『この道の先に』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
この道の先に
あの人はどこかで迷子になっていないかな?
とても優しいのにどこか抜けているところがあったから
その絵はとても強く印象に残っている。
夏休みの宿題で絵を描くことになった。
テーマは「自分の好きな景色」
夏休みも終わりに近づいたころ、急いで描いた私は
家族旅行で行った旅館からの景色という、テーマに全く沿っていないような絵を描いた。
そして9月になり、学校でみんなの絵を鑑賞した。
そこに飾ってあったのが、まなちゃんの絵。
その絵は曲がり角の道を描いていた。
夕暮れの時間、駄々をこねるような残った暑さの中、河川敷の土の道を、少し走りながら歩く。きっとこれは家に帰る途中の景色なのだろうと、実際の景色を見たことのない私でもすぐに感じた。まるで蝉の声でも聞こえてきそうだった。そして同時にこの道の先を見たい、と思った。一体この絵に書いてある道には何があるのだろうか、どんな景色が待ってあるのだろうか。強く興味が湧いた。まなちゃんの道の絵はそんな力を持っていた。
この道の先はどんな景色があるのだろう
敷かれたレールからはみ出さずに歩ける人間は世の中そう多くない。良い子でも良い大人でもなかったけれど、それでも何となく軌道に沿って生きてこれた。そんな自分の隣に何故今、レールの方を捻じ曲げて走ってきた人がいるのだろう。普通に歩いていれば、あるいは多少横に逸れたところで自分の軌道にこの人が突っ込んでくることはなかったはずだ。道理の通らない衝突事故。この人曰く奇跡らしいが、おかげでこっちのレールはひしゃげて行先もわからないのだから迷惑極まりない。そんなわけで今日も肩を借りながら貸しながら、ボコボコに荒れた道を歩く。隣には確かに体温。地に足ついている、生きている実感がある。そう思ったのはもしかすると人生で今が初めてかもしれなかった。
(題:この道の先に)
自由に、なににもしばられずに生きることがすべて
自由に生きるということの先に自分の未来があると思う
「わーっ!懐かしいなぁ」
大学生1年生夏休み。
私は、バイトで貯めたお金を使って、小学生の時に住んでいた故郷に訪れていた。
今住んでいる都市とは違い、故郷は所謂田舎っぽい町だったけれど、自然あふれるこの町が私は大好きだった。
ずっと遊びに行きたいと思っていたけれど、母は乗り気じゃなかったし、自分の足でもなかなか来れなかったから、やっとの思いでの里帰りだ。
「放課後はいつもここで集まってたなぁ」
訪れたのは小さな公園だった。
あの頃遊んでいたお気に入り遊具には、今では使用禁止の張り紙が貼られていて、なんだか寂しい気持ちになった。
小学生の時は、放課後はここに集まって、友達とゲームをしたりボール遊びをしたりして、毎日日が暮れるまで遊んでいた。
「あの頃は楽しかったなぁ、みんな、今頃どうしているだろう」
あの頃はまだスマホよりもDS主体だったので、結局、引っ越しを機に友達とは疎遠になってしまった。
「……そろそろ帰ろうかな。あっ、あの駄菓子屋さんまだやってるかな?帰りに寄っちゃお!」
あの駄菓子屋さんとは、公園の近くにあった駄菓子屋さんのこと。
年老いたおばあちゃんが1人で経営していて、遊びのお供に友達とよくお菓子を買いに行っていた。
たまにお菓子をおまけしてくる、優しいおばあちゃんだったのをよく覚えている。
「この道の先、たしか、あの角を曲がれば……!」
角を曲がれば懐かしい駄菓子屋さん
が、あるはずだった。
駄菓子屋さんのあった場所は、建物が取り壊されていて、更地になっていた。
「ここも変わっちゃったんだ……」
時の流れは残酷だ。
あの頃遊んだ遊具も、友達も、駄菓子屋さんも、私の記憶の中に確かにあるのにもう届かない。
またあの頃に戻れたらななんて、今でも思ってしまう私は、記憶に取り残されたままの子どもなんだろうか。
お題『この道の先に』
町内には、
近しい年頃の友達が、たくさんいました。
みんなが揃うと、
遊びの内容は日めくりです。
自転車で知らない街を目指す、
小さな冒険の日もありました。
この日、目指すは、
未だ見果てぬ、駄菓子屋さん。
途中、瓶のコーラで、喉を潤します。
坂が急であればあるほど、
わたしたちの闘志に火がつきます。
途中の貯水池や、草むらは、誘惑だらけ。
財宝がたくさん眠っているはずです。
小さな冒険家たちは、
朝夕問わず、道の先を目指します。
あの頃に見た景色を見たくて、
実家を訪ねた時に、足を伸ばしますが。
あれは、
夢の中の世界だったのでしょうか?
