あなたに届けたい』の作文集

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あなたに届けたい』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

1/31/2024, 1:08:49 AM

浅煎りの珈琲を
ハンドドリップで淹れる。
この湯気立つ香りを
届けたい。

かろやかなこの一杯に
くつろぎの気持ちを注ぐ。


題「あなたに届けたい」
récit œuvre originale

1/31/2024, 12:52:25 AM

あれを君にプレゼントしたい。
 どんな手を使ってでも。

あれがあればきっと君は僕に振り向いてくれる。

 

 やっとこれを君に渡せる。

こ、これ僕からのプレゼント!
開けてみて!

そう言って僕は、君の両親をいっぱいに詰め込んだ箱を渡した。

           タイトル:あなたに届けたい

1/31/2024, 12:19:30 AM

#短歌
太陽が小雪の町を溶かしたら
同じ気持ちで君も目覚める

1/31/2024, 12:18:38 AM

私は兄たちが大好きである。
物心ついた時の記憶でさえ
兄たちがどこかへ行く時
「にぃ、にに、いっしょ、いくぅ」
なんて兄たちに遊んでほしさにずっとついてまわってた程である。
兄たちは決して優しい訳ではなく、きっとからかい対象として扱われたのかもしれない。

「お前はお留守ばーん♡」
「いい子にしてろよ。兄ちゃん、早く行こーぜ」


兄たちは夜中まで遊んでてもお父さんもお母さんも何も言わなかった。
私も一緒に行く!なんて言ったら両親に血相を変えて怒られたっけ。そして気づけば両親は別々に暮らすことになり、私は母と、兄2人は父と暮らすことになった。
そして、灰谷と言う苗字から、在り来りな苗字へと変更を遂げたのである。

中学に上がる前に一度、兄達をテレビで観てから大好きな兄達への想いがどん底に落ちた。
暴力沙汰で逮捕…少年院…?

『ママ、にぃとににが…』

パートに行く前の母親に声を掛けるとテレビを消される。

「…いい?もうお兄ちゃん達と関わらないことよ。」

そう言って家を出る母を見送ったあと、父に電話をかけた。

『パパ…あのね、テレビで…』

“…いいかい?パパとママはお前のことが大好きだ。だから、お前を危険な目に合わせたくなくて今離れ離れなんだよ。また会えるようになるから、今はもう少しだけ我慢してくれ…な?”

父は明るく装い、私に話す。
兄達のことを話す隙を与えてくれなかった。

自分から調べると、嫌な記事しか出てこなかった。
私の大好きだった兄達は、とんでもない不良になっていたのだ。

都内で灰谷兄弟の名前を知らない人間はおらず、私に被害が及ぶのを避けた両親は離婚し、私は苗字が変わった。
私の為にそこまでしてくれた両親に申し訳なさを感じるがそれ以上に両親泣かせな兄達を許せなくなった。
私はちゃんとまともになろう。喧嘩もせず、きちんと家に帰ろう。
中学に上がる年に、私は母と都心から県外の祖母の家の近くに移り住み、灰谷兄弟?なにそれ?
くらいの認知の学校で過ごした。
中高私立を通わせてくれて、何不自由なく過ごせてたはずだったが
大学受験、私立の東京の郊外の場所の推薦を貰った時、母の顔色は少し曇ったのを覚えてる。
大学の費用が家が建つ程の額なのだ。
今まで私立の中学、高校でお金が掛かったが大学はそれよりも多く費用が掛かる。
今まで祖父母からの支援も受けていたことを知っていたので、
公立の大学を受けるよ。落ちたら浪人はせず大学は行かない、推薦は蹴ると伝えると母は怒った。
父も反対した。なんとか工面するから待ってろと。

そんなある日だ。昔の灰谷の苗字と私の名前が書かれた小さな段ボールが届いた。

差出人の名前は

灰谷蘭
灰谷竜胆

私の事は周りには認知されていないはず。
母も父も徹底していたので、兄達からだと分かった。

住所は知られていないはず。なぜ分かったのか。
そんなことはどうでもいい。
今更、なんなんだ。
開けるのに戸惑った。
両親にも伝えるのを迷い、自分の部屋に保管していたが、
数日経ってようやく開ける決心をし、
念の為、家の近くの公園で開けることにした。

