蒼夏

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ーないものねだりー

僕は
すごいロボットを買ってもらった。

このロボットは喋り方も見た目も人間そっくりで

今日俺はこいつを新しくできた友達に見せようと、

ロボットの手を勢いよく引いて公園に向かった。



でも、楽しくなかった。

なぜなら友達の話は

彼女ができたとか成績が1位とかサッカーもできるとか…


僕は彼女もいないし成績も体育も含め言えないような感じだから、


ロボットの話をする気なんて失せて
ロボットに知り合いのふりをさせる始末だった。


帰り道には
自分に彼女がいて、天才でスポーツもできて、、
と理想を描いては虚しさに
「ないものねだりだよなぁ」とこぼしてしまった。


「ないものねだりしてるってことは

君は君自身にないものしか見てないってことか。」

急にロボットが喋り出した。



「もったいないなぁ。

もう色々持ってるのに…

誰にだって持ってないものはあるのにさぁ

君もあの子にないものをもってるもんだよ。」



僕は涙を拭うのに必死で
言葉が返せなかった。



しばらくの沈黙の中で
おもむろにロボットがまた口を開いた。

「でもさ、、、


僕は、みんなと一緒だったから

初めから自分にしかないものなんて無かったんだ…」


ロボットは
出ないようにつくられた涙を

拭おうとしていた。


















3/27/2026, 2:09:51 AM