なかなか、辿り着けそうにありません。
小さな路地を見つける度に、
キラキラ目を輝かせるよね。
手をギュッて引っ張ってくの、
すっごく可愛いよ。
行ってみよっか!
ってなっちゃう。
――――この道の先に
この道の先に
進む道は一つでいい?
行き止まりだったらどうする?
別の道も見つけておくべき?
行き止まりでも、その先に道がなくても進みたい?
雨宿りしてたら置いて行かれた?
青い空にかかる虹に気を取られて進めない?
蝶を追いかけていたら迷子になった?
どんな道を進んでいる?
周りはどんな風景?
落とし穴があったらどうする?
想像だけ膨らむ
どんな道でも私だけの道
私は私を愛したい
私の全てを愛したい
なぜなら?
私だけが私を分かってあげられるから
誰かに期待するより、私に期待したい
誰かに費やす時間も大事だけど
私自身のケアを忘れない
私がいなければ、私の人生は終わる
自分自身を認めたい。
自分を知るための道
それが私の道であり、人生である
雨宿りしても
虹に気を取られても
蝶を追いかけても
落とし穴があっても
物理的な「道」では
足が止まっているかもしれないけど
私の人生の「道」では
歩き続けていると思うよ
どんなことがあっても、進み続けるよ
臆したか
ならば去れ
此処より先に歩を進めることが出来るのは
己で己を扶(たす)く者のみ
己で己を越えて行けぬ者に
そもそも道など拓けぬのだ
いま一度、問う
進むか(すすむか)
澱むか(よどむか)
…おまえは どちらだ
“この道の先に”
『この道の先に』
ある日突然、小夜が交通事故で目を覚まさなくなった。
病院のベッドで目を瞑り、起きる気配が微塵もしない小夜を見下ろす。
小夜を轢いた犯人はその後死亡が確認されている。
小夜が目を覚ますには手術が必要らしい。だがその手術には莫大なお金がかかる。普通の人間《おれ》なら絶対に払えないくらいのお金が。
「小夜……」
まるで植物のように動かず、眠っている小夜へ声をかける。
その時、スマホが鳴った。通知だ。開いてみると組織からだった。
「……行ってくる」
踵を返し、扉の方へ歩き出す。返事は無い。あるのは悲しいほどの静寂と、呼吸音だけ。
さあ、任務を遂行しよう。どんなに偉いやつでも、聖人でも、俺はやり遂げる。あの時、小夜を轢いた犯人と偶然会った日から、俺はもう戻れない。
この後小夜の隣を歩けなくなったとしても、俺は止まらない。この道の先に、小夜の笑顔があるなら。
この道の先に
ちなみにもう知った道だ。
知りすぎて、あえて描写するほどの物も風景もない。にも関わらず、今日は空は優しいグレーに雲がかかり、コンクリートの道は明るく、猫は僕に視線で挨拶して元気にどこかへ行く。
この道の先には駅がある。のんびり歩けば徒歩15分、うちから最寄りの小さな駅だ。
自動ではない改札の外で待つ。かろうじて、電子の…スイカ?メロン?を読み取る機械くらいはある。駅員が改札横の部屋に居る他は、ほとんど人がいない。住み良いド田舎である。
改札から入っていく人の背中を見送るたびに「良い旅を!」と心のうちで唱えた。4回ほどそうしたころ、ついに踏切が鳴り出した。来た、来た!
