『こんな夢を見た』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
こんな夢を見た。
白い砂浜。浅瀬。
海へ顔を向けてまっすぐ立っている。
日は高く、海面が白く光って見える。
「今日の晩ご飯は肉じゃがにしようか。」
隣で男の声がする。
「でも…こんにゃくを紐にするのは大変だし。」
海を見つめたまま、返答する私。
「そんなの、とって来ればいいじゃないか。」
男の声は当たり前のように答える。
「どこから?」
男は耳元で囁く。
「とってきてあげる。」
私の左耳を波飛沫が掠め、海に大きなイルカが跳ねていった。
『こんな夢を見た』
プールいっぱいのあんこ。表面はしっかりと粒が立っていて、甘い香りが漂ってくる。
どうしたことだろう。私好みの粒あんが、あろうことか25mプールをいっぱいにしている。
母校である近所の中学校のプールは、本来この時期水が抜かれて空っぽのはずだ。冬場は水の代わりにあんこを詰めておくなど聞いたことがない。いや、そんな馬鹿な話あるわけないのだ。
このあまりにおかしな状況をどう受け止めようかと辺りを見渡したものの、夜の学校にひと気はない。
どこからか猫の声がするようだが、この夜の闇の中ではその姿を捉えることもできない。
ただ、プールの粒をぼんやりと浮かび上がらせる唯一の光は今にも落ちてきそうなほど大きな月の明かりだけだ。
そこで私は1つの欲望を抱いた。
履いていた靴下を脱ぎ、羽織っていた上着を脱ぎ捨て身軽になった私は、プールの縁にかかとを掛けるとそのまま背中からあんこの海に倒れ込んだ。
「ボテッ」というような思ったより重たい音がしたが、何故か体は痛くない。むしろゆっくりと沈み込んで行く感じが心地いいときた。
あっという間に埋まってしまった手のひらを水面に出す。いや、この場合は水面ではないのかもしれないが……
まぁいい。そして、その手で掬えるだけのあんこを掬って口に運ぶ……
ん、ちょっと待て。
私はあんこを持ったままの手を止めて、視界に映った白くて丸いものを見つめた。
あんなところに美味そうな餅があるじゃないか。あの白くてまんまるいかたまりは、このあんこを食べ切るのに丁度いい大きさと見た。あんこに餅。最高の組み合わせだ。
私は頭上に向かって目一杯手を伸ばす。
もう少しで手が届きそうになった私の口元には、すでにだらしない笑みが浮かぶ。
その時。何やら大きくて黒いものが私の顔に落ちてきた。
さっきまで漂っていた甘い香りとは打って変わって、妙に嗅ぎなれた獣臭がする。
いや匂いがどうこうと言っている場合ではない。人間一にも二にも息を吸わなければ始まらない。
口を塞がれてバタバタと手足を動かす私の耳元で、どこかの猫が鳴いた。
だが私がその事に考えを巡らせる前に、私は限界を迎えた。
目を開けると顔の上に飼い猫が尻を下ろしていた。
私がそれを持ち上げると猫が不機嫌な声で「ニャー」と鳴く。
「あと少しで美味そうなあんこ餅が食えたっていうのに、お前ってやつは……」
私が自分に文句を言っていると知って知らずか、猫がもう一度声をあげた。
とまぁ今日はこんな夢を見たわけたが、一月ももう終わろうとしているのにまだ気分は正月のようで情けない。
この時期にこたつでうたた寝なんかをすると、よくこんな滑稽な夢を見る。きっと浅い眠りのせいだろうが、せめて最後は欲を満たして目覚めたいものだ。
それにしても、随分とあからさまな夢の中にいるにも関わらず、目覚めるまでそこが夢の中だと気が付かないというのは一体どうしてなのだろうか。
いや、夢と知らずに食う餅の方がきっと美味かろう。
#8 こんな夢を見た
彼と一緒にいた
絶対ありえないのに
ずっと夢の中にいたかった
「こんな夢を見た」
ふと目を開けると、そこに広がっていたのは……見たこともない景色だった。
……いや、景色と呼んでいいものかも怪しいほど、無機質な空間だった。
そこにあるのはワンセットのテーブルとイスだけ。
壁も天井も無く、空も無い。
床を見ると足元には波紋のようなものが拡がっている……水面なのだろうか?
しかしながら沈むような気配もなければ、足を強く踏み込んでも水飛沫があがる様子もない。
立っていても何も起こらないので、とりあえずそのイスに座ってみる。頭の中で100ほど数えたあたりで、深いため息が思わずもれる。
「座っても何も起こらない……」
いや、じゃあ一体どうしたらいいんだ……?
