ー海の底ー
、、
青春がそこにある。そう思った。
高校入試直前、塾の先生は、学校の先生は、言った。
これを乗り越えたら楽しいことがあるよ。
そりゃそうだ。
これまで孤独でも踏ん張ってきたんだから。
塾でも学校でも馬鹿にされることが多かった私は
卒業を解放の日と考えていた。
卒業式に涙ぐむ同級生の気持ちなど分からなかった。
結局、感謝や謝罪や友情もましてや恋愛感情など
本当には感じられないまま、
小学生以来忘れたまま、
中学校の卒業式を終えた。
そして、
もうすぐ高校の卒業式。
私は、
卒業式を
また
楽しみにしている。
私は
踏ん張った。
もう変な人と思われないために
頑張った。
返ってきたのは
最初は良かったね、の言葉。
結局人間は芯からは変われないらしい。
「成功する人は変えられるところを変える人だ」
先生の熱の籠ったひとつひとつの諭すような言葉など
ただ海の表面に吹く弱い風だった。
変えられないところを馬鹿にされるから
変えようと思うんだろう
それでも変われなくてまた人に言葉で刺されるから
人間関係は苦しいんだよ。
入試とはまた酷なもので
どれだけ孤独に耐えてこようが
いじめっ子の方が結果が良かったりすることもある。
これが現実だ。
仕方がない。
合計点を性格の悪さの数字じゃないかと
都合の良いように捉えようとする
自分もまた虚しくなって
ただ駅の反対側のホームから見えないところで
涙を零した。
報われない。
そうだ。
こんなもんだ。
青春の海は黒かった。
、、
少なくともほんとうにそこにいる時は
黒いのである。
ー冬晴れー
雪を雨が凍っているだけだと
思えない私は
天気予報の雪マークと
「降水があります」が一緒にいるのに
不自然さを感じる。
雪に傘はいらない。
少なくとも
私が歩くここは雪が滅多に降らないし
降っても雪だるまも作れないほどだから。
そんなこの場所にとって、
雪は、
めったにないから、
それだけの理由で
多くの人に喜ばれるらしい。
北海道でいっぱいの
白い雪を見たからなのか
踏んで茶色になって
すぐ辺りから無くなってしまう雪を
雪と思えない。
雨や雪には色は無いはずだ。
雨でもない雪でもないこれは何だ。
これは全部人に踏まれた跡だろう。
見た目やら運動神経やら学力やら
持ってるものやらの競走に疲れた私。
同級生の間の流行りに乗れない私。
これと
白い部分が少ないこの都会によく似ている。
なぜ大学は一人暮らしを選ばず
ここに居続けようと思ったのか。
それは、
これを雪ほど綺麗でもないけど
汚いとも思えない
自分の足跡を含む特別なものだと思えるから。
ー幸せとはー
私は
いつも疲れてるね、と人から言われることが多い。
小学生の頃の呼び名は
優等生。
今は
テキトーにやってるフリをしたがる
青春を捨てきれない真面目だそうだ
辛い時も特に何もしてない時にも
ふと考えてしまう
「 幸せってなんだろう。」
今から全部捨てるような年齢でもなく
幸せについて分かるほどの人間でもないことも
分かっている。
でも。何か、幸せの実感が欲しいと思ってしまう。
いくら勉強しても、何かで褒められても、
どこかがずっと満たされていなくて
素直に喜べない。
誰も味方が居ないほど
いじめられているわけでもないけど
悪口は言われる。
学校は休んだことがないし休みたくないけど
行くのは辛い。
こんな憂鬱がサイコロくらいランダムに繰り返し
訪れるけど
多分どこかで1回休みみたいな瞬間が訪れる。
そう言う時に初めて
自分が必死にこういう時に幸せを感じなくてはいけないみたいな勝手なルールを作ってることに気付く。
1回休みの瞬間にやっと違うルートが見えたのは、
最近のこと。
ー心の片隅でー
気づかれないままの
気遣いは、
どこで何をしているのでしょうか
ー失われた響きー
なぜ人は人の言葉が理解できるのか。
ここで他の生き物より
脳が発達してるからって答えに
私はちょっと物足りない。
言葉を使うのは人だけだと言うけれど
それは私たちが鳥や蝶や蛙や魚とか全部の生き物に
なれない限り
分からないかもしれない。
私はたまたま人に生まれただけで
どうして人が作り出した
音や文字から飛び出したものが
意味を持つものと、
大切なものだと分かり、
そして
何故意味がわかるまで
何もない言葉というものに
感動したり、嬉しくなったり、傷ついたり
するのだろうか
まぁ、でも、
現代に生きる人の間でも
人の言葉を伝えたり受け取ったりするのには
不器用さが残っているんじゃないか。
それは本当に人の言葉を理解出来てるかって
結局、それを伝えてる人に…
うん、なれやしない。
どうもこれがもどかしい。
想像するしかないんだろうが
やっぱり疲れる。
私はそうして1人でいたいと思っていたはずなのに
実際に1人でいると寂しくなる。
ブレない考え方を持ってるような人ではないから
一人でいると今度は自分に振り回される。
それを言葉にするしかないと、
こうして書いている。
でも、本当は自分も誰かに
自分の言葉を、
本当の意味でわかって欲しいんだと
わかって貰えるように表したいんだと
多分そう思っている。
その誰かが
誰なのかを知ることが出来なくて、
自分が信じるしかなくて、
そのままを伝える言葉も上手く使えなくて
また人に伝えることを諦めてしまうけど、
でも、いつか、
あの日に失われた、私のどこかにある
響きを、
そのままの響きで
誰かに伝えたい