『たまには』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
たまには、、、。
夜になると昼の自分とは違う自分が出てくる。みんなが寝て薄暗い部屋の中1人で考える。その日の出来事が頭の中で再生されて、にやけたり不安になったり。
その時間が1日の中で1番好きな時間。日中なら照れくさくて書けない日記やポエムもこの時間なら書ける気がする。だが夜に書いたところで次の日に見返すと恥ずかしくなってしまうから実際に書いたことはない。でも、たまには文として目で見て読めるように残すほうがいいのかもしれない。自分のそのときにしか抱けない感情をそのまま心にしまっていつか忘れてしまうのはもったいない。すごく心が整理されているとき、特別な感情を抱いているとき、そういったときだけ書いてみるのもありだろう。私は今がそのときである。だからここに1つの感情を書き出すことにした。
私は彼を手放したくない。
いや、そもそも掴めてすらいないのだ。
ずっと追いかけていた、ただそれだけ。
私が遅すぎるのか、それとも彼があまりにも早すぎるのか。
彼の姿はいつの間にか私の視界から消えていた。
『たまには』
たまには
会いに行こうかな
無機質な病院の中で半生を過ごしてきた
名ばかりの母に
大好きなサンドイッチを差し入れにして
缶コーヒーは微糖だったかな?
底なしの欲望
手に汗握る交渉で
やっと手にした生命は虚ろ
笑えない 悪魔の傀儡な断末魔
宵の隙間に姿を消しては
後悔 と指先辿って
誰もあとを見ない
心の臓がたった今に止まるまで
浅い接吻を ただ 終わらせないで
『暮れていく』
日中笑顔になり過ぎて 日が暮れて寂しくなってしまった 水槽のどじょうを見つめて あぶくが消えるのを待っていた 明日の匂いがするのに まだ私は明日になれない
耐えないの
思い込みで絶えそう
すぐ近くには絶頂がいる
成功もすぐそば
逆光の脚色
逆さの意志
無意識のミルフィーユ
自分が自分に逆らって
自分のことがわからない
それがいちばんつらい
怖いだけ
安心させて
ずっとこうしていたい
許されてる
自分で自分を許す度胸がないの
安心させて突いて
出して出させて
最大の脱力
大好きの気持ちが1番の執着
それ以上のものなんてないわ
だからそれ以上に怖いの
自分しかそれはとれない
だれかこの恐怖心をとってよ
誰かがしてくれ得るのはいっとき
依存とはそれのこと
大好きは時間の経過と共に
最大の執着になっていく
今怖いがない大好きが
どれほどの絶頂か
やらなきゃにすがって
自分の価値の保険
出したい出したい出したい
自分で感じたい自分で感じたい自分で感じたい
自分で意思を持ちたい
自由になりたい
なりたいものに貪欲に
やらなきゃは違うの合図
宇宙がやるなと言っている。
依存を絶って
苦しいべっと
自分を出す
おそれか愛か 曲名
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表裏一体
たまにはサボったっていいじゃないか。
悪魔の囁きに耳を傾けてはいけない。
あれよあれよと言う間に、『たまには』が取れてずっとサボってしまう。
今までに何百回と繰り返したから知っているんだ。
たまには
たまには、自分を甘やかしてもいいと思う。
毎日毎日仕事、学校、家事、育児 一生懸命やるのも
大事だけど、息抜きも必要。
いつも一生懸命な自分をたまには甘やかして
好きなことに思いっきりぶつかっていけばいい。
自分がこうしたいと思ったことを誰かが否定したとしても
やりたいことなら突き通せばいい。
何も恥ずかしいことなんてない。自分らしく生きていこうよ
「たまには、こんな日があってもいいよね。」
今日、一日を振り返って、言い訳するように呟いた。
別に悪いことをした訳じゃないけど、なにもしなかった日には無意識に罪悪感が募るものだ。
