『お祭り』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
お祭り。この単語、私の人生で1番縁遠い。
そもそも、お祭りに参加した事がない。
信心のせいである。
物心ついた時から私には、親から子へと決まった宗教があり、その信心ではそれら祭りと言うものは全否定であった。子供にとっては親は絶対である。
なんとなくの祭りの雰囲気は好きではあるが、親に意見してまでの情熱はない。
どちらかと言うとテキ屋で売られている焼きとうもろこしや、綿菓子、金魚掬いが魅力だった。
金魚掬いは、祭りじゃなくてもやる機会がありすくった金魚を育てていたものだ。特に可愛いかと言われるとうーーん。なのである。
あと、これまた祭りではないが、カラフルな色付けをされたひよこに魂を持っていかれた。あれ欲しい!と。
まさか、そんなカラフルで、かわいいひよこがあんな猛々しいコケコッコーになるとはつゆ知らず。
ひよちゃん!ぴー。とないていた可愛いひよちゃんは、全く違う時間にコケコッコーと雄叫びをあげ、眠りにつく家人の眠りを妨げ、庭で人を追いかけ。なぜか、庭にはシャモもいて、4人家族を大きく上回るペットが我が者顔で居座り、お世話に明けくれる日々になぜか追いやられる始末。祭りイコール縁日イコール金魚掬いイコールお世話の図式になるのか?トホホのホ。
お祭り
2024年の天神祭りは7月25日木曜日天候は晴れだった。
日本三大祭りのひとつ天神祭り言わずとしれた天下の台所と呼ばれた元禄時代以降、天神祭り浪速の繁栄のシンボルとして隆盛をきわめ現在に至る、その歴史は古く天暦3年(949年)、菅原道真公の御霊を鎮めるために天満宮御鎮座された翌々年の天暦(951年)より始まったとされている。
コロナでフィナーレの花火大会が無かった時代から戦争の時代復興の時代バブル全盛の時代私の知らないそれ以前の時代受け継げられる祭り夏の夜空にあがる花火は幾多の時代をこの街ながれるいくつもの川の水面に映る時代絵巻を思わせる。
全国随一の迫力を誇る岸和田のだんじりとはまた違う全国随一の勇壮さ優美さを誇る天神祭りであると思っている。
日本も世界も狭くなった現代だが、祭り囃子が聞こえてくると、このいたたまれないような郷土への愛着を感じるのはなんだろう?
天神祭りの花火を見ながら遠い悠久の歴史を思ってみたり、目を閉じて故郷の小さな祇園祭を思い出したりするのである。
天神祭りなんかよりずっと小さな祭り、フィナーレの花火大会はぽつりぽつりと忘れたかの間隔を開けるようにあがる花火🎇
だんじりよりも小さい神輿を沖に流す祭りの締めが終わるのが深夜0時漁村の漁師の祭りであった。
天神祭りの華やかな賑を聞きながら遠い記憶のページを紐解く祭りの後の火薬の匂い、今年もそんな祭りが終わった。
令和6年7月28日
心幸
以前貴女は、霊媒師に言われました。貴女の今世は、これまでの徳の集大成、貴女を驚かせるための大きなお祭りのようなものなのだと。
貴女はそれを疑う気持ちもあったかもしれませんが、最近は受け入れてくださっているようですね。ここまでのんびりと、何も苦労なく生きていける環境はなかなかないのだと、分かってきたのでしょう。
ええ、だから、もっとわがままになってもいいのですよ。
これは貴女を苦しめたり、貴女に試練を与えるような生ではありません。貴女はこの生を誰より楽しみ、誰より謳歌し、誰より満足して往生すれば良いのです。
俺たちの、誰より大切な貴女。
幸福に、誰より幸福に生きてください。
どうか、自らその機会をふいにしないでくださいね。
バイオフィリア
2024/07/28㈰日記
人は自然を本能的に欲する、という
概念。
通りでね、ちょっと精神的に
参ったら自然の中に行けば良いとか
聞くし、僕が外を眺めるのも、それだね。
最近は外を眺めるのは、暑いし、
眩しいからしてないけれど。
日差しキツすぎ。
目によくないよ。
近所のおばあさんのサングラス姿が
日差しの強さを物語っている。
ギャングっぽいんだが。
一人暮らしのおばあさんだからか
誰にも止められない。
進め、おばあさん、好きな物を
身に纏って。
バイオフィリックデザインとは
自然との共生を目的としたデザイン。
マンションとか、会社とか。
スーパーも作ってくれないかな。
あー良いよねえ、中庭とか木が必ず
どの窓からも見えるとか。
僕も引っ越ししたら、観葉植物を
置いてやる。
7月になっても焼き芋を食していて巷の流行りとは、無縁で良いのか?
