『「ごめんね」』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「ごめんね」
後になって気がつく
ごめんねさえ言えない事
ごめん、ごめんなさい。
君の目を見てハッキリ言いたかった。
でも自分は罪悪感から、その場から逃げるようにして、必死で走った。
私はやらかしてしまったのだ。
美術の時間、あの子が筆で絵を描いている時に、私は誤ってバケツの水を倒してしまった。
そのせいであの絵はぐちゃぐちゃになって、台無しになってしまった。
最悪だ、私。
どこかですれ違ったら、必ず謝ろうと心に決めていたのに。
そんな私は不安に押しつぶされて、何も言えなかった。
だけど。
「アタシ、あの絵のこと別に怒ってないから。むしろ、感謝してる。意外といい感じに仕上がったから」
後ろで大きな声が聞こえてくる。
私はその言葉を聞いて、なんとも言えない気持ちになった。
〜「ごめんね」〜
「ごめんね、泣いちゃって」
別れ話の途中、彼はそう言って笑った。
必死で気づかないフリをしていた私にとって、その言葉は鉛のように重く、心底どうでもよかった。
「もう会えないの?」
震える声で彼は言った。マンホールの蓋を開けてしまったかのような感情に私は困惑する。
どれだけ多く言葉を交わしても、どれだけ長く電話を繋いでも、通じないものはある。
「彼に会いにいく電車に乗る度、私はいつも心臓を突き刺されたかのような痛みを憶える」
彼に会ったら、どんな言葉をかけよう。
どうやって笑おう。
そこには、焦りと恐怖しかなかった。
「手を繋いだ。人生で初めて。」
右手に緊張が走る。手も心臓も、握りつぶされるような感覚を覚えた。
手を握りあっているのに、仕合わせではなかった。
私たちはもう、終わったのだ。
日が暮れ、冷たい風が胸を撫でる。
その日私は、3ヶ月ぶりにゆっくりと眠ることが出来た。
「ごめんね」
ぽつりと呟いたその言葉は、思っていたよりも頼りない響きで部屋を満たした。
わたしのその言葉を聞いて顔を上げた彼は、一瞬眉をひそめて、何かを耐えるように、やり過ごすように下唇を噛んだ。
「私が、何に怒っているのかわからないのに、そう謝るの?」
いつもとは違う、硬い声に思わず体を強ばらせた。
わからない。何が彼の気に障ったのか。けれど、確かに彼はわたしに怒っていた。だから口から謝罪が転げ出た。
「……わからない、のも、ごめん」
「……いいよ、もう。」
諦めたように彼はそう呟いて、肩を落とした。
ごめんねだけは死んでも言わない。プライドが許さない。
まあ、頭も冷えてきたし、このゲーム一人でやるには飽きてきたところだから、仕方なく誘ってやろう。
マリオやらへん?の言葉を脳内でシミュレーションしてるうちに、アイス食べん?と聞こえたので、私と妹の冷戦は終わった。
生きててごめんね
死ねなくてごめんね
役に立てなくてごめんね
辛いっていってごめんね
笑わせれなくてごめんね
貴方の方が辛いのにごめんね
料理ができなくてごめんね
掃除もろくにできなくてごめんね
キモくてごめんね
愛想なくてごめんね
優しくなくてごめんね
強くなくてごめんね
守れなくてごめんね
愛せなくてごめんね
辛かったよねごめんね
ごめんね
貴方にもごめんね
僕にもごめんね
世界にもごめんね
天使にも悪魔にもごめんね
皆にもごめんね
本当にごめんね
それだけしか言えないや
僕の言葉は“ごめんね”だらけさ
「ごめんね」
信じてあげられなくて
どうしようもなくて、ずっと悲しい。
もう消えたいくらい苦しくて辛い。
理由がわからないから余計に、
抱きしめてあげたくてもできない。
わたしがわたしから離れたら
誰も居なくなっちゃうから、
頑張るから待っててね
でも…
ねえ、信じてあげられなくて
ごめんね、
だけど
お願いだから消えちゃだめだよ。
「ごめんね」
なにがでしょう
なににでしょう
あやまって許されるとしたら
それは相手の度量であって
それそのものがゆるされた訳じゃない
機会が与えられて
ひとまず許容されただけ
次がどこまでか判らないから
容赦なくなられる前に気をつけようね
繰り返してたら必ずその時は訪れる
ある日突然に思うだろうけど
ずっと前からだから
いっとき表面化したに過ぎない
ごめんね自分、自由を閉じ込めて
でも、でもね、ちょっぴり素直になれたよ
ごめん
ごめんね
昨日の
明日の
未来も
今も
ごめん
明日から頑張る
「ごめんね」
私はそっと呟いた。
私に怒り疲れた母は、今は寝ている。
