ー絆ー
昨日までは知らなかった人が
今日には知り合いになって
昨日まで知り合いだった人が
今日には友達になって
昨日まで友達だった人が
今日には親友になる。
でも、いつがそれぞれの昨日で今日なのか
分からない。
そんなのは考えてるうちにどうでも良くなるんだ。
でも、
突然君が僕から離れてしまった
そんな日だけは思い出してしまうんだね。
そんな時でも、僕は
悲しみを憎しみに変えれやしなかった。
それは君だったから。
もし君じゃない誰かが同じことをしたら
絆の糸など簡単に切ってしまえただろう
絆は気付かぬうちに結ばれて
色々なものを縫い付けるだけ縫い付けて
片方が切られるとどうも
ほどけなくてもどかしくて
思い出とか経験の言葉も何か違って、、、
君が縫い付けたものが今度は針に変わって
僕の心を刺す。
絆って本当なんなのだろうか。
昨日まで友達だった人が
今日は知り合いでもなくなって
昨日までよく分かってたはずの自分が
今日は初めて会った人みたいだ。
ー現実逃避ー
俺は逃げている。
生き残るには逃げるしかないのだ。
でも、誰も追いかけては来ない。
何故だろうか。
ここにはこれ程多くの食糧と水がある。
それなのに…
きっとアイツらは自分の命が消えることより
弱いヤツになることを恐れているんだろう
だから逃げる者を弱いヤツと馬鹿にするんだろう
俺はアイツらに弱いからと追い出されたが
俺は俺のことを弱いとは思っていない。
本当に逃げているのはアイツらだと思う。
おっと、大きなスイカがある。
ムシャムシャムシャ…ムシャムシャムシャ…
3個も丸ごと平らげてしまった。
でもまだまだあるから大丈夫だ。
次の日もその次の日も俺は
食べ物を食った。
そのどれもが不思議と虫もついていなかった。
おや?
あっちにも俺と同じ種族がいる。
最近こんなのが増えてきた。
それだけ弱いヤツを仲間外れにするのが
流行っているのだろうか
何ヶ月かが過ぎた。
また食糧が尽きた。
俺は知っている。
逃げれば助かるのだ。
逃げてきたから今生きているのだ。
ガサッ。ガサッ。
枯葉をふむ音が聞こえる。
後ろを振り返った。
肉の塊がこちらを怯えた目で見つめている。
しかし、
コイツは俺より弱い。
たった二本で大きな部分を支えている。
おまけに走るのは遅い。
コイツは食える。
そう思った時、
硬い黒い実が知覚する前に
俺の足に当たった。
二本足のあれは相変わらず怯えた目で見るのだが
黒い実は見た目に反して強かった。
俺の足の皮を剥いで
とてつもない痛さに俺は動けなくなった。
何故だ。何故だ。
何故こうも食って生きていくものは
皆弱いのだ。
俺は今、俺を初めて弱いと思った。
俺は逃げる以前に無知だった。
だが
俺は今、
二度と逃げられない世界に逃げようとしている。
ー待っててー
「そこで待ってて、
私は逃げない。
過去に戻ろうとも
未来に行ってしまっても
私は私を生きる。」
私が嫌いな私も私で
私が嫌いなあなたもあなたで
今を生きてる。
その先なんてどうでもいい。
ハッピーエンドだろうが
バッドエンドだろうが
そこに私はいないから。
覚えているのは
待ってて、と伝えた「私」の側に
いてくれた人。
待つ理由をひたすらに話していた人は
そのあと来なくなって、
忘れてしまった。
「人を信じることが大切だ。」
ばかり言われていては
人を信じる心が綺麗な私?
そんなものを求めてしまうけど
ある時
誰かといる時の私を、
それを感じて、受け容れて、信じられた時
待ってて、と言わずとも
君は待ってるだろうし、私も待つだろう、
そう思えた。
ーこの場所でー
久しぶりに小学校の通学路を歩いた。
この木の下で友達と寄り道して
帰りが遅くなって怒られたな
この曲がり角で
好きな子と手を振ってまたねと言ったな
あの日の今日と同じ晴れた空に
明日も話せますようにとか願ったな
自分が亡霊になったかのように
過去の自分が目の前にいる。
大学受験も終わり、
嬉しいはずで、
この先自由も出会いもあるはずなのに、
過去を思い出すと、
怖い。
小学生の通学路の先で
自由や楽しみを
忘れてきた私は、
小学生の頃の自分が別人のように見える。
さっきのは多分、
「亡霊になったかのように」ではなく
「亡霊になっている」。
遠くに忘れてきた忘れ物は諦めてしまうように
私も変わってしまったんだからと、
理想通りに自分を変えることは諦めようとしていた。
でも、
先生の「そのままでいいんじゃない」の言葉に
そうですね、とは言えなかった。
積極的な人が好かれて
優しい人は嫌われなくて、
話すのが上手いとか聞くのが上手いとか言う人は
人気者で
なんて言葉に目も耳も痛くなって
じゃあ
誰とも争った訳でも無いのに
孤独な私は何なんだろうと、
なんか偉い感じの専門家に訴える想像をする。
返事はもちろんない。
高校の通学路を久しぶりに歩く。
この人通りの少ない道で一人で泣いたな。
こののら猫だけが自分の癒しだったな。
このスーパーでいつも割引のおにぎりを買ったっけ。
空には願いごとなんてしなくなってたな。
亡霊はこちらの自分に取り憑いてしまったようで
勝手に捨てネコにするように甘やかしている
何かが違う。
でも、遠くに忘れたものを取り戻したい訳でもない。
私は、今を歩きたい。
私は、今という場所で明日を描きたい。
私は、、、
ん?
亡霊と喧嘩をしているのは誰だろうか?
ー花束ー
私は花束を貰ったことがない。
入学式とか卒業式とか成人式で花束を貰うのは
友達や恋人との距離が近い子や
学年の代表みたいな子とかだった。
私は花束を買ったことがない。
綺麗なものに汚いものを使うのに
戸惑うからだ。
けれど、
貯金をすることで腐らせて、
結局さらに汚くしている。
私は、高校で華道部に入りたかったと
どこかで確かに思っていたはずなのに
いざ部活希望届に書く時には
手が止まった。
日常でこの先花を生けることがあるか?
もっと人と協力しあって楽しめる部活がいいんじゃないか?
役に立つだとか人と協力するとか
苦手なくせに見栄を張ろうとする
私の道に咲く花は
ドライフラワーでもなく枯れた花でもなく
造花だ。
今も何も変わらず
ただ埃を被って
笑えてない自分を笑う。
雑草の花の方が綺麗だ。
連れてこられただけの外来種の花の方が
よっぽど綺麗だ。
こんな花ですら
みんなが綺麗と言う花に隠されてしまうらしい。
綺麗な誰かが中心に動かしているこの世界は
初めから綺麗な花束で溢れかえっている。
私は見ているだけで十分だと思うことにした。