と思って(良いけど)たまには
話題らしき物を購入しようじゃないか、とファミマのラムネゼリーを
求めに行ったら、なかった。
うん、そんなことだろうと思った。
代わりにダブルチーズケーキというものを購入。
美味しかった。
コンビニスイーツで不味いとか
ないと思うけど。
週間天気予報を見た?
悲報だよ。
夏になると、各地で暑さ(気温)自慢になるのは、なぜだろうね。
誰もこの暑さを望んでいないのにね。
今週も暑さとは戦わずに、
のらりくらりと生きて行きましょう。
おやすみ。
神様が舞い降りてきて、こう言った。
「とりあえず生」
「俺も」
「ヘイ、喜んで!」
ここは神様居酒屋。
神様が集い、酒を飲み交わす場場所である。
時に互いを労い、時に情報共有し、時にただ酒を飲み交わす。
神様の仕事も楽ではない。
神様も人間と同じように、飲みニケーションへと赴くのである。
今日も二人の神様が居酒屋へきて、酒を飲み交わしていた。
活発な神様と、大人しそうな神様。
性格が正反対の二人は、神様養成学校を卒業した同期。
仲の良い二人は、しばしば居酒屋で酒を飲み交わしていた。
「プハア。
仕事終わりの生は最高だぜ!」
「ゴクゴク……
ウマい……」
ジョッキに注がれたビールを飲み干す二人。
神様と言うのは無類の酒好きである。
どれくらい好きかと言えば、管理する人間界に、捧げものとしてお神酒を要求するくらいである。
人間に質のいい酒を造らせ、それを飲む。
それは神様にとって至福の時だった。
だが大人しい方の神様は、浮かない顔をしていた。
「なんだよ、元気ねえな。
うまくいってないのか?」
「うん……」
大人しい神様は、泣きながら友神に語り始めた。
「最近、僕が管理している世界、信仰が薄くなっているんだ」
「あー、最近そう言うトコ多いらしいな。
お前のとこもそうなのか……」
「うん……
最初は良かった。
神様神様って言って、僕を崇めてくれたのに……
貢物もくれてさ
でも、最近じゃあ、神なんていないって言うんだよ」
「そりゃ大変だな」
「人間どもが勝手に願い事してくるのがウザいと思った事もあるよ。
貢物したから、雨を降らせろとかさ
けど今みたいに無視されると、無茶を言われる時が一番やりがいがあったと思うよ。
なあ、どうしたらいいと思う?」
「うーん」
大人しい神様の悩みに、活発な神様は考えます。
酒のせいでうまく頭が回りませんでしたが、活発な神様は妙案を思いつきました。
「簡単な方法がある。
ガツンと言えばいいのさ」
「というと?」
「はっきり言うぞ。
お前、舐められれるんだよ。
人間どもにきちんと力の差を見せつけないとダメだ。
アイツらバカだからな」
「でも、いい人ばかりなんだ」
「分かってる。分かってるよ。
けどさ、実際にはお前のこと舐めてるわけ。
お前優しすぎるから、恐くないんだよ。
けど神様は、畏怖されてなんぼだ。
ほら、もう一杯飲んだら行くぞ」
「どこへ?」
「お前の管理する世界にだよ。
そうだ。
今の内に、人間界に行ったら時の計画を考えようぜ……」
◆
人間界。
神が住まうと言われる神聖な場所で、天変地異が巻き起こっていた。
人間たちは恐れおののき、神職たちが必死に祝詞を唱え、怒りを鎮めようとしていた。
誰もが世界の終わりを覚悟したとき、神様が舞い降りてきて、こう言った。
「お前たちの傲慢な物言いには、あきれ果てた。
よって天罰を加えることにした。
もう我慢ならん」
人間たちは、神様が怒り狂っているのを見て、知らず知らずのうちに増長していたことに気づいた。
だが後悔先に立たず。
目の前の神はもはや止められず、人々は世界の終わりは近いと絶望する。
そんな中、勇気ある一人の若者が前に出て、神に許しを乞い始めた。
「申し訳ありません、神様。
我々は心を入れ替えます。
どうぞお許しください」
何の変哲もない、謝罪の言葉。
だが、きっと心からの言葉なのだろう。
男は土下座していた。
しかし神様は、信用できないとぎろりと睨みつける。
