ごめん、ごめんなさい。
君の目を見てハッキリ言いたかった。
でも自分は罪悪感から、その場から逃げるようにして、必死で走った。
私はやらかしてしまったのだ。
美術の時間、あの子が筆で絵を描いている時に、私は誤ってバケツの水を倒してしまった。
そのせいであの絵はぐちゃぐちゃになって、台無しになってしまった。
最悪だ、私。
どこかですれ違ったら、必ず謝ろうと心に決めていたのに。
そんな私は不安に押しつぶされて、何も言えなかった。
だけど。
「アタシ、あの絵のこと別に怒ってないから。むしろ、感謝してる。意外といい感じに仕上がったから」
後ろで大きな声が聞こえてくる。
私はその言葉を聞いて、なんとも言えない気持ちになった。
〜「ごめんね」〜
5/29/2023, 3:52:53 PM