君が窓を背にして立っている。
煌々とさす月光と打ち付ける雨。
またか。
僕はただそれを見ている。動かない。動けない。
視線を下げて、上げると、景色が変質した。
熱帯雨林と愛犬の声。
うずまき銀河とスズメの群れ。
雲上の国と黒い出目金。
最後にあの日の景色になった。隣に君がいる。
そんなはずはないのに。
目の前に君の安らかな寝顔があった。透明な樹脂をすり抜けて頬を撫でた。温度はわからない。
踵を返して席につく。
花まみれの背景と横たえられた棺。
君はいつの間にかいなかった。
3/27/2026, 1:50:48 AM