「言葉ならどうとでも言える」
「いいえ、今度こそ心を入れ替えます。
なにとぞご容赦を」
「神様、ご容赦を」
「お許しください」
男の言葉に続き、その場にいた人間すべてが、土下座する。
神様はその光景に満足し、怒りの矛を収める事にした。
「よかろう。
今回はコレで許してやる。
だが本当に許してほしければ、態度で示せ。
捧げものや酒を欠かすなよ」
「はは、これからは御神酒を欠かさないようにします。
ところで神様、酒の種類に希望はありますでしょうか?」
男の言葉に、神様は少しだけ考え、そしてこう言った。
「とりあえず生で」
先日、男友達に誘われて地元の祭りに行った。
親しい間柄であったので、何の気負いもなく楽しむことができた。
しかし、彼、仮にSとするが、Sのスマホのロック画面に同い年くらいの女性が写っていた。最初は好きなアーティストかな、くらいにしか思っていなかったが、少し茶化してみたくもあった。軽い気持ちで、「その人彼女?」と聞いてみると、「うん」と返ってきた。何よりも先に口から出てきたのは「は?」という呆れの声だった。
その女性は一つ上のSの彼女で、県外に住んでいるらしい。私と遊ぶことは事前に伝えてあり、それを了承してくれたそうだ。
「友達と遊ぶのは普通でしょ?」
そうSは言ったが、私はなかなか腑に落ちなかった。ぐちゃぐちゃになった感情を押しつぶそうと、「もう帰る」とだけ言い残して、花火が上がる前に祭りの喧騒を後にした。
男女の友情は成立する、なんて言う人もいるが、相手にパートナーがいたのなら、それは一種の罪悪感によって簡単に崩れてしまうだろう。
この日、私は「友達と祭りに行った人」ではなく、「彼女のいる男と祭りに行った女」になってしまった。彼女さんは許してくれたと言っていたが、私の心の中は罪悪感でいっぱいだ。
#夏祭り
「お祭り」
はじめて、恋心を抱いてる先輩を祭りに誘った。
普段はしないメイクをし、彼の好きな香水をつける。
慣れない浴衣を着て、髪を結ぶ。
姿鏡を見つめて「よしっ!」と呟き玄関へ向かった。
下駄を履いて扉を開ける。
先輩は既にわたしの家の前に立っていた。
わたしに気づいた瞬間、目を見開き、耳を赤らめ口を開けていた。
そんな彼を見てわたしは微笑んでしまった。
告白、上手くいくといいなぁ
「人生はお祭り」と聞いたことがある
生きていれば色んなことが起こる
嬉しいことも 悲しいことも
楽しいことも 辛いことも
自分の「祭り」の一部なんだと捉えれば
少し楽に とても楽しくなるだろうか
踊り 歌い 演奏し
他の人と出会い 語り合い
時には喧嘩したり
別れがあるかもしれない
美味しいものを食べ 飲み
目一杯楽しみまくって
祭りの終わりには
「いい人生だった」
と言えるような日々を過ごそう
#お祭り
花火
祭りの定番だ
その中星をみる人は
あまりいないだろう
いつ見れなくなるかわからないのに
パパ射的 一夜限りの スナイパー
祭りくじ 当りないなど 野暮はなし
背で眠り ヨーヨー離さぬ 小さな手
お祭り
こんな暑い中外に出て行くのが嫌だ。
スポーツもライブも家で見たい。
ノリが悪いでしょ。
【お祭り】
電柱の間にぶら下がって揺れる灯り
道いっぱいに広がってひしめき合う喧噪
漂う食べ物の香りと視界に広がるカラフル
なんとか潜り抜けた先に広がる広場で
一番の人だかりができていた
隙間に潜り込んで円の中心にいる歌姫を仰ぎ見る
今世界のどの場所よりも熱く幸せがあると
自信をもって言えるほど
パソコンを付けるだけ
年中無休で遊びに行けるお祭り会場
2024-07-28
「クラスの男子もみんな来てるらしいよー。」
少しだけ久しぶりに会うクラスメート。
暑いし歩きづらいけれど、悩みに悩んで選んだ浴衣。
舞台上の催し物や、色とりどりの屋台なんてどうでも良くて。
終業式以来の、君の姿だけを探していた。
お祭り
好きな人との『お祭り』の思い出。
あなたは何を思い出しますか?