冷蔵庫の中の数量限定プリンを食べたのは、本当は妹だ。
でも私が食べたと母は勘違いをして烈火の如く怒り狂った。
因みに妹は母のあまりの剣幕に自分の犯行を言い出すことができず、後日罪を被った私にちょっといいランチを奢るともう話はついている。
限定プリンを食べそこねた母。
姉妹の協定を知らずにいる母。
私は、理不尽に怒られた手前釈然としないものを感じつつも、そんな母を少し哀れに思っていた。
ランチの帰り、ちょっといいとこのお菓子を買って帰ろうと思っている。
ごめんね
タイムマシンがあの日の貴女にあやまりたい…本当は、ずっと一緒にいたかった…素直に応えられずにいただけ…
最後に見たのは、「ごめんね」と動く唇と
初めてみた貴女の泣き顔だった。
"今日未明、■■区で女性の遺体が発見されました。
遺体があったのは、〇〇通りの裏手にある細い路地で、今朝事件近くの交番に女性が出頭。警察の調べによりますと
出頭した女性は「ビルの屋上から友人を突き落とした」と証言しており、遺体の状況を見ても証言と一致していることから
殺人の容疑で調べを進めています"
私と彼女は恋仲だった。
セクシュアルマイノリティが珍しくはない時代に
彼女の両親は酷く前時代的な人たちで
私達の関係を喜ばしく思ってはくれなかった。
「うちの娘をよくも唆してくれたな」と玄関で水を浴びせられたこともあったっけ。
それでも、彼女は私を好いてくれていた。
私もそれ以上に彼女を愛していた。
ただ、元々家族仲が良かった彼女との交際を表向きに続けるのは難しく、自然と親の目を盗みながら密会を重ねるようになった。
私の家庭は、父親と二人暮らし。
父は私のセクシャルを理解していてくれたし
彼女の事も「まるで娘ができたみたいだ」と喜んでくれていた。
「実の子供もちゃんと娘だけど?」と皮肉ると
「こんな男勝りになるとは思ってなかったさ」と笑ったりもした。
全て過去の事だ。
2年前、友人と旅行に行くと言った父は
高速バスの事故に巻き込まれ還らぬ人となってしまった。
不幸とは重なるもので、彼女の両親に私達にまだ関係があったことがバレてしまったのだ。
彼女は必死に説得をした。
だが、その説得にも耳を貸してはくれなかったと、泣きながら私の部屋へやってきた。
「お見合いをしろっていうの…。ちゃんとした人を探すから、その人と結婚しろって。わたしの事を何も知らないのはあの人達よ…」
彼女の人生を思うなら、別れるのが先決だ。
何も言わないでただ抱きしめていると、考えを察した彼女が
「別れるなんて言わないよね…」
と言葉を漏らした。
心の芯が、今にも折れそうな彼女に
私は「愛している」とキスを送った。
「父さんが、お金を残してくれてたんだ。私が結婚するときに必要になるからって、ずっと貯めておいてくれたの、遺産も。私の貯金も少ないけどあるし、贅沢はできないけど、しばらく暮らせるだけのお金はあるはず。それ使って遠いところに行こう。」
本音だった。
このままこの場所にいれば、いずれ彼女は壊れてしまう。
私はそれを見ていられない。
もしかしたら、二人の関係はずっとじゃないかもしれない。
いつか別れるかもしれない。
でも、それを言うなら彼女と両親の関係もそうだ。
今は、受け入れられないかもしれない。でも、いつかの未来でまた彼女の家族が笑い会える日が来るかもしれない。
その時まで、側で彼女を支えられるのは私しか居ないと
本気でそう思っていた。
涙で濡れた瞳が朝焼けにきらきら光る。
本当に泣き顔ですらこんなに愛おしい。
「いつにする?」
「いつでもいいよ。明日でもいいし、仕事の事もあるからもう少し先でも…」
「じゃあ来月!それまでに行き先を決めなきゃね!」
泣き腫らした顔で笑う彼女にまたキスをする。
金曜日の仕事終わりに会う約束をして彼女は帰って行った。
スマホに彼女からの着信があったのは、約束の金曜日を待たず、あの日から2日目の夜だった。
今から出てこられない?会いたい。と、嫌に落ち着いた声だった。
位置情報を送ってもらい、すぐさま家を出た。
位置情報が指すのは普段は行かない裏通りのビル。
嫌な予感しかしない。
焦りと、ざわつく心。頭の後ろが妙にひんやりとする。
タクシーを降り、ビルの下へ向かうとスマホが鳴る。
「非常階段から上に来れるよ、月がすごくきれいなの。」
非常階段を駆け上がる。通話を切っては居ない。
「一緒に行くところね、色々考えたの。定番だとアメリカかな?とか、ヨーロッパはちょっと贅沢だと思うから、これは後回しにして、アジア圏なら物価も安いし食べ物美味しいからまずはそこでお金を貯めてさ、ゆくゆくはヨーロッパ目指したり…」
