3/6/2024, 1:57:24 PM
※実在の人物を元にしたフィクションです
友達ではあるけれども、グループ、いつメンと言われると少し違うような気がする関係の彼ら。
いつの間にかそんな三人と歩んできた日々は、もう赤子が小学生になるよりも長い年月になっていた。もしかすると、十年以上経っているのかもしれないが、初めての出会いは今でも鮮明に覚えてる。
不思議と喧嘩をした事がないのは、全員が大人として少し線引きをしているからだろうか。
学生時代の友人と大人になってから遊んでいる訳ではなく、大人になってから出会ってからだろうか。
いくら考えても答えは出なかった。
しかし、5万5000人のファンで埋められた景色を見るまで一緒に続けられたのは、俺達の間に確かな絆があったからだろう。
それだけは確信している。
3/5/2024, 4:05:18 PM
珍しく早起きした朝。天気が良いので散歩に出てみたが、案外悪くない。人より少し瞳の色素が薄い自分は、太陽の光が一段と眩しく感じられる。
見慣れた道を歩いていき、いつもとは一つ違う曲がり角に入るとそこは別世界のようだ。
知っている場所を歩く安心感とは対称的な高揚感を抱きつつ、足を進める。
「あれ、偶然だね。早起きしてるの珍しくない?」
「そっちこそ。」
見知らぬ道で出会った、よく見知った人。
近所に住んでいるとは知っていたが、こんなところで会うとは。
「ねぇ、これから一緒にご飯食べようよ。」
たまにはこういうのも悪くないか、と思いつつ、片想い相手からの魅力的な提案に首を縦に振った。
3/4/2024, 4:43:55 AM
子供の頃、姉が楽しそうにお雛様を母と並べていたのをぼんやりと見ていた。
あれからもう何十年経ったのだろうか。
今は最愛の人と娘が二人でお雛様を並べている姿を、俺は息子と一緒に眺めている。
昔は無表情に見えた雛人形が、柔らかな笑みを浮かべているような気がした。