箱を開けると、分厚い封筒と手紙。

手紙の内容を見て、私は涙を流した。




---------

あなたに届けたい


ran rindの妹のお話

卍展行ってハマりました
何と書いてあったか、解釈は読者様にお任せします。



以下どうでもインフォメーション

妹ちゃんは蝶よ花よと両親に育てられ
人を疑うことを知りません
そんな妹ちゃんは陰でお兄ちゃんに見守られていますが
大学進学後、マッチングアプリにてホストに引っかかり…的なお話が書けたらいいなと思っております。

Xでも更新してるので
見つかったらよろしくお願いします。

1/31/2024, 12:08:24 AM

この思い、あなたに届け

きっと伝えられないこの思いを

大好きなあなたへ届け

あなたと結ばれたいと思っていても
あなたには分からない

私の一方的な愛は届かない

でも届けたい

あなたと運命的に出会いたい

一歩踏み外せばあなたと結ばれない

でも届けたい

あなたにこの思いを届けたい

この思い、あなたに届け


■テーマ:あなたに届けたい

1/31/2024, 12:04:05 AM

『あなたに届けたい』

 手首から流れ落ちる赤い血を見つめながら、オレは戦いのことを思い出していた。
 あの時のオレは、ドラゴンの聖衣を纏ったことで負けるはずがないと思っていた。最強の拳と盾を持つ自分はこの場にいる誰よりも強いと自惚れていた。
 だが、所詮は井の中の蛙であったことを思い知らされることになった。対戦相手の星矢に、拳と盾を砕かれたばかりか、決して破られることがないと思っていた昇龍覇の隙を突かれてオレは敗れた。
 傲慢の代償は己の命となるはずだったが、そんなオレを救ったのもまた星矢だった。

 眼の前には、大きく破損して命が失われた聖衣がある。
 命を失った聖衣を蘇らせるには、大量の血液が必要だという。それにオレの血を使うことに何の躊躇いもなかった。
 本来なら、オレはとっくに死んでいたはずだったのだ。それをあいつに救われた。なれば、あいつのためにオレの命を差し出すのが道理というものだ。
 一度落とした命だ。今更惜しくなどない。
 星矢は、大怪我を押してこれから厳しい戦いに向かう。あいつのために、蘇った聖衣を届けてやりたい。
 聖衣を蘇らせる代わりに、オレの命は失われるかもしれない。だが、例え何があろうと聖衣は必ずお前に届ける。
 だから、待っていてくれ。

1/31/2024, 12:00:53 AM

伝えたい

伝えちゃいけない

揺蕩う波間に

気持ちが重なって、泡のように

そのまま溶けていく

曖昧な距離で

私だけの特別

あなたとの特別

譲れない特別

1/30/2024, 11:55:48 PM

君に対する俺の気持ちは大きいと思う。
 仕事先で好きそうな料理屋が目に入ればいつか旅行にでも来よう、と計画を練ったり、君の好みの物があれば買ってしまう。最近では買いすぎて君から禁止令がでたばかり。渡せていないプレゼントたちで部屋が埋りそうだ。
 思い過ごしではなく、やはりずば抜けていると共通の友人と話をしていて実感した。「重い」とまで言われたがまぁ、俺も自覚はある。君から指摘されたら脳内会議ものだが言われたことはない。
 
 過ごすうちに君への気持ちは変わるどころかますます手放せない存在になって、愛情を伝える回数が前よりも多くなった。俺の中で抱えきれないくらい君への気持ちが募ってどうにかなりそうにもなる。その分を君からもらって俺も気持ちを返すんだ。
 俺が『好き』と伝えるだけで君の許容量はあっという間にいっぱいになるらしい。例えるならマグカップにたっぷりの蜂蜜が注がれている、とか。
「それかジャムかも」
「トーストに塗るジャム?」
「蜂蜜も好きだけど甘く煮詰まってるところがそっくり」
「君にあわせてセーブしてるつもりなんだけどな。飽きちゃった?」
「どっちも色んな味がしておいしいよ」
 俺にとってはティースプーン一杯分も君にとってはまだ多い。けれど喜んで受け取ってくれる。
 こんなのは氷山の一角にもならなかった。あげた言葉に溺れかけてしまう君の初なところが好きだけど、少しだけ慣れて欲しくもある。

