珍しく早起きした朝。天気が良いので散歩に出てみたが、案外悪くない。人より少し瞳の色素が薄い自分は、太陽の光が一段と眩しく感じられる。
見慣れた道を歩いていき、いつもとは一つ違う曲がり角に入るとそこは別世界のようだ。
知っている場所を歩く安心感とは対称的な高揚感を抱きつつ、足を進める。
「あれ、偶然だね。早起きしてるの珍しくない?」
「そっちこそ。」
見知らぬ道で出会った、よく見知った人。
近所に住んでいるとは知っていたが、こんなところで会うとは。
「ねぇ、これから一緒にご飯食べようよ。」
たまにはこういうのも悪くないか、と思いつつ、片想い相手からの魅力的な提案に首を縦に振った。
3/5/2024, 4:05:18 PM