『ないものねだり』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ないものねだり
ないのに、ねだること。
欲しい何かは己の手にないからこそ、余計にそれが欲しくなる。
絶対に手に入ることはないとわかっているから、手にした時の感動を想像して欲しくて欲しくてたまらなくなる。
ないものねだりでもいいじゃないか
ないものはないんだ。でもそれを願う。
それをすることによって明日も生きようと思う人は大勢いるはずだ。どんなにそれが叶いにくいものでも、願えば叶うかもしれない。
それを信じること。それが大事なんだ。
人を信じる。ことを信じる。そして何より、
自分を信じる。これが一番大事なんだ。
私の人生失敗だらけで
足りないものもたくさんで
私は今の私に満足していない。
でもね、
私にもできる事はある。
これからできるようになるだろう可能性だってある。
ねだるなんてしないで手に入れるんだから!
ないものねだり3/27
「はあー」
大きくため息を吐く。すると、ふと肩の力が抜ける。
どこにでもいるサラリーマンの僕には何も無い。
名誉も富も信頼も、友も家族も恋人も。
金も美貌も才能も。
そんなことを考えている時ほど、電車に貼ってあるポスターに目がいく。
いっそ、俳優になれたらなぁ。
「はあー」
大きくため息を吐く。すると、ふと背中が丸まる。
どこにでもいる地下アイドルの私には何も無い。
お金も自由も趣味も、友も家族も恋人も。
プライベートとくつろぎも。
そんな時ほど、スマホの端の求人に目がいく。
いっそ、サラリーマンになれたらなぁ。
顔もよくない 金もない
頭もよくない 夢もない
望む未来も才能もない
僻みや妬みと戯れながら
ないものねだりの朝が来る
──────
ないものねだりというとKANA-BOONの歌なのかしら?
お年寄りなので「東京ララバイ」が浮かびます。
ないものねだりの子守唄~
ないものねだり
学生時代からの友達の中に、1人ものすごく一緒にいて楽な人がいます。
高校生から知っているけどなんとなくグループの中にいて、気づいたら仲良くなっていたのは就職する前とかだった気がします。
彼女はとにかく頭が良くて勉強や仕事が出来るのはそうなんですが、そうでありながら他に寛容です。
相手を尊重する姿勢が一貫しているように感じます。
今まで出会った頭のいい人たちはこれが難しいのかなと感じることがありました。
たくさんのことが見えてしまうし先がわかってしまうこともあるし説明してもわかってもらえないこともあるし、その分悲しい思いをすることもたくさんあるんだろうなって思います。
彼女のすごさは、自分は賢い人特有の道を歩みながら、アホなことしてんね、と言いつつも「転んでもいい怪我してもいい、命だけは大事にねー!」と笑って送り出し、帰ってきたら「うんうん、アホだねー」と一緒に笑ってくれるところです。
「自分がいる世界の人たちと違う、転職とか無職を繰り返すような野良と同じ目線で付き合えるところ最高だよ」みたいなことを伝えます。
一時期、「むむっ」と感じる人と付き合ってたこともありました。
「この人と結婚しちゃったらぜったい夫婦で飲もうとか出来ない…」って勝手にハラハラしていましたが、彼女の運命の人は違いました。
とても良い人と結ばれました。
出雲大社に一緒にお参りに行った甲斐があったねー。
今はバリバリ出世して、仕事はめっちゃ出来るけど独自性があってややムズの部下を集められているそうです。人を尊重する彼女の特性をすっごく活かせる配置だなと思って、人事の采配に惚れ惚れです。
優秀な人たちってやっぱりすごい!
