてくぐらいなら出来るけど。どうする?」
「一応、、、行っとこうかな。」
「おっけー。荷物置いてくるから待ってて。」
「うん。」
そして数分後
「よし。行こーぜ。歩けるか?」
「大丈夫。歩けるよ。」
「一応肩貸すぜ。」
「ありがとう。」
「おう。最近体調悪いのか?」
「ううん。そんなことはない。さっきちょっと目眩がしただけだから。たいしたことないんだけどね笑」
「そうか。まあ一応診てもらったほうがいいぞ。」
「うん。春哉って優しいよね。」
「そうか?瑠依の方が優しいだろ。」
「僕は別に優しくないよ。いい子ぶってるだけ笑」
「またそういうこと言う。瑠依は優しいの。分かった?」
「う、うん。分かった?」
「笑俺のなかでは瑠依がいっちゃん優しい気するんだよな〜。」
「そうなの?優しい人なんて沢山いるじゃん。」
「瑠依は優しいし細かいとこよく気づくよな。あ、見た目もそうだけど心の変化に敏感だよな。」
「まあ、気にしてはいるけど。多分僕が知らないだけで悩んでる子はいると思うんだよね。」
「でも、全員が全員瑠依が助けてやらなきゃいけないわけじゃないだろ?誰にだって悩みはあるし、隠すのが上手いやつもいるからな。だから、あんまり気にしすぎると今度は自分のこと心配できなくなるぞ?」
「そうだね。」

一旦切ります!てか、1か月ぶりに書いた!実は、他のアプリにも一応保存してはあるんですけどそっちの方で続き結構書いてるんで、後でこっちにも書き足しときますね!
最近お題が難しくて全然新しいの書けてなかったんですよね。まあ、普段もいろんな設定とか内容とかは考えているんですけど、それに合うようなお題があんまり出てこなくて最近投稿できてなかったです!一応いい内容のものとかは考えてはあるんですけどね笑じゃあ一旦ここまでで!

あなたの心に残るような、言葉、小説を残したい。あなたの人生を変えるきっかけになりたい。
本気でそう思っています。ぜひ小説読んでみてね!ここまで見てくれてありがとう。
ここまで読んでくれたあなたの毎日がとても素敵なものになることを願っています。

11/13/2024, 1:59:57 PM

また会いましょう

また会ってもらえるかな?
すごく不安なんだ

今日の僕は大丈夫だったかな?
君に楽しいって思えてもらえたかな?
また会いたいって思ってくれたかな?

この言葉を伝えるとき
ほんとに不安なんだ

また会いたいけど
君はどう思ってるのだろう

勇気が必要な言葉
また会いましょう

11/13/2024, 1:54:21 PM

またあいましょう

再会を願う言葉、というのはどこの国の言語にもある。
出会いの数だけ別れがあり。
別れの数だけ再会を願う。
しかしまぁ全ての出会いが再会を喜ばれるかと言えばそんな事はないわけで。

「お久しぶりですわ桜子ちゃん!お元気そうです何よりですわ〜!」
「イヤーーーッ」
「また嫌われてしまいました」
「圧がつよいから」
「遠くから見るだけにします」
「そうしとけ」
「イヤッッ!!」
「嫌われてます」
「諦めろ」
「ごめんね、最近キ○ーティーハニーの曲ばかり聞かせていたから…桜子ちゃん、挨拶は?」
「オハヨウゴザイマス!オトトイキヤガレ!!」

八百屋の店先のでかいオウム。名前を桜子ちゃん。
普段はもう少しお淑やかなのだが、語気の強い言葉を最近になってやたら話すらしい。

「嫌われてません?」
「なんでこんな攻撃的なんだこの子」
「変よねぇ、うちの人はあんまり喋らないし、私もそんな言葉を使った事はないし」
「とりあえず開店中見てますね」
「お願いね。笹本さんとこの子にこんなお願いして良かったのか不安だけど」
「心配ご無用です。なによりいつもお世話になっているのはこちらですから」

ニコ!と笑顔を作って大丈夫ですよ、のポーズをとる。
笹本さんがお嬢に持ってきた話なら十中八九オバケだろ、原因。
スパッと解決すりゃいいけど。多分オバケも出てこない事ないだろ、俺という餌があるし。