 俺の背後に山のようにそびえる気持ちを君は知らない。
 いつかこの全てを届けようとしていることも。

1/30/2024, 11:44:24 PM

あなたに届けたい
この手紙を
あなたに届けたい
私の思いが書いている手紙を
あなたに届けたい
あなたに届けたかった

#あなたに届けたい

1/30/2024, 11:40:58 PM

「きみにはまだ早すぎるよ」
 私は燃え始めた森の中を走った。森が燃えるその炭の匂いが私を焦らせた。空は異様に藍色に澄んでいる。
 青いマントの彼の姿を探していた。彼はいつだって森の動物たちに囲まれているから、すぐに見つかった。ところが動物たちは火から逃げ惑うだけで、少しもその場所を教えてくれない。
 そのとき、彼の残像が目の前を通り過ぎた。私の周りを飛来して、走る私と併走した。
 やあ、といつものように短く挨拶をする。
 どうも、なんて返す余裕など私にはなかった。
 「きみはどこにいるの?」
「ここにいるじゃない」
「きみはそんなに飛び回らないだろう?」
「隠していたんだよ」
「お願いだから、どこにいるか教えて」
 私は彼の軽口には乗らずに懇願した。
 彼はやっと真面目な顔になった。
「大丈夫、僕は一番安全な場所にいるから」
「安全?」
「そう。森や動物たちが包んでくれてるから……もちろん君も」
「私が? それってどこなの?」
 彼は私の言葉を聞こうとしない。勢いよく私の目の前に滑空した。そのまま私の目を覗き込む。
「だからもう大丈夫だよ。心配しないで」
 私はその手を必死に伸ばしたが、空を切る。何かをつかむこともない。

 歳をとった今でも悔いている。自分の手を見つめてあの子のことを思う。
「神様になるのは……きみにはまだ早すぎるよ」
 そのときいいたかったことを思い出した。ただそれ以上に今、きみに伝えたいことがある。
「私の方がもっと、ずっと早すぎるよ」
 見下ろした先には青い惑星が浮かんでいる。彼の命が確かに宿っている。

1/30/2024, 11:32:53 PM

「本読めば」
「なんで」
「時々ゴイリョク不足感じて聞いてるこっちがかわいそうな気持ちになる」
「『やば』が口癖のお前に言われたくねー」
「いいから、読め」
「何読むんだよ」
「…とりま国語の教科書とか?」
「えらそーなこと言うヤツの推薦図書がしょぼい」
「じゃー今読んでんの貸したげる」

まぁ読みなって、と通学用のデイバッグからたまたま突っ込んだまま読みきれてない薄い文庫本を手渡す。
なんだよこれと言いながらめくったページを見下ろす目玉が文字をなぞるように動いてる。

あんたが思ったことをちゃんと知りたいっていう傲慢な理由は一生言わない。


2024/01/30 あなたに届けたい

1/30/2024, 11:08:32 PM

「こんなのきっと向いてない」と思うのに、気になってしまうことがあればチャレンジしてみて欲しい。

始めてみたら、周りには、それに向いてるだろう人たちだらけかもしれない。

でも、そんな人たちと違う自分がいたなら、その人たちにはできない違う視点と違う対応で、その世界に長く続いてきた問題点を解決できる『救世主』になれる可能性が、実はすごく高い。

興味を持った時点で、神様はそのチャンスをあなたに与えた。

異世界の救世主になってみよう。

1/30/2024, 11:03:29 PM

あなたに届けたい

好きの気持ち

キラキラの衣装を着て

眩しいライトに照らされて

マイクを持つあなたに送りたい

すきの二文字

あなたの笑顔が

私を笑顔にさせてくれる

あなたに届くといいな

応援メッセージ





─────『あなたに届けたい』

1/30/2024, 10:57:25 PM

4年間、コロナ禍とか色々あってずっと会ってないけど。

私たちずっと付き合ってるよね。

今度会ったら結婚しようね。

【あなたに届けたい】

1/30/2024, 10:52:32 PM

【あなたに届けたい】

ダーリン 元気にしてる?

ごめんよ オレ、男と結婚したんだ。
相手とは付き合って5年も経つけど
お互いに愛し合ってるから
今、とても幸せなんだ。

だから
邪魔しないでね。

1/30/2024, 10:42:59 PM

い、言っちゃったー!

