またあいましょう
再会を願う言葉、というのはどこの国の言語にもある。
出会いの数だけ別れがあり。
別れの数だけ再会を願う。
しかしまぁ全ての出会いが再会を喜ばれるかと言えばそんな事はないわけで。
「お久しぶりですわ桜子ちゃん!お元気そうです何よりですわ〜!」
「イヤーーーッ」
「また嫌われてしまいました」
「圧がつよいから」
「遠くから見るだけにします」
「そうしとけ」
「イヤッッ!!」
「嫌われてます」
「諦めろ」
「ごめんね、最近キ○ーティーハニーの曲ばかり聞かせていたから…桜子ちゃん、挨拶は?」
「オハヨウゴザイマス!オトトイキヤガレ!!」
八百屋の店先のでかいオウム。名前を桜子ちゃん。
普段はもう少しお淑やかなのだが、語気の強い言葉を最近になってやたら話すらしい。
「嫌われてません?」
「なんでこんな攻撃的なんだこの子」
「変よねぇ、うちの人はあんまり喋らないし、私もそんな言葉を使った事はないし」
「とりあえず開店中見てますね」
「お願いね。笹本さんとこの子にこんなお願いして良かったのか不安だけど」
「心配ご無用です。なによりいつもお世話になっているのはこちらですから」
ニコ!と笑顔を作って大丈夫ですよ、のポーズをとる。
笹本さんがお嬢に持ってきた話なら十中八九オバケだろ、原因。
スパッと解決すりゃいいけど。多分オバケも出てこない事ないだろ、俺という餌があるし。
八百屋のお手伝い、という名目でいるので雑務を頼まれる。
主に袋詰めと品出し。あと俺に裏から表に重いものの運び出し。
明日筋肉痛だなこれ。暫くすると妙な客が1人。
小学校低学年の少年だ。桜子ちゃんをじっと見つめて、なにやら話しかけている。
「大丈夫だったかオマエ、悪いやつきたらちゃんとイヤって言うんだぞ」
「イヤッッ!!」
「その調子だ!コイツ悪いヤツ!!言えるか?」
「コイツ悪いヤツ!!!」
「偉いぞ!」
なんか仲良しなんだが?
「悪いヤツってのが気になりますわね…」
「様子見だな」
「ですわね」
その後、誰も見ていない瞬間を狙ってオウムを傷つけようとしている人を確保。いやお嬢すげーよ。背中に目がついてると思う。
たまたま意識が外に向いてたけどさ2人とも。
お嬢一瞬で相手を締め上げてたもんな。
桜子ちゃんが声出した瞬間手が伸びてたもん。
ごじつかひつします
「」
11/13/2024, 1:54:21 PM