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「本読めば」
「なんで」
「時々ゴイリョク不足感じて聞いてるこっちがかわいそうな気持ちになる」
「『やば』が口癖のお前に言われたくねー」
「いいから、読め」
「何読むんだよ」
「…とりま国語の教科書とか?」
「えらそーなこと言うヤツの推薦図書がしょぼい」
「じゃー今読んでんの貸したげる」

まぁ読みなって、と通学用のデイバッグからたまたま突っ込んだまま読みきれてない薄い文庫本を手渡す。
なんだよこれと言いながらめくったページを見下ろす目玉が文字をなぞるように動いてる。

あんたが思ったことをちゃんと知りたいっていう傲慢な理由は一生言わない。


2024/01/30 あなたに届けたい

1/30/2024, 11:32:53 PM