時間をただただ浪費したみたいで少し後悔があった。
取るに足らないほどの感情だったけど、言い訳がわりの独り言ぐらいは言っとかないと、不満が喉に突っかかる気がして何となく不快だったのだ。
「別に、たまにでもしょっちゅうにでも、こういう日過ごしてもいんじゃないの。」
独り言のつもりだったけど、ルームメイトの彼女はご丁寧に返事をしてくれたらしい。
スマホから目線を外すことはしなかったけど。
冷たいのか優しいのかはっきりしないやつだな。
「別にいいんだろうけどさ。なんか、罪悪感湧かない?」
「いや?いつも私ら息してるだけで頑張ってるからいんじゃない。」
「確かに…。一理あるわ。」
「だろ。」
「うん。やっぱあんたと友達やってて正解だわ。」
「なに急に、キモイな。」
「……前言撤回。友達やめるかウチら。」
褒めてやってんのにキモイとは何事だこいつ。ムカつくな。
「別にそれでもいいよ。あたしが出ていくことなって、家賃折半する相手いなくなってもいーならね。」
さっきまで、こっちの方見なかったくせに、片方の口の端だけ上げて意地悪く笑う顔は心底憎たらしい。
ほんと、人のこと揶揄うの好きだな。
憎たらしいけど、軽口を言い合える彼女との関係が嫌いなわけではない。
さっき言った友達になってよかったって言うとこも本音だ。
恥ずいから、真剣には面と向かって言ってやんないけど。
「まじうざいお前。」
口論では勝てそうにないから、不満だけは言っておく。
「んな事言っても、好きなくせに。」
「黙れ、喋んな。」
口から出る言葉はほとんど悪態に近いけれど、やっぱり、私のしょうもない独り言を拾って肯定してくれる彼女と友人になれたことが良かったと思ってしまう。
やっぱこいつのこと人として好きだな、なんてことに気づいてしまう、少し悔しい、そんな一日の終わりだった。
―――親友
お題【たまには】
たまには
雨に打たれて泣いちゃうくらい落ち込んだら、君に会いに行くための準備をする。そんな衝動を感じるたび、君を思い出す。浅瀬の前にいる君が遠のく。曖昧なさよならがずっと尾を引く。風を待って、通り雨が降る。何気ない隙間に残る情景を、会いたいと願うのに忘れていく、そんな日々。冷たい感情には君が住む。
珍しく早起きした朝。天気が良いので散歩に出てみたが、案外悪くない。人より少し瞳の色素が薄い自分は、太陽の光が一段と眩しく感じられる。
見慣れた道を歩いていき、いつもとは一つ違う曲がり角に入るとそこは別世界のようだ。
知っている場所を歩く安心感とは対称的な高揚感を抱きつつ、足を進める。
「あれ、偶然だね。早起きしてるの珍しくない?」
「そっちこそ。」
見知らぬ道で出会った、よく見知った人。
近所に住んでいるとは知っていたが、こんなところで会うとは。
「ねぇ、これから一緒にご飯食べようよ。」
たまにはこういうのも悪くないか、と思いつつ、片想い相手からの魅力的な提案に首を縦に振った。
何かに追われる日じゃなくて、
何かを追う日が欲しい。
#たまには
#たまには
深呼吸して、
周りを見渡してみるのもいいんじゃない?
いつも行かないような公園とか山とかいってみてさ
そういうとこが無理なら
早朝のベランダでもいいよ
ぐっと伸びをしてさ
それとも逆に
引きこもってみて一日寝てみる?
休み潰れて勿体ないなとかどうでもいいから
洗濯日和だなとかすらどうでもよくて
ただグダグダ過ごしてみるのもありだよ
毎日頑張ってる君に
上手い気分転換になる事があるといいね
夜更かしもいいよね?
毎日同じことの繰り返し。
生きているから仕事をするのか、
仕事をするために生きているのか…
それすらも解らなくなってくる。
自分を押し殺してまで仕事したらあかんよ。
一度きりの人生、笑って生きたいやん。
接点こそあまりなかったけれど、
心奥に触れる言葉をくれたヒトはもう、いない。
惰性で続けることに何の意味があるんだろ?