自分とは全く違う世界を生きている彼女ですがこれからも会えば笑い転げられる良き友でいてほしいです。
ないものねだり
子どもの頃はそんなことをした覚えもあるけど年を取ってからそういうことはしなくなった。する相手もいないし。
というかないと知ったら諦めるし高くて買えないなら安物で妥協する。人生は諦めと妥協でできている。
しかし今日は食い過ぎた。どうにもストレスからか異常に腹が減ってもう1日分以上のカロリーを摂取したのは間違いない。
これに加えて晩飯まであるし食べ過ぎたのにまだ少しお腹空いてるしでもう終わりだよこの体。
それでも酒飲んでた頃よりはまだましかと自分をなぐさめておこう。肥満は大病の元だから痩せなきゃだめなんだけどな。
—スタートライン—
クラスの中心には、いつも彼がいる。
彼は、ボクシングをやっているせいか、がっしりとした体つきだ。
だけど、不思議と恐怖は感じない。彼の話し方のおかげだろう。むしろ、柔らかい。
体が丸い僕には、あんな風に人の中心に立つ姿が眩しかった。
太りやすい体質の僕は、彼に憧れていた。
ある日の放課後——。
「おい。金出せ」
僕はカツアゲにあった。
髪を明るく染めあげた、ヤンキーたちのターゲットになってしまった。
「い、いや、お金なんて、持ってない……」
「あぁ? ジャンプしてみろよ」
「え……?」
逆らえず、僕はジャンプした。
ポケットからチャリン、と小銭の音がした。
「持ってんじゃねぇか。早く出せよ」
逃げ場はない。震える手で、ポケットから財布を取り出そうとした時だった。
「山田くん、その人たちは友達?」
クラスの中心にいる彼は、颯爽と現れた。
「なんだ? お前」とヤンキーはねめつける。彼は臆することなく、僕をみた。
「友達、じゃなさそうだね。山田くんから離れてくれないか」
その一言で空気が張り詰めた。
ヤンキーたちは彼に飛びかかる。
けれど、彼は相手の攻撃を華麗に交わし、ストレートを決め込んだ。
あんなに怖かったヤンキーたちが、尻尾を巻いて逃げていった。
「す、すごい……」
僕は思わず感嘆の声を上げた。
「怪我はないかい?」
その時の彼は、正義のヒーローだった。
「羨ましいよ。どう生きたら、君みたいになれるんだい?」
気づけば、本音が溢れていた。
羨ましくて悔しくて、自分が惨めで、涙が溢れてきた。
「俺だって、昔からこんな強かったんじゃないよ」
彼はスマホをいじった。
「ほら、みろよ。これ、俺の中学の時の写真なんだけど」
涙を拭い、顔をあげると、そこにはまるで僕のように丸い顔があった。
「ボクシングを始めてから、俺は変わったんだ」
「本当に? これが君なのかい?」
「あぁ、そうだよ」
彼はゴツゴツとした手を差し出した。
「そうだ。山田くん、俺と一緒にボクシングを始めないか」
僕は一瞬ためらって、ゆっくりとその手を握った。
彼のようになりたい、と僕は思った。
ないものだけを羨むだけの自分は、もう終わりにしたい——。
これは、僕の新しい人生の始まりだった。
お題:ないものねだり
ないものねだり
知らないうちに思っていたよりも遠くに来てしまっていたようだ。知らない駅で降りて、駅のところの街のガイドマップを頼りにただ歩いて海まで来た。夕焼けに揺れるどこか浮世じみた水面が私に現実を忘れさせる。ありきたりだが、疲れてしまった。社会というのは人間を使い捨てだと思っているのだろう。どんなSNSや小説や映画を見ても人間達は社会に使い潰されているし、どこか疲れている。こんなしみったれた書き出しだと、次に行うことは自殺なんじゃないかと誰もが予想するだろう。しかしそんな勇気は誰だってなく、疲れたと思っている人間が次々に死んでいたら社会が成り立たない。ただ、儀式をしようと思ってきた。明日からちゃんと頑張るための生まれ変わりの儀式。大きく手を振って走り出す。
最近最近の某雪国、美しい星空のキャンプ場に、
パチン、ぱきん、パチパチ、ぱきん、
小さな焚き火をひとつ焚いて、しみじみ、コーヒーの1杯をすする者が在りました。
しみじみコーヒーのしんみり野郎は、ビジネスネームをツバメといいました。
「ハァ。 うまい」
夜間の雪国はまだ寒くて、ツバメのため息は白い吐息として、暗い暗い空気に溶けます。
「これが低温保存された豆の味か」
ツバメは先日、雪室コーヒーなるジャンルの豆を、
200gかける5パックばかり仕入れました。
試飲で出された無糖の84℃は透き通るコクと喉越しで、甘さが引き立っている心地。
『この甘さと香りが、俺達の冬の終わりなんだ』
雪室から掘り起こした木箱、ちょうど200gの5パック入りだという間伐杉で仕立てられたそれをツバメに手渡しながら、
現地で雪室コーヒーを主催している若者が、商品への自信と誇りをもって、言いました。
主催の若者の輝かしい瞳を、その眩しさを、
ツバメはきっと、いつまでも、少なくとも数年・十数年は、忘れないだろうと、
確固として、感じたのでした。
ところで今回のお題は「ないものねだり」でして
(お題回収開始)
「にがい!にがい!おいしくない!にがい!」
ぎゃあん!ぎゃあん!ぎゃああん!!