 彼と離れた後、私は自室のベッドに潜り込むと、真っ赤になった顔を枕に埋め足をばたつかせた。

 いつも一緒に歩く学校からの帰り道。まさか彼が告白してくれるなんて思ってもいなかった。
 だって、最初はあまりにもタイプが違うと思っていたから。きっと好きになったり、好きになってくれることなんてないと思っていた。

「好きだ」

 彼の言葉が頭の中でリフレインする。
 嬉しい。
 でも上手く言葉が出てこなくて、ようやく返した言葉が「月が綺麗ですね」だった。「好き」という直接的な言葉を口に出すの恥ずかしかった。どちらも意味は同じだけど。

 ――待って。
 ばたつかせていた足をぴたりと止めた。
 ――あれ? 彼、「月が綺麗ですね」の意味知ってるかなあ!?
 最近一緒に勉強するようになって彼も成績は上がってきたけど、でも、この言葉にこめられた意味なんて知らない可能性は大いにある。
 もしかしたら突然関係ないことを話し始めるやばい人って思われたかも! しかも今日は曇ってて月も出てないし。

 一抹の不安を抱え、その日は眠りについた。

 そして翌日。
 登校直後、下駄箱で彼にばったりと出くわした。

「あ、お、おはよ……」

 そう挨拶をしようとしたが、彼は顔を逸らすと逃げるようにすぐさまどこかへ言ってしまった。
 ――やっぱり伝わってない!? やばい人だって思われてる!?

 逃げられたことによるあまりのショックに、私はふらつきながらもなんとか教室に辿り着いた。
 しかし、同じクラスのはずの彼は教室にいなかった。
 そしてそのまま朝のHRの時間になっても、彼は戻ってくることはなかった。

 どこ行っちゃったんだろう……。やっぱり、私のせいなのかな?
 居ても立ってもいられなくて、HRが終わると同時に、私は教室を飛び出した。
 一つだけ心当たりがあった。
 私達が初めて出会ったのは、学校の屋上だった。
 ある日の昼休み。サボっていた彼は屋上で寝ていて、私はその日友達と喧嘩してしまって、一人でお昼ご飯を食べる場所を探していた。
 気が向いた時くらいしか学校に来ないような不良だったし怖い人だと思っていたのに、話してみれば面白くて。気付けば、友達と仲直りした後でも、時々屋上で一緒にお昼を過ごすようになっていた。
 そのうち彼はちゃんと学校に来るようになって、私はそんな彼に勉強を教えてあげたりして、教室でも一緒にいるようになった。
 そんな毎日が楽しかった。
 彼が好き。
 この気持ちを、あなたに届けたい。

 屋上のドアを開けると、彼があの日のようにそこで寝ていた。
 そっと彼の横に座り、顔を覗き込む。
 彼がゆっくりと目を開けた。

「わっ!?」

 驚いた彼は慌ててその場から離れようとした。
 そんな彼に向かって尋ねる。

「夏目漱石って知ってる?」

「え?」

 彼は鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしながらこちらを振り向いた。

「えっと、昔の千円札の人?」

 あ、それは知ってるんだ。私達が産まれた頃くらいまでしか発行してなかったみたいだけど。

「小説家の、本を書いてた人なんだけど……」

「わかった。銀河鉄道の夜だ」

「それは宮沢賢治」

 彼が私の横に座り直した。

「そろそろ授業始まる時間だけど、ここにいていいのか?」

「そっちこそ」

「俺はいいんだよ。よくあることだし」

「よくないよ。一緒に戻らないと。でも、それよりも、どうしても伝えないといけないことがあって」

 昨日の言葉の意味を、ちゃんとこの気持ちを伝えないと。

「あのね、夏目漱石には逸話があって……」

「イツワ?」

「夏目漱石が昔、英語教師をしてた時にね、翻訳した言葉があって……その……あいら……っ!」

 そこまで言って急に恥ずかしくなり、真っ赤になって逃げ出した。
 ――だって、これって完全に告白じゃん。いや、元々そのつもりだったんだけど! それは、そうなんだけど!

「私死んでもいいわー!」

「死ぬな!?」

 きっと余計に訳がわからないだろうな。
「月が綺麗ですね」も「私死んでもいいわ」も、全部全部……!

 屋上を飛び出したところで、すぐさま彼に背中から抱き締められるように捕まった。

「今、スマホで『夏目漱石』『いつわ』って調べたんだけど……」

「調べるの早いね……」

「……『月が綺麗ですね』って、あ、『I love you』の訳だって、本当?」

「え、えっとね、本当はそんなこと言ってないって説もあるんだけど……!」

 振り返るとそこには、真っ赤になりながらも真剣な顔をした彼がいた。
 それを見て、私も真っ赤な顔のまま、観念して頷いた。


『あなたに届けたい』

1/30/2024, 10:31:46 PM

すとぷりに届けー!!!
大好き愛してます!!!!!!!これからも応援してます!好きでいます!だから活動をやめないでください!