八百屋のお手伝い、という名目でいるので雑務を頼まれる。
主に袋詰めと品出し。あと俺に裏から表に重いものの運び出し。
明日筋肉痛だなこれ。暫くすると妙な客が1人。
小学校低学年の少年だ。桜子ちゃんをじっと見つめて、なにやら話しかけている。

「大丈夫だったかオマエ、悪いやつきたらちゃんとイヤって言うんだぞ」
「イヤッッ!!」
「その調子だ!コイツ悪いヤツ!!言えるか?」
「コイツ悪いヤツ!!!」
「偉いぞ!」

なんか仲良しなんだが?
「悪いヤツってのが気になりますわね…」
「様子見だな」
「ですわね」

その後、誰も見ていない瞬間を狙ってオウムを傷つけようとしている人を確保。いやお嬢すげーよ。背中に目がついてると思う。
たまたま意識が外に向いてたけどさ2人とも。
お嬢一瞬で相手を締め上げてたもんな。
桜子ちゃんが声出した瞬間手が伸びてたもん。

ごじつかひつします


「」

11/13/2024, 1:49:40 PM

また会いましょう

おれに会ったことあるって?そんなわけないだろ。今日が初対面だよ
え?会ったというより声を聞いた?ははぁ、そりゃまぁ街中なりどっかの店なりで聞いたんだろ。そんな雑踏でよく覚えてたじゃないか。
そうじゃないって?…食い下がるねぇ。じゃあそこまで言うんなら何処で会ったのか…いや、聞いたのか。教えてもらおうじゃんか。
ほぉら!言えないんじゃん!似たやつなんてごまんといるんだからやっぱおれたちは初対面なんだよ
じゃあ、そういうことだからさ。ちょっとおれ用があるんだよ。お前の妄言に付き合ってられないからさ。
まぁ、強いていうならだけど。神社で悪さするのだけはやめておけ。な。
もう会わない方がいいけどさ、まぁもし何かしらの縁ができたら、また会いましょう。

11/13/2024, 1:48:55 PM

あなたからの電話しようで始まりかけた恋はいつの間にか私だけの片想いに変わっていた。
すき、だいすきと素直に伝えてくれるあなたが好きだった。やだと駄々をこねるあなたも好きだった。でも、最近のあなたは私にきらいって言うんだ。やだも言わなくなったんだ。そして、気づいたらあなたからの電話の誘いはなくなっていた。その時、この恋は始まってすらいないことに気づいた。私、前のあなたの方がすきだったな。さようなら。またどこかで会えますように。

11/13/2024, 1:48:24 PM

探偵とは、イメージと裏腹に地味な仕事である。
 アニメや漫画のような、密室殺人を解決したり、巨大な陰謀に巻き込まれたりはしない。
 ほとんどは浮気などの素行調査で、次点が家でしたペットの捕獲くらいだ。
 派手さはまったくなく、忍耐が要求される仕事。
 それが探偵である。

 とはいえ、探偵も人間だ。
 毎日代り映えしない仕事では退屈するし、人間の闇を見ることも多いので病みやすい。
 適度に気晴らしをしないといけないと、すぐに病気になってしまう。
 そういうわけで、俺は機会があれば積極的にスリルのある仕事を取るようにしている。

 という事で今回のお仕事は――


 ◇

「騙された―!!」
 そう叫んでいるのは、ウチの探偵事務所で雇っている助手である。
 先日、浮気調査の報告書をつくりながら『パーッとしてえ』と言っていたので、
気晴らしにスリルある仕事に誘ったのだが不満らしい。
 到着する前はあれほど浮かれていたというのに……
 何が気に入らないのだろうか?

「先生言いましたよね。
 『今回はスリル満点な仕事』だって!」
「言ったぞ。
 実際スリル満点だろ?」
「ええ、スリルだけはありますね。
 スリルだけは!
 だけど!」

 助手は大きく息を吸って一拍置き、大声で叫ぶ。

「こ ん な ぼ ろ っ ち い 橋 の 上 で 仕 事 な ん て 聞 い て な い ! ! !」

 助手は叫びながら、目の前の橋を指さす。
 そこにあるのは、何時作られたのか分からないくらいボロボロの吊橋だ。
 たまに使う人がいるとかで壊したりはせず、一応補強や修理が入っているらしい
 けれどそれを知ってても渡るのをためらう位には、ぼろい橋である。