というかこの空間本当になんなんだ……
非現実的なあたり、多分夢なんだろうけど、だとしてもこの夢はなんなんだ……
何もない空間の夢には、確か物事の整理が出来てるだとか、新しいことが起こる?だとかそんな意味があると、友人は言っていたっけ。
「だとしてもこれはちょっとなぁ……」
静かすぎるし何もなさすぎて、逆に疲れている感じがする。
「いっそ寝てみたら醒めたりなんて」
「しないぞ」
「しないのか……ん?」
周囲を見る。しかし声の主は見当たらない。
「足元だ。よく見ろ」
言われるがまま見てみれば、そこに居たのは……
「……はっ!」
勢いよく起き上がる。冷や汗で全身びしょびしょだ。
「……やっぱ夢か……」
自分の足元にいたのは、大怪我をした自分だった。
「夢、だけど。気をつけろよってことかね……」
後日、「こんな夢を見た」と友人に相談してみたところ
「まぁ怪我に気をつけときなー」
と軽く言われて終わった。
ちなみに、それから数年経っているが今のところそんな大怪我をした経験はない。
……ホントなんだったんだあの夢……?
「こんな夢を見た」
なんとも言えぬ夢を見た
霧のようなものたちが
あたり一面立ち込めて
そこに出てきた塊が
突然 語りかけてきた
もう1人の自分だと
姿はぼやけて見えないが
不思議と恐怖はなかったが
心にモヤがかかってく
何を伝えにきたのだと
深く深く沈んでく
詠歌
こんな夢を見た
大きな鳥居がある。50メートルはゆうに越すほどの大鳥居だ。その鳥居はテーマパークのなかにあった。
どうやらテーマパークのエリアのひとつのようだ。
鳥居は登ることができて、鳥居の足元からよじ登れば、他のエリアを見通すことができた。
向こうに見えるエリアは、大きな要塞のような石造りの砦。砦は海の一部を囲うように作られていて、囲んだ海の上で水上ショーを行うようになっていた。
砦内部にはお土産物屋さんがあり、テーマパーク全体のお土産が集約されて売られている。
海の上は大きな水車がついた船が走っている。テーマパークの移動手段のようだ。その船や古びた高架電車などによってテーマパークのエリア間の移動ができるようになっている。もちろん、自力で泳いで渡ってもいい。
泳いで行った先には、ジャングルや湿地帯をイメージしたエリアがあった。名物は水上コースターのようで並ぶのに時間がとてもかかった。水飛沫が常に自分の顔を濡らし、コースターを楽しむ悲鳴がよく聞こえる。もうそろそろ、自分の番。乗り物である丸太に乗り込んで、出発──
意識が持ち上がり浮上する。
瞼を持ち上げ、光を確認する。窓からは朝日が小鳥の声と共に飛び込んでくる。
…いつもの遊園地の夢か。と、重い頭を起こす。
夢の中の遊園地、見るたびに広がっていくんだよな。
どこまで広がっていくんだろう、楽しみで仕方ない。
僕はこんな夢を見た
マンションから飛び降りて
風を感じて
美しい建物が上っていくのを。
本物の僕じゃ出来ないことを
夢の中の僕はしてくれた、
自由を手に入れたんだ。
いつもと一緒の夢。
特に変わったこともない、仕事場で仕事をこなす日。
職場では同僚が手を動かしながらも仲良く軽口を叩き、たまに笑いが出る。
上司も珍しくずっと席にいて、話に加わる。
程々に忙しく、程々に働く。
デスクは綺麗で、窓から青空が見える。
何の変哲もない、仕事をする夢。
何もなく、朗らかな日の夢。
しかし、目が覚めたら、「いつもと一緒の夢」と思ったことが勘違いだったことに気がつく。
夢の中では仕事が嫌だと言い合っていても、その時間すら宝物であった。
目が覚めると、普通の日は貴重であることを実感する。
今日も職場は戦場なのだ。
気を引き締めていこう。
こんな夢を見た。
『黄金時代』
泪で枕が濡れている 黄金時代の夢を見た 見事な髭を蓄えた紳士が闊歩する 紅い絨毯は思わずひれ伏す
大団円はもう近い 英雄と悪役が手を取り合っているよ 目覚めたら東京の朝 小鳥が窓をつつくだろう
まだ妹が生まれてない頃。
私と母と父の三人で車に乗って、ドライブに出掛ける夢。
夢だから場面がすぐに切り替わって、車に乗り込んだ瞬間にはもう、目的地に到着していた。
目的地といっても、本当にそこに行きたかったのか分からない。誰も喋らないし、私達以外誰もいない。
私達は既に車から出ていた。
私達は山頂にいるようだった。 柵のない駐車場から下を覗けば、辺り一面雲に覆われていたからだった。
駐車場から反対方向に緑色の鉄骨製の橋みたいなものがあって、私達はその場所へと進む。
その橋は車が1台分走れそうな広さだった。どうや
ら作りかけのようで、橋は途中で途切れていた。
そして私はその場でしゃがみこみ、橋から下を覗く。
そこで目が覚めた。
不思議なことが、2つ。
○小さい頃にみた夢で何故かこれだけ鮮明に覚えてる。(10年以上前)