しんみり野郎の近くで稲荷子狐が、おこちゃま味覚ゆえの敏感さでもって、
コーヒーの苦味に、打ちのめされています。
「コーヒーやだ!コーヒーおいしくない!」
ぎゃああん!!ぎゃああん!!
子狐は野郎にスイーツなど、「ないものねだり」しておったのでした。
子狐にコーヒーは早いだろうと、
ツバメは苦いコーヒーのかわりに、産地直送、できたてのペット用牛乳を用意したのですが……
「子狐。無理してコーヒーを飲まなくて良いんですよ。美味しい美味しいホットミルクを作ってやったじゃないですか」
「うー。 うー」
「ここの牛乳は、特別なんですよ。
この雪国の高原で自由に放牧されて、自然のハーブや木の実を食べた牛のミルクです」
「コーヒーのほうがカッコイイ」
「うーんなるほど分かりました美味しいホットミルク飲みましょうね子狐」
「オジサンおいしいコーヒーちょうだい」
「ホットミルクだってシナモンやジンジャーを入れると大人の飲み物になるんですよ子狐」
「やだ。おいしいコーヒーちょうだい」
「うん美味しいホットミルク飲みましょうね」
くぴくぴゴクゴクゴクくぴくぴ。
ツバメがホットミルクのおかわりを注いでくれる素振りをしたので、
コンコン子狐、マッハでミルクを飲み干しまして、尻尾を高速ぶんぶんぶん。
「こーひー!コーヒー!」
ミルクは子どもの飲み物、コーヒーは大人の飲み物と言っておきながら、
ツバメが吟味して選んで丁寧に温めたミルクは絶品だったようで、2杯目3杯目を所望します。
「オジサンおいしいコーヒー」
「私はまだオジサンではありません」
「オジサンコーヒー」
美味しい、すなわち苦くないコーヒーを、お題どおりに「ないものねだり」する子狐は、
けっきょくそれから追加でコンコン5杯、ホットミルクを堪能しまして、
パチパチ静かな焚き火の音と、ぽかぽか温かいツバメの膝に抱かれて、
くーすぴ、くーすぴ、幸福に眠りましたとさ。
【ないものねだり】*BL *グロテスクな表現があります
生活というのは単調で、どうにも堪え難いものだ。起床、食事、ニュースのチェック、出勤、業務、昼食、業務、退勤、ニュースのチェック、就寝。一般的に言えば「良い生活」なのだろう。金に困ることもない、誰かに特段の迷惑もかけていない。胸が悪くなるほど普通だ。
裏で、人も殺していた。もう何がきっかけだった顔も覚えていない。ただ普通の生活が出来なかった。高校生の頃には、そういう仕事をしていたと思う。元締めにいつ誰を殺せと言われて、それを遂行する。死体の処理は、やってもらえることもあれば、任されることもあった。それももう慣れきってしまって、「普通」の一環だった。
仕事を始めた当初は良かった。知らないことも多かったし、ミスをどう挽回するかも考えるのは楽しかった。そういうことはあっという間になくなってしまって、ただ生きるための呼吸と同じように仕事をしている。そうなるまでそうかからなかった。
そんな中で、「刺激」があれば良いのではないかと思った。休日に各地の遊園地に赴き、絶叫アトラクションを乗り回す。バンジージャンプや登山などの、免許のいらないアクティビティもやりつくした。激辛や激臭などの食に関するものも少し試したが、そっちは面白くない気持ちが優ったのですぐにやめた。映画、ドラマ、アニメ、音楽、とにかくなんでも「刺激的だ」と評価されるものに触れてみたのだが、全くと言っていいほど心は凪いでいた。
そんな折に、本当に偶然、全くの偶然に、自分が殺すために捕らえた男が「喰われた」。得体の知れない化け物が、大きな口で男の頭を噛み砕き、首をもいで、咀嚼の後に飲み込んだのだ。首から引き摺り出される食道、肺、胃。肉だけでなく内臓も、骨も残さず飲み込んだ。足元に残った血溜まりだけが、さっきまでそこにターゲットがいたことを匂わせている。
「……あ、ど、なに、今の」
化け物が喋った途端に、しゅるしゅると顎が縮んで、手足も小さくなって、引き伸ばされてでろんでろんになった服を着た若い男に変わった。
