ーカーテンー
君に言いたいことはそのままで、
でも
もうちょっと、
優しく、
伝えられるように、
少し光を含んで
ふわりと今日も
優しく君に
風を見せて、
風に乗って、
止まない風も時も
止められるくらいの
言葉を。
ー青く深くー
プールの底に
手は届いても、
青春なんてものに
手は届かない。
25メートル。
そこで待っていた君。
瞳は夏の水面より
細かく、明るく、深かった。
泳ぎ切ろうが
地上につこうが
ずっと浮ついた心を
空に吐いては
掴みきれない青さを憎んだ
沈みきった空に
残っていた青を無くした
今はただ空に
物足りなくなって
息を吸う気も失せるから
みすぼらしさを
愛して、青く、深く。
ーもしも君がー
もしも君が、
光の前に影しか見えないと苦しんでいるなら
「かげ」をそっと教えてあげよう
昔の人は
「かげ」を光と影の両方として使っていた
どちらも光が作り出すもの。
ある人が
光。影。
そう区別しただけ。
明るい。暗い。
そこに良い意味と悪い意味を加えたのも
人なのであって
君はこうして生きているだけで
地面にかげはちゃんといるのに
自分から暗闇に逃げてしまう
かげは
君を止めたいんじゃない
悲しませたいんじゃない
かげは
君を後ろから支える光だ
ー夢見る少女のようにー
いつからだろうか
素直な人を見て
自己嫌悪するようになったのは
真面目に努力してる人を見て
白けてしまう
そんな自分も好きでいたいような
擦れてできた傷も馬鹿らしく思う、そんな
ひと。そう、ひと。
ひとなんて汚い、そんないつか言った言葉が
まるで焦げきった甘えに変わって
虚しさがむしろ心地良い様な
朧気な感覚で
何かを求めている。
「そんなので
何が得られるんだ」
夢見る少女が
健康な人なのか
そう苛立ってしまうが
この悪夢も覚めてしまう
それはそれで虚しいが
よく寝た朝の様に
なぜか満たされてしまった
ー雨上がりー
私は外に出たらすぐ晴れたり
逆に家に帰ったら急に雨が降り出したり
降水確率90%位だったのに
晴れて欲しいなぁと思ってたら
晴れたりすることがよくある。
晴れ女なんて性格じゃないから
偶然だろうって思ってしまうけど
今日みたいな
雨の次の日の
晴れた1日を終えた
さらさらした風に当たっていると
空も息をしている気がする