浴衣姿を褒められたこと。
はぐれないように手を繋いでくれたこと。
一緒に食べた綿飴。
逃しちゃったきんぎょすくい。
射的で取ってもらったぬいぐるみ。
最後に綺麗に散った花火。
私は地元の大学へ進学することが決まった。
あなたは夢のために上京すると言っていた。
告白をしたら何か変わるんだろうか。
そう何度も逡巡しながら、やっぱり勇気は出なかった。
そんな思い出。
数年振りに地元のお祭りに足を運んだ。
あの時と鮮やかな光景は変わっていない。
ただ一つ言えることは『あなたが隣にいない』こと。
あの時、勇気を出していれば変われたのだろうか。
今更、そんなことを考えてもしょうがないのに。
ふと、似た人とすれ違った。
思わず振り返ったけれど、こんな人混みでは『その人』だったかは分からない。
わざわざ確かめてまで、追いかけるような年齢でもなくなった。
花火がパッと上がって、そして散った。
お祭りってね騒がしく楽しい場所でしょう?
だからね、人以外にもきてしまう、来るのよ。
だから、人かと思ったら、実は.....っていうのが
起きてしまうのよ。
そこが、古くから祀られてる神社やお寺なら
だから、気をつけてね。
もしかしたら、私もそうかもしれないわね。
そう言って、あいつは消えた。
いつものことだけど。俺には元々見えるから今更な〜
てか、俺元々知ってますけど〜
あなたが人じゃないことくらい
まあ、いいや
祭りを楽しもう。
はあ〜りんご飴とかあるかな〜
夏といえば、エアコンの効いた部屋でゲーム三昧、もしくは映画、YouTube。
そして、死の危険を感じながらの出勤。
あとは…休日はショッピングモールとか、買い物くらいには出掛ける。
夏といえば、そんなイメージしか湧かない。
昨今の夏は。
お祭りは過去のイベントになりつつある。
少なくとも、我が家においては。
花火にだって行く気になれない。
夏の風物詩だったのに。
だって暑さが厳しくて、不快な思い出になってしまう気がするから。
でも…楽しかったお祭りの思い出は消せないな。
屋台で買うバカ高いイカ焼きは、なんであんなに美味いんだろう。
神社の境内とか、夜になると何かがいそうで、でもいつもと違う賑やかな雰囲気に呑まれて、そんな存在も暗がりで浮かれ楽しんでいそうで、ああ、日本っていいなと思えるイベントだったりする。
でも、夏が、お祭りを楽しめるはずの夏が、いつしかやってこなくなった。
いや、私にとっては、の話かもしれないが、夏祭りの記憶はこんな熱帯夜じゃなかった。
もっと過ごしやすくて、それでも夏らしさ満載で。
なんだか…せつないな。
思い出に残るだけの…夏祭り。
つい先日、足立区の花火大会に40万人以上が集まったという。
雷雨で直前に中止となってしまったが…夏をあきらめていない人がこんなにいるのかとビックリした。
これは、見習うべきなのかもしれないな。
いや…でも、夜の熱中症も危険だっていうし…。
…あれ?…もしかして、夏の暑さが強くなったんじゃなくて、私の耐性が弱くなっただけなのか?