○途中から4人になる。(自分が幼い私をみてるような感じ。)
所詮子供の頃の夢だから何にもないけどね。
「オレを見て。」
あなたは、オレに背を向け、去ってゆく。
オレだけを見て。
なんで、あなたは他のヤツを見るの。
ありのままのオレを見てくれるのは、あなただけなんだ。
オトコだけど、かわいいものが好きで、きれいなものが好きで、
オンナのコみたいな、かわいい格好が好きで、オトコは恋愛対象じゃない。
でも、オンナになりたいわけじゃない。
そんなオレを受け入れてくれたのは、あなただけなんだ。
だから、他のヤツを見ないで。
オレのことを見て。
「オレだけを……見てくれよ。」
涙が零れる。
目が覚めた。
眩しくて、目を細める。
あなたは、オレのとなりに座っていた。
あなたは、微笑む。
優しい眼差しをオレに向ける。
そして、優しく抱きしめられる。
「怖い夢を見たんだ。」
「そうなのね。」
「うん、あなたが去ってゆく夢を見たんだ。」
夢みたいに、オレの置いて、去ってゆくようで、
あなたの顔を見るのが少し怖かった。
視線を上げられなかった。
「わたしは、貴男のもとを去ったりしない。
だって、貴男を心から愛しているから。」
「ありがとう。」
嗚咽がとまらなかった。
安堵や嬉しさが混ざった、感情が溢れてきた。
言葉には表せられない、あなたを深く愛している理由が
今、分かった気がした。
テーマ『こんな夢を見た』
父親に脅される夢を見た
拳を腹部に押し付けられて、めちゃくちゃ怖かった
私はブチ切れて、なにか抵抗していた気がする
よくは思い出せないが、リアルで父親が苦手なことはあるかもしれない
#9『こんな夢を見た』
二人出会ってしまった奇跡さえ夢ならば
眩しすぎる朝を厭がることもなかったのにね。
「せっかくの夢の中だよ」とはしゃいでる、その横顔を朝まで見つめた
空を飛んだ。
風船を持って飛んだ。たった1つの風船。それでも、その風船は自分を飛ばしてくれた。星がよく見える雲の上まで。あと少しで届きそうな光だった。
誰かと話した。
何を話したのか、誰と話したのか、どこで話したのか、なんて。覚えていないけど。ただ、これだけは。とても安心して、温かかったことは覚えている。
朝だ。思わず、もう一度目を閉じる。
現実とは違う。
だからこそ、自分は夢をみる。明日も変わらず朝が来てしまうように。
_こんな夢を見た_
疲れた。誰もいない電車の席に座っている。今の会社に入ってもう3年経つ。毎日残業続きで、最近はろくに食事もできてない。家は寝るためだけにあるようなものだ。正月やお盆休みにも帰れていない。親からも正月ぐらいは帰るように言われているが、とても帰れそうにない。……まだ駅まで時間がある。少し寝てしまおうか…
_____________
「僕の将来の夢は、警察官になることです!警察官になって、皆を守る人になりたいです!」
子供が手に持った作文を読み上げている。教室の後ろには子共達の親らしき人が並んでいる。あぁ授業参観か。発表の終わった子供が拍手を貰い、恥ずかしそうにしていた。どこかで見たことあるような子供だ。上司の子か?座った子供に変わり、次の子が作文を手に立ち上がった。あれ…あの子供…。その子供は恥ずかししながらも声を張って読み始めた。
「僕の将来の夢は、学校の先生です。理由は…」
_____________
次は◯◯駅ー◯◯駅ーお出口は右側です
聞き慣れた声で目を覚ます。家の最寄り駅についたそうだ。荷物を持って立ち上がる。電車を降りて、改札をくぐる。ふと、壁に貼ってあるポスターが目に止まった。
【◯◯大学 教育学部】
学校の先生や保育士を目指す人達が行くような大学のポスターだった。
「学校の先生…」
それはかつての俺の夢だった。きっとさっきの夢は俺の昔の記憶なんだろう。授業参観の日に恥ずかしがりながら読んだあの作文。読み終わった時に、自分に向けられたあの拍手。きっとなれるんだとあの時は思っていた。だが、いつからか夢を追いかけるのを辞めていた。
「なんでだろうなぁ…」
そう思いながら帰路につく。
「………教師って今からでもなれるかなぁ」
スマホを取り出して調べてみる。働きながら学校に行くのは大変だろうなぁ。まぁ…仕事辞めるか。趣味も何もなかったから金はあるし。少なくとも今の会社は自分にはあってない。
「…もう一回、目指してみるかなあ」
なれるかなんてどうでもいい。ただ試してみたかった。
「とりあえず、ビール買って帰るか!」
仕事を
しても
しても
しても
しても
しても
はぁ、
また
出来てない
もっとこうして
って怒られた。
でも、
仕事をしていて
楽しいことも
充実してることも
あるのは事実で
それで
結局
辞めたくなくて
仕事を続けて
また、
怒られて。
もう
こんな仕事
辞める!