ガタゴトと音が近づいてくる。改札前から垣間見える駅のホームに、電車が入る。まばらな乗客。やがて電車が止まり、アナウンスと共にドアが開く。
5,6人ほどが降りてきて、ピ、ピ、と電子の…アレを機械に当てて改札を出てくる。最後のひとりは、切符を、駅員に渡して出てきた。出てくる直前から僕は待ちきれなくて、彼女に手を振って思わず呼んでいた。「ゆみこちゃん、ゆみこちゃん!」
彼女は真っ直ぐこちらにやってきて、
「やめてよ恥ずかしい、いい歳してはしゃいじゃって」
「3年ぶりなんだから、仕方ないだろう」
「まあ、私も嬉しいわよ、会えて。カズくん」
ゆみこちゃんは僕の小学校時代のマドンナだ。小学校時代でマドンナなんて、こどもの遊びの延長みたいな気もするだろうが、僕たちにとってはちゃんとマドンナだったし、僕の永遠の友達、そう、友達なのだ。僕たちは別々の人と結婚して、暮らして、今はひとりになったけれど、小学生の頃からなぜか気が合って、でも恋はしなくて、文通とか、最近では、メール? とは別物の、えー、らいん…? えすえぬえす…? もしていた。かれこれ70年ほどの付き合いになる。
ゆみこちゃんは相変わらず可愛い。綺麗な白髪。ほとんどシワの無い優しい顔。ちなみに僕は目が悪い。でも僕にとってはシワなど無いのだ。気取らない言葉、声。杖もおしゃれ。背筋が曲がってないのもすごい。
「カズくんはまだ杖を使わないのね。丈夫な膝ねぇうらやましい!」
「ゆみこちゃんは杖もおしゃれだねえ! 僕もそろそろ必要だろうから、どんなのが良いか教えてよ」
歳をとった会話をしながら、帰り道をいく。ゆみこちゃんは明日、知り合いのお葬式があるそうで、まぁこの歳にもなると、そういうことでもないとなかなか遠出はしないので、亡くなられた方が僕たちに機会をくれたというわけではないが、近くに来るのなら、と、会うことにしたのだった。電車で1時間のところに住んではいるが、これでも今の僕たちにとっては遠出なのだ。
「私ねえ、膝が悪くなってきたから、カズくんのお葬式には行けないかもしれないわ。でもちゃんとお祈りするし,すぐ会いに行くから許してね」
「いいとも。それに、すぐじゃなくても、お土産話をこしらえてからでも構わない。それに、先に旦那さんに会いに行ってやれよ」
「あら、そうだったわ。毎日会ってる気分だったから忘れてた!」
ゆみこちゃんの旦那さんは、もうすぐ亡くなってから20年だ。
「僕も、ゆみこちゃんのお葬式には行けるかわからないけど、同じようにするよ」
「あとから来る方はお土産話をもっていく約束にしましょ」
どんな道の先であっても、友達がいると良いものだなぁ、と、80年でしみじみ思う。
入学祝いに買ってもらった、真っ赤な自転車。
ちりんちりんとベルを鳴らして、カンカン照りの坂道を下る。
首筋を流れる汗に風が当たって、ひんやりと気持ち良い。
赤信号でキュッと止まって、前カゴから水筒を取り出して水分補給。
青に変わった信号に慌てて水筒を前カゴに戻すとハンドルを握りしめ、力いっぱいペダルを踏み込んで、発進。
陽炎に揺らめく並木道を目一杯ペダルを漕いで駆け抜けた。
コンビニまで、あと1キロ!