なんだか…せつないな。
思い出に残るだけの…夏祭り。
お祭りが始まった。
夏の一大イベント。皆の楽しみの一つ。
お社から提灯を持って周りを照らせば、そこは摩訶不思議な雰囲気に包まれた。
一歩、一歩。
少しづつ、ゆっくり。
チリン、チリンと、軽やかな鈴の音があたりに響けば、それと共鳴して聞こえる誰かの笑い声。
皆が笑顔で、歩いている。
あるものは酒を飲み、またあるものは歌を歌う。
しかし、決して誰も暴れず、列を乱すことなどなかった。
ふと、その時
チラリと横の草むらを見てみれば、異様な雰囲気が一つ。
自分以外の誰も気づいてはいない程の、小さき気配。
そっと列から外れて見てみれば、まだ幼い子供がポツンと座り込んでいた。
可愛らしい着物を纏った子供。
同じ目線に合わせれば、状況がまだわかってない子供はこちらをじっと見ている。
その手をゆっくりと引いて列から遠ざけて、薄暗い道をただ歩く。
灯は己の提灯一つのみ。小石に注意して進んだ。
子供は何か言いたげな表情でこちらを見ては、また目線を前へと戻す。
変わった子だ。
普通であればこういった時は泣き出したり喚いたりするはずでなかろうか。
だのにこの子供ときたら、ただ黙ってついてくるのみ
でもまあ、それでも良い。その方がこちらとしても好都合である。
気配と音を頼りに歩みを進める。
それから数分、どうやら辿り着けたようで、少し遠くから賑やかな声が聞こえてきた。
彼方へ行け、と指を指しながら言えば、子供は掴んでいた手をパッと離して、歩き始めた。
さて、これで大丈夫かと踵を返す
…なにやら後ろから引っ張られる感覚。
振り向けば、先ほどの子供が着物をクンと控えめに掴んでいる。
用件を伺えば、子供は髪に付けていた髪飾りをこちらに差し出してきた。
「…ありがとう」
一言。
ただそれだけを言い残し、子供は走り去って行く。
渡された髪飾りを見れば、椿の花。
…礼なのだろうか。
ふふ、中々利口な子ではないか。
来た道を引き返し、術で隠していた耳と尻尾を出せば空気に触れた耳がぴこぴこと揺れる。
髪に先ほどの飾りを付ければ、なにやら気分が晴れやかになった。
…随分と行列は遠くなってしまったようで、何個もの提灯の光が小さく見える。
でもまあ今宵はお祭り。まだまだ時間はある。
なに、少し足を早めれば追いつくのは容易であろう。
道を一人で歩き始める。傍の提灯だけが、自分の姿を照らしていた。
(権力者が下っ端だということがバレた世界線)
今日はお祭りならしかった。
なんのお祭りだかボクには知らされなかったけれど賑やかしのようにやっている屋台で色んなものを貰った。
食べ物が多くて、一人じゃ到底食べきれそうもなかったから演奏者のところに持って行くことにした。
「………………なんだい、これは」
「……食べ物。なんかお祭りやってて、そこで貰った」
「参加はしたのかい」
「本当のお祭りは無理。会場の外でやってるお店で貰った」
「…………へぇ」
『焼きそば』と呼ばれる代物を口に運びながら演奏者くんは言った。ボクも『たこ焼き』と書いてあったお店で貰ったものを口に運ぶ。
「…………ん、美味しい」
「人間界では、こういうもの食べるだけでも『祭りに参加した』っていうらしいからさ。きっと、僕らも参加出来たんだろうね」
「…………そっか」
お店の方はとても賑やかで、でもここはとても静かで到底同じ雰囲気だなんて言えないけれど、それでもボクはこっちの方が落ち着いた。
私が、小中高を過ごした街では、7月の下旬にお祭りが開催される。
毎年友達と行っていたのだが、特に思い出に残っているのは中学生の時だ。
学校の仲の良い友達と行くのだが、その目的は屋台だけではない。いや、屋台よりも学校外で学校の人と八合わせる瞬間が楽しいのだ。
お祭りにはたくさんの人が集まり、ワイワイガヤガヤ、文字通り「お祭り気分」の状態で、みんなが楽しんでいる。
その非現実的な空間で、学校の人と会うと、心の距離が縮まる気がするのだ。
学校では話しかけられない人とも、お祭りで遭遇したときには、話すことができる。
「あ、〇〇だ。やっほー!」
「おー、来てたんだ!」
小さな会話でも、凄く嬉しい気分になる。
可愛い同級生や先輩と合った時は、一段とテンションが上がる。
普段は制服の子が、私服や浴衣を着ていることも有り特別感が生まれる。
あわよくば、お祭りという非日常空間を借りて、もっと仲良くなれないかと想像したりした。
お祭りが終わる頃には、何だか寂しい気持ちになる。また、いつもの日常に戻るのかと。
私は男性だが、女性の方も共感してくれるだろう。
お祭りは、青春を作ってくれる。
ありがとう、お祭り。
提灯のあかり盗んで境内の裏で後輩の最初を盗む
お祭り