って思ったら
朝だった。
#こんな夢を見た
「こんな夢を見た、っておまえわかるか?」
君がそう切り出した。
妙に真面目くさった顔をしている。
「夏目漱石?」
すぐに影響を受ける君は、どうやら最近「夢十夜」を読んだようだ。
僕はそんな君の出鼻を意地悪くくじく。
「ああ。知ってるのか?」
「うん。高校の教科書に出てきたから」
「へえ」
なんだ、つまらん。
君は興醒めしたようで、そう言ってあさっての方角を向いた。
「僕は結局よくわからなかったよ、あの話。死んだ女にまた会うとか、百合の花とか」
「そりゃ夢だからな。支離滅裂なもんだ」
「そういうものか」
「そういうものだ」
僕はリアリストだけど、君はそうじゃない。
支離滅裂な誰かの夢にも、そういうものだと入り込む。
話の中でもう一つどうしても理解できないことがあった。男が言われるまま、女を百年待ったこと。
「僕なら死んだ相手のために、百年も待ったりしない」
「俺は待つだろうな」
「じゃあ僕が先に死ぬよ」
「それがいい」
僕が間違っていたのかもしれない。
主人公は君で、きっと僕は待たせる側なんだろう。
そしたら君は、夢を見ながら待っていてくれるんだろ。
その後で、僕は支離滅裂な君の夢を聞くんだ。
こんな夢を見た
私は屋上(?)に居た。
見下ろすと、いかにもキュビズムな、ピカソが描いたような、ビルの骨組みに似た白い棒の上に私は立っていた。
棒は直方体を形作っている。よく見ると所々に板が敷いてあり、そこに人とは違った何かが生活をしているのが見えた。
私は足元を軽く蹴って、ゆっくりと降下する。
着地したのはピンク色のアタマとカラダを持つ芸術家が、作品を作るための場所だ。
ふと気になって、芸術家に尋ねる。
「アナタは何を作っているの。」
ふむ。と一言置いて、芸術家は話し始めた。
「ワタシは色々なものを作る。けれどもそれに理由は無いわ。」
「それならなぜ作るの。」
「うむ…。それを知るために作るのかもしれない。少なくとも、今のうちは。」
芸術家の話を聞き終えて直ぐ、強風が吹く。
バランスを崩して真っ逆さまに落ちていく。
…
……。
見慣れた天井。暑さに汗ばんだ体。7時ピッタリを示した時計。
朝だ。早く準備をして学校に行かなければ。
朝食を済ませ、とっとと制服に着替える。
そういえば、
夢って起きたら直ぐに忘れてしまうけど、不思議と今日の夢はまだ覚えている。
何故なのだろう、特別なことは何も無かったのに。
まあいいか。
ドアを開けて学校に向かう。
あなたが死んでしまうんです。私の手によって。
私はおそろしくておそろしくて、何度もあなたを確認しました。あなたは確かにここにありました。
今日はあなたを抱きしめて寝かせてください。
おそろしかったと震えるあなたを突き飛ばせたらどれほどよいでしょう。
私が怖いと言っても聞かなかった癖にまるで子どもみたいに。
いつかあなたの夢が本当になるとき、痛みが少なく済みますように。