見たことも、聞いたこともないことだった。それがどれほど紫堂の心を震わせたか。紫堂は若い男を捕らえて何者なのか問い詰めたが、彼自身もわかっていなかった。伊黒と名乗った彼を拘束したまま、あれこれ調べてみると、人の中に紛れて生きる、人を食う生き物がいる、という都市伝説が目についた。まさに、伊黒のことだ。伊黒は混乱した様子だったが、紫堂が都市伝説のことを話して聞かせると、「じゃあ、ボクはまた誰かのこと食べちゃうの……」としょげかえった。
しかし実際は相当本能のようなものに振り回されるらしい。拘束している時に依頼で殺した人間の死体を前に出してみると、伊黒は嫌だ嫌だと言いながら、口から涎をこぼしていた。拘束を外すと、異形の獣に変わって、またそれを貪り食った。その姿が、紫堂の心を鷲掴みにしていた。
ああ、これが、きっとこれが。この生き物を手なづけるなり、伊黒が望むように人として生きられるようにするなり、とにかくわからないこと、知らないこと、未知への挑戦だらけだ。
ようやく見つけた「何か」を目に、紫堂は交渉を持ちかけていた。
「おいし〜!」
にこにこと頬を押さえながら、ケーキにフォークを差し入れる伊黒の姿を見る。自分の前にはコーヒーだけだ。特に甘いものに興味はない。この前の死体の処理の褒美として、少し値の張るタルトを買ってきてやった。それだけでしょげていようが怒っていようが、ある程度機嫌がなおるのだから安いものだ。
「シドちゃん、あーん」
「……」
紫堂は差し出された一口分を眺める。クッキー生地の上にカスタードクリームとゼリー状のコートがされた苺、またクッキーのボロボロしたやつが乗ったタルト。上に緑の葉っぱも乗っている。これの何がいいのかわからない。卵と牛乳と小麦粉とバターと苺と、いくつかの製菓素材の組み合わせで作られた焼き菓子。いつまでも目の前から退かないそれをしばらく見つめてから、紫堂は口を開いた。差し込まれた焼き菓子を咀嚼する。思いの外、苺の果汁が甘酸っぱい。牛乳と卵黄を混ぜ合わせたクリームと合わさると、爽やかな甘みになった。バターの香りが鼻を抜けて、冷蔵されたタルトのはずなのに妙に温かい感じがする。
どうにも、この伊黒といると、いつもと世界が違ってくるらしい。それが紫堂が彼を手放せない理由になっていた。
"ないものねだり"
初見だとベテランの風格を持った人の方が相手先に信用されやすいんだよね。
威厳とか貫禄とかってどこで入手できるんだろう。
自然と醸し出されるもの?
職場でも古株な方なんだけど、あとどれくらい経てば醸されてくるものか……。
少なくともこんな事で心乱されている間は絶対に手に入らなさそうだ。
友達が職場の同期と結婚した
友達の年収が遊びまくれるほど増えた
友達が学生の頃からの彼氏と結婚する
周りの人がいい職場に巡り合っていく
SNSでは可愛くて綺麗な人ばかり
私だって、そのうちの1人になりたかった
✒︎(ないものねだり)
ないものをねだったって手に入るはずがない。
「相手に期待しない」
って簡単じゃないけど、自分を変えるしか道はないんです。
ないものねだり
あの子にはあるのに私には無い
あいつは出来るのに僕にはできない
なんで?
なんで?
同じ世界に生まれたのに
不公平だ
不公平だ
今日も私には
ない
ない
No.53
あの子が羨ましい。
私の右ななめ前の席にいる茶色ががったふわふわの髪をしたあの子。
目がくりくりで、笑顔が可愛くて、笑顔じゃなくても愛嬌のあるかわいい顔立ちをしてて、スポーツがとても得意で、だけど少し…いや、だいぶ抜けてて、感情がよく出ていて、みんなと仲良くしてて…。私とは大違いだ。
勉強は苦手らしいけど、授業中のディスカッションもみんなが話しやすいようにこっそり気配りしてくれている彼女の優しさを私は知っている。
向こうから話しかけてくれることもあるけれど、元々人と接するのは苦手な上毎回緊張してしまいうまく話せない。全然話せないことにあの子も困って沢山喋ってくれているけれど、なにか話さないとと思うほど言葉が出てこなくなってしまう。きっと向こうにはオドオドして面白くない子だと思われているのだろうな。
はぁ…
────────────────────────
あの子が羨ましい!