疑問符を打ち消すように無の感情で日々のルーティンをこなす。
「1抜けた」が言えなくて
明日も取り繕う私が視える。
現実逃避のための夜更かし
本当は目を閉じて夢を見ていたいだけなのに、
滅多に「好き」と言ってくれない彼女が、僕が誕生日の日だけは「好き」と沢山言ってくれた。
彼女に理由を聞くと、
「たまにはいいでしょ?」とクスッと笑いながら言ってくれた。そんなところも大好きだ。
あれ欲しいこれ欲しいとか、
あれ食べたいここ行きたいとか、
あれしたいとかコレ見たいとか、
無条件で「いいよ」って言ってくれて、与えてくれる人いないかな、ってそういう叶うはずのない妄想に逃避したくなる時がある。
たまにはね。
END
「たまには」
自分で考えて、行動しているけど。
学校やら。職場やら。色んな物や人に少しずつ縛られて、だんだん自分が自分じゃないみたいだ。
幼い頃はそんな風に考えもしなかったのだけど。
高校時代から人間関係の面倒臭さに気がついてしまったから。合う友達より、合わせてた友達の方が多かった。本音なんて言えるはずもない。
親友と呼べる人はいるけれど、一人の時間も欲しいタイプの私はストレスが限界値に達すると一人旅に出かける。
最初は一人なんて、恥ずかしいとか思っていたけど。
なにより気楽なので、周りとの会話で頭を使うこともなく。気疲れも無い。
使わない分の気力体力は五感に使える。
その分美味しい御飯や美しい景色が鮮明に記憶に残っている気がするのだ。
人間どうしても一人では生きてはいけないけれど、たまには一度リセットして。
自分を癒やす旅もなかなかいいものだ。
と思っている。
「たまには、自分に素直になってもいいんじゃない?」
私はあなたに少しだけ強く言ってしまう。
あなたはまた自信のなさそうに、私のことを見る。
素直になっていいのか不安なのだろう。
昔から自信の無い人と分かってはいた。
それでもあなたがふと見せる笑顔に私の胸が高鳴るのを感じてここまで一緒にいることが出来た。
「あなたは頑張りすぎなのよ。もっと自分を褒めるべき」
「そうかな」
褒められていないのか、恥ずかしそうに顔を隠す。
その姿を見て私は、やっばりあなたのことが好きなんだなと思う。
たまには/
たまには
手を繋がないか、と言いたかったらしい夫が
ほれ、
とだけ言って私の左手の前で手のひらを振る
小さいころ
こんな子いたなあ、
ベルならして私の名前呼んで玄関の前でまってる
こちらが出てくるとすっかり焦(じ)れて
ばっと駆け出す
遊ぼうよ、などとはついぞ言わない子だったが
あの子もこのひとくらいになって
奥さんとか
娘とか
いるのかしら──
何考えてるの、と言われて
いつもは大してかわいくない夫の顔が
誰かにかさなり
なんでもないよ、と笑って
こっちから手をつかみ、ぶんぶん振って歩いては
もうやめろ、と言われて
うちに帰った日。
ぼくはシオタ。まっしろでシオみたいだから、シオタ。
ご主人様は、ちょっと腰が曲がったササキのおじいちゃん。
ササキのおじいちゃんは、いつも同じ時間にさんぽに連れていってくれる。おひさまが赤くなり始める時間に、家から出てきてぼくをさんぽに誘ってくる。
時間が同じなら、さんぽコースも同じ。家から左に出て、川沿いを歩いて、橋と反対方向に行って、チワワのハルちゃんがいる家を右に行って、ぐるっと一回り。
たまには別の道を行こうよ、って首に繋がれたヒモを引っ張るけど、ササキのおじいちゃんはそんなの知らんぷりする。
ササキのおじいちゃんの考えは分からないけど、別に同じ道じゃなくたっていいのになーって思う。
「シオタ」
それでも、同じ道だと分かっていても、ぼくはササキのおじいちゃんに誘われたらついていく。ぼくを連れ出してくれるのはササキのおじいちゃんしかいないし、ササキのおじいちゃんのさんぽ相手もぼくしかいないから。
だから、長生きしてね、おじいちゃん。ぼくは、おじいちゃんとふたりで歩くさんぽコースが好きなんだ。
こんな日があっていいよね、たまには。
何もしない。
何も考えない。
空っぽになる日。
余計なものが排出されたら、
また新しいものを吸収できるから。
深い呼吸だけ。
あとはほったらかしにしよう。
食べたくなったら、食べる。
飲みたくなったら、飲む。
眠たくなったら、眠る。
世界一わがままな自分でいよう。
たまにはね。