「さくら!!!!」
通話口の声と自分の声が重なって聞こえた。
「皐月ちゃん…」
携帯を放り投げ、愛する彼女を抱き締める。
早見さくら、26歳。
ダークブラウンに染めた髪に弛くパーマをかけている。
白い肌には、青痣が見え、二重の目が不自然に腫れている。
いつもリップを塗って艶々していた唇は、端が切れ赤い血が滲んだ。
「さくら、さくら…っ」
「皐月ちゃん、わたし、もうむりだよ…」
弱々しく服を握る手が震えている。
「もう、遠くにいきたい…、一緒にきてくれる…?」
強く抱きしめて、当たり前だ、と答えた。
フェンスの向こう側に、愛する人とふたりで手を繋いで並んでいる。
なんだかすごくロマンチック、誰かに写真でも撮って欲しいくらい。
横に立つのは、立花皐月ちゃん、26歳。
耳の下で切りそろえた髪は夜の海みたいにつやつやしてる。
ベッドの上で、この髪がわたしの頬を擽るのが好きだった。
お父さん似の奥二重の目が、眠くなると二重になるのが可愛くて、内緒でたくさん写真を撮ったの。
わたしの夢は、ふたりでヴァージンロードを歩く事。
ああでも、そんなこと叶わないなと思って溜息をついた。
「怖い?」
皐月ちゃんが聞いてくれる。
怖くないよ、それよりも「巻き込んで、ごめんね。」
空中に一歩踏み出す。
踏みしめるところのない足が、重力に連れられて身体ごと下へ落ちる。
左手から暖かさがふっと消えた。
最後に見たのは、ごめんねと動く唇と
大好きな貴女の初めて見る泣き顔。
違うよ。私が離したの。
一緒に来てくれると信じていた。でも、心のどこかで貴女には生きていて欲しいと願ってしまった。
わたしの死と共に生きて欲しいと、きっと忘れるなんて出来ないでしょう?まるで呪いね。
最後まで、わがままでごめなさい。
さようなら、愛しい人。
「すみません」
「おはようございます。どうかされましたか?」
「恋人を、ビルから突き落としました。」
「…はい?」
「この裏の通り、東に少し行ったところに、恋人の死体があります。確認おねがいします。私を、逮捕してください。」
「…奥でお話を聞きます。お前は言われた場所へ、必要なら応援も」
あのときに頭を過ぎったのは、残されていく彼女の両親のこと。
彼女と一緒に死んだとして、彼女の両親は?
娘を突然失った哀しみを、苦しさを、どこにやればいいの?
罵倒する相手が居るならまだ救われる。その相手すらも居なければ?
SNSのやり取りから、マスコミは勝手な憶測で面白可笑しく事件を取り上げるだろう。
そんな事、彼女は望んでいない。私も。
そんな私の思考を読み取ったかのように、私の右手から彼女は離れた。
咄嗟に後ろのフェンスを掴む。
「ごめんね」と呟く私に、さよならと大好きな笑顔で答えてくれた。
あの日から、私の世界は一変した。
彼女の両親からは酷く罵倒され、世間からも人殺しのレッテルを貼られた。
苦しくないといえば嘘になる。
愛する人を失った世界で生きていくことが、苦しくない訳がない。けれど、あの日私の手を離した彼女が死を以って与えてくれた苦しみならば、この苦しさすら愛おしい。
狂っていてもいい、歪んでいてもいい。
ふわりと優しいあの髪で、首を絞められているような甘い苦しみが今日も私を生かしてくれる。
ごめんね、おはよう、愛しい人。
ごめんね、おにいさん。少し時間をもらえるかな。
わたしのこと、知らないか?
...ぁ、いや。突然話しかけて、すまなかった。
どうやら人違いだったみたいだ。
ほら、おにいさんの頭のてっぺん、くるりとはねた髪の毛が、どうも知り合いと似ていたもので。
ふふ、それだけで判断しないほうがいい、って?
全くその通りだね。
次はそれ以外のところにも、ちゃんと気を配るよ。
...わたしのことは知らないけれど、雰囲気がよく似た子を知っている?
そうなんだ。
へえ。妹を守る、優しい子だったんだ。
すごいね、わたしはそういうの、うまくできないんだ。
...まあたしかに、わたしはおとなしいほうでは無いね。そうでなければ、見ず知らずの大人に話しかけたりなんてできないよ。まだ中学生なんだよ? これでも。
うん?
...ああ、まあ、そうだね。知り合い、というほどの人では無かったかも。
あんまり、喋ったことも無い人で。
うん、おにいさんみたいな体つきで、くるりとはねた髪の毛が見えたんだ。
...どうしたの、おにいさん。
わたしはあなたがしっている、その子ではないよ。
そうだろう?
