ないものねだり
知らないうちに思っていたよりも遠くに来てしまっていたようだ。知らない駅で降りて、駅のところの街のガイドマップを頼りにただ歩いて海まで来た。夕焼けに揺れるどこか浮世じみた水面が私に現実を忘れさせる。ありきたりだが、疲れてしまった。社会というのは人間を使い捨てだと思っているのだろう。どんなSNSや小説や映画を見ても人間達は社会に使い潰されているし、どこか疲れている。こんなしみったれた書き出しだと、次に行うことは自殺なんじゃないかと誰もが予想するだろう。しかしそんな勇気は誰だってなく、疲れたと思っている人間が次々に死んでいたら社会が成り立たない。ただ、儀式をしようと思ってきた。明日からちゃんと頑張るための生まれ変わりの儀式。大きく手を振って走り出す。
3/27/2026, 3:18:18 AM