お祭り
好きな人との『お祭り』の思い出。
あなたは何を思い出しますか?
浴衣姿を褒められたこと。
はぐれないように手を繋いでくれたこと。
一緒に食べた綿飴。
逃しちゃったきんぎょすくい。
射的で取ってもらったぬいぐるみ。
最後に綺麗に散った花火。
私は地元の大学へ進学することが決まった。
あなたは夢のために上京すると言っていた。
告白をしたら何か変わるんだろうか。
そう何度も逡巡しながら、やっぱり勇気は出なかった。
そんな思い出。
数年振りに地元のお祭りに足を運んだ。
あの時と鮮やかな光景は変わっていない。
ただ一つ言えることは『あなたが隣にいない』こと。
あの時、勇気を出していれば変われたのだろうか。
今更、そんなことを考えてもしょうがないのに。
ふと、似た人とすれ違った。
思わず振り返ったけれど、こんな人混みでは『その人』だったかは分からない。
わざわざ確かめてまで、追いかけるような年齢でもなくなった。
花火がパッと上がって、そして散った。
7/28/2024, 1:24:43 PM