1/30/2024, 10:23:54 PM

あなたに届けたい

あなたに渡したいものがある。
でも、あなたは海外に行ってしまった。
いつ帰ってくるかわからない。
また帰ってくるまで待ってるよ!!

1/30/2024, 10:22:16 PM

あなたに届けたい

 警備室でカメラの映像をチェックした。広い邸をふたりの子供が走り回っている。

 探していた瞬間が訪れた。あとを走っていた子供が花瓶台にぶつかった。ピンクの花をいけたガラスの花瓶が、落ちて砕けた。子供達は、少し呆然と眺めたあと、走り去っていった。

 邸の主に映像を見せた。カメラを確認してくださいと言われたことから、子供達は話していないのだろうとわかった。

 やれやれ、眉をひそめて主はいった。高そうな花瓶だった。

 保険が効くかもしれませんよ、と言ってみた。が、主の懸念は別のものだった。

 可愛い我が子を叱らねばならない。お金の問題ではない。もっと大事ものを伝えなければならない。そういうことなのだろう。

 お子さん、いましたよね。こういう時、どうすればいいんでしょう。主が私に訊いてきた。雇い主に対して気が引けたが、彼は率直な答えが聞きたいだろうと感じた。

 怒鳴らないほうがいい、といった。それから、できるだけ悲しい顔をして話してください、と。あの子達は、素直ないい子です。あなたの悲しい顔を見れば、きっとあなたの思いは伝わりますよ、と。

1/30/2024, 10:05:28 PM

『あなたに届けたい忘れ物』

最近バスケ部から帰宅部に部活をかえた俺の友達は家に帰ってから勉強した後スマホをいじり寝落ちするというのを日課にしているらしい。彼いわく
「スマホはご褒美だよ、スマホをいじるために勉強するんだ」
ということだった。勉強がスマホをいじるためにやるものになっているのは大丈夫なのだろうかという心配はあったが、決めたことになにか言うことはない。
ある日の部活終わり、友達が家に帰ってから二時間後、俺が教室に戻るとその友達の机の上になにかが置いてあるのが目に入った。なんだろうかとよくよく見るとそれはその友達が愛用しているスマホだった。俺は咄嗟にこれはやばいのではないかと思い立った。スマホをいじるために勉強しているという友達がスマホがない状態で勉強を終わらせたらどうなるのか結果は目に見えている。そう、スマホをいじろうにもいじれず禁断症状が出てしまい、不健康な生活を送ってしまうことになるのだ。
俺はそれを阻止しようと思い立った。
この忘れ物のスマホをあなたに届けたいと。
そう思い立った俺はその友達の家へ向かって走り始めた。いつも二時間くらい勉強しているはずのその友達はもうそろそろスマホをいじろうとするはずだ。その友達の家は俺の家とは反対側にあるがそんなことは気にしてられない。俺はとにかく急いだ。どのくらい走っただろうか、たぶん二十分くらい走っただろう。友達の家がだんだんと近づいてきた。そして遂にその友達の家の目の前に着いた。俺は意を決してチャイムを押す。ピンポーンと音が聞こえ、ドアが開いた。
ドアが開くとそこに立っていたのは、なんだかやつれて目が血走ってる様子の友達だった。まさか禁断症状かと思った俺は間に合わなかったかという思いと同時に、早く止めないとと考え、
「あのさ…
と話し始めようとした。すると
「俺のスマホ知らないか?!」
と話を遮り興奮した様子でその友達が話してきた。
「勉強終わってスマホいじろうとしたらどこにもなくて、探してて…」
と焦りが見えるほどの喋り方で捲し立ててくる。俺はその友達に対して落ち着かせようと持ってきたスマホを取り出し見せる。すると
「あっ俺のスマホだ。まさか教室とかにあったの?ありがとめっちゃ助かったわ」
と急に落ち着きを取り戻し、スマホを大事そうに握りながら家の中に戻っていった。きっと彼はこのあとスマホを寝るまでいじるのだろう。
バタンと閉まったドアを見守りながら俺は
「あなたにしかと届けたぜその忘れ物」
とかっこよく呟く。
俺の心にはやり切ったぜという達成感が広がった。
しかしそれと同時に友達に対してこんな事も届けたいとそう思った。
「禁断症状が出るってことはもしかして、スマホ依存症だったのか」
という言葉を。

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