テーマ「この道の先に」
本日は買い物日和には何とかなったが何かが足りない何か買うものがあるのか常に考えている♪
この道の先に
この道の先に人生の大きな分かれ道がある。
もし自分の選んだ道が間違っていたらどうしよう?
人生の岐路に立った時にそんな不安に襲われることがあるかもしれない。しかし人生は何度だってやり直しが出来る。だから、例え自分の選んだ道が間違っていようとも自分を信じる事が大事だ。
夢や目標を前に立ち止まっている君へ
これからの人生上手くいく事ばかりではない。たくさん失敗する事もあるかもしれない。だけど自分を信じて夢や目標に向かって諦めずに挑戦し続ける事が大切だ。もしも立ち止まってしまったら他の人を頼っても良い。可能性は無限大だから。
長い長いトンネルだ。
曲がりくねっていて、真っ暗で、先が見えないし今どこにいるかもわからない。
この道の先に、希望はあるのだろうか?
ただただがむしゃらに、時には俯いてとぼとぼと、歩いてきた。
どこに行けばいいんだろう。どうやって進めばいいんだろう。……このまま歩いていて、いいんだろうか。
見上げた天には当然ながら、太陽も星もない。
いつになったら出られるんだ?
せめて、せめて明かりが欲しい。小さな灯でもいい、足元を照らせるだけの、明かりが。
この道の先で、あなたは待っていてくれますか?
病状が悪化していくのは、自分の顔色や目の下のクマで明らかだ。
それでも、病院には行かないと決心して、もう5年が過ぎた。
病院に行かない理由は、2つ。
金銭事情と、病院をたらい回しにされた病院と医師達への不信感。
ほぼ寝たきり生活で、私の背中や足の骨は変形し、もう満足に歩けない。
私は誰も恨んではいない。
産まれた時代や国が違えば、私の様な病弱は、この歳迄、生きられなかった筈。
誰かを憎むより、此処まで生かさせて貰った事を感謝したい。
この道の先に訪れる人生との、サヨナラの時間迄、私は、誰かの役に立ちたい。
この道の先にはオシャレなカフェがある それを目当てに来た
大きな建造物があります。それは言わずとしれた東京スカイツリーです。東京スカイツリーは建築されてからまだ10数年経った頃合いですが、日本の観光地として欠かせない存在となりました。あの高さから光り輝くフォルムは日本だけでなく世界中の人々を虜にさせます。
『この道の先に』
たまたま街で見かけたひとのファッションの格好良さに一目惚れのようになり、思わず声をかけていた。
「その服、どこで売ってますか……!?」
女性とも男性とも判別のつかない背の高いその人は軽い驚きのあと、どこの骨ともわからないちんちくりんな私に微笑んで言った。
「これはね、自分で作ったの」
服を作るなんてことは家庭科の授業でしか習わないことであり、服といえば買うものという認識しかなかった私は衝撃のあまりに思考が停止した。格好良いその人は何かを言っていたと思うのだが、ろくな受け答えのできなくなった私が気がついたときにはその場から姿を消していた。
家に帰って母にミシンはないかと問い詰め、発掘されたミシンで手当たり次第に縫い物を始めた。それからというもの手芸屋は行きつけの店となり、ハイセンスなファッション雑誌を眺めては見様見真似の試行錯誤が続いていった。ファッション雑誌を読むようになってから、街で見かけたあのひとが世界的にも有名なデザイナーだと知ったのもこの頃。憧れと独学で突然始まった裁縫の道を歩み続けていけばいつかまた会えることもあるのかもしれないと漠然とそう思っていた。
専門学校を経てちんちくりんなりにも格好良いものを作れるようになってさらに数年。
「あらアナタ。ずいぶん素敵な服着てるわね」
街角で女性とも男性とも判別のつかない背の高い人に声をかけられた。
「貴方こそ、めちゃくちゃ格好良い服着てますね……!」
年月を経ても格好良さの変わらないその人はいつかの邂逅の再現に悪戯っぽく微笑んだ。
この道の先に
何があっても、この道がいいって思うんだろうな