どうしたの、おにいさん。
汗をかいているの? 冬なのに。
寒いよね。いつもはお姉ちゃんと家でゆっくりするんだけれど、今はそういう感じじゃなくて。
つい、家を出てきてしまって。
でも、そのおかげでおにいさんに会えた。
ねえ、おにいさん。
わたしのこと、本当にしらない?
わたしのことはしらなくても、わたしとよく似た女の子のこと、おにいさんは知っているよね。
あのとき、家から慌てて出ていくおにいさんの、てっぺんでくるんと丸まった髪の毛。
床に転がっていたわたしは、遠くなっていくそれを見上げることしかできなくて。
お姉ちゃんを、守れなかった。
だから今日、おにいさんに会えて良かったよ。
あの日から毎日毎朝、家を出る前にちゃんと準備をしていたんだ。
でも、今日でお終いにできる。
ごめんね、おにいさん。
「ごめんね。」
思わず、泣きながら君に言ってしまった。
ただただショックだったのに、君の顔を見た途端に涙が溢れ出して。
私たちの夏は終わってしまった。私のせいだ。
なんとなく君に付いていったあの日、私の人生は大きく変わった。人生に宝物の様な3年間が加わった。
全ての始まりは君だった。
それなのに最後の夏、私はレギュラーで君はベンチだった。
君を県大会に連れて行きたかった。これは私のエゴだ。
それなのに君は、私をそっと抱きしめて言った。
「よく頑張ったね。」
君も、泣いていた。
「ごめんね」
「ごめんね」
それが私の口癖であり、一番嫌いな言葉でもあった。
人が少しでも怒っていそうな素振りを見せたら悪いことなんてしてないのに「ごめんね」。
人に優しくしてもらっても、「ごめんね、ありがとう」。
一人になった時でも、「ごめん…ごめんね」と独り言。
結局自分がなにをしたいのかなんて分かりもしない。
分かりたくもない。
ただ、こんな自分が醜いってことだけは、明確に分かってしまう。
だから…「ごめんね」。
大好きだった君へ...
私が夕陽を見てたら隣で眩しく笑うから
私もつられて笑ったのを今でも鮮明に覚えてる。
だから……私は君に伝えたことを後悔していない。
❀✿❀
私が初めて恋をした相手は同性だった。
私は最初、自分を責めた。
だって、同性なんておかしいでしょ?
でも…でも………。
彼女を見る度にどんどん惹かれていった。
とても苦しかった。
相手は私のことを大事な友達だと思っていることが
とても嬉しくて……
それと同時にとても苦しかった。
自分の全ての言動におかしくないか確かめながら
一言一言を口に出す。
きっとたどたどしい言葉とわかっていながらも。
口を紡んでしまうのはもっとおかしいから。
君にはこの気持ちなんて分からないでしょ?
そんな顔で笑わないでよ…
そんな優しい言葉をかけないで…
私はあなたの好きとは違う。
でも…もう気づいた前には戻れなくて……
❀✿❀
もう、ここまで来てしまった……
君が私の前に立っている。
鼓動は早くなって
言葉が喉につまって出てこない
でも、それでも……
伝えたかった。
この『苦しい』から
解放されたかった
だから、君に最初で最後の言葉を言うよ。
『好きです』
あぁ。
やっと言えた。
君は泣いていた。
涙でぐしゃぐしゃになった顔すら愛おしくて
やっぱり私は思った。
君を好きになった私は間違いなんかじゃない。
ただ君自身を好きになれた自分が今では誇らしく思える。
最後に君へもう1つ。
友達でいられなくて
『ごめんね。』
両親へ
いつも素直じゃなくて、ひねくれちまってごめん
兄妹へ
君らが怒鳴られる、キッカケになっててごめん
友人へ
私はいつでも 疑っちゃってるんだ、ごめんよ
幼馴染みへ
キミのこと 好きなのに なかなか言えないや、ごめん
今日読んでくれた人へ
たいしたこと書けなくて ごめんなさい
ただ心から これだけは思う
みんな、いつもありがとう。
_ ₆₃
ごめんね って言いたい人何人もいるけど私は悪いことしていない。ただその時の自分に素直に言うこと聞いただけ。でもその時の自分と後からの自分が変わったからやっぱりごめんねって言いたいけど言えないんだ。みんな過去になってしまったから。
「ごめんね」はずるい言葉だ。
言われた方は切なくなって、相手をそれ以上責められない。
詫びられたらそれを受け入れ、傷を持ち続けなければならない。
ごめんねなんて言わないで。
もっと言い訳してもがいてほしかった。
私の前から立ち去る前に。
「ごめんね」