ゆんたろす

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私は兄たちが大好きである。
物心ついた時の記憶でさえ
兄たちがどこかへ行く時
「にぃ、にに、いっしょ、いくぅ」
なんて兄たちに遊んでほしさにずっとついてまわってた程である。
兄たちは決して優しい訳ではなく、きっとからかい対象として扱われたのかもしれない。

「お前はお留守ばーん♡」
「いい子にしてろよ。兄ちゃん、早く行こーぜ」


兄たちは夜中まで遊んでてもお父さんもお母さんも何も言わなかった。
私も一緒に行く!なんて言ったら両親に血相を変えて怒られたっけ。そして気づけば両親は別々に暮らすことになり、私は母と、兄2人は父と暮らすことになった。
そして、灰谷と言う苗字から、在り来りな苗字へと変更を遂げたのである。

中学に上がる前に一度、兄達をテレビで観てから大好きな兄達への想いがどん底に落ちた。
暴力沙汰で逮捕…少年院…?

『ママ、にぃとににが…』

パートに行く前の母親に声を掛けるとテレビを消される。

「…いい?もうお兄ちゃん達と関わらないことよ。」

そう言って家を出る母を見送ったあと、父に電話をかけた。

『パパ…あのね、テレビで…』

“…いいかい?パパとママはお前のことが大好きだ。だから、お前を危険な目に合わせたくなくて今離れ離れなんだよ。また会えるようになるから、今はもう少しだけ我慢してくれ…な?”

父は明るく装い、私に話す。
兄達のことを話す隙を与えてくれなかった。

自分から調べると、嫌な記事しか出てこなかった。
私の大好きだった兄達は、とんでもない不良になっていたのだ。

都内で灰谷兄弟の名前を知らない人間はおらず、私に被害が及ぶのを避けた両親は離婚し、私は苗字が変わった。
私の為にそこまでしてくれた両親に申し訳なさを感じるがそれ以上に両親泣かせな兄達を許せなくなった。
私はちゃんとまともになろう。喧嘩もせず、きちんと家に帰ろう。
中学に上がる年に、私は母と都心から県外の祖母の家の近くに移り住み、灰谷兄弟?なにそれ?
くらいの認知の学校で過ごした。
中高私立を通わせてくれて、何不自由なく過ごせてたはずだったが
大学受験、私立の東京の郊外の場所の推薦を貰った時、母の顔色は少し曇ったのを覚えてる。
大学の費用が家が建つ程の額なのだ。
今まで私立の中学、高校でお金が掛かったが大学はそれよりも多く費用が掛かる。
今まで祖父母からの支援も受けていたことを知っていたので、
公立の大学を受けるよ。落ちたら浪人はせず大学は行かない、推薦は蹴ると伝えると母は怒った。
父も反対した。なんとか工面するから待ってろと。

そんなある日だ。昔の灰谷の苗字と私の名前が書かれた小さな段ボールが届いた。

差出人の名前は

灰谷蘭
灰谷竜胆

私の事は周りには認知されていないはず。
母も父も徹底していたので、兄達からだと分かった。

住所は知られていないはず。なぜ分かったのか。
そんなことはどうでもいい。
今更、なんなんだ。
開けるのに戸惑った。
両親にも伝えるのを迷い、自分の部屋に保管していたが、
数日経ってようやく開ける決心をし、
念の為、家の近くの公園で開けることにした。

箱を開けると、分厚い封筒と手紙。

手紙の内容を見て、私は涙を流した。




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あなたに届けたい


ran rindの妹のお話

卍展行ってハマりました
何と書いてあったか、解釈は読者様にお任せします。



以下どうでもインフォメーション

妹ちゃんは蝶よ花よと両親に育てられ
人を疑うことを知りません
そんな妹ちゃんは陰でお兄ちゃんに見守られていますが
大学進学後、マッチングアプリにてホストに引っかかり…的なお話が書けたらいいなと思っております。

Xでも更新してるので
見つかったらよろしくお願いします。

1/31/2024, 12:18:38 AM