私の左ななめ後ろにいる、綺麗な黒い髪をしたあの子。
切れ長の目がとってもかっこよくて、綺麗な顔立ちをしてて、みんなが浮かれて騒がしくってもいつもクールで、テストも毎っ回学年1位で、難しそ〜な本もいっぱい読んでて、仕事も完璧にこなしてて…私とは全然違う。
運動はちょっと苦手らしいけど、それでも真面目に一生懸命取り組んでいる姿は、完壁なあの子の隙を感じる。
何回か話しかけたこともあるけど、毎回緊張しちゃって余計にペラペラと喋ってしまう。向こうも困ってるのも分かるけど、その場ではその沈黙を更に埋めることしか出来ない。向こうにはうるさくて邪魔だ〜とか思われてるのかなぁ…
はーあ…
────────────────────────
あの子みたいになれたら、仲良くなれるのかなぁ…
➹ないものねだり
"ないものねだり"
あの子のように、周りに頼る力が欲しい
あの子のように、一人でなんでもできる力が欲しい
あの子のように、努力できる力が欲しい
あの子のように、才能で周りを黙らせる力が欲しい
あの子のように、何か秀でた自慢できるものが欲しい
あの子のように、文武両道なんでも器用にこなす力が欲しい
もし、私が他の人のように嫉妬の目を向けているように。
私が持っているものを誰かが見つけ出して私に嫉妬してくれる誰かがいるのなら。
何もできない役立たずな私なんかに思考のリソースを割いても時間の無駄だと教えてあげたい。
けど、そんな人は絶対にいないのだろうなぁと我に返って酷く虚しくなるから
今日はもうお休み。明日から頑張っちゃおう
ーないものねだりー
僕は
すごいロボットを買ってもらった。
このロボットは喋り方も見た目も人間そっくりで
今日俺はこいつを新しくできた友達に見せようと、
ロボットの手を勢いよく引いて公園に向かった。
でも、楽しくなかった。
なぜなら友達の話は
彼女ができたとか成績が1位とかサッカーもできるとか…
僕は彼女もいないし成績も体育も含め言えないような感じだから、
ロボットの話をする気なんて失せて
ロボットに知り合いのふりをさせる始末だった。
帰り道には
自分に彼女がいて、天才でスポーツもできて、、
と理想を描いては虚しさに
「ないものねだりだよなぁ」とこぼしてしまった。
「ないものねだりしてるってことは
君は君自身にないものしか見てないってことか。」
急にロボットが喋り出した。
「もったいないなぁ。
もう色々持ってるのに…
誰にだって持ってないものはあるのにさぁ
君もあの子にないものをもってるもんだよ。」
僕は涙を拭うのに必死で
言葉が返せなかった。
しばらくの沈黙の中で
おもむろにロボットがまた口を開いた。
「でもさ、、、
僕は、みんなと一緒だったから
初めから自分にしかないものなんて無かったんだ…」
ロボットは
出ないようにつくられた涙を
拭おうとしていた。
【ないものねだり】
人間って、不思議だね
ないものを求めては、
ないものを補うために、
技術や環境を発展させる。
"ないからこそ"の自分自身に『好き』が見つかれば、
ないものねだりの君に、笑顔が降り注いでくれるのかな
君が窓を背にして立っている。
煌々とさす月光と打ち付ける雨。
またか。
僕はただそれを見ている。動かない。動けない。
視線を下げて、上げると、景色が変質した。
熱帯雨林と愛犬の声。
うずまき銀河とスズメの群れ。
雲上の国と黒い出目金。
最後にあの日の景色になった。隣に君がいる。
そんなはずはないのに。
目の前に君の安らかな寝顔があった。透明な樹脂をすり抜けて頬を撫でた。温度はわからない。
踵を返して席につく。
花まみれの背景と横たえられた棺。
君はいつの間にかいなかった。