「なんだよ、不満なのか?
 もしかしてお前、高所恐怖症か?」
「そうです。
 高い所ダメなんです!」
「なら断れば良かったのに」
「こんなの聞いてないからです」
「お前が聞いてなかっただけだ。
 報酬に目が眩んだだけだろ?」
「それは……」
「『今回は危険な場所だから、日当は倍』を聞いて、勝手に舞い上がったお前が悪い」
「でもでも……」

 助手は往生際悪く、駄々をこねる。
 とはいえ怖いものは仕方がない。
 恐怖というものは、制御不能ななもの。
 気合だけでどうにかなる場合は少ない。

 とはいえ、このまま言い争いをしても仕方がない。
 どうしたものかと考えあぐねていると、助手が突然真顔で俺を見る。

「ねえ、先生?」
「なんだ」
「吊橋効果って知ってます?」
「男女で吊橋を渡ると、仲が深まるってやつか?」
「はい。
 でも知ってました?
 一緒に吊橋を落とすと、さらに仲が深まるんですよ」
「待て!
 それ犯罪で結びついただけじゃんか!
 しっかりしろ!」

 あのクールな助手がおかしくなってる!
 『適度なスリルはクスリになるが、度を過ぎれば毒』というのを、体現したかのようなパニックぶり。
 これ以上はいけない。
 助手は下がらせよう。

「分かったよ。
 作業は俺一人でやるから、そこで座ってろ。
 倍は無しだが、今日の分の給料は払ってやる」
「い、いえ!
 働きます。
 お金がいるんです!」
「お前いつもそうだよな……
 投げ銭だったか、ほどほどにしとけよな……
 はあ、座ってていいから日当を倍に払って――」
「いえ、四倍にしてください。
 そしたら働きます」
「……お前いい性格してんな。
 もう面倒だから払ってやるよ」
「よっしゃあああ!」

 助手は奇声を上げたかと思うと、「怖くない、怖くない!」と言いながら吊橋を渡っていった。
 すげえ!
 金の力で恐怖を克服したぞ、あいつ。

 ちょっと様子おかしいけど、吊橋を見事渡り切って見せる助手。
 あれなら仕事は出来るはずだ、多分。
 ホッと一安心していると、助手が不思議そうな顔をしながらこっちに戻って来た。

「先生、この吊橋で何をすればいいんですか?」
「……この吊橋をイルミネーションで飾り付けるんだよ。
 ほら端っこを持て。
 一緒につけるぞ」


 ◇

 後日談。
 どうにかこうにかして、無事に吊橋をイルミネーションで飾り付けた俺たち。
 張り切る助手が若干怖かったが、綺麗に飾り付けることが出来た。
 依頼人からも満足してもらえたのだが――

「あれ?
 依頼料が振り込まれてない!?」

 依頼側のミスで振り込まれていないお金。
 先方に連絡すると、謝罪と共にすぐに振り込まれたものの、記帳されるまで刺激的でドキドキの時間を過ごしたのであった

 お金にまでスリルを求めてないんだよ!

11/13/2024, 1:43:58 PM

卒業式の後で
いつも通りに遊んで

暗くなったら
いつも通りのまたね

あれから私は
どうにか元気でやってるよ

君はどうかな
元気にしているのかな

なんだか今日は無性に会いたいな

11/13/2024, 1:37:46 PM

君が死んだ。
抜けるような青と羊雲が眩しい。
遠くまで行けそうな風が、
どこまでも続く草原に吹き付けた。
地面を背中に感じながら、
手を握ったままなのに君はもう返事をしてくれない。
否、もう二度と返事をしてくれないでしょう。

だがそれで良いのです。

すぐに僕も君に追いつくのだから。

実はもう目も開けていられないのです。


だから、

「また会いましょう」

_僕の愛しい人よ

11/13/2024, 1:37:14 PM

また会いましょう
旅行のルートなんだけどこんな感じかな?
ホテルで作った行きたい所リスト
共有するから行きたい所追加しといて〜
そう言って次の日観光した。
あれから8ヶ月
連絡先は知っているけれど
久しく会話をしていない
そっと共有リストに
今住んでいる街の観光名所を入れておく
また会えるなんて思っていないけど
堂々と会える立派な人間になれたなら
その時はきっと

11/13/2024, 1:35:23 PM

「また会いましょう」
って言う相手ほど、また会うなんてことない。

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