その絵はとても強く印象に残っている。
夏休みの宿題で絵を描くことになった。
テーマは「自分の好きな景色」
夏休みも終わりに近づいたころ、急いで描いた私は
家族旅行で行った旅館からの景色という、テーマに全く沿っていないような絵を描いた。
そして9月になり、学校でみんなの絵を鑑賞した。
そこに飾ってあったのが、まなちゃんの絵。
その絵は曲がり角の道を描いていた。
夕暮れの時間、駄々をこねるような残った暑さの中、河川敷の土の道を、少し走りながら歩く。きっとこれは家に帰る途中の景色なのだろうと、実際の景色を見たことのない私でもすぐに感じた。まるで蝉の声でも聞こえてきそうだった。そして同時にこの道の先を見たい、と思った。一体この絵に書いてある道には何があるのだろうか、どんな景色が待ってあるのだろうか。強く興味が湧いた。まなちゃんの道の絵はそんな力を持っていた。
この道の先はどんな景色があるのだろう
7/